2014/07/07(月) - 09:15
創立39年というバイクアクセサリーブランド、ブラックバーン。ツーリングやロングライドで役立つ様々なアイテムをリリースする同社が新たに送り出した、高輝度フロントライト「セントラルフロント」をインプレッションした。
「バイクアドベンチャー」をブランドのルーツに持ち、ツーリングやロングライドといったシチュエーションに適した製品ラインナップを持つブラックバーン。ラックや、パニアバッグ、マルチツールなど高品質なアイテムを送り出してきた同社が新たにデビューさせたハイエンドライトが「セントラルフロント」だ。
セントラルフロントは、最大500ルーメンの出力を持つ高輝度LEDライト。数年前であれば100ルーメンを超える自転車ライトは数えるほどしかなく、専用のバッテリーとライト別体のものか、アウトドア用の懐中電灯を流用するかという選択肢しかなかったものだ。
前者は重く、また自転車のシルエットを崩してしまう。後者の場合は、あくまで懐中電灯であり配光が自転車向きではないこと、マウント方法に工夫が必要なことなど、デメリットも存在していた。ただ、乾電池を使用した自転車用ライトに比べれば、どちらも圧倒的に明るいため、通勤やツーリング、ブルベなどで夜も走るライダーたちはそれらを使用してきた。
その流れが変わったのは、USB充電式のライトが世に普及しだしてから。つまりこれまで自転車用ライトの性能を制約し続けていたのはLEDではなくバッテリーだったのだ。
リチウム充電池を使用することで、その限界を突破できるようになったのが、近年の高性能自転車用ライト。自由に電池の形状を設計できることと、バッテリー技術の進化により、コンパクトかつ以前では考えられなかったような明るさを実現できるようになった。
さて、今回インプレを行ったセントラルフロントも、この流れの中で生まれた高性能リチウムバッテリー内蔵式の高輝度LEDライトだ。Cree社のLEDを使用し500ルーメンをマークする本体は、梨地仕上げの高級感あるルックスだ。ヒンジが設けられたブラケットのおかげでハンドルへの取り付けは非常に容易で、ねじの精度が良いことと、つまみが大きく回しやすいことで取り付け時も上質な感じを受けた。
ライトの点灯or照射モードの選択は後ろのダイヤルを回すことで行う。ダイヤルにはイラストが描かれており、現在どのモードにあるのかわかりやすい。いちいちボタンを連打せずともモード選択できることもダイヤル式のメリットだ。
セントラルフロントのユニークポイントは照射モードの一つ「スマートモード」にある。通常のライトであれば、ハイ、ミドル、ロー、点滅といった照射パターンがあり、自分で周囲の暗さに合わせてボタンを押してモードを変更する必要がある。ハイモードにしているとランタイムが短くなってしまうからだ。
しかし、そんな煩わしさから解放してくれるのがこの「スマートモード」。本体上部に設置された「アンビエントライトセンサー」が周囲の明るさを判別し、ライトの出力を最大500ルーメンから最小18ルーメンまでコントロールしてくれるため、ライダーがいちいちハンドルから手を放してボタンを操作する必要がなくなっている。
インプレッションは日々の通勤ライドで行ったが、その通勤路は幹線道路から市街地、川沿いの暗い道路とさまざまなシチュエーションが含まれる16km程度のコース。そこでのスマートモードの使用感は一言でいうなら「違和感ゼロ」。
ほぼタイムラグなく光量が調整されるため、暗いところでは明るく、明るいところでは暗くなっていることに気付かないのだ。最初の使用時には、ずっと明るいじゃないか、と思っていたのだが、注意深く見ていると街灯の切れ目などで確かに光量が変化している。
これが少しタイムラグがあるようだと、明るくなった!とか暗くなった!というように分かりやすいのだろうが、あまりにも自然に調整されるため、走っていて変化に気付かない。つまり余計なことに気を取られず、集中して自転車に乗ることができるのだ。
スマートモードを使用することでランタイムも確実に伸びている。モード選択用ダイヤルのライトの色が緑→オレンジ→赤と変わることでバッテリーインジゲーターとして機能しており、ハイモードで公称ランタイムの1.5時間を使用した際には、明りは弱々しくなり、バッテリーインジゲーターも赤色となった。一方、同条件でスマートモードを使用した場合、インジゲーターはオレンジで、明るさも変わらなかった。
ずっと暗い道を走るようなシチュエーションであれば、スマートモードでも消耗がより早くなることが予想されるが、裏を返せば街灯の多い都市部の通勤ではより長くなるだろう。最大500ルーメンという照度は大きな安心感につながる。光は遠くまで良く飛ぶものの、決して周辺光がないわけではない。中心部が明るくなりすぎず、非常に見やすいライトである。
普段、私は1200ルーメンのバッテリー別体式のライトを使用している。絶対的な明るさでは負けるものの、実用の範囲内であれば大きな差は感じなかった。ナイトトレイルライドのような限られたシチュエーション、対向車もおらず、光量こそが正義という場面でなければむしろセントラルフロントのほうが使い勝手は良い。
またブラケット自体の出来が良く、しっかりとハンドルに固定されるため段差などでも上下に動くこともない。首振り機構を備えているため、左右方向への照射も可能となっている。首振り機構は「カチカチカチ」と節度のある動きをし、こちらも段差程度の衝撃にはびくともしないしっかりした構造だ。
充電ポートは本体下側、ブラケットと接する位置に配置されているため、雨天時でも水が入る心配が少ない。そういった細かい配慮も行き届いており、クオリティの高さを感じさせてくれるプロダクトとして仕上がっている。
明るさとロングライフを両立するスマートモードがもたらす実用性と、所有欲を満たしてくれる細部へのこだわりが魅力的なブラックバーン「セントラルフロント」。ナイトライドをストレスなく楽しむにはうってつけのプロダクトだ。
ブラックバーン CENTRAL FRONT
カラー:シルバー/ブラック
光量:18ルーメン~500ルーメン
重量:195g
USB充電時間:約4時間
点灯時間:スマートモード 12.5時間 ハイモード 1.5時間 ロー&ストロボモード3時間
バッテリー残量インジゲーター:緑=100~75%、オレンジ=75~25%、赤=25~0%
価格:15,000円(税抜)
text:Naoki,YASUOKA
photo:Makoto,AYANAO
「バイクアドベンチャー」をブランドのルーツに持ち、ツーリングやロングライドといったシチュエーションに適した製品ラインナップを持つブラックバーン。ラックや、パニアバッグ、マルチツールなど高品質なアイテムを送り出してきた同社が新たにデビューさせたハイエンドライトが「セントラルフロント」だ。
セントラルフロントは、最大500ルーメンの出力を持つ高輝度LEDライト。数年前であれば100ルーメンを超える自転車ライトは数えるほどしかなく、専用のバッテリーとライト別体のものか、アウトドア用の懐中電灯を流用するかという選択肢しかなかったものだ。
前者は重く、また自転車のシルエットを崩してしまう。後者の場合は、あくまで懐中電灯であり配光が自転車向きではないこと、マウント方法に工夫が必要なことなど、デメリットも存在していた。ただ、乾電池を使用した自転車用ライトに比べれば、どちらも圧倒的に明るいため、通勤やツーリング、ブルベなどで夜も走るライダーたちはそれらを使用してきた。
その流れが変わったのは、USB充電式のライトが世に普及しだしてから。つまりこれまで自転車用ライトの性能を制約し続けていたのはLEDではなくバッテリーだったのだ。
リチウム充電池を使用することで、その限界を突破できるようになったのが、近年の高性能自転車用ライト。自由に電池の形状を設計できることと、バッテリー技術の進化により、コンパクトかつ以前では考えられなかったような明るさを実現できるようになった。
さて、今回インプレを行ったセントラルフロントも、この流れの中で生まれた高性能リチウムバッテリー内蔵式の高輝度LEDライトだ。Cree社のLEDを使用し500ルーメンをマークする本体は、梨地仕上げの高級感あるルックスだ。ヒンジが設けられたブラケットのおかげでハンドルへの取り付けは非常に容易で、ねじの精度が良いことと、つまみが大きく回しやすいことで取り付け時も上質な感じを受けた。
ライトの点灯or照射モードの選択は後ろのダイヤルを回すことで行う。ダイヤルにはイラストが描かれており、現在どのモードにあるのかわかりやすい。いちいちボタンを連打せずともモード選択できることもダイヤル式のメリットだ。
セントラルフロントのユニークポイントは照射モードの一つ「スマートモード」にある。通常のライトであれば、ハイ、ミドル、ロー、点滅といった照射パターンがあり、自分で周囲の暗さに合わせてボタンを押してモードを変更する必要がある。ハイモードにしているとランタイムが短くなってしまうからだ。
しかし、そんな煩わしさから解放してくれるのがこの「スマートモード」。本体上部に設置された「アンビエントライトセンサー」が周囲の明るさを判別し、ライトの出力を最大500ルーメンから最小18ルーメンまでコントロールしてくれるため、ライダーがいちいちハンドルから手を放してボタンを操作する必要がなくなっている。
インプレッションは日々の通勤ライドで行ったが、その通勤路は幹線道路から市街地、川沿いの暗い道路とさまざまなシチュエーションが含まれる16km程度のコース。そこでのスマートモードの使用感は一言でいうなら「違和感ゼロ」。
ほぼタイムラグなく光量が調整されるため、暗いところでは明るく、明るいところでは暗くなっていることに気付かないのだ。最初の使用時には、ずっと明るいじゃないか、と思っていたのだが、注意深く見ていると街灯の切れ目などで確かに光量が変化している。
これが少しタイムラグがあるようだと、明るくなった!とか暗くなった!というように分かりやすいのだろうが、あまりにも自然に調整されるため、走っていて変化に気付かない。つまり余計なことに気を取られず、集中して自転車に乗ることができるのだ。
スマートモードを使用することでランタイムも確実に伸びている。モード選択用ダイヤルのライトの色が緑→オレンジ→赤と変わることでバッテリーインジゲーターとして機能しており、ハイモードで公称ランタイムの1.5時間を使用した際には、明りは弱々しくなり、バッテリーインジゲーターも赤色となった。一方、同条件でスマートモードを使用した場合、インジゲーターはオレンジで、明るさも変わらなかった。
ずっと暗い道を走るようなシチュエーションであれば、スマートモードでも消耗がより早くなることが予想されるが、裏を返せば街灯の多い都市部の通勤ではより長くなるだろう。最大500ルーメンという照度は大きな安心感につながる。光は遠くまで良く飛ぶものの、決して周辺光がないわけではない。中心部が明るくなりすぎず、非常に見やすいライトである。
普段、私は1200ルーメンのバッテリー別体式のライトを使用している。絶対的な明るさでは負けるものの、実用の範囲内であれば大きな差は感じなかった。ナイトトレイルライドのような限られたシチュエーション、対向車もおらず、光量こそが正義という場面でなければむしろセントラルフロントのほうが使い勝手は良い。
またブラケット自体の出来が良く、しっかりとハンドルに固定されるため段差などでも上下に動くこともない。首振り機構を備えているため、左右方向への照射も可能となっている。首振り機構は「カチカチカチ」と節度のある動きをし、こちらも段差程度の衝撃にはびくともしないしっかりした構造だ。
充電ポートは本体下側、ブラケットと接する位置に配置されているため、雨天時でも水が入る心配が少ない。そういった細かい配慮も行き届いており、クオリティの高さを感じさせてくれるプロダクトとして仕上がっている。
明るさとロングライフを両立するスマートモードがもたらす実用性と、所有欲を満たしてくれる細部へのこだわりが魅力的なブラックバーン「セントラルフロント」。ナイトライドをストレスなく楽しむにはうってつけのプロダクトだ。
ブラックバーン CENTRAL FRONT
カラー:シルバー/ブラック
光量:18ルーメン~500ルーメン
重量:195g
USB充電時間:約4時間
点灯時間:スマートモード 12.5時間 ハイモード 1.5時間 ロー&ストロボモード3時間
バッテリー残量インジゲーター:緑=100~75%、オレンジ=75~25%、赤=25~0%
価格:15,000円(税抜)
text:Naoki,YASUOKA
photo:Makoto,AYANAO
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