2014/06/13(金) - 09:02
東アジア最高峰のヒルクライム大会「MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2014」。今年初参加した田代恭崇さんによる参加レポートでご紹介。まずは大会前日の観光サイクリング編をお楽しみください。
プロフィール 田代恭崇(たしろやすたか)
田代恭崇さん(リンケージサイクリング) サイクリングプランナー。2004年アテネ五輪ロード日本代表。10年間ブリヂストンアンカーに所属し、ヨーロッパプロレースや全日本選手権等多くの優勝を飾る。07年で選手を引退し、08年ブリヂストンサイクルに入社。スポーツ自転車の商品企画、販売促進、広報、マーケティング、ショールーム運営、サイクリングイベント等の業務を6年間担当。2013年には“世界一過酷” なアマチュアサイクリストの祭典 “オートルート・アルプス” で日本人初完走を果たす。2014年よりフリーランスとしてサイクリングの魅力を伝える活動を始める。 同年、サイクリングイベントやスクール、コーチを行うリンケージサイクリングを創業。
大会前日の観光サイクリングに出た日本人参加者の皆さんと太魯閣渓谷の入口で記念写真。ここからダイナミックな渓谷が始まる
漢字がたくさんのカラフルな台湾の街並みを楽しみつつ走る 5月18日(日)に台湾の太魯閣(たろこ)国立公園で行われた、一般道で到達できる東アジア最高地点 標高3,275mまで登る「第3回MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2014」に参加してきた。
現役時代に「ツール・ド・台湾」に何度か出場した事があり、2006年にはステージ2勝した思い出のある国。引退後も何度か自転車関係の仕事で訪れた台湾は、世界でも好きな国の1つである。
本場の小籠包の味に舌鼓を打つ 日本からも近く、ご飯がおいしく、そして何より台湾の方々が親日的なのが嬉しいのだ。日本語を話せる方も多く、気軽に話しかけてくれて、困っている時に助けてくれた体験も多くしたことがある。
「ツール・ド・台湾」に出場している頃、先輩から「以前は3,000mを越える山岳ステージがあり、ホントにキツかった」という話を良く聞かされていた。今まで自分が出場した大会でも最高は標高2,800mまでで、3,000mを越える標高は未知の世界だ。しかも今回参加するインターナショナルクラスは90kmと距離が長いヒルクライムで、全く未知の世界なのだ。
美味しい食事の接待を受けて乾杯! 台湾の人たちは必ず歓迎の食事会を開いてくれる 大好きな台湾でしかも未知のヒルクライムの世界。これでテンションが上がらないわけがない。今回の目標は「おいしい物を食べる!」「みんなで楽しむ!」「東アジア最高到達地点を制覇!」この3つだ。
今回、私たちは金曜日に台湾に入り、月曜日に帰国する4日間のスケジュールで参加した。大会が開催される場所は、台湾北部の台北から東海岸線を車で3時間ほど南下した花蓮。大会のオフィシャルホテルへ到着後、早速「美味しいものを食べる!」へ出発(笑)。大会主催者の方々のご招待で、食事会へ参加させてもらった。
ご存じの方は知っているでしょう、南の島の歓迎はお酒がつきものだということを。お酒の飲み比べのような歓待をうけ、その夜はへべれけになってしまった(笑)。
「郷に入れば郷に従え!」ここは台湾式の伝統的な歓迎をしっかり受け入れます。
壮大な太魯閣渓谷を楽しむ前日の観光サイクリング
大理石やめのうなど、宝石の採れる海岸につくられたサイクリングロード
「みんなで楽しむ!」第1弾は、大会前日に日本からのツアー参加者たちと一緒に壮大な太魯閣渓谷を楽しむ観光サイクリングだ。大会当日には走らない海岸線のサイクリングロード、そして大会中にはおそらく一生懸命すぎて景観を楽しむことができないだろうから、名勝の太魯閣渓谷を満喫しに行くのだ。
「新城サイクリングロード」は新城幸也も走ったことがあります(笑)
海岸沿いに整備されたサイクリングロード
宿泊している花蓮市内のホテルで日本の参加者の皆さんと合流、レースのスタート地点となっている花蓮縣新城郷秀林國中まで海岸線のサイクリングロードを気持ちよく流す。天気も良く、要所要所で立ち止まり、写真を撮ったり寄り道したり、初めての人たちでも一緒にサイクリングすればすぐ仲間。笑いが絶えない。サイクリングなら、人と人はすぐつながるのだ。(リンケージサイクリングのキャッチフレーズです)
大理石の石畳を敷き詰めたサイクリングロードはなんともリッチだ
レンタサイクルでサイクリングを楽しむ女子グループに遭遇。花蓮は自転車の街だ
沖縄のシーサーそっくり! お墓の前にて
港には倉庫跡を利用したアートギャラリーがあった
花蓮のコンビニに売っているそのまま自転車ボトルになるスポーツドリンク
台湾のコンビニはサイクリストに嬉しい休憩スペースが広々!
太魯閣渓谷への上りは緩やかで、サイクリングにはもってこい。浸食された大理石の岩盤は圧倒的な大きさで感動する。この大理石をくりぬいて渓谷沿いに道路が造られている。すごい景色だ。
途中、台湾のサイクリストたちのグループとコミニケーションをとる機会があった。これもまた楽しい。チャレンジクラス74kmに参加される日本からのサイクリスト、そして台湾のサイクリストともつながるサイクリングとなった。
太魯閣渓谷はまるでアルプスのようなダイナミックさ
両側が断崖絶壁の渓谷美にみとれる
素掘りトンネルは冷やりして涼しい
台湾のサイクリストたちもグループでやってきた
太魯閣渓谷は素掘りのトンネルがいくつも続く
こちらに来てからメンバーのバイクにメカトラブルがあり、花蓮の街をサイクルショップを探しうろうろうろうろ。ジャイアントストアやメリダストアにも立ち寄る。サイクルショップ事情がわかってこれもまた楽しい!
メリダショップはとても充実していた
小籠包が美味しいお店を見つけた
花蓮は首都・台北に比べたら地方に位置する街だが、数年前に比べたら近代化が進んでいる。街にはお洒落なカフェやパン屋なんかも多くあり、日本みたいでちょっとビックリする。トラブルを解決したらやっぱりおいしいものを食べる。うろうろしていると安くておいしいランチに出会うのだ。
このあたり一帯で捕れるマンボウの像があったのでみんなで「マンボウ♪」ポーズ。ちなみに食堂で食べることができます
日本と台湾が赤いリボンでつながる
夕方からは日本からの参加者向けの大会受付と、事前説明会がホテルで開催された。配布物の説明や大会の注意点等の説明があり、配布物には赤色のリボンが入っていた。
「日本からの参加者の証ですのでヘルメットの後ろに付けて下さい」という説明があった。台湾では参加者のサポートは家族や所属しているチームが行うのが一般的であるが、日本からの参加者はパンクや機材トラブルは主催者のサポートに頼るしかない。主催者のサポートが満足に至らない場合もあるが、「日本人の証である赤いリボンを付けていれば、困っているのに気づいた台湾の人たちが必ずサポートしてくれます」。そう笑顔で説明してくれた。
日本人専用の大会ブリーフィングが用意された
日本人選手に配られた赤いリボン。これがあればサポートを受けられるという
参加者と参加者、そして台湾の参加者やそのサポーターとも赤いリボンでつながるのだ! なんていい話だろう。ひとりで勝手に興奮した。主催者の暖かい感じが伺え、やはり大会はその主催者の色になるな、と改めて感じた。説明会の後半では、私からも大会参加するにあたっての注意点やアドバイスをさせて頂いた。
レース前夜もスタミナをつけるために美味しくいただきます
そして夜はやっぱり「おいしい物を食べる!」でしょ(笑)。にぎやかな空間と円卓が食欲に拍車をかけます。今夜も出し惜しみすることなく「みんなで楽しむ!」を完了し、明日の本番への鋭気を蓄えた。
report: 田代恭崇(Yasutaka.Tashiro)
photo:Makoto.AYANO
協力:エバー航空、台湾観光協会
タロコヒルクライム前日編フォトギャラリー(CW FaceBook)
台湾への翼は人気のエバー航空 ”ハロー・キティ ジェット”で!
エバー航空のハロー・キティジェット (c)エバー航空
機内もハローキティのアメニティグッズなどがいっぱい
プロフィール 田代恭崇(たしろやすたか)
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現役時代に「ツール・ド・台湾」に何度か出場した事があり、2006年にはステージ2勝した思い出のある国。引退後も何度か自転車関係の仕事で訪れた台湾は、世界でも好きな国の1つである。
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「ツール・ド・台湾」に出場している頃、先輩から「以前は3,000mを越える山岳ステージがあり、ホントにキツかった」という話を良く聞かされていた。今まで自分が出場した大会でも最高は標高2,800mまでで、3,000mを越える標高は未知の世界だ。しかも今回参加するインターナショナルクラスは90kmと距離が長いヒルクライムで、全く未知の世界なのだ。
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今回、私たちは金曜日に台湾に入り、月曜日に帰国する4日間のスケジュールで参加した。大会が開催される場所は、台湾北部の台北から東海岸線を車で3時間ほど南下した花蓮。大会のオフィシャルホテルへ到着後、早速「美味しいものを食べる!」へ出発(笑)。大会主催者の方々のご招待で、食事会へ参加させてもらった。
ご存じの方は知っているでしょう、南の島の歓迎はお酒がつきものだということを。お酒の飲み比べのような歓待をうけ、その夜はへべれけになってしまった(笑)。
「郷に入れば郷に従え!」ここは台湾式の伝統的な歓迎をしっかり受け入れます。
壮大な太魯閣渓谷を楽しむ前日の観光サイクリング
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「みんなで楽しむ!」第1弾は、大会前日に日本からのツアー参加者たちと一緒に壮大な太魯閣渓谷を楽しむ観光サイクリングだ。大会当日には走らない海岸線のサイクリングロード、そして大会中にはおそらく一生懸命すぎて景観を楽しむことができないだろうから、名勝の太魯閣渓谷を満喫しに行くのだ。
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太魯閣渓谷への上りは緩やかで、サイクリングにはもってこい。浸食された大理石の岩盤は圧倒的な大きさで感動する。この大理石をくりぬいて渓谷沿いに道路が造られている。すごい景色だ。
途中、台湾のサイクリストたちのグループとコミニケーションをとる機会があった。これもまた楽しい。チャレンジクラス74kmに参加される日本からのサイクリスト、そして台湾のサイクリストともつながるサイクリングとなった。
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こちらに来てからメンバーのバイクにメカトラブルがあり、花蓮の街をサイクルショップを探しうろうろうろうろ。ジャイアントストアやメリダストアにも立ち寄る。サイクルショップ事情がわかってこれもまた楽しい!
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花蓮は首都・台北に比べたら地方に位置する街だが、数年前に比べたら近代化が進んでいる。街にはお洒落なカフェやパン屋なんかも多くあり、日本みたいでちょっとビックリする。トラブルを解決したらやっぱりおいしいものを食べる。うろうろしていると安くておいしいランチに出会うのだ。
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日本と台湾が赤いリボンでつながる
夕方からは日本からの参加者向けの大会受付と、事前説明会がホテルで開催された。配布物の説明や大会の注意点等の説明があり、配布物には赤色のリボンが入っていた。
「日本からの参加者の証ですのでヘルメットの後ろに付けて下さい」という説明があった。台湾では参加者のサポートは家族や所属しているチームが行うのが一般的であるが、日本からの参加者はパンクや機材トラブルは主催者のサポートに頼るしかない。主催者のサポートが満足に至らない場合もあるが、「日本人の証である赤いリボンを付けていれば、困っているのに気づいた台湾の人たちが必ずサポートしてくれます」。そう笑顔で説明してくれた。
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参加者と参加者、そして台湾の参加者やそのサポーターとも赤いリボンでつながるのだ! なんていい話だろう。ひとりで勝手に興奮した。主催者の暖かい感じが伺え、やはり大会はその主催者の色になるな、と改めて感じた。説明会の後半では、私からも大会参加するにあたっての注意点やアドバイスをさせて頂いた。
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そして夜はやっぱり「おいしい物を食べる!」でしょ(笑)。にぎやかな空間と円卓が食欲に拍車をかけます。今夜も出し惜しみすることなく「みんなで楽しむ!」を完了し、明日の本番への鋭気を蓄えた。
report: 田代恭崇(Yasutaka.Tashiro)
photo:Makoto.AYANO
協力:エバー航空、台湾観光協会
タロコヒルクライム前日編フォトギャラリー(CW FaceBook)
台湾への翼は人気のエバー航空 ”ハロー・キティ ジェット”で!
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