2014/05/25(日) - 08:38
今年で19回目を迎えた、人気MTBイベント「Aki Green Cup Festival」。絶好のアウトドア日和に恵まれ、2日間合計でおよそ2,000人がエンジョイしたAki Green Cup Festivalの模様をレポートします。
この記事を読んでくれている皆さんは、「Aki Green Cup Festival」という大会をご存知だろうか。MTBに興味の無い方はご存知ないかもしれないが、過去には「ルイガノカップ」として行われ、今年で開催19年目を数えるという国内屈指の人気イベントだ。
今回取材を担当した私も、このイベントにお邪魔するのは初めてのこと。久しぶりのMTBイベントだし(現在MTBは所有していないけれど…)、参加人数は2日間で延べ2,000人を数えるという規模だけに取材を楽しみにしていた。
—中央道の休日渋滞をギリギリで回避しながら、クルマは標高を稼ぎながら中央道を一路小淵沢ICへ。そこから八ヶ岳方面へ15分くらい坂を登ると、Aki Green Cup Festivalの会場である富士見高原スキー場へと到着した。
1週間前に取材したグランフォンド軽井沢でも同じことを思ったが、さすがは標高1,200m超。まだ花をつけた桜もあり、朝8時の気温は半袖では肌寒く感じてしまうほど。ここ富士見高原は東京よりも1ヶ月遅い春だった。
会場を訪れてまず驚いたのは、参加者の数!スキー場のゲレンデを使った会場/コース周辺には無数のテントが並び、そこに収まりきらない人たちは駐車場でテント張り。フルフェイスヘルメット+DHジャージの下り系ライダーもいれば、レーシングジャージに身を包んだクロカン系ライダー、そして賑やかなキッズに応援やギャラリーの方々まで。国内ではロードと比べてMTBは盛り上がらない…という話は常々聞くが、いやいや、それを吹き飛ばすような勢いを会場で感じた。
8時半には第1種目の「4時間エンデューロ」が号砲とともにスタートし、実に多くの参加者が勢い良くコースに飛び出していく。このAki Green Cup Festivalではこの4時間エンデューロに始まり、ロングライドレース(XC系)、ゲレンデを使ったスラロームTT(下り系)、また初心者向けのMTBツアー、はたまた巷で大ブーム中のトレランなど、2日間で10ほどのイベントやレースが次々と、または平行して行われるため、まさに「Festival」の名のごとくとても賑やかな雰囲気だ。
また、それらの競技はいずれもビギナー向けに難易度を抑えてある。例えばゲレンデスラロームも距離が短くそこまでスピードも出ないし、メインのクロカンコースは近隣施設が管理する常設コースを組み込んだもので、テクニカルなセクションも少ない上に路面にはウッドチップが敷かれており、CX(シクロクロス)バイクでも十分に走れる。実際に4時間エンデューロ4人チームの部では、全員CXバイクを駆った「662-496部」が2位になっている。
そして何と言ってもこのイベントの雰囲気を楽しいものにしているのが、会場から見える抜群の景色ではなかろうか?遠くには雪を頂いた南アルプスや甲武の山並みが一望でき、空気の美味しさも抜群だ。昨年は雨に降られてしまったそうだが、取材当日は暖かい太陽に涼やかな風がそよぐ絶好のアウトドア日和で、シートを敷いてごろ寝している人たちが本当に羨ましい(笑)。手作りソーセージ&ハンバーガーの屋台だったり、DJ・Aleeさんの実況もとっても良い感じだ。
あと気づいたのが、クロカン系ライダーとDH系ライダーの距離が近いこと。公式レースでは開催日が違ったり別会場で開催されたりするが、Aki Green Cup Festivalではエンデューロコースのすぐ横をスラロームレースが駆け抜けたりする。「馴染みの薄いジャンルが間近に見えて面白いですね。ダウンヒルバイクが欲しくなりました(笑)」とは、エンデューロに参加されていた方は言う。それから、スラロームに出ていたキッズが意外に多く、その速いことといったら!日本DH界の未来は明るいかも、と勝手ながら思ったりもした。
「イオンバイクプレゼンツMTBツアー&クリニック」に参加 贅沢な信州のトレイルを満喫
また、大会初日には「イオンバイクプレゼンツMTBツアー&クリニック」と題したキッズ&ビギナー向けのMTBツーリングが行われ、そこに参加してみることに。ゲスト講師は現全日本DHチャンピオンの井手川直樹選手と、オリンピック出場経験もある小林可奈子選手という豪華メンバーだ。
ちなみにツアー開催前にはレベル別に2回の講習会が行われ、そこで習ったテクニックをツアーで実践できるという2段構えのありがたい設定。親子ライダーを中心に、およそ40名の参加者が集まった。ツアーで巡るのは、富士見高原スキー場周辺に無数に伸びるダブルトラック(轍が2本、つまり車などの4輪車が通れるオフロード)を絶妙に繋ぐ10kmコース。かの武田信玄が構築したという軍用道路「棒道」がメインだ。
元気なキッズライダーを先頭に、40台のMTBが棒道をゆったりとツーリング。大人と子供が半々でキッズが遅れてしまうのではと思ったが、実は遅れていくのは大人たちだった(笑)。地元に住む小林選手のちょっとした自然授業なども挟みつつ、まったりペースで車列が続く。ただし標高が高いので、ちょっとした登りが結構キツかったりもする。
ちなみにMTBを所有していない私は、大会を主催しているアキコーポレーションよりKONAの27.5インチバイク「CINDER CONE」をレンタルしました。簡単にインプレを加えておくと、スカンジウム製の軽量なフレームは走りが軽く、少しホイールが重たく感じたものの129,000円(税抜き)という価格ならば大満足。気軽にMTBを始めたい方にはちょうど良い選択かもしれない。大会では多くの試乗車が用意されているので、私のように気軽にエントリーしたい方にもありがたい。
さて、まったりペースで走る車列は、途中休憩を挟みながら10kmの道程をたっぷり2時間かけて会場にゴール。トレイルライドは道を知らないと敷居が高いものだが、こうやって手軽に、しかも極上のトレイルを味わえるチャンスなのでオススメだ。さらにキッズ達にとっては「出会いの場」にもなっていたようで、後日一緒に走る約束をした子たちも。TVゲームよりよっぽど健康的だと思うので、一家に一台キッズMTBはいかがでしょう?
そうこうしているうちに、会場では初日最終イベントであるオフロードTTも無事終了し、表彰式を経て閉幕。私は初日のみの取材だったが、翌日も天候に恵まれて最高のイベントになったそうだ。来年はAki Green Cup Festivalも節目となる20回の記念大会。この記事を読んで参加したくなった方は、是非スケジュールを空けておいて欲しいと思う。晴れさえすれば、絶対に期待を裏切らない充実の一日を過ごせるはずだから。
text&photo:So.Isobe
この記事を読んでくれている皆さんは、「Aki Green Cup Festival」という大会をご存知だろうか。MTBに興味の無い方はご存知ないかもしれないが、過去には「ルイガノカップ」として行われ、今年で開催19年目を数えるという国内屈指の人気イベントだ。
今回取材を担当した私も、このイベントにお邪魔するのは初めてのこと。久しぶりのMTBイベントだし(現在MTBは所有していないけれど…)、参加人数は2日間で延べ2,000人を数えるという規模だけに取材を楽しみにしていた。
—中央道の休日渋滞をギリギリで回避しながら、クルマは標高を稼ぎながら中央道を一路小淵沢ICへ。そこから八ヶ岳方面へ15分くらい坂を登ると、Aki Green Cup Festivalの会場である富士見高原スキー場へと到着した。
1週間前に取材したグランフォンド軽井沢でも同じことを思ったが、さすがは標高1,200m超。まだ花をつけた桜もあり、朝8時の気温は半袖では肌寒く感じてしまうほど。ここ富士見高原は東京よりも1ヶ月遅い春だった。
会場を訪れてまず驚いたのは、参加者の数!スキー場のゲレンデを使った会場/コース周辺には無数のテントが並び、そこに収まりきらない人たちは駐車場でテント張り。フルフェイスヘルメット+DHジャージの下り系ライダーもいれば、レーシングジャージに身を包んだクロカン系ライダー、そして賑やかなキッズに応援やギャラリーの方々まで。国内ではロードと比べてMTBは盛り上がらない…という話は常々聞くが、いやいや、それを吹き飛ばすような勢いを会場で感じた。
8時半には第1種目の「4時間エンデューロ」が号砲とともにスタートし、実に多くの参加者が勢い良くコースに飛び出していく。このAki Green Cup Festivalではこの4時間エンデューロに始まり、ロングライドレース(XC系)、ゲレンデを使ったスラロームTT(下り系)、また初心者向けのMTBツアー、はたまた巷で大ブーム中のトレランなど、2日間で10ほどのイベントやレースが次々と、または平行して行われるため、まさに「Festival」の名のごとくとても賑やかな雰囲気だ。
また、それらの競技はいずれもビギナー向けに難易度を抑えてある。例えばゲレンデスラロームも距離が短くそこまでスピードも出ないし、メインのクロカンコースは近隣施設が管理する常設コースを組み込んだもので、テクニカルなセクションも少ない上に路面にはウッドチップが敷かれており、CX(シクロクロス)バイクでも十分に走れる。実際に4時間エンデューロ4人チームの部では、全員CXバイクを駆った「662-496部」が2位になっている。
そして何と言ってもこのイベントの雰囲気を楽しいものにしているのが、会場から見える抜群の景色ではなかろうか?遠くには雪を頂いた南アルプスや甲武の山並みが一望でき、空気の美味しさも抜群だ。昨年は雨に降られてしまったそうだが、取材当日は暖かい太陽に涼やかな風がそよぐ絶好のアウトドア日和で、シートを敷いてごろ寝している人たちが本当に羨ましい(笑)。手作りソーセージ&ハンバーガーの屋台だったり、DJ・Aleeさんの実況もとっても良い感じだ。
あと気づいたのが、クロカン系ライダーとDH系ライダーの距離が近いこと。公式レースでは開催日が違ったり別会場で開催されたりするが、Aki Green Cup Festivalではエンデューロコースのすぐ横をスラロームレースが駆け抜けたりする。「馴染みの薄いジャンルが間近に見えて面白いですね。ダウンヒルバイクが欲しくなりました(笑)」とは、エンデューロに参加されていた方は言う。それから、スラロームに出ていたキッズが意外に多く、その速いことといったら!日本DH界の未来は明るいかも、と勝手ながら思ったりもした。
「イオンバイクプレゼンツMTBツアー&クリニック」に参加 贅沢な信州のトレイルを満喫
また、大会初日には「イオンバイクプレゼンツMTBツアー&クリニック」と題したキッズ&ビギナー向けのMTBツーリングが行われ、そこに参加してみることに。ゲスト講師は現全日本DHチャンピオンの井手川直樹選手と、オリンピック出場経験もある小林可奈子選手という豪華メンバーだ。
ちなみにツアー開催前にはレベル別に2回の講習会が行われ、そこで習ったテクニックをツアーで実践できるという2段構えのありがたい設定。親子ライダーを中心に、およそ40名の参加者が集まった。ツアーで巡るのは、富士見高原スキー場周辺に無数に伸びるダブルトラック(轍が2本、つまり車などの4輪車が通れるオフロード)を絶妙に繋ぐ10kmコース。かの武田信玄が構築したという軍用道路「棒道」がメインだ。
元気なキッズライダーを先頭に、40台のMTBが棒道をゆったりとツーリング。大人と子供が半々でキッズが遅れてしまうのではと思ったが、実は遅れていくのは大人たちだった(笑)。地元に住む小林選手のちょっとした自然授業なども挟みつつ、まったりペースで車列が続く。ただし標高が高いので、ちょっとした登りが結構キツかったりもする。
ちなみにMTBを所有していない私は、大会を主催しているアキコーポレーションよりKONAの27.5インチバイク「CINDER CONE」をレンタルしました。簡単にインプレを加えておくと、スカンジウム製の軽量なフレームは走りが軽く、少しホイールが重たく感じたものの129,000円(税抜き)という価格ならば大満足。気軽にMTBを始めたい方にはちょうど良い選択かもしれない。大会では多くの試乗車が用意されているので、私のように気軽にエントリーしたい方にもありがたい。
さて、まったりペースで走る車列は、途中休憩を挟みながら10kmの道程をたっぷり2時間かけて会場にゴール。トレイルライドは道を知らないと敷居が高いものだが、こうやって手軽に、しかも極上のトレイルを味わえるチャンスなのでオススメだ。さらにキッズ達にとっては「出会いの場」にもなっていたようで、後日一緒に走る約束をした子たちも。TVゲームよりよっぽど健康的だと思うので、一家に一台キッズMTBはいかがでしょう?
そうこうしているうちに、会場では初日最終イベントであるオフロードTTも無事終了し、表彰式を経て閉幕。私は初日のみの取材だったが、翌日も天候に恵まれて最高のイベントになったそうだ。来年はAki Green Cup Festivalも節目となる20回の記念大会。この記事を読んで参加したくなった方は、是非スケジュールを空けておいて欲しいと思う。晴れさえすれば、絶対に期待を裏切らない充実の一日を過ごせるはずだから。
text&photo:So.Isobe