2014/02/17(月) - 09:07
5日で台湾一周900kmを走る「Formosa 900 5days! 挑戦隊」4日目は、花蓮から台北新店への100㎞の行程。距離は短いが、朝からの雨がメンバーのやる気をそいでくれる…。
雨のなか、花蓮駅へと向かう一行。バイクはトラックで運んでもらうため手ぶらだ 4日目 花蓮〜台北新店100㎞
220、200、180㎞と、3日間で600㎞を走ってきた5日間挑戦隊のメンバーたち。疲労が蓄積しているうえに、ダブルパンチなのがパッとしない天気予報だ。一日中の降雨が確実ということで、朝から意気消沈。気も重く朝食を済ませる。
少し気が楽なのは距離が100kmと短いことと、一日の始まりは列車移動ということ。花蓮から北上する東海岸は断崖絶壁の清水斷崖という交通の難所がある。台風の吹き付ける東海岸沿いは、迫る山並み海までせり出し、大きく切り立った崖(がけ)が続く地形になっている。
トラックがすれ違うのに四苦八苦という狭さの難路であるのに加え、悪天候で崖崩れが頻繁に発生するので、危険を避けるためにこの区間は列車でスキップするのがサイクリング旅行の通例となっているのだ。
花蓮駅のホームの階段にはバイク昇降用のスロープが取り付けられる
こうして押して階段の昇降ができるというわけだ
しかし晴れていたら標高400mを越える険しい崖っぷちの道からは海が見渡せるパノラマルート。当初、「旅程を無視して清水斷崖越えに挑戦しようぜ」と息巻いていたメンバーもいたが、この天気にすんなり列車移動に賛成だ。
花蓮の駅は東海岸・タロコエリアのサイクリングの拠点となるだけあって、自転車の受け入れ体制はばっちり。今回メンバーたちの自転車はトラックに積まれて再スタート地点の駅まで先行したため手ぶらだが、多くのサイクリストがここで自転車ごと乗降している。駅のホームへの階段には自転車のスロープが備え付けてあり、階段の脇を自転車を担がなくても押して転がして昇降できる工夫がある。列車には自転車をそのまま載せることができるため、いつでも「サイクリングトレイン」なのだ。
特急列車の自強号でくつろぐ。車窓に雨の風景を見てげんなり
土砂降りの雨の降る中、駅のホームで用意を進める
雨の中、カラ元気を振り絞って出発の気合を入れるメンバーたち
雨の中走りだす。熱帯とはいえ、寒い
1時間半ほど列車に揺られ、清水斷崖をスキップしたところの列車駅より自転車で走り出すことに。外の雨足は一層強まり、ホームにいても吹き込んでくる。これだけの雨だとさすがの亜熱帯でも寒い。カメラも防水仕様のコンパクトカメラだけ持って走り出す。
走りだしてパンク。小石を踏んでトレッドをカットしてしまい、サポートカーの帯同スタッフがタイヤを交換してくれる。雨の中では一層心強い。集団にはすぐに復帰できたが、香港からのメンバーがスリップして転倒。リタイアしてしまう。
しとどに降り続く雨の中走り続ける
小石を踏んでパンク。スタッフが素早くタイヤを交換してくれた
雨の市街地を走る
国道沿いの鶏料理の名店らしきドライブインに入り休むことに。当初のプランになかった店のようだが、スタッフによれば有名な店ということ。スパイス漬けでまるごとフライドされた鶏を、客が軍手をはめた手でワシワシとバラしていく。けっこうグロい感じだが、その美味なこと!
再スタートしてからは厳しい峠越えだ。前回の台湾半周でも通った、新北市への峠道。雨に打たれながら上る。東海岸から台北へと抜ける幹線道路は、勾配は緩やか。そのためか皆が集団でハイペースを維持する。寒いから、ゆっくり走っている方が体が冷えるとばかりピッチをあげる。上りは身体が暖まるが、下りでまた冷える。
うまそうな鶏を前に興奮気味のふたり(笑)
鶏を手づかみでわしわしとばらしていく。けっこうグロい…けど美味い(笑)
峠を一定ペースで上るメンバーたち
峠を下るとお茶の名所、坪林(ピンリン)だ。ここではカラオケセットをがんがんかけながら路上でティータイム。つかの間のスウィーツを楽しむ。冷えきった身体に沁み渡る。こうした休憩の時、ジャイアントトラベルのスタッフはミニカラオケセットを取り出してはBGMをガンガンかけてくれる。台湾山中の田舎道に、J-POPのサザンや浜崎あゆみが賑やかに響く(笑)。
雨中走行に予想外の時間がかかり、今夜もナイトランに。助かるのは夕刻には雨が止み、危険な思いをせずに済んだこと。大都会である台北市の郊外、新店てと到着した。まさに「たどり着いた」という感じ。
雨の峠。寒い…
ガイドのアンディが着るのは台湾式ビニールカッパ。それにしても着こなしがラフすぎる(笑)
お茶の名所、坪林にてつかのまのティータイム。美味しいお茶が体を温める
簡易式カラオケキットでBGMを掛けて盛り上げてくれるガイド君
今日もとっぷりと日が暮れた。ダウンヒルで遅れた仲間を待つ
台北新店市街へとたどり着いた。疲労の色が隠せない
旅が始まる前には台湾の日差しの強さに、日焼け止めや水分補給の心配をしていた。しかし旅が始まってみれば晴れたのは初日を走りだして3時間のみ。あとは曇りか雨だ。暑さに体力を消耗しない代わりに、雨の寒さに悩むとは思ってもみなかった。サイクリングの旅は天候次第だなぁ。
のろのろと進んできたこの連載も次回が最終回。900kmの完走まであと200kmだ。
つづく
フォトギャラリー(CW FaceBook)
photo&text:Makoto.AYANO
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220、200、180㎞と、3日間で600㎞を走ってきた5日間挑戦隊のメンバーたち。疲労が蓄積しているうえに、ダブルパンチなのがパッとしない天気予報だ。一日中の降雨が確実ということで、朝から意気消沈。気も重く朝食を済ませる。
少し気が楽なのは距離が100kmと短いことと、一日の始まりは列車移動ということ。花蓮から北上する東海岸は断崖絶壁の清水斷崖という交通の難所がある。台風の吹き付ける東海岸沿いは、迫る山並み海までせり出し、大きく切り立った崖(がけ)が続く地形になっている。
トラックがすれ違うのに四苦八苦という狭さの難路であるのに加え、悪天候で崖崩れが頻繁に発生するので、危険を避けるためにこの区間は列車でスキップするのがサイクリング旅行の通例となっているのだ。
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しかし晴れていたら標高400mを越える険しい崖っぷちの道からは海が見渡せるパノラマルート。当初、「旅程を無視して清水斷崖越えに挑戦しようぜ」と息巻いていたメンバーもいたが、この天気にすんなり列車移動に賛成だ。
花蓮の駅は東海岸・タロコエリアのサイクリングの拠点となるだけあって、自転車の受け入れ体制はばっちり。今回メンバーたちの自転車はトラックに積まれて再スタート地点の駅まで先行したため手ぶらだが、多くのサイクリストがここで自転車ごと乗降している。駅のホームへの階段には自転車のスロープが備え付けてあり、階段の脇を自転車を担がなくても押して転がして昇降できる工夫がある。列車には自転車をそのまま載せることができるため、いつでも「サイクリングトレイン」なのだ。
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1時間半ほど列車に揺られ、清水斷崖をスキップしたところの列車駅より自転車で走り出すことに。外の雨足は一層強まり、ホームにいても吹き込んでくる。これだけの雨だとさすがの亜熱帯でも寒い。カメラも防水仕様のコンパクトカメラだけ持って走り出す。
走りだしてパンク。小石を踏んでトレッドをカットしてしまい、サポートカーの帯同スタッフがタイヤを交換してくれる。雨の中では一層心強い。集団にはすぐに復帰できたが、香港からのメンバーがスリップして転倒。リタイアしてしまう。
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国道沿いの鶏料理の名店らしきドライブインに入り休むことに。当初のプランになかった店のようだが、スタッフによれば有名な店ということ。スパイス漬けでまるごとフライドされた鶏を、客が軍手をはめた手でワシワシとバラしていく。けっこうグロい感じだが、その美味なこと!
再スタートしてからは厳しい峠越えだ。前回の台湾半周でも通った、新北市への峠道。雨に打たれながら上る。東海岸から台北へと抜ける幹線道路は、勾配は緩やか。そのためか皆が集団でハイペースを維持する。寒いから、ゆっくり走っている方が体が冷えるとばかりピッチをあげる。上りは身体が暖まるが、下りでまた冷える。
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峠を下るとお茶の名所、坪林(ピンリン)だ。ここではカラオケセットをがんがんかけながら路上でティータイム。つかの間のスウィーツを楽しむ。冷えきった身体に沁み渡る。こうした休憩の時、ジャイアントトラベルのスタッフはミニカラオケセットを取り出してはBGMをガンガンかけてくれる。台湾山中の田舎道に、J-POPのサザンや浜崎あゆみが賑やかに響く(笑)。
雨中走行に予想外の時間がかかり、今夜もナイトランに。助かるのは夕刻には雨が止み、危険な思いをせずに済んだこと。大都会である台北市の郊外、新店てと到着した。まさに「たどり着いた」という感じ。
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旅が始まる前には台湾の日差しの強さに、日焼け止めや水分補給の心配をしていた。しかし旅が始まってみれば晴れたのは初日を走りだして3時間のみ。あとは曇りか雨だ。暑さに体力を消耗しない代わりに、雨の寒さに悩むとは思ってもみなかった。サイクリングの旅は天候次第だなぁ。
のろのろと進んできたこの連載も次回が最終回。900kmの完走まであと200kmだ。
つづく
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photo&text:Makoto.AYANO
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