2016/08/24(水) - 09:18
今年も多くのオフロードライダーたちが集まった、シマノバイカーズフェスティバル。多くの新種目が企画されるなかで、ある種最もチャレンジングな種目が1日目の夜に行われていた。それが富士見パノラマ・夜の森ツアー。その名の通り、夜の森を駆け抜けるナイトツーリングの様子を紹介しよう。
マウンテンバイクの楽しみって、なんだろう?森の中で感じる濃密な空気。荒れた路面をコントロールする感覚。このコーナーの先に何があるのか。知っているコースでも、天候によって変化するコンディションが毎回、未知の道へと誘ってくれる。
先が見えない道のりを走破する高揚感こそ、マウンテンバイクが与えてくれる最も大きな喜びだ。同じような道が続く舗装路よりも、もっと多くの変数がオフロードには用意されている。どんなコースが現れるのか、大きな期待に少しの不安がスパイスになって、冒険心は加速していく。
もっとハードに!もっと速く!そんな風に尽きない飢えを満たすMTBライダーも多いけれど、やっぱりそうなるためにはテクニックも体力も必要となる。でも、それらに自信が無いライダーにだって、冒険心を満たす方法はあるのだ。
その一つがナイトライド。夜のトレイルは陽に照らされた時間帯とは異なる顔を見せてくれる。夜の帳が降りた森の中はシンと静まり、どこか荘厳な雰囲気まで味わえる。明かりに満ちた街中では味わえない深い闇の中、ライトの光のみを頼りにトレイルを辿っていくのはこれ以上ないアドベンチャーライドとなる。
そんな魅力的なナイトトレイルライドが、ついにシマノバイカーズフェスティバルのツーリング種目に加わった。「富士見パノラマ・夜の森ツアー」と名付けられたナイトライドが、大会1日目の夜に行われたのだ。
陽が傾き始めた18時ごろ、表彰ステージではウェルカムパーティーで盛り上がるのを尻目に、ツーリング集合場所に集った参加者たち。バイクとヘルメットの2箇所にライトを装着し、準備は万端だ。およそ30名ほどの参加者が集まり、まずはスタッフからの注意事項をレクチャーしてもらうところから始まった。
この夜の森ツアー、コース自体はそんなにハードではなく、富士見パノラマを発着し、いくつかのダート区間をつなぐ周回コース。距離は11.5km、獲得標高も255mとかなり易しめのルートを辿るもので、視界が狭まるナイトライドでも危険を感じることのないコースとなっている。
薄暮のなか走りだした一行は、直ぐにトレイルへとアプローチ。夕暮れ時のトレイルにテールライトが連なって走っていく姿はまた美しい。武智川沿いのトレイルを走り終えるころ、辺りはすっかりと暗くなり、ライトのモードを一段階引き上げることに。
暗闇の中を連なって走る高輝度LEDの集団は、傍からみると何の心霊現象?と思うような少し異様な(笑)光景。しかし、走っている側からすれば、むしろ昨今の高輝度LEDライトはやはり安心感に繋がるもの。多くの参加者がキャットアイやレザインなどの500ルーメンを超えるような明るいライトを使用していた。
正直、ナイトトレイルライドというものが可能になったのは、ライトの高性能化によるものも大きい。一昔前のライトであれば考えられなかった大光量のライトがコンパクトになり、バイクに装着しやすくなったということが、夜のライドを身近にしてくれたことは間違いないだろう。いくらスリルが欲しいと言っても、一寸先も見えないような暗いライトでは、とてもトレイルを走ることはできないからだ。
さて、そんな科学の進歩の恩恵を受けながら、ずんずんと進んでいく一行。2つ目の集合地点となる神戸八幡を出発すると、もっとも本格的なトレイルとなる入笠湖トレイルへとはいっていく。本格的なシングルトラックを自分の明かりと前を走る人のテールライトを頼りに走っていく。右手にあるはずの入笠湖はあいにく見えないが、それ以上に夜のトレイルのハラハラ感はたまらない。
時折現れる木の根や岩などにハンドルを取られつつ、すこし緊張感のあるライドが楽しめる入笠湖トレイルを走り抜けると補給食が用意されたみさやまの森へ到着。羊羹やケーキなどが用意されており、ここまでで使ったカロリーを消費したら、富士見パノラマまではオンロードのヒルクライム。最後に短めのトレイルをこなしたら、フィニッシュはすぐそこだ。
無事に行程を終えた夜の森ツアー。中には夜のトレイルを走ったことがあるという人もいたが、大半は初体験だったという。少し感想を尋ねてみると「先が見えづらいから少しハラハラしたけれど、それが逆に楽しかった!」「夏でも涼しいし、夜のトレイルも良いですね。」とポジティブなリアクション。まだまだ、一般的な楽しみ方じゃないかもしれないけれど、夜のトレイルの魅力は一度味わってしまうとハマってしまうはず。明るめのライトを持っている方はぜひ一度走ってみてほしい。
text&photo:Naoki,YASUOKA
マウンテンバイクの楽しみって、なんだろう?森の中で感じる濃密な空気。荒れた路面をコントロールする感覚。このコーナーの先に何があるのか。知っているコースでも、天候によって変化するコンディションが毎回、未知の道へと誘ってくれる。
先が見えない道のりを走破する高揚感こそ、マウンテンバイクが与えてくれる最も大きな喜びだ。同じような道が続く舗装路よりも、もっと多くの変数がオフロードには用意されている。どんなコースが現れるのか、大きな期待に少しの不安がスパイスになって、冒険心は加速していく。
もっとハードに!もっと速く!そんな風に尽きない飢えを満たすMTBライダーも多いけれど、やっぱりそうなるためにはテクニックも体力も必要となる。でも、それらに自信が無いライダーにだって、冒険心を満たす方法はあるのだ。
その一つがナイトライド。夜のトレイルは陽に照らされた時間帯とは異なる顔を見せてくれる。夜の帳が降りた森の中はシンと静まり、どこか荘厳な雰囲気まで味わえる。明かりに満ちた街中では味わえない深い闇の中、ライトの光のみを頼りにトレイルを辿っていくのはこれ以上ないアドベンチャーライドとなる。
そんな魅力的なナイトトレイルライドが、ついにシマノバイカーズフェスティバルのツーリング種目に加わった。「富士見パノラマ・夜の森ツアー」と名付けられたナイトライドが、大会1日目の夜に行われたのだ。
陽が傾き始めた18時ごろ、表彰ステージではウェルカムパーティーで盛り上がるのを尻目に、ツーリング集合場所に集った参加者たち。バイクとヘルメットの2箇所にライトを装着し、準備は万端だ。およそ30名ほどの参加者が集まり、まずはスタッフからの注意事項をレクチャーしてもらうところから始まった。
この夜の森ツアー、コース自体はそんなにハードではなく、富士見パノラマを発着し、いくつかのダート区間をつなぐ周回コース。距離は11.5km、獲得標高も255mとかなり易しめのルートを辿るもので、視界が狭まるナイトライドでも危険を感じることのないコースとなっている。
薄暮のなか走りだした一行は、直ぐにトレイルへとアプローチ。夕暮れ時のトレイルにテールライトが連なって走っていく姿はまた美しい。武智川沿いのトレイルを走り終えるころ、辺りはすっかりと暗くなり、ライトのモードを一段階引き上げることに。
暗闇の中を連なって走る高輝度LEDの集団は、傍からみると何の心霊現象?と思うような少し異様な(笑)光景。しかし、走っている側からすれば、むしろ昨今の高輝度LEDライトはやはり安心感に繋がるもの。多くの参加者がキャットアイやレザインなどの500ルーメンを超えるような明るいライトを使用していた。
正直、ナイトトレイルライドというものが可能になったのは、ライトの高性能化によるものも大きい。一昔前のライトであれば考えられなかった大光量のライトがコンパクトになり、バイクに装着しやすくなったということが、夜のライドを身近にしてくれたことは間違いないだろう。いくらスリルが欲しいと言っても、一寸先も見えないような暗いライトでは、とてもトレイルを走ることはできないからだ。
さて、そんな科学の進歩の恩恵を受けながら、ずんずんと進んでいく一行。2つ目の集合地点となる神戸八幡を出発すると、もっとも本格的なトレイルとなる入笠湖トレイルへとはいっていく。本格的なシングルトラックを自分の明かりと前を走る人のテールライトを頼りに走っていく。右手にあるはずの入笠湖はあいにく見えないが、それ以上に夜のトレイルのハラハラ感はたまらない。
時折現れる木の根や岩などにハンドルを取られつつ、すこし緊張感のあるライドが楽しめる入笠湖トレイルを走り抜けると補給食が用意されたみさやまの森へ到着。羊羹やケーキなどが用意されており、ここまでで使ったカロリーを消費したら、富士見パノラマまではオンロードのヒルクライム。最後に短めのトレイルをこなしたら、フィニッシュはすぐそこだ。
無事に行程を終えた夜の森ツアー。中には夜のトレイルを走ったことがあるという人もいたが、大半は初体験だったという。少し感想を尋ねてみると「先が見えづらいから少しハラハラしたけれど、それが逆に楽しかった!」「夏でも涼しいし、夜のトレイルも良いですね。」とポジティブなリアクション。まだまだ、一般的な楽しみ方じゃないかもしれないけれど、夜のトレイルの魅力は一度味わってしまうとハマってしまうはず。明るめのライトを持っている方はぜひ一度走ってみてほしい。
text&photo:Naoki,YASUOKA
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