2009/06/14(日) - 13:05
ロードバイクを専門にあつかうサイクルショップ、なるしまフレンドは春と秋の年2回、ロングランを主催している。東京から長野県松本市までの往復400kmをたった2日間で往復しちゃうというビッグなロングライドに、初心者女性ライダーの杏子が体当たり挑戦!体験記を綴ります。
ショップ主催のサイクリングイベントといえば、都内を中心にポタリング感覚で気軽に参加できるものが主流になっている印象だけれど、なるしまフレンドのランは違う。
土曜日の早朝に東京を出発して長野県の松本までチーム走行、そのまま1泊して明けた日曜日にフリーランでまた都内まで戻るという、慣れない人にはハードな内容。
なにしろ片道200キロ、6つの峠を2日連続走らなきゃ・・・次の日仕事に行けなくなる(大変!)。
参加するには条件もある。
「クラブメンバーか、あるいはこれまで同行程を走った経験があるひと」
――クラブとは同ショップのサイクリングクラブ(なるしまフレンド クラブチーム)を指す。1974年発足、実業団チームからファンライドを目的とするチームまで細かくレベル設定されている。平日、週末にわたってコンスタントに活動しており、個人のスケジュールに合わせて参加する形式になっている――
つまり参加できるのはクラブで練習して200キロ完走できる力がついたひとか、以前完走した経験があるひとだけですよ、ということ。
この参加条件があるにもかかわらずロングランイベントは大人気で、年々参加者は増え、11回目の開催となる今年は150人以上が走るとのこと。
一見、「誰でも参加してね」という姿勢とは正反対にあるイベントが、どうしてこれほど支持されているのか、実際に参加してその魅力の一端に触れてみた。
【行程紹介】
A区間 高尾山→大垂水峠→相模湖→雛鶴峠
B区間 雛鶴峠→禾生→大幡峠→笹子下
C区間 笹子旧道→勝沼バイパス→甲府バイパス→韮崎→穴山橋
D区間 穴山橋→白州→蔦木宿
E区間 富士見峠→諏訪大社→諏訪湖
F区間 諏訪湖→岡谷→塩尻峠
G区間 塩尻峠→長畝→山麓道路→松本市街→美ヶ原温泉
※それぞれの区間ごとに休憩ポイントが用意されている。A、B、C後では20-30分、D後は40分、E、F後では10分前後休憩。
【1日目】
1.イベント前夜
当日は朝6時に高尾山口を出発するということで、始発電車が間に合わないひとたちは近くの温泉施設「高尾の湯」で一泊できます。イベント参加者のために大部屋が貸し切られており、一泊2160円で温泉やサウナも楽しめるとのこと、しかも集合場所まで10分。筆者も利用させていただきました。
施設に到着したのは22時半。ほかの参加者の方たちにあいさつした後、まずは晩ごはんを食べたくて施設の中を歩きます。
広くて立派な施設の中にあるいくつかのレストランは残念ながらほとんど閉店しており、唯一開いていたのは、焼肉屋さんでした。イベントとは関係ないところでいきなりハードルの高さを感じます。
迷いましたが空腹に負けて店内を覗くと、お1人でもどうぞどうぞと大きいテーブルに案内されました。目の前には炭火の用意。メニューは当然ですが焼肉屋さんのもの。カルビの写真を落ち着かない気持ちで見ているとオーダーを聞かれました。
「ごはんと・・・」
「以上でよろしいですか」
なぜか、かぶせて聞いてくる店員さんに、ごはんだけでは困ると慌ててしまい、何を思ったか「ユッケください」と言ってしまいました。
恥ずかしい気持ちに負けそうでしたが、これで明日走れるな、と思うようにしてユッケごはんを食べ、ゆっくり温泉につかって、おやすみなさい…。
2. スタート地点へ向かう.
朝は四時半起床。5時半、集合場所の高尾山口につくとすでに沢山のひとがいました。脚力に合わせたいくつかのチームが編成されており、巡航速度がおそい順に、間隔をあけて出発します。
心強いのは各チームにサポートカーが1台ずつつき、長い道程をバックアップしてくれること。
宿泊に必要な着替えなど、参加者の荷物を現地まで運ぶほか、チームに並走しながら具合が悪くなった人を乗せたり、水やアクエリアス、おにぎり、いなりずし、バナナといった豊富な補給食を用意してくれているので安心して走れます。
この安心のサポート体制が、個人で出かけるロングライドと大きく違う点のひとつかな、と感じました。
3.スタート~雛鶴(A区間)
筆者はイベント主催者でもある鳴嶋英雄氏(みなさんから「会長」と呼ばれていました)がリーダーのチームでスタートしました。御齢70歳を越えていらっしゃるようにお伺いしていましたが、かくしゃくとされ、往路200キロを通して先頭を引っ張っていかれます。
東京と神奈川の境、最初の峠となる大垂水から吉野橋にさしかかると、左手に絶景がひらけました。時刻は朝の6時半、まだ晴れきらない朝もやの向こうから朝日が光り、はるか下方を相模川へそそがれる支流が流れます。ほっぺたの横を流れていくひやりと澄んだ空気に、なんとも幸せな気分になります(みとれていたので写真がなくてごめんなさい!)。
この景色をみるためだけでも、もう一度参加したいと思いました。
3.休憩:雛鶴のおまんじゅう(A区間)
山梨県にはいり、2つ目の峠となる雛鶴を走っていると、山深い道のそばに、ひなびた田舎家がたっていました。昔話に登場しそうなたたずまいで、屋根にかかった看板には、かすれた文字で「玉の入まんじゅう」。最初の休憩場所、「つるや」のおまんじゅう屋さんに到着です。
軒先にふかしたてのおまんじゅうが山積みになっています。
おまんじゅうといっても手のひらに乗せれば指先が少し見える程度。ここまで大きいとそれだけで嬉しくなります。次々と到着する参加者がみなさん、この大迫力のおまんじゅうを頬張っていました。
あんまりおいしそうで、私もひとついただきます。
砂糖をぐっとひかえた餡は、走った後の体にとてもやさしく感じられました。皮はもちもちしていて、かみしめるほどに甘い、懐かしい美味しさです。京菓子のようなしゃれた甘味とは正反対のおまんじゅうですが、たいへんな贅沢に感じられます。おまんじゅうと一緒に用意された梅干や、朝採れの筍の含め煮なども素朴で安心する味でした。
この「玉の入まんじゅう」、イベント時だけでなくクラブチームでは毎週末の練習ごとに、雛鶴まで走ってみなさんで召し上がっているそうです。練習、やる気が沸いちゃいますね。
4.チームランについて
前述のとおり、往路は集団走行で長野を目指します。中学生からおじいちゃん世代まで、幅広い年齢層が参加されており、実業団登録をしている選手が主体のチームから、初心者や脚力に自信のない方のためのチームまで、大きく分けると3つのレベルから選べるようになっていました。
それぞれのレベルでさらに細かく班分けされ、経験豊かなクラブメンバーがリーダー、サブリーダーにつきます。
トレインを崩さず、すごいスピードで走っているチームランは、間近で見ると大変な迫力があります。
以下、行程に沿ってチームランの様子をご紹介していきます。
5.大幡~笹子(B区間)
サポートカーにのせていただき、参加者の皆さんの様子を写真に撮りました。
サポートカーからみてもため息が出るような上り坂を、トレインを崩さず上って行きます。
笹子では短い休憩をとります。
6.笹子~穴山橋
笹子峠を下り甲府近辺にはいると、目の前には雪をかぶった山岳がつらなります。
「富士山がきれいに見えますね―」
感心しながら写真を撮っていると、サポートの方が笑いながら、北アルプスだよ、と教えてくださいました。方向音痴、極まれり、です。
さて、チームランはどこも順調にすすんでいるようです。こちらは勝手に、「さわやか隊」とお呼びしていたトレインです。
一方こちらは「オトコ組」と命名させていただきました。
7.穴山橋~諏訪湖
行程のほぼ中間地点となる穴山橋までくると、この日一番長い休憩です。
穴山橋から筆者はもう一度、ランに参加しました。写真撮影のためサポートカーに乗っていた区間を除くと、この日の走行距離は120キロ余り。他の参加者さんにくらべると楽な行程です。
再びランに参加した後半は残っている脚力にかなり差が出てくる頃で、かなり苦しそうな人や、サポートカーに乗る人も見受けられました。
「サポートカーを利用するタイミングは大切。厳しいことを言うようですが、集団で走るときは自分の体力を見極めることも必要です。」
サポートメンバーの方が、チームランの注意点について話してくださいました。
たしかに、1人が遅れるとチームメンバーが引っ張ってくれます。でも例えば、完走はできないけど行けるところまでは行ってみたい、という気持ちであまり極端に遅れてしまうと、本人がリタイアした後、ついて走ってくれていた人がチームに追い付くのが大変になることがあります。メンバー間の協力体制がチームランの大変な部分でもあり、同時に醍醐味でもあるのだな、と実感しました。
さて、富士見峠を越えると諏訪湖にでました。路面もよく、景色もきれいな素晴らしいサイクリングコースを走り、湖畔の休憩ポイントに到着です。
短いけれど充実した休憩が終わったら、最後の峠、塩尻が待っています。
8.塩尻~山麓道路(G区間)
半分強の走行距離なので他の参加者さんとは比べるまでもありませんが、最後の塩尻峠はつらいものでした。トップスピードが10km/hを切りそうになりながら、なんとかリーダーについていきたくて頑張ります。
途中、サポートメンバーの方が路肩で待っていて声援を送って下さり、とても励まされました。
やっと越えたときには、子どもみたいで恥ずかしいのですがやや涙ぐんでしまいました。
(帰りのことは考えたくないなー)
とぼんやり走っていたら、気がつくとなんと一人きりに!広々とした山麓道路でチームからちぎれ、迷子になってしまいました。
(・・・帰れなくなるかもなー)
心配の内容も変わってきます。
うー、と独り言を言いながらしばらく走っていると、偶然ほかの参加者さんと一緒になれ、無事松本市街へたどり着くことができました。
9.到着、長野の夜
長野の宿泊地となったのは、松本市中心部から少し離れた美ヶ原温泉です。到着時間はチームごとに異なりますが、大体14時半~18時半にかけて皆さんゴールされたようです。
温泉で汗を流した後はおいしいご飯が待っています。人数が多いため、3つの旅館に分宿しました。それぞれの晩御飯をお邪魔してみました。
◆芝浦荘
http://www.ihi.co.jp/ism/cst/shibauraso/
◆和泉屋善兵衛
http://www.izumiyaryokan.com/
◆富田屋別館
http://tomitayabekkan.hp.infoseek.co.jp/
寝る前に少し、外に出ました。長野の夜はとても星がきれいでした。水田が近く、カエルがたくさん鳴いていました。長く余韻が残る鳴き方でした。
今日の最高気温は30度をこえましたが、明日もおそらく暑くなります。
参加者の皆さん、明日も頑張ってください。
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写真と文:杏子
ショップ主催のサイクリングイベントといえば、都内を中心にポタリング感覚で気軽に参加できるものが主流になっている印象だけれど、なるしまフレンドのランは違う。
土曜日の早朝に東京を出発して長野県の松本までチーム走行、そのまま1泊して明けた日曜日にフリーランでまた都内まで戻るという、慣れない人にはハードな内容。
なにしろ片道200キロ、6つの峠を2日連続走らなきゃ・・・次の日仕事に行けなくなる(大変!)。
参加するには条件もある。
「クラブメンバーか、あるいはこれまで同行程を走った経験があるひと」
――クラブとは同ショップのサイクリングクラブ(なるしまフレンド クラブチーム)を指す。1974年発足、実業団チームからファンライドを目的とするチームまで細かくレベル設定されている。平日、週末にわたってコンスタントに活動しており、個人のスケジュールに合わせて参加する形式になっている――
つまり参加できるのはクラブで練習して200キロ完走できる力がついたひとか、以前完走した経験があるひとだけですよ、ということ。
この参加条件があるにもかかわらずロングランイベントは大人気で、年々参加者は増え、11回目の開催となる今年は150人以上が走るとのこと。
一見、「誰でも参加してね」という姿勢とは正反対にあるイベントが、どうしてこれほど支持されているのか、実際に参加してその魅力の一端に触れてみた。
【行程紹介】
A区間 高尾山→大垂水峠→相模湖→雛鶴峠
B区間 雛鶴峠→禾生→大幡峠→笹子下
C区間 笹子旧道→勝沼バイパス→甲府バイパス→韮崎→穴山橋
D区間 穴山橋→白州→蔦木宿
E区間 富士見峠→諏訪大社→諏訪湖
F区間 諏訪湖→岡谷→塩尻峠
G区間 塩尻峠→長畝→山麓道路→松本市街→美ヶ原温泉
※それぞれの区間ごとに休憩ポイントが用意されている。A、B、C後では20-30分、D後は40分、E、F後では10分前後休憩。
【1日目】
ランの前夜はユッケで準備!?
1.イベント前夜
当日は朝6時に高尾山口を出発するということで、始発電車が間に合わないひとたちは近くの温泉施設「高尾の湯」で一泊できます。イベント参加者のために大部屋が貸し切られており、一泊2160円で温泉やサウナも楽しめるとのこと、しかも集合場所まで10分。筆者も利用させていただきました。
施設に到着したのは22時半。ほかの参加者の方たちにあいさつした後、まずは晩ごはんを食べたくて施設の中を歩きます。
広くて立派な施設の中にあるいくつかのレストランは残念ながらほとんど閉店しており、唯一開いていたのは、焼肉屋さんでした。イベントとは関係ないところでいきなりハードルの高さを感じます。
迷いましたが空腹に負けて店内を覗くと、お1人でもどうぞどうぞと大きいテーブルに案内されました。目の前には炭火の用意。メニューは当然ですが焼肉屋さんのもの。カルビの写真を落ち着かない気持ちで見ているとオーダーを聞かれました。
「ごはんと・・・」
「以上でよろしいですか」
なぜか、かぶせて聞いてくる店員さんに、ごはんだけでは困ると慌ててしまい、何を思ったか「ユッケください」と言ってしまいました。
恥ずかしい気持ちに負けそうでしたが、これで明日走れるな、と思うようにしてユッケごはんを食べ、ゆっくり温泉につかって、おやすみなさい…。
遥か200km先の松本市目指しスタート
2. スタート地点へ向かう.
朝は四時半起床。5時半、集合場所の高尾山口につくとすでに沢山のひとがいました。脚力に合わせたいくつかのチームが編成されており、巡航速度がおそい順に、間隔をあけて出発します。
心強いのは各チームにサポートカーが1台ずつつき、長い道程をバックアップしてくれること。
宿泊に必要な着替えなど、参加者の荷物を現地まで運ぶほか、チームに並走しながら具合が悪くなった人を乗せたり、水やアクエリアス、おにぎり、いなりずし、バナナといった豊富な補給食を用意してくれているので安心して走れます。
この安心のサポート体制が、個人で出かけるロングライドと大きく違う点のひとつかな、と感じました。
3.スタート~雛鶴(A区間)
筆者はイベント主催者でもある鳴嶋英雄氏(みなさんから「会長」と呼ばれていました)がリーダーのチームでスタートしました。御齢70歳を越えていらっしゃるようにお伺いしていましたが、かくしゃくとされ、往路200キロを通して先頭を引っ張っていかれます。
東京と神奈川の境、最初の峠となる大垂水から吉野橋にさしかかると、左手に絶景がひらけました。時刻は朝の6時半、まだ晴れきらない朝もやの向こうから朝日が光り、はるか下方を相模川へそそがれる支流が流れます。ほっぺたの横を流れていくひやりと澄んだ空気に、なんとも幸せな気分になります(みとれていたので写真がなくてごめんなさい!)。
この景色をみるためだけでも、もう一度参加したいと思いました。
3.休憩:雛鶴のおまんじゅう(A区間)
山梨県にはいり、2つ目の峠となる雛鶴を走っていると、山深い道のそばに、ひなびた田舎家がたっていました。昔話に登場しそうなたたずまいで、屋根にかかった看板には、かすれた文字で「玉の入まんじゅう」。最初の休憩場所、「つるや」のおまんじゅう屋さんに到着です。
軒先にふかしたてのおまんじゅうが山積みになっています。
おまんじゅうといっても手のひらに乗せれば指先が少し見える程度。ここまで大きいとそれだけで嬉しくなります。次々と到着する参加者がみなさん、この大迫力のおまんじゅうを頬張っていました。
あんまりおいしそうで、私もひとついただきます。
砂糖をぐっとひかえた餡は、走った後の体にとてもやさしく感じられました。皮はもちもちしていて、かみしめるほどに甘い、懐かしい美味しさです。京菓子のようなしゃれた甘味とは正反対のおまんじゅうですが、たいへんな贅沢に感じられます。おまんじゅうと一緒に用意された梅干や、朝採れの筍の含め煮なども素朴で安心する味でした。
この「玉の入まんじゅう」、イベント時だけでなくクラブチームでは毎週末の練習ごとに、雛鶴まで走ってみなさんで召し上がっているそうです。練習、やる気が沸いちゃいますね。
4.チームランについて
前述のとおり、往路は集団走行で長野を目指します。中学生からおじいちゃん世代まで、幅広い年齢層が参加されており、実業団登録をしている選手が主体のチームから、初心者や脚力に自信のない方のためのチームまで、大きく分けると3つのレベルから選べるようになっていました。
それぞれのレベルでさらに細かく班分けされ、経験豊かなクラブメンバーがリーダー、サブリーダーにつきます。
トレインを崩さず、すごいスピードで走っているチームランは、間近で見ると大変な迫力があります。
以下、行程に沿ってチームランの様子をご紹介していきます。
5.大幡~笹子(B区間)
サポートカーにのせていただき、参加者の皆さんの様子を写真に撮りました。
サポートカーからみてもため息が出るような上り坂を、トレインを崩さず上って行きます。
笹子では短い休憩をとります。
6.笹子~穴山橋
笹子峠を下り甲府近辺にはいると、目の前には雪をかぶった山岳がつらなります。
「富士山がきれいに見えますね―」
感心しながら写真を撮っていると、サポートの方が笑いながら、北アルプスだよ、と教えてくださいました。方向音痴、極まれり、です。
さて、チームランはどこも順調にすすんでいるようです。こちらは勝手に、「さわやか隊」とお呼びしていたトレインです。
一方こちらは「オトコ組」と命名させていただきました。
7.穴山橋~諏訪湖
行程のほぼ中間地点となる穴山橋までくると、この日一番長い休憩です。
穴山橋から筆者はもう一度、ランに参加しました。写真撮影のためサポートカーに乗っていた区間を除くと、この日の走行距離は120キロ余り。他の参加者さんにくらべると楽な行程です。
再びランに参加した後半は残っている脚力にかなり差が出てくる頃で、かなり苦しそうな人や、サポートカーに乗る人も見受けられました。
「サポートカーを利用するタイミングは大切。厳しいことを言うようですが、集団で走るときは自分の体力を見極めることも必要です。」
サポートメンバーの方が、チームランの注意点について話してくださいました。
たしかに、1人が遅れるとチームメンバーが引っ張ってくれます。でも例えば、完走はできないけど行けるところまでは行ってみたい、という気持ちであまり極端に遅れてしまうと、本人がリタイアした後、ついて走ってくれていた人がチームに追い付くのが大変になることがあります。メンバー間の協力体制がチームランの大変な部分でもあり、同時に醍醐味でもあるのだな、と実感しました。
さて、富士見峠を越えると諏訪湖にでました。路面もよく、景色もきれいな素晴らしいサイクリングコースを走り、湖畔の休憩ポイントに到着です。
短いけれど充実した休憩が終わったら、最後の峠、塩尻が待っています。
8.塩尻~山麓道路(G区間)
半分強の走行距離なので他の参加者さんとは比べるまでもありませんが、最後の塩尻峠はつらいものでした。トップスピードが10km/hを切りそうになりながら、なんとかリーダーについていきたくて頑張ります。
途中、サポートメンバーの方が路肩で待っていて声援を送って下さり、とても励まされました。
やっと越えたときには、子どもみたいで恥ずかしいのですがやや涙ぐんでしまいました。
(帰りのことは考えたくないなー)
とぼんやり走っていたら、気がつくとなんと一人きりに!広々とした山麓道路でチームからちぎれ、迷子になってしまいました。
(・・・帰れなくなるかもなー)
心配の内容も変わってきます。
うー、と独り言を言いながらしばらく走っていると、偶然ほかの参加者さんと一緒になれ、無事松本市街へたどり着くことができました。
9.到着、長野の夜
長野の宿泊地となったのは、松本市中心部から少し離れた美ヶ原温泉です。到着時間はチームごとに異なりますが、大体14時半~18時半にかけて皆さんゴールされたようです。
温泉で汗を流した後はおいしいご飯が待っています。人数が多いため、3つの旅館に分宿しました。それぞれの晩御飯をお邪魔してみました。
◆芝浦荘
http://www.ihi.co.jp/ism/cst/shibauraso/
◆和泉屋善兵衛
http://www.izumiyaryokan.com/
◆富田屋別館
http://tomitayabekkan.hp.infoseek.co.jp/
寝る前に少し、外に出ました。長野の夜はとても星がきれいでした。水田が近く、カエルがたくさん鳴いていました。長く余韻が残る鳴き方でした。
今日の最高気温は30度をこえましたが、明日もおそらく暑くなります。
参加者の皆さん、明日も頑張ってください。
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写真と文:杏子
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