2015/07/28(火) - 09:29
台風11号が過ぎ去り、一気に夏らしい天気になった7月20日。今年も南会津・たかつえ地区を舞台とするロングライドイベント「走ってみっぺ南会津!」が開催された。昨年に引き続き、編集部による実走レポートをお届けしよう。
ジトジトした空気に列島が覆われる7月中旬。梅雨時と言うのに、台風が3つも同時に発生するという異常気象に日本中が覆われる中、シクロワイアード編集部には少し違った空気が流れていた。
「そろそろ、走ってみっぺ南会津の開催日も近いわけですが」ピクリと編集部員の耳が動く。どこかお互い同士を牽制し合う様な空気が生まれたのは、錯覚ではない。「今年の取材スタッフを決める必要がありますが、この週末は全日本MTB選手権、CSC5h耐久が重なっているので、振り分けないといけないですね。」そう、7月第3週は取材が目白押しなのである。
そういった時、どのイベントに誰が行くのかを決める編集会議はいつも紛糾する。大体、みんなが行きたいイベントとは重なっているものなのだ。この場合、それは断然「走ってみっぺ南会津!」というわけだ。何せ、全日本はブヨとの戦いだし、CSC5時間耐久は良いイベントではあるけれど、レースに参加するならともかく、取材する側にとっては陽射しとの戦いだ。
その点、走ってみっぺ南会津には、なんといってもマトン丼が待っている。昨年の取材レポートを見ている編集部員たちはみな、「今年こそは自分がマトン丼を食べるんだ!」という、肉欲に目がくらんでいるのだ。うかうかしていると、南会津に行きそびれてしまう。ここは、先手を打ったもの勝ちだ。
「去年行っているし、勝手も分かっているので走ってみっぺは僕が行きますよ。」誰の目からも見ても一片の隙もない完璧な理由づけである。してやられた!という顔の編集部員たちを見ながら、今年もまた南会津へと向かうことが決まった。
さて、そんなわけで今年も南会津へと向かっていく。東京からは東北道で西那須塩原ICを目指して車を走らせていくことになる。三連休の中日、東京へと向かう車列は長く伸びているが、南会津へと向かう私たちは快適そのもの。3時間ほどで西那須塩原ICへと到着。
ICから、会場となるたかつえスノーリゾートまでは那須塩原温泉街を通り抜け、60kmほどの山道を行くことになる。日が長いとはいえ、昼過ぎに編集部を出てきたので峠を過ぎる頃にはすっかりと日は落ちている。
このままいけば、前夜祭には間に合うはずだった私たちの前にとぼとぼと自転車を押して歩く人影が二つ。一度は通り過ぎたものの、この時間に街灯の一つもない山道で押して歩くほど体力を消耗しているというのは、結構危うい。なんだかんだでサイクリストにはめっぽう甘い私たちは、Uターンして声をかけることに。
話を聞いてみると、福島から来たという高校生の二人組でこのイベントに参加するために、輪行してきたそう。でも、予想以上に時間がかかってしまい、陽が暮れて、途方に暮れていたんだとか。さすがにほっておくわけにもいかず、宿も会場の近くということで、シクロワイアード号に二人と自転車を積み込み、会場へと急ぐ。
ペンションの前に二人を降ろし、今後は気をつけるんだよ、なんて小言を言っていると、まさかの前夜祭が終わってしまう時間になってしまっているではないか。急いで会場へと車を走らせるも時すでに遅し。ちょうど会場から沢山の人が出てくるタイミングであった。
しかし、なんだかやけに出てくる人が多い。去年は全体でも350人程度の参加者だったはず。でも、前夜祭に参加していた人は少なく見積もっても100人はいそうだ。そんなことを思っていると、このイベントに深くかかわっている、アドホリックの堀部さんが説明してくれた。「今年は、定員の600人いっぱいに人が集まったんですよ!前夜祭にも150人以上の人が参加してくれて、もう大盛り上がりだったんですよ、取材に来ていただければ良かったのに!」
そこに、大会ゲストの絹代さんが追い打ちをかけてくれる。「なんで前夜祭来なかったんですか!?色んな地元の食べ物もおいしいし、参加者さんとの距離も近くてとっても楽しかったんですよ?」と笑顔で話しかけてくれた絹代さん。むう。しかし人助けをしてきたのだ、岩魚の天ぷらなんか食べなくっても、良いことをしたのだ。悔しくなんかないもんね!
それにしたって、会場から出てきた皆さんがホントに楽しんでいたのだろうな、という表情をしていた。来年はもう少し早く東京を出よう。あと、遭難中の高校生は見なかったことにしよう(かわいい女の子は除く)と固く心に誓ったのであった。
さて、そんな大盛り上がりだった(らしい)大会前日を経て迎えた大会当日。前日の天気予報では、曇りときどき雨ということだったが、夏でもあるし少しくらい雨が降ったほうが気持ちよく走れるかもなんて思っていた。実際、朝は薄曇りでかなり過ごしやすそうな一日になりそう。晴れていると写真は綺麗に撮れるけれど、この時期は少し曇っていたほうが気持ちよく走れるのも事実。けして、自分が楽したいとかではなく、参加者のみなさんが大会を楽しめるようにと願っているだけである。信じてほしい。
昨年は最長コースの100kmに出たので、今年は60kmコースに出走することに。7時半から行われる開会式も、いきなり選手宣誓を宇都宮ブリッツェンの堀選手に振ってみたりと相変わらずゆるーい雰囲気で始まる。10人ずつスタートしていくグループには、ブリッツェンやブラーゼンの選手たちが一人づつ先導について、エスコートしてくれる。特に、スタートして直ぐかなりの距離を下るので、安全のためにゲストライダーが付いてくれるのはありがたい。
ブリッツェンの廣瀬GMとMCの棚橋さん、ブリッツェンフェアリー競技部の杏寿沙さんらが軽妙なトークでスタートする参加者たちを和ませてくれるなか、次々に参加者たちが会場から飛び出していく。僕らも、100kmコースのスタートが終わった後に、コースへと出た。
3kmほどの気持ちいいダウンヒルを楽しんだ後、しばらく走ると早速第1ASの舘岩物産館に到着。このころには、曇り空も少し薄れてきてちらほらと青が覗くように。給水をして、しばらく進むと右手に見えてくるのは前沢集落だ。コースからは少し外れるものの、どこか郷愁を掻き立ててくれる風景は一見の価値がある。
また、川沿いを緩やかに下っていくと国道401号線とぶつかる地点に、第2エイドとなる内川ASが現れる。今年もじゅうねん味噌がたっぷりと塗られた南会津の特産品「ばんでい餅」と、ひやしトマトを戴く。気温も大分上がってきたので、口いっぱいに広がるトマトの酸味が何ともいえない幸福感をもたらしてくれる。
この先は、伊南川の上流へと向かっていくことになるが、心配ご無用。本当にゆるーく登っていくだけで、人によってはアウターでも大丈夫なくらい。途中、いくつか現れるスノーシェードが作ってくれる日影がとても気持ちいい。トンネルと違って真っ暗にならず、自然光が入ってくるので安心して走ることができる。
伊南川の渓相に心癒されながら走っていると、風に乗って食欲を刺激する匂いが漂ってくる。そう、屏風岩ASが近いのだ。ここで振る舞われるのは、まってました!のマトン丼。もはやこのために来たといっても過言ではない屏風岩ASのマトン丼は、参加者数が増えた今年も圧倒的な盛りは健在で、ご飯が見えないほどにびっしりと肉が敷き詰められている。マトン丼を求める参加者たちの列はかなり長く伸びていたが、並んでいる時間は長くても15分ほどと、スタッフさんの手際の良さが光った。
屋外なのに少し離れていてもマトンを焼く匂いがするほどで、なんとも食欲を刺激してくるエイドステーションなのだが、屏風岩ASは食べ物だけでない。これまで横目にみながら走ってきた伊南川の川べりに下りることができるのだ。川辺に下りると、長い歴史の中で水に削られて形作られた屏風岩の壮大な姿を間近に眺めながら、水辺で休憩できる。
このころには曇りだった予報はどこへやら、青空が広がり、太陽の光がさんさんと降り注ぐ。目の前の川にドボンと飛び込みたい欲求をどうにか押さえつけて、屏風岩ASを後にする。ここから先は、来た道を引き返すことになる。100kmコースであれば、伊南川を蛇岩まで下ることになるのだが、今回は60kmコースなので、内川ASを過ぎたら右折しゴール会場を目指すことになる。
最終エイドとなるのは、最初のエイドでもある舘岩物産館AS。さっぱりとした蕎麦を戴いて、最後のたかつえスキー場までの登りに備えて最後のエネルギ―を補給する。残り2km、ここまで安楽なコースが続いてきたこの大会最初にして最後の本格的な登りが登場する。
ゆっくりと登っていく人もいれば、ここぞとばかりにかっ飛んで行く人も。暑さも相まって、押して歩いている人もいるけれど、距離も短いので押したって全然問題ない。しかも、疲れている人にとって福音となるのが、ブリッツェンとブラーゼンのサポートライダーが坂を押してくれるということ。
この坂を行ったり来たりして、つらそうな参加者を見かけたらぐいぐいと押してくれるのだ。押されてみれば、きっとプロ選手の力強さに驚くことになるだろう。他にも、レースでの乗り方について相談しながら登る人や、即席ダンシング教室を受ける人もいたりと、厳しい坂がいつの間にかプロ選手との距離を縮めてくれる場所になっていた。
この坂を登り切れば、ゴールはすぐそこ。MCの棚橋さんと杏寿沙さんらが出迎えてくれるゴールゲートをくぐれば、今年も無事に完走だ。フィニッシュ後には、会場からほど近い「白樺の湯」で汗を流すことが出来る。ゼッケンを見せれば無料で入浴できるとあって、多くの参加者で賑わっていた。
そうそう、ゴールしてから一つ気付いたのは、60kmコースでは信号が一つも無かったということ。交通規制もしていないのに、やたらとスムーズに走ることができると思ったら、信号に止められることが一度も無かったのだ。
信号待ちのは休めるとはいえ、ゼロ発進というのは体力を使うもの。一定ペースでペダルをこぎ続けられる方が、トータルでの体力の消耗は少ないはず。そういった意味でも、初~中級者にうってつけのイベントだと言える。もちろん、長い距離をノンストップで走りたい上級者にも楽しいコースだろう。
最高の景色と満腹グルメ、そして信号で止められることもなく、アップダウンも少ないコースというファンライド派にとっては出走しない理由を見つける方が難しい、「走ってみっぺ南会津!」の60kmコース。フィニッシュした参加者の方と話をしていても、来年も走りたいと皆さん口をそろえて言う。もちろん僕もその一人だ。例え全編集部員を敵にまわしても、また走りに来よう。
text&photo:Naoki,YASUOKA
ジトジトした空気に列島が覆われる7月中旬。梅雨時と言うのに、台風が3つも同時に発生するという異常気象に日本中が覆われる中、シクロワイアード編集部には少し違った空気が流れていた。
「そろそろ、走ってみっぺ南会津の開催日も近いわけですが」ピクリと編集部員の耳が動く。どこかお互い同士を牽制し合う様な空気が生まれたのは、錯覚ではない。「今年の取材スタッフを決める必要がありますが、この週末は全日本MTB選手権、CSC5h耐久が重なっているので、振り分けないといけないですね。」そう、7月第3週は取材が目白押しなのである。
そういった時、どのイベントに誰が行くのかを決める編集会議はいつも紛糾する。大体、みんなが行きたいイベントとは重なっているものなのだ。この場合、それは断然「走ってみっぺ南会津!」というわけだ。何せ、全日本はブヨとの戦いだし、CSC5時間耐久は良いイベントではあるけれど、レースに参加するならともかく、取材する側にとっては陽射しとの戦いだ。
その点、走ってみっぺ南会津には、なんといってもマトン丼が待っている。昨年の取材レポートを見ている編集部員たちはみな、「今年こそは自分がマトン丼を食べるんだ!」という、肉欲に目がくらんでいるのだ。うかうかしていると、南会津に行きそびれてしまう。ここは、先手を打ったもの勝ちだ。
「去年行っているし、勝手も分かっているので走ってみっぺは僕が行きますよ。」誰の目からも見ても一片の隙もない完璧な理由づけである。してやられた!という顔の編集部員たちを見ながら、今年もまた南会津へと向かうことが決まった。
さて、そんなわけで今年も南会津へと向かっていく。東京からは東北道で西那須塩原ICを目指して車を走らせていくことになる。三連休の中日、東京へと向かう車列は長く伸びているが、南会津へと向かう私たちは快適そのもの。3時間ほどで西那須塩原ICへと到着。
ICから、会場となるたかつえスノーリゾートまでは那須塩原温泉街を通り抜け、60kmほどの山道を行くことになる。日が長いとはいえ、昼過ぎに編集部を出てきたので峠を過ぎる頃にはすっかりと日は落ちている。
このままいけば、前夜祭には間に合うはずだった私たちの前にとぼとぼと自転車を押して歩く人影が二つ。一度は通り過ぎたものの、この時間に街灯の一つもない山道で押して歩くほど体力を消耗しているというのは、結構危うい。なんだかんだでサイクリストにはめっぽう甘い私たちは、Uターンして声をかけることに。
話を聞いてみると、福島から来たという高校生の二人組でこのイベントに参加するために、輪行してきたそう。でも、予想以上に時間がかかってしまい、陽が暮れて、途方に暮れていたんだとか。さすがにほっておくわけにもいかず、宿も会場の近くということで、シクロワイアード号に二人と自転車を積み込み、会場へと急ぐ。
ペンションの前に二人を降ろし、今後は気をつけるんだよ、なんて小言を言っていると、まさかの前夜祭が終わってしまう時間になってしまっているではないか。急いで会場へと車を走らせるも時すでに遅し。ちょうど会場から沢山の人が出てくるタイミングであった。
しかし、なんだかやけに出てくる人が多い。去年は全体でも350人程度の参加者だったはず。でも、前夜祭に参加していた人は少なく見積もっても100人はいそうだ。そんなことを思っていると、このイベントに深くかかわっている、アドホリックの堀部さんが説明してくれた。「今年は、定員の600人いっぱいに人が集まったんですよ!前夜祭にも150人以上の人が参加してくれて、もう大盛り上がりだったんですよ、取材に来ていただければ良かったのに!」
そこに、大会ゲストの絹代さんが追い打ちをかけてくれる。「なんで前夜祭来なかったんですか!?色んな地元の食べ物もおいしいし、参加者さんとの距離も近くてとっても楽しかったんですよ?」と笑顔で話しかけてくれた絹代さん。むう。しかし人助けをしてきたのだ、岩魚の天ぷらなんか食べなくっても、良いことをしたのだ。悔しくなんかないもんね!
それにしたって、会場から出てきた皆さんがホントに楽しんでいたのだろうな、という表情をしていた。来年はもう少し早く東京を出よう。あと、遭難中の高校生は見なかったことにしよう(かわいい女の子は除く)と固く心に誓ったのであった。
さて、そんな大盛り上がりだった(らしい)大会前日を経て迎えた大会当日。前日の天気予報では、曇りときどき雨ということだったが、夏でもあるし少しくらい雨が降ったほうが気持ちよく走れるかもなんて思っていた。実際、朝は薄曇りでかなり過ごしやすそうな一日になりそう。晴れていると写真は綺麗に撮れるけれど、この時期は少し曇っていたほうが気持ちよく走れるのも事実。けして、自分が楽したいとかではなく、参加者のみなさんが大会を楽しめるようにと願っているだけである。信じてほしい。
昨年は最長コースの100kmに出たので、今年は60kmコースに出走することに。7時半から行われる開会式も、いきなり選手宣誓を宇都宮ブリッツェンの堀選手に振ってみたりと相変わらずゆるーい雰囲気で始まる。10人ずつスタートしていくグループには、ブリッツェンやブラーゼンの選手たちが一人づつ先導について、エスコートしてくれる。特に、スタートして直ぐかなりの距離を下るので、安全のためにゲストライダーが付いてくれるのはありがたい。
ブリッツェンの廣瀬GMとMCの棚橋さん、ブリッツェンフェアリー競技部の杏寿沙さんらが軽妙なトークでスタートする参加者たちを和ませてくれるなか、次々に参加者たちが会場から飛び出していく。僕らも、100kmコースのスタートが終わった後に、コースへと出た。
3kmほどの気持ちいいダウンヒルを楽しんだ後、しばらく走ると早速第1ASの舘岩物産館に到着。このころには、曇り空も少し薄れてきてちらほらと青が覗くように。給水をして、しばらく進むと右手に見えてくるのは前沢集落だ。コースからは少し外れるものの、どこか郷愁を掻き立ててくれる風景は一見の価値がある。
また、川沿いを緩やかに下っていくと国道401号線とぶつかる地点に、第2エイドとなる内川ASが現れる。今年もじゅうねん味噌がたっぷりと塗られた南会津の特産品「ばんでい餅」と、ひやしトマトを戴く。気温も大分上がってきたので、口いっぱいに広がるトマトの酸味が何ともいえない幸福感をもたらしてくれる。
この先は、伊南川の上流へと向かっていくことになるが、心配ご無用。本当にゆるーく登っていくだけで、人によってはアウターでも大丈夫なくらい。途中、いくつか現れるスノーシェードが作ってくれる日影がとても気持ちいい。トンネルと違って真っ暗にならず、自然光が入ってくるので安心して走ることができる。
伊南川の渓相に心癒されながら走っていると、風に乗って食欲を刺激する匂いが漂ってくる。そう、屏風岩ASが近いのだ。ここで振る舞われるのは、まってました!のマトン丼。もはやこのために来たといっても過言ではない屏風岩ASのマトン丼は、参加者数が増えた今年も圧倒的な盛りは健在で、ご飯が見えないほどにびっしりと肉が敷き詰められている。マトン丼を求める参加者たちの列はかなり長く伸びていたが、並んでいる時間は長くても15分ほどと、スタッフさんの手際の良さが光った。
屋外なのに少し離れていてもマトンを焼く匂いがするほどで、なんとも食欲を刺激してくるエイドステーションなのだが、屏風岩ASは食べ物だけでない。これまで横目にみながら走ってきた伊南川の川べりに下りることができるのだ。川辺に下りると、長い歴史の中で水に削られて形作られた屏風岩の壮大な姿を間近に眺めながら、水辺で休憩できる。
このころには曇りだった予報はどこへやら、青空が広がり、太陽の光がさんさんと降り注ぐ。目の前の川にドボンと飛び込みたい欲求をどうにか押さえつけて、屏風岩ASを後にする。ここから先は、来た道を引き返すことになる。100kmコースであれば、伊南川を蛇岩まで下ることになるのだが、今回は60kmコースなので、内川ASを過ぎたら右折しゴール会場を目指すことになる。
最終エイドとなるのは、最初のエイドでもある舘岩物産館AS。さっぱりとした蕎麦を戴いて、最後のたかつえスキー場までの登りに備えて最後のエネルギ―を補給する。残り2km、ここまで安楽なコースが続いてきたこの大会最初にして最後の本格的な登りが登場する。
ゆっくりと登っていく人もいれば、ここぞとばかりにかっ飛んで行く人も。暑さも相まって、押して歩いている人もいるけれど、距離も短いので押したって全然問題ない。しかも、疲れている人にとって福音となるのが、ブリッツェンとブラーゼンのサポートライダーが坂を押してくれるということ。
この坂を行ったり来たりして、つらそうな参加者を見かけたらぐいぐいと押してくれるのだ。押されてみれば、きっとプロ選手の力強さに驚くことになるだろう。他にも、レースでの乗り方について相談しながら登る人や、即席ダンシング教室を受ける人もいたりと、厳しい坂がいつの間にかプロ選手との距離を縮めてくれる場所になっていた。
この坂を登り切れば、ゴールはすぐそこ。MCの棚橋さんと杏寿沙さんらが出迎えてくれるゴールゲートをくぐれば、今年も無事に完走だ。フィニッシュ後には、会場からほど近い「白樺の湯」で汗を流すことが出来る。ゼッケンを見せれば無料で入浴できるとあって、多くの参加者で賑わっていた。
そうそう、ゴールしてから一つ気付いたのは、60kmコースでは信号が一つも無かったということ。交通規制もしていないのに、やたらとスムーズに走ることができると思ったら、信号に止められることが一度も無かったのだ。
信号待ちのは休めるとはいえ、ゼロ発進というのは体力を使うもの。一定ペースでペダルをこぎ続けられる方が、トータルでの体力の消耗は少ないはず。そういった意味でも、初~中級者にうってつけのイベントだと言える。もちろん、長い距離をノンストップで走りたい上級者にも楽しいコースだろう。
最高の景色と満腹グルメ、そして信号で止められることもなく、アップダウンも少ないコースというファンライド派にとっては出走しない理由を見つける方が難しい、「走ってみっぺ南会津!」の60kmコース。フィニッシュした参加者の方と話をしていても、来年も走りたいと皆さん口をそろえて言う。もちろん僕もその一人だ。例え全編集部員を敵にまわしても、また走りに来よう。
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