2016/09/26(月) - 09:01
多くの戦績を残してきたイタリアの名門ブランド、ウィリエールを中心にユニパーやモトレックスといったさまざまなブランドを取り扱う服部産業。東京都千代田区にある日本科学技術館にて行われた展示会の様子をレポートします。
1906年、イタリア・ベネチア郊外で創業したウィリエール。100年以上の歴史を持つ老舗中の老舗である。その歴史の中で、多くの輝かしい栄光をつかみ取ってきたレーシングブランドでもある。古い自転車ファンにとっては、マルコ・パンターニがラルプ・デュエズの最短登坂記録を達成した時に駆っていたアルミバイクを思い出す方もいるかもしれない。
その後はランプレに供給し、アレッサンドロ・ペタッキやミケーレ・スカルポーニ、ダミアーノ・クネゴといった名選手たちとともに、レースの最前線を駆け抜けてきた。現在でもウィリエール・サウスイーストとしてレースをサポートし続けている。
そんな歴史と情熱あるイタリアンブランドを日本に紹介してきたのが大阪に拠点を置く服部産業。その展示会が東京の北の丸公園科学技術館にて行われた。
まず出迎えてくれたのは、ウィリエール渾身の新作エアロロード、Cento10AIR(チェントディエチエアー)。創業110周年を迎えたウィリエールが新たに送り出したフラッグシップエアロロードである。今年のジロ・デ・イタリアで初めてお披露目されたニューバイクだ。
詳しいテクノロジーなどの説明は、こちらのレビュー記事に譲るが、直線的なデザインはこれまでのウィリエールバイクとは少し趣を異にしている印象だ。専用設計のステム一体型ハンドル「ALABARDA(アラバルダ)」によって、シフトワイヤーのフル内装を実現。現代のエアロロードらしいクリーンなインテグレーテッドデザインに仕上がっていた。
ケーブルフル内装のエアロロード、しかも専用のハンドルとなるとメンテナンスや組み付けも一大事である。経験豊富なショップスタッフであっても、それは変わりない。しかし、服部産業の展示会ではそういったネガティブな要素を排除する工夫がされていた。
ポジションを調整するために使うコラムスペーサーの種類についてや、ALABARDA以外のハンドルへの対応方法、内蔵ケーブルのフレームやステアリングコラムへの擦れについての対策など、ショップ目線で生ずるであろう疑問に対して、あらかじめQ&Aのシートが作られ、実際にそれらの対策を施した見本車を用意するという徹底ぶり。
また、実際の組み付けの様子を動画に撮影し、その様子を上映するなど、分かりやすさに主眼を置いた展示がされていた。ここまでショップ、メカニック目線に寄り添った展示をする代理店は珍しいのではないだろうか。こんなとこからも取り扱い製品に対する愛と情熱が窺い知ることができる。
さて、Cento10AIRの他にも目玉商品は盛りだくさんだ。中でも注目を集めていたのは日本オリジナルモデルだというCento1AIR46(チェントウノエアー46)。人気モデルであったCento1AIRに使用する素材を46トンカーボンへと変更することで大幅なコストダウンに成功したモデル。
なんと、105とシマノWH-RS330を装備した完成車が32万円(税抜)という価格でありながら、その身に纏う風格はハイエンドモデルのそれと見分けがつかない、破格のコストパフォーマンスを持つ一台。人気に火が付きそうなだけに、気になる人は近くの取り扱い店へと急いだ方が良いだろう。
他にも、最軽量モデルとなるZero6(ゼロセーイ)や、モデルチェンジしたアルミモデルMontegrapa Team(モンテグラッパチーム)など、様々な注目モデルが並んでいた。
また、ウィリエールに並んで大きなスペースが取られていたのがユニパーというパーツブランド。軽量ホイールやハブ、ボトムブラケットなどを取り扱う台湾のブランドだ。2010年創業と新しいブランドであり、あまり耳慣れないブランドかもしれないが、しっかりとした品質の軽量パーツを造っている。
得意とするのはCNCマシーンを駆使した切削パーツ。それもそのはず、ブランドを設立したドイツのインダストリアルデザイナー、アンドレアス・マーカキス氏が前の職場であるAXライトネスから独立した理由が、「自分のCNCマシーンを持ちたい」というものだったからだとか。
そんなユニパーと服部産業はコラボし、様々なパーツを造っているとのこと。マニア目線で、欲しいなと思わせてくれる、かゆい所に手が届くパーツもいくつか展示されていた。たとえば、通常ではトルクスを採用している3Tのステムだが、重量はそのままに持ち運ぶ工具を減らすことができるようにするためのヘックスチタンボルトセット。はたまた、シマノのブレーキキャリパー固定用チタン枕頭ナットなど、軽量マニアによる、軽量マニアのためのパーツがたくさん展示されていた。
ショップ、メカニック、そしてライダーの目線に立った商品展開とサポートが行われている服部産業。他にもプロロゴやモトレックスといった一流ブランドのパーツがずらりと揃えられていた。詳しい商品紹介は、レビュー記事にて展開していく予定なので、お楽しみに。
text&photo:Naoki.YASUOKA
1906年、イタリア・ベネチア郊外で創業したウィリエール。100年以上の歴史を持つ老舗中の老舗である。その歴史の中で、多くの輝かしい栄光をつかみ取ってきたレーシングブランドでもある。古い自転車ファンにとっては、マルコ・パンターニがラルプ・デュエズの最短登坂記録を達成した時に駆っていたアルミバイクを思い出す方もいるかもしれない。
その後はランプレに供給し、アレッサンドロ・ペタッキやミケーレ・スカルポーニ、ダミアーノ・クネゴといった名選手たちとともに、レースの最前線を駆け抜けてきた。現在でもウィリエール・サウスイーストとしてレースをサポートし続けている。
そんな歴史と情熱あるイタリアンブランドを日本に紹介してきたのが大阪に拠点を置く服部産業。その展示会が東京の北の丸公園科学技術館にて行われた。
まず出迎えてくれたのは、ウィリエール渾身の新作エアロロード、Cento10AIR(チェントディエチエアー)。創業110周年を迎えたウィリエールが新たに送り出したフラッグシップエアロロードである。今年のジロ・デ・イタリアで初めてお披露目されたニューバイクだ。
詳しいテクノロジーなどの説明は、こちらのレビュー記事に譲るが、直線的なデザインはこれまでのウィリエールバイクとは少し趣を異にしている印象だ。専用設計のステム一体型ハンドル「ALABARDA(アラバルダ)」によって、シフトワイヤーのフル内装を実現。現代のエアロロードらしいクリーンなインテグレーテッドデザインに仕上がっていた。
ケーブルフル内装のエアロロード、しかも専用のハンドルとなるとメンテナンスや組み付けも一大事である。経験豊富なショップスタッフであっても、それは変わりない。しかし、服部産業の展示会ではそういったネガティブな要素を排除する工夫がされていた。
ポジションを調整するために使うコラムスペーサーの種類についてや、ALABARDA以外のハンドルへの対応方法、内蔵ケーブルのフレームやステアリングコラムへの擦れについての対策など、ショップ目線で生ずるであろう疑問に対して、あらかじめQ&Aのシートが作られ、実際にそれらの対策を施した見本車を用意するという徹底ぶり。
また、実際の組み付けの様子を動画に撮影し、その様子を上映するなど、分かりやすさに主眼を置いた展示がされていた。ここまでショップ、メカニック目線に寄り添った展示をする代理店は珍しいのではないだろうか。こんなとこからも取り扱い製品に対する愛と情熱が窺い知ることができる。
さて、Cento10AIRの他にも目玉商品は盛りだくさんだ。中でも注目を集めていたのは日本オリジナルモデルだというCento1AIR46(チェントウノエアー46)。人気モデルであったCento1AIRに使用する素材を46トンカーボンへと変更することで大幅なコストダウンに成功したモデル。
なんと、105とシマノWH-RS330を装備した完成車が32万円(税抜)という価格でありながら、その身に纏う風格はハイエンドモデルのそれと見分けがつかない、破格のコストパフォーマンスを持つ一台。人気に火が付きそうなだけに、気になる人は近くの取り扱い店へと急いだ方が良いだろう。
他にも、最軽量モデルとなるZero6(ゼロセーイ)や、モデルチェンジしたアルミモデルMontegrapa Team(モンテグラッパチーム)など、様々な注目モデルが並んでいた。
また、ウィリエールに並んで大きなスペースが取られていたのがユニパーというパーツブランド。軽量ホイールやハブ、ボトムブラケットなどを取り扱う台湾のブランドだ。2010年創業と新しいブランドであり、あまり耳慣れないブランドかもしれないが、しっかりとした品質の軽量パーツを造っている。
得意とするのはCNCマシーンを駆使した切削パーツ。それもそのはず、ブランドを設立したドイツのインダストリアルデザイナー、アンドレアス・マーカキス氏が前の職場であるAXライトネスから独立した理由が、「自分のCNCマシーンを持ちたい」というものだったからだとか。
そんなユニパーと服部産業はコラボし、様々なパーツを造っているとのこと。マニア目線で、欲しいなと思わせてくれる、かゆい所に手が届くパーツもいくつか展示されていた。たとえば、通常ではトルクスを採用している3Tのステムだが、重量はそのままに持ち運ぶ工具を減らすことができるようにするためのヘックスチタンボルトセット。はたまた、シマノのブレーキキャリパー固定用チタン枕頭ナットなど、軽量マニアによる、軽量マニアのためのパーツがたくさん展示されていた。
ショップ、メカニック、そしてライダーの目線に立った商品展開とサポートが行われている服部産業。他にもプロロゴやモトレックスといった一流ブランドのパーツがずらりと揃えられていた。詳しい商品紹介は、レビュー記事にて展開していく予定なので、お楽しみに。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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