2009/06/03(水) - 20:36
思い起こせば墓穴は編集部が掘っていた。
「自転車は健康にいいですよ。」
何気ない一言が編集部員地獄の日々のはじまりだった。
会長が突然自腹で買ってきた ジャイアントDEFY3
メタボ会長と愛車の記念撮影 穏やかなある土曜日、編集部に当サイト運営会社の会長から一本の電話がかかってきた。
「自転車買ってきたからよろしく頼むぞ。」
恐ろしい一言を放って電話が切れた。
いきなりの非常事態発生!
思い起こせば、編集会議に出席していた会長に
「自転車は健康にいいですよ。乗ってみれば如何ですか?」
呑気な言葉を編集部員が発していたことを思い出した。まさか真に受けてるとは、編集部員の誰もが考えもしなかったのである。さらに記憶を辿れば、たまたまインプレの日に編集部を訪れていた会長がインプレ担当ライダーに色々と質問していた姿を思い出した。
「初めて乗るならどんなのがいいの?初心者でも危なくない?」
ただ、メタボ会長に関して私の知る限りでは、20年前の会社設立以来、子供の運動会はおろか入学式すらそっちのけで仕事に明け暮れ、運動といえば月1回程度の接待ゴルフくらい。
移動はもちろん車で電車すら殆ど乗らない。取引先との打ち合わせと会食を日々繰り返し、現在の会長という地位と引き換えに、屈強なメタボ腹を手に入れた強者である。
小憎らしい後姿で走るメタボ会長 シャツが出てますよ! その会長が電動アシストすら付いていない自転車を選ぶとは信じ難いというのが正直な感想である。編集部の責任を感じながらも、すぐに飽きちゃうだろう位で、その場は失笑で終わったのだが。
後日、会長がヨロヨロしながらジャイアントDEFY3に跨って現れた。素人のチョイスにしてはほぼベストな選択だったのには驚いたが、インプレライダーの助言を素直に聞き入れただけの事だった。近所の自転車量販店、サイクルベースあさひで、約8万円弱で買ってきたという。
相手は会長。業務上は従うしかできないが、この際、自転車にガッツリ乗らせて会長をいじくっちゃおうって事でこのコーナーを立ち上げることとなった。
ただ幸いな事に、編集部、運営会社ともに「多摩湖サイクリングロード」まで2km圏内という素晴らしい立地に恵まれている為、ロードバイクに乗る環境としては申し分ない。信号が1つもない1周12kmのホームコースまでわずか5分で到達できるのだ。
とは言え、膨大な仕事量に忙殺される日々を送る私にとって、会長の世話をする時間の余裕は皆無である。
「会長の世話役は誰になるんだろう?」
なかなか楽しそうなメタボ会長 不安と疑問を抱きつつも、これからのホームコースである多摩湖サイクリングロード周回コースまで伴走するはめとなった。
走り出してみると案外楽しそうに走る姿が微笑ましいものの、編集部にしてみればいい迷惑には変わりない。前を走る丸く太った背中が妙に憎たらしく思えてきた。
「初めてなので、のんびり走りますからゆっくり付いてきて下さいね。」
適度なアップダウンを持つ1周12kmのサイクリングロードを走りだすと、とたんに
「ケツが痛い。腰が痛い。昇りがキツい。」
予想通りの反応が返ってきたものの、真っ赤な顔でなんとか1周止まらずについてきた。ただ、あまりに一生懸命もがいている姿をみると、
「少し面倒見てやんなきゃかも?」という仏心が芽生えた気がした。
もうお疲れですか?
1周走って編集部に戻ると「自転車って案外楽しいかもな。次回も付き合えよ。」
呑気な事を楽しげに話す姿が、いつもの会長とは別人に見えた。やっぱり自転車はいいもんだなと再認識できた気がした。和やかな雰囲気のまま、帰り際に会長から一言
「昨日打合せした案件は今日中に仕上げて、明日の朝一で提出しろよ。」
仏心が芽生えかけた私の感情をブチ壊して、ヨロヨロと帰って行った。
やっぱり、この人には厳しく指導して行こう!心に誓った一日だった。
次回、続くかも。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
(プロフィール)
メタボ会長
身長172cm・体重87kg
体脂肪率27%
当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり卒業後、メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇され、その後、着々と太り続ける典型的な中年体型オヤジ。
「自転車は健康にいいですよ。」
何気ない一言が編集部員地獄の日々のはじまりだった。
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「自転車買ってきたからよろしく頼むぞ。」
恐ろしい一言を放って電話が切れた。
いきなりの非常事態発生!
思い起こせば、編集会議に出席していた会長に
「自転車は健康にいいですよ。乗ってみれば如何ですか?」
呑気な言葉を編集部員が発していたことを思い出した。まさか真に受けてるとは、編集部員の誰もが考えもしなかったのである。さらに記憶を辿れば、たまたまインプレの日に編集部を訪れていた会長がインプレ担当ライダーに色々と質問していた姿を思い出した。
「初めて乗るならどんなのがいいの?初心者でも危なくない?」
ただ、メタボ会長に関して私の知る限りでは、20年前の会社設立以来、子供の運動会はおろか入学式すらそっちのけで仕事に明け暮れ、運動といえば月1回程度の接待ゴルフくらい。
移動はもちろん車で電車すら殆ど乗らない。取引先との打ち合わせと会食を日々繰り返し、現在の会長という地位と引き換えに、屈強なメタボ腹を手に入れた強者である。
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後日、会長がヨロヨロしながらジャイアントDEFY3に跨って現れた。素人のチョイスにしてはほぼベストな選択だったのには驚いたが、インプレライダーの助言を素直に聞き入れただけの事だった。近所の自転車量販店、サイクルベースあさひで、約8万円弱で買ってきたという。
相手は会長。業務上は従うしかできないが、この際、自転車にガッツリ乗らせて会長をいじくっちゃおうって事でこのコーナーを立ち上げることとなった。
ただ幸いな事に、編集部、運営会社ともに「多摩湖サイクリングロード」まで2km圏内という素晴らしい立地に恵まれている為、ロードバイクに乗る環境としては申し分ない。信号が1つもない1周12kmのホームコースまでわずか5分で到達できるのだ。
とは言え、膨大な仕事量に忙殺される日々を送る私にとって、会長の世話をする時間の余裕は皆無である。
「会長の世話役は誰になるんだろう?」
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走り出してみると案外楽しそうに走る姿が微笑ましいものの、編集部にしてみればいい迷惑には変わりない。前を走る丸く太った背中が妙に憎たらしく思えてきた。
「初めてなので、のんびり走りますからゆっくり付いてきて下さいね。」
適度なアップダウンを持つ1周12kmのサイクリングロードを走りだすと、とたんに
「ケツが痛い。腰が痛い。昇りがキツい。」
予想通りの反応が返ってきたものの、真っ赤な顔でなんとか1周止まらずについてきた。ただ、あまりに一生懸命もがいている姿をみると、
「少し面倒見てやんなきゃかも?」という仏心が芽生えた気がした。
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1周走って編集部に戻ると「自転車って案外楽しいかもな。次回も付き合えよ。」
呑気な事を楽しげに話す姿が、いつもの会長とは別人に見えた。やっぱり自転車はいいもんだなと再認識できた気がした。和やかな雰囲気のまま、帰り際に会長から一言
「昨日打合せした案件は今日中に仕上げて、明日の朝一で提出しろよ。」
仏心が芽生えかけた私の感情をブチ壊して、ヨロヨロと帰って行った。
やっぱり、この人には厳しく指導して行こう!心に誓った一日だった。
次回、続くかも。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
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メタボ会長
身長172cm・体重87kg
体脂肪率27%
当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり卒業後、メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇され、その後、着々と太り続ける典型的な中年体型オヤジ。