大光量のライトを数多くラインナップするムーンより、ブランド初となる独立2灯式フロントライト「X-power ADJ」が登場した。左右それぞれが上下方向の角度調節が可能で、状況に合わせて照射範囲を変化できることが特徴だ。ラインナップされている1300ルーメンモデルと850ルーメンモデルを紹介しよう。



ムーン X-power 1300ADJ(850ADJも形状は同じ)ムーン X-power 1300ADJ(850ADJも形状は同じ) photo:So.Isobe
2灯式ながらコンパクトなボディのため、取り付け位置に困ることも少なそうだ2灯式ながらコンパクトなボディのため、取り付け位置に困ることも少なそうだ photo:So.Isobeライト本体は放熱フィンが設けられているため、過度に温まってしまうことも少なそうだライト本体は放熱フィンが設けられているため、過度に温まってしまうことも少なそうだ photo:So.Isobe


大光量のライトを数多くリリースしているムーン初となる、ライトを2つ搭載したフロントライトが、X-power ADJである。それぞれのライトにCree社のXM-L high brightness LEDを搭載することで、コンパクトなボディサイズにも関わらず、暗い田舎道でも十分に路面状況を把握できるほど強力な光の照射を実現しているモデルだ。

X-power ADJには1300ルーメンと850ルーメンという光量が異なる2種類が揃えられており、いずれも高精度なレンズと組み合わせることで、合計照射角84°のワイドな配光を実現している。2灯の配光が重なる部分は強力に照らしだしてくれるため、路面状況も把握しやすいだろう。

選択可能な照射パターンは7種類。うち、4種類が点灯で3種類が点滅となっている。点灯モードは最大光量1,300ルーメンから、850、550、300ルーメンのモードが準備されている。1300ルーメンモデルは最低でも300ルーメンが備えられているため、このモデルで様々な状況に対応できるはずだ。

2灯それぞれが強力に光を放つためナイトライドでも安心できる2灯それぞれが強力に光を放つためナイトライドでも安心できる photo:So.Isobe上下合わせて9段階で角度調節が可能となっている上下合わせて9段階で角度調節が可能となっている photo:So.Isobe


850ルーメンモデルは最大光量から600、400、180のモードが備えられており、街灯がまったくない農道やトレイルから灯りが多い街中まで様々なシチュエーションで役に立つだろう。点滅モードにはオーソドックスなフラッシュと、素早く明滅を繰り返すストロボ、万が一の時に役に立つSOS用のモードという3モードが用意されている。

スイッチを押すたびに、点灯モードの中では明るさの変更が、点滅モードでは点滅パターンの変更が繰り返されるため、すべてのモードをクリックで一巡しなければならないという煩わしさがない。点灯モードと点滅モードはダブルクリックで切り替えが出来る。

ヘルメットマウントも標準で付属するヘルメットマウントも標準で付属する photo:So.Isobeヘルメットマウント搭載時は延長ケーブルを使用すれば、ジャージのバックポケットにも入れることができるヘルメットマウント搭載時は延長ケーブルを使用すれば、ジャージのバックポケットにも入れることができる photo:So.Isobeバッテリーは別体式となっており、リチウムイオンの充電式バッテリーが付属する。1300ルーメンに付属するバッテリーは7.4V、3300mAhというスペックを備えており、かつ充電インジケーターや外部給電用のUSBポート、テールライト機能など、多様な機能を兼ね備えていることが特徴だ。850ルーメンモデルには7.4V、2600mAhというスペックを備えるオーソドックスなバッテリーが付属する。

1300ルーメンモデルのランタイムは、最大光量では1時間40分、850ルーメンでは2時間30分、550ルーメンでは3時間40分、300ルーメンでは9時間40分、フラッシュでは7時間30分、ストロボで6時間20分だ。300ルーメンで9時間40分というランタイムは、夜通し走行するブルベなどでは力強い味方となってくれるだろう。満充電までは4時間。

850ルーメンモデルのランタイムは、最大光量では2時間、600ルーメンでは2時間40分、400ルーメンでは4時間30分、180ルーメンでは9時間40分、フラッシュでは8時間、ストロボでは7時間40分だ。満充電までは3時間。

X-power ADJのルックス上の特徴である独立した左右のライトはそれぞれ9段階で上下の角度が調整できる。ADJはアジャスタブルの略なのだろう。調整可能幅は水平から上向きに12°、下向きに19°となっており、好みや状況にあわせて照射距離や照射範囲を変化させることが可能だ。

角度を揃えれば、スポットを明るく照らすことができる一方で、ばらけさせれば近くから遠くまで幅広く照らすことが出来る、臨機応変さがこのライトのウリと言える。

実際に街灯と対向車がない状況で一方は上向き、もう一方は下向きで足元を照らして走行してみたところ、1灯式のライトと比べて照射範囲が広く視野が広くとれ、安心して走ることが出来た。2灯の角度が揃っている状況よりも絶対的な明るさはそれぞれ弱くなってしまうが、目線の先に光が届くため夜間走行を安心して行うにはメリットとなるだろう。

独立した2灯のライトを搭載していながら本体は、縦62×幅68×厚さ28mm(実測値)というコンパクトサイズに収まっている。バッテリーをトップチューブなどに固定すれば、混み合いやすいハンドル周りでもスマートに収める事ができるだろう。22~31.8mm径まで対応するマウントブラケットは、工具なしでハンドルバーへ取り付ける事が可能だ。

中央のスポット配光は数十メートル先まで光を届けることができる中央のスポット配光は数十メートル先まで光を届けることができる
数十メートル先まで光が届く1300ルーメンのX-power 1300 ADJ数十メートル先まで光が届く1300ルーメンのX-power 1300 ADJ ハイパワーな出力のため足元が見えない不安は少ないハイパワーな出力のため足元が見えない不安は少ない


標準で付属するヘルメットマウント用のブラケット固定用に28.5cmとかなり長めのベルクロが付属するため、ベンチレーションホールが少ないトレイル用ヘルメットでも搭載可能モデルは多そうだ。いずれのライトもボディ重量100g(実測値)だが、バランスが優れているためかヘルメットに装着しても重量増はあまり感じなかった。

ライトをヘルメットにマウントするにあたっても、このライトの調整機能は非常に秀逸だ。調整幅が広いため、ヘルメットの取り付け可能な位置に関わらず最適な照射角を得られるのだ。組み合わせるヘルメットを選ばないため、ヘルメットマウント用ライトを探している人にもぴったりだろう。

ブランド初の独立したライトを2灯装備したX-power ADJ。1灯式よりも広い範囲を照射可能にする照射角度を自由に調節できるユニークな機構や外部バッテリー式など、暗い道を長距離、長時間走るブルベなどには最適なプロダクトだろう。価格は1300ルーメンモデルで32,000円(税抜)、850ルーメンモデルで25,000円(税抜)だ。



ムーン X-power 1300 ADJ
光源:XM-L high brightness LED
ライト出力:1300ルーメン
点灯モード:7パターン(1300、850、550、300ルーメン+フラッシュ、ストロボ、SOS)
バッテリー:リチウムイオン 7.4V 3300mAh
ランタイム:1時間40分(1300ルーメン)~9時間40分(300ルーメン)
充電:ACアダプター
対応ハンドル径:22.2~32mm
重量:100g(本体、実測値)、194g(バッテリー、実測値)
カラー:ブラック
付属品:ヘルメットマウント用ブラケット
価格:32,000円(税抜)

ムーン X-power 850 ADJ
光源:XM-L high brightness LED
ライト出力:850ルーメン
点灯モード:7パターン(850、600、400、180ルーメン+フラッシュ、ストロボ、SOS)
バッテリー:リチウムイオン 7.4V 2600mAh
ランタイム:2時間(850ルーメン)~9時間40分(180ルーメン)
充電:ACアダプター
対応ハンドル径:22.2~32mm
重量:100g(本体、実測値)、141g(バッテリー、実測値)
カラー:ブラック
付属品:ヘルメットマウント用ブラケット
価格:25,000円(税抜)