2015/08/26(水) - 09:17
日本人にフィットするヘルメットやアイウェアをリリースするジャパンブランド、カブト。そのハイエンドライン「KOOFU」の第2弾となる「BC-ORO」をインプレッション。
2013年からスタートした、カブトのプレミアムブランド「KOOFU」。そのブランドコンセプトである「風を愉しむ」ヘルメットに新たなモデルが加わった。レースユース向けであった第1作、WG-1とは対照的な「BC」シリーズは、ライフスタイルにこだわりを持つハイセンスなサイクリストに向けた新しいカテゴリのヘルメット。
風洞実験により、空力解析を実施することで高いエアロダイナミクスと冷却効率を実現した前作のデザインエッセンスは受け継ぎつつも、より丸みを帯びた女性的なデザインを与えられた「BC」シリーズ。レースシーンでもタウンユースでも違和感のないユニバーサルなデザインが魅力のヘルメットだ。
デザインに目を引かれがちなBCシリーズだが、ヘルメットとしての性能もしっかりとしている。ヘルメットの本分ともいえる肝心のプロテクション性能は、過酷な使用環境を再現しての衝撃吸収試験をはじめとした厳しいテストを繰り返すことで国内外の製品安全規格を満たしている。JCF公認も取得しているため、レースでの使用ももちろんOKだ。
フィッティングに大きな役割を果たすアジャスターは、上位モデルの 「BC-ORO」に対して新開発の「レザーアジャスター」が標準で搭載される。革ベルトによってこれまでのヘルメットでは体験できなかった「帽子のような」かぶり心地を演出してくれるという。「BC-ORO」には同時に「TRIFIT-2アジャスター」も付属するため、好みによって変更できる。(GLOSBEはTRIFIT-2アジャスターのみが標準装備)
他にもチンストラップには消臭素材「MOFF」を使用し、ニオイの発生をおさえてくれるので、通勤や通学といったデイリーユースでも長い間快適さを保ってくれる。インナーパッドには虫の侵入を防ぐA.I.ネットと冬場におすすめの保温性に長けたウィンターインナーパッドが付属する。また、インナーパッドの代わりに装着するバイザーが付属する。
それでは、上位モデルの「BC-ORO」のインプレッションをお届けしよう。
ーインプレッション
このBC‐OROはカブトのフィッティングへの追求に終わりはないことを教えてくれる。デザイン重視のお洒落なアーバン用ヘルメット、というBC‐OROに対して私が抱いていたイメージは、被った瞬間に吹き飛んだ。すっぽりと頭を優しく包まれるような感覚はこれまでのどのヘルメットにも無かったモノ。
イタリア語の「Bicicletta(自転車)」と「Cappello(帽子)」の頭文字からネーミングされ、「帽子感覚で着用できる」街中に溶け込むデザインが売りのBC-OROだが、装着感もまさに帽子を被っているよう。けしてどこかが当たるということはなく、ふわりと頭に乗っているようなのだ。
今、メインで使用しているヘルメットは、面接触システムの採用によって極上のフィット感を得たカブトのレース用ハイエンドモデル「ゼナード」(インプレッションはこちら)。登場当時、これ以上の装着感を得られるヘルメットというのは無いだろうな、と思っており、取材からプライベートまで愛用してきた。
しかし、このヘルメットを被って以来、ゼナードの出番はグッと減ってしまった。それは、ハイエンドモデルに引けをとらない快適な被り心地を持ちつつも、軽量化を進めたレース用ヘルメット特有のデリケートな雰囲気が少ないからということが大きい。
直線的でエッジの効いたデザインのゼナードに対して、丸みを帯びたデザインのBC-OROは脱いだ時にも尖った部分がないためアウターシェルにダメージを受けづらい。ヘルメットを地面に置いた時に一部が欠けてしまったという経験のある人はそれなりにいると思うのだが(私の扱いが悪いだけかもしれないが)、BC-OROはそういった心配は無用。むやみな軽量化を追い求めていないため、頑丈そうであるし実際被った時の安心感も大きい。
一方、エアフローを重視してベンチレーションホールが多く設けられたレース向けヘルメットに比べると少し冷却性能では水を開けられているように感じた。実際、夏の盛りのヒルクライムなどではゼナードを着用することが多かった。しかし、耐えきれないほど暑いというわけでは全くない。あくまで、ベンチレーション性能を第一としたヘルメットではないということだ。
見た目だけでいえば、最近流行しているオールラウンド系のエアロヘルメットに通ずるものもある。こころなしか、高速域でも頭周りの空気抵抗は低く抑えられている気もした。エアロヘルメットの普及ぶりを見ていると、レースで使用しても会場で浮いてしまうということもない。余談だが、丸みのあるデザインのため、カメラストラップなども干渉しづらく実走取材でも重宝した。
付属のレザーアジャスターは見た目の高級感を演出してくれ、上手く調整できればプラスチックのアジャスターにはない、独特のフィーリングでフィットしてくれる。ただ、ダイヤル式のアジャスターとは違い、細かな調整には向いていないのでレース系のヘルメットに慣れている人は同梱のTRIFIT-2アジャスターに交換すると良いだろう。
純正で付属するBCバイザーも使いやすい。大きすぎず、小さすぎず、適度な大きさで陽射しをカットしてくれるので視界も開け、安全に寄与してくれる。ライダーの安全を守ってくれるヘルメットとして、非常に意味のあるアクセサリーだと感じた。
抜群のフィット感を持ちながらも、扱いやすく、レースからカジュアルまで合わせる服装、シチュエーションを問わないBC-ORO。兄弟モデルのBC-Glosbeと合わせて、エントリーライダーの最初のヘルメットとして選ぶも良し、ベテランの普段使いのヘルメットとしても良し。ヘルメットというものがより身近になりそうな魅力を湛えた期待の新作だ。
KOOFU BC-Oro
規 格:JCF(公財)日本自転車競技連盟公認
サイズ:S/M、L/XL
カラー:マットホワイト、マットブラック、マットブラックブラウン、マットチドリブラック、マットチドリパープル
付属品:TRIFIT-2アジャスター、ウインターインナーパッド
価 格:20,000円(税抜)
KOOFU BC-Glosbe
規 格:JCF(公財)日本自転車競技連盟公認
サイズ:S/M、L/XL
カラー:マットホワイト、マットブラック、マットターコイズ、マットソーオレンジ、マットリッチマゼンタ
価 格:13,500円(税抜)
2013年からスタートした、カブトのプレミアムブランド「KOOFU」。そのブランドコンセプトである「風を愉しむ」ヘルメットに新たなモデルが加わった。レースユース向けであった第1作、WG-1とは対照的な「BC」シリーズは、ライフスタイルにこだわりを持つハイセンスなサイクリストに向けた新しいカテゴリのヘルメット。
風洞実験により、空力解析を実施することで高いエアロダイナミクスと冷却効率を実現した前作のデザインエッセンスは受け継ぎつつも、より丸みを帯びた女性的なデザインを与えられた「BC」シリーズ。レースシーンでもタウンユースでも違和感のないユニバーサルなデザインが魅力のヘルメットだ。
デザインに目を引かれがちなBCシリーズだが、ヘルメットとしての性能もしっかりとしている。ヘルメットの本分ともいえる肝心のプロテクション性能は、過酷な使用環境を再現しての衝撃吸収試験をはじめとした厳しいテストを繰り返すことで国内外の製品安全規格を満たしている。JCF公認も取得しているため、レースでの使用ももちろんOKだ。
フィッティングに大きな役割を果たすアジャスターは、上位モデルの 「BC-ORO」に対して新開発の「レザーアジャスター」が標準で搭載される。革ベルトによってこれまでのヘルメットでは体験できなかった「帽子のような」かぶり心地を演出してくれるという。「BC-ORO」には同時に「TRIFIT-2アジャスター」も付属するため、好みによって変更できる。(GLOSBEはTRIFIT-2アジャスターのみが標準装備)
他にもチンストラップには消臭素材「MOFF」を使用し、ニオイの発生をおさえてくれるので、通勤や通学といったデイリーユースでも長い間快適さを保ってくれる。インナーパッドには虫の侵入を防ぐA.I.ネットと冬場におすすめの保温性に長けたウィンターインナーパッドが付属する。また、インナーパッドの代わりに装着するバイザーが付属する。
それでは、上位モデルの「BC-ORO」のインプレッションをお届けしよう。
ーインプレッション
このBC‐OROはカブトのフィッティングへの追求に終わりはないことを教えてくれる。デザイン重視のお洒落なアーバン用ヘルメット、というBC‐OROに対して私が抱いていたイメージは、被った瞬間に吹き飛んだ。すっぽりと頭を優しく包まれるような感覚はこれまでのどのヘルメットにも無かったモノ。
イタリア語の「Bicicletta(自転車)」と「Cappello(帽子)」の頭文字からネーミングされ、「帽子感覚で着用できる」街中に溶け込むデザインが売りのBC-OROだが、装着感もまさに帽子を被っているよう。けしてどこかが当たるということはなく、ふわりと頭に乗っているようなのだ。
今、メインで使用しているヘルメットは、面接触システムの採用によって極上のフィット感を得たカブトのレース用ハイエンドモデル「ゼナード」(インプレッションはこちら)。登場当時、これ以上の装着感を得られるヘルメットというのは無いだろうな、と思っており、取材からプライベートまで愛用してきた。
しかし、このヘルメットを被って以来、ゼナードの出番はグッと減ってしまった。それは、ハイエンドモデルに引けをとらない快適な被り心地を持ちつつも、軽量化を進めたレース用ヘルメット特有のデリケートな雰囲気が少ないからということが大きい。
直線的でエッジの効いたデザインのゼナードに対して、丸みを帯びたデザインのBC-OROは脱いだ時にも尖った部分がないためアウターシェルにダメージを受けづらい。ヘルメットを地面に置いた時に一部が欠けてしまったという経験のある人はそれなりにいると思うのだが(私の扱いが悪いだけかもしれないが)、BC-OROはそういった心配は無用。むやみな軽量化を追い求めていないため、頑丈そうであるし実際被った時の安心感も大きい。
一方、エアフローを重視してベンチレーションホールが多く設けられたレース向けヘルメットに比べると少し冷却性能では水を開けられているように感じた。実際、夏の盛りのヒルクライムなどではゼナードを着用することが多かった。しかし、耐えきれないほど暑いというわけでは全くない。あくまで、ベンチレーション性能を第一としたヘルメットではないということだ。
見た目だけでいえば、最近流行しているオールラウンド系のエアロヘルメットに通ずるものもある。こころなしか、高速域でも頭周りの空気抵抗は低く抑えられている気もした。エアロヘルメットの普及ぶりを見ていると、レースで使用しても会場で浮いてしまうということもない。余談だが、丸みのあるデザインのため、カメラストラップなども干渉しづらく実走取材でも重宝した。
付属のレザーアジャスターは見た目の高級感を演出してくれ、上手く調整できればプラスチックのアジャスターにはない、独特のフィーリングでフィットしてくれる。ただ、ダイヤル式のアジャスターとは違い、細かな調整には向いていないのでレース系のヘルメットに慣れている人は同梱のTRIFIT-2アジャスターに交換すると良いだろう。
純正で付属するBCバイザーも使いやすい。大きすぎず、小さすぎず、適度な大きさで陽射しをカットしてくれるので視界も開け、安全に寄与してくれる。ライダーの安全を守ってくれるヘルメットとして、非常に意味のあるアクセサリーだと感じた。
抜群のフィット感を持ちながらも、扱いやすく、レースからカジュアルまで合わせる服装、シチュエーションを問わないBC-ORO。兄弟モデルのBC-Glosbeと合わせて、エントリーライダーの最初のヘルメットとして選ぶも良し、ベテランの普段使いのヘルメットとしても良し。ヘルメットというものがより身近になりそうな魅力を湛えた期待の新作だ。
KOOFU BC-Oro
規 格:JCF(公財)日本自転車競技連盟公認
サイズ:S/M、L/XL
カラー:マットホワイト、マットブラック、マットブラックブラウン、マットチドリブラック、マットチドリパープル
付属品:TRIFIT-2アジャスター、ウインターインナーパッド
価 格:20,000円(税抜)
KOOFU BC-Glosbe
規 格:JCF(公財)日本自転車競技連盟公認
サイズ:S/M、L/XL
カラー:マットホワイト、マットブラック、マットターコイズ、マットソーオレンジ、マットリッチマゼンタ
価 格:13,500円(税抜)
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