2013/05/08(水) - 07:33
ツインリンクもてぎを思う存分走ることのできる恒例のエンデューロイベント「もてぎ7耐」が今年も開催された。2013年大会の開催日はゴールデンウィーク後半の5月5日(日)。天気にも恵まれた初夏のツインリンクもてぎには2608名ものライダーが集まった。
舞台はMotoGPをはじめ、様々なレースが開催される国際的なサーキット、栃木県茂木市の「ツインリンクもてぎ」。常磐道と東北道からアクセスできることから、東西南北様々な地域から多くの参加者が集まった。CW編集部も参加。まずは大会全体のレポートをお届けします。
当日はゴールデンウィークまっただ中で混雑が予想されたため夜明け前の出発で茂木に向かう。会場到着後は車での入場にも時間を要することなく入場でき、場内も目立った混雑は見られなったのは一安心。
エンデューロのスタート前、7時より試走、そして小学生以下のキッズレースも開催。試走時間は1時間と多くとってあり、ウォームアップ代わりに十分コースの予習ができた。コースはサーキットにしてはゆるめのアップダウンで難易度は低く、走りやすい。
キッズレースは未就学児から小学校低学年までのクラスと小学校高学年のクラスの2クラスで行われ、大人顔負けの走りや駆け引きを見せるパワフルなキッズに会場中が和やか雰囲気に包まれた。
キッズレースの開催中に早くもスタートに並ぶ参加者が増え始め、緊張感が高まっていく。そして、午前9時にエンデューロレースがスタート。4時間コース、そして7時間コースの2部門に分かれてウェーブスタートしていく。2時間の部もあるが、スタート時間は4時間の部がゴールしてからの午後となる。
スタートすぐのレース序盤は集団が大きく、大集団のナーバスな状態が続いたが、2~3周ほどで落ち着き、コース上には分散された50人程度の中集団が多く形成され、順調にラップを重ねていく。
コースの全長は4.8kmで、今大会ではオートバイやクルマのレースとは逆に周回する。逆周回にしたことによって、急カーブや上り区間の距離を少なくするなど、走りやすくするための工夫が感じられる。また、路面が非常に滑らかだったため、下り区間でスピードを出しても不安を感じることはなく、加えて、コース幅が広く、レベルの異なるライダーとの混走することも少ないため先頭集団でも安心して走ることができた。
今大会の主催は「RUN and Bike」。ランニングと自転車を組み合わせての複合大会の運営にも定評のある主催者だが、今回は自転車の耐久レースのみで、ゴールデンウィークに初開催となった。
過去に行ったイベントを生かして、ライダーコンシェルジェをサーキットに配し、エンデューロでも小学生が安全に走れるための「併走ゼッケンシステム」を導入し、レースの運営を安全かつスムーズに行っていたのが印象的だった。
大会ゲストライダーには、地元栃木の宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼン、関西からマトリックスパワータグの選手たちが登場。プロの走りを間近に見れる貴重な経験になったと同時に、先頭集団のみならず、さまざまな速度の集団をコントロールし、イベントを安全に進行させていた。
レース序盤はコースを走る人数の多さから混沌とした状態が見受けられたが、時間が経過するにつれて参加者たちが走行速度によってコースの左右に分かれて走っていたことが印象的だった。参加者の皆さんの安全に対する意識の高さにも感心。
レース中盤になっても目立った事故がなく、レースは順調に進む。朝の5時半の時点で8℃しかなかった気温は、レース中には20℃強まで上昇していた。それでも気候は自転車の季節・5月の気持ちよさたっぷり。風にのって薫ってくる新緑の匂いを感じながら爽快に走れた。
エンデューロらしく、イベント初参加と思われるライダーから、プロさながらに無線を使いこなして計算づくで走るチームまで、様々なレベルの参加者が一緒に走っているのが印象的だ。
チームで参加、もしくは同じチームで協力しながらソロを走っている選手たち。集団の先頭を同じチームで固めたり、走りながら意気投合して先頭交代を行ったりと、普段のレースではなかなか楽しめないチームプレーを皆が楽しんでいた。ピットではモータースポーツ顔負けの計測タグ交換が行われたり、ピットボードを用意して走っている仲間にレース状況を知らせるなど、ピットもコース上同様に白熱していた。
もてぎ7耐はレース以外の楽しみも充実。ピット裏では最新鋭の自転車に乗れる試乗会が行われ、美味しい匂いが立ち込める飲食ブースには数多く出店の出店があった。
その中でも一際目立っていたのが、関東では初出展となるマビック・ヴィラージュ。ホイールの無料メンテナンスや試乗、マビックカーやニュートラルバイクの展示などが行われ、常に人が絶えることはなかった。7時間のフィナーレには抽選で幸運を射止めた人がレースに随行するマヴィックカーに乗ってコースを走るといったプレゼントも用意された。
仮装部門は設定されていないにも関わらず、今年も凝りに凝ったコスプレライダーの参加が出現。お馴染み某アイドルグループのコスプレをする人や消防士さん、淡々と走る謎の仏頂面ライダー、セクシーなスーパーガールまで多種多様な変わり種ライダーが出走。楽しんだもの勝ちのエンデューロレースを象徴する場面であった。
今大会の前日の土曜日にはママチャリ4時間耐久レースが開催され、昨年まで多くいたママチャリでの参加者はそちらに出場した人が多かったことだろう(それでも数人がママチャリで走っていた)。
仮装ライダーとママチャリは今までもてぎ耐久の風物詩的存在だったが、土曜に通称「もてチャリ」が開催されたことで、これからは参加者の棲み分けができることになるようだ。実際、スピードが違いすぎる面があるので、好ましいことだろう。
どんどんと気温が高くなっていく中、午後1時に4時間エンデューロがゴールの時間を迎える。参加者の多くが順位に関係なくラストスパートをかけてゴールしていく中、総合優勝を飾ったのはソロで走り、先日のツアー・オブ・フレンドシップでも海外のトップアマと互角以上の戦いをした武井きょうすけ選手(チーム・フォルツァ!)。並みいるチーム参加の強豪勢を振り切っての優勝だった。女子の総合優勝も同じくチーム・フォルツァ!の與那嶺恵理選手。
7時間の総合優勝はHonda R&D はやぶさ(山口恒太郎/川田優作/早川祐司)で、じつに60周回を走った。
参加者それぞれが思い思いに初夏のもてぎを楽しんだ今大会を通して職場の仲間や友人、家族とかけがえのない思い出が作れたことでしょう。
秋の「もてぎ7耐」も開催決定!
9月28、29日の2日間開催!
秋にもここツインリンクもてぎを舞台とした7時間エンデューロの開催が決定している。日程は2013年9月28日(土)、29日(日)。初心者から上級者まで様々なライダーにおススメできるイベントなので、是非参加してみてはいかがだろうか。
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
フォトギャラリー(CW FaceBook)
舞台はMotoGPをはじめ、様々なレースが開催される国際的なサーキット、栃木県茂木市の「ツインリンクもてぎ」。常磐道と東北道からアクセスできることから、東西南北様々な地域から多くの参加者が集まった。CW編集部も参加。まずは大会全体のレポートをお届けします。
当日はゴールデンウィークまっただ中で混雑が予想されたため夜明け前の出発で茂木に向かう。会場到着後は車での入場にも時間を要することなく入場でき、場内も目立った混雑は見られなったのは一安心。
エンデューロのスタート前、7時より試走、そして小学生以下のキッズレースも開催。試走時間は1時間と多くとってあり、ウォームアップ代わりに十分コースの予習ができた。コースはサーキットにしてはゆるめのアップダウンで難易度は低く、走りやすい。
キッズレースは未就学児から小学校低学年までのクラスと小学校高学年のクラスの2クラスで行われ、大人顔負けの走りや駆け引きを見せるパワフルなキッズに会場中が和やか雰囲気に包まれた。
キッズレースの開催中に早くもスタートに並ぶ参加者が増え始め、緊張感が高まっていく。そして、午前9時にエンデューロレースがスタート。4時間コース、そして7時間コースの2部門に分かれてウェーブスタートしていく。2時間の部もあるが、スタート時間は4時間の部がゴールしてからの午後となる。
スタートすぐのレース序盤は集団が大きく、大集団のナーバスな状態が続いたが、2~3周ほどで落ち着き、コース上には分散された50人程度の中集団が多く形成され、順調にラップを重ねていく。
コースの全長は4.8kmで、今大会ではオートバイやクルマのレースとは逆に周回する。逆周回にしたことによって、急カーブや上り区間の距離を少なくするなど、走りやすくするための工夫が感じられる。また、路面が非常に滑らかだったため、下り区間でスピードを出しても不安を感じることはなく、加えて、コース幅が広く、レベルの異なるライダーとの混走することも少ないため先頭集団でも安心して走ることができた。
今大会の主催は「RUN and Bike」。ランニングと自転車を組み合わせての複合大会の運営にも定評のある主催者だが、今回は自転車の耐久レースのみで、ゴールデンウィークに初開催となった。
過去に行ったイベントを生かして、ライダーコンシェルジェをサーキットに配し、エンデューロでも小学生が安全に走れるための「併走ゼッケンシステム」を導入し、レースの運営を安全かつスムーズに行っていたのが印象的だった。
大会ゲストライダーには、地元栃木の宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼン、関西からマトリックスパワータグの選手たちが登場。プロの走りを間近に見れる貴重な経験になったと同時に、先頭集団のみならず、さまざまな速度の集団をコントロールし、イベントを安全に進行させていた。
レース序盤はコースを走る人数の多さから混沌とした状態が見受けられたが、時間が経過するにつれて参加者たちが走行速度によってコースの左右に分かれて走っていたことが印象的だった。参加者の皆さんの安全に対する意識の高さにも感心。
レース中盤になっても目立った事故がなく、レースは順調に進む。朝の5時半の時点で8℃しかなかった気温は、レース中には20℃強まで上昇していた。それでも気候は自転車の季節・5月の気持ちよさたっぷり。風にのって薫ってくる新緑の匂いを感じながら爽快に走れた。
エンデューロらしく、イベント初参加と思われるライダーから、プロさながらに無線を使いこなして計算づくで走るチームまで、様々なレベルの参加者が一緒に走っているのが印象的だ。
チームで参加、もしくは同じチームで協力しながらソロを走っている選手たち。集団の先頭を同じチームで固めたり、走りながら意気投合して先頭交代を行ったりと、普段のレースではなかなか楽しめないチームプレーを皆が楽しんでいた。ピットではモータースポーツ顔負けの計測タグ交換が行われたり、ピットボードを用意して走っている仲間にレース状況を知らせるなど、ピットもコース上同様に白熱していた。
もてぎ7耐はレース以外の楽しみも充実。ピット裏では最新鋭の自転車に乗れる試乗会が行われ、美味しい匂いが立ち込める飲食ブースには数多く出店の出店があった。
その中でも一際目立っていたのが、関東では初出展となるマビック・ヴィラージュ。ホイールの無料メンテナンスや試乗、マビックカーやニュートラルバイクの展示などが行われ、常に人が絶えることはなかった。7時間のフィナーレには抽選で幸運を射止めた人がレースに随行するマヴィックカーに乗ってコースを走るといったプレゼントも用意された。
仮装部門は設定されていないにも関わらず、今年も凝りに凝ったコスプレライダーの参加が出現。お馴染み某アイドルグループのコスプレをする人や消防士さん、淡々と走る謎の仏頂面ライダー、セクシーなスーパーガールまで多種多様な変わり種ライダーが出走。楽しんだもの勝ちのエンデューロレースを象徴する場面であった。
今大会の前日の土曜日にはママチャリ4時間耐久レースが開催され、昨年まで多くいたママチャリでの参加者はそちらに出場した人が多かったことだろう(それでも数人がママチャリで走っていた)。
仮装ライダーとママチャリは今までもてぎ耐久の風物詩的存在だったが、土曜に通称「もてチャリ」が開催されたことで、これからは参加者の棲み分けができることになるようだ。実際、スピードが違いすぎる面があるので、好ましいことだろう。
どんどんと気温が高くなっていく中、午後1時に4時間エンデューロがゴールの時間を迎える。参加者の多くが順位に関係なくラストスパートをかけてゴールしていく中、総合優勝を飾ったのはソロで走り、先日のツアー・オブ・フレンドシップでも海外のトップアマと互角以上の戦いをした武井きょうすけ選手(チーム・フォルツァ!)。並みいるチーム参加の強豪勢を振り切っての優勝だった。女子の総合優勝も同じくチーム・フォルツァ!の與那嶺恵理選手。
7時間の総合優勝はHonda R&D はやぶさ(山口恒太郎/川田優作/早川祐司)で、じつに60周回を走った。
参加者それぞれが思い思いに初夏のもてぎを楽しんだ今大会を通して職場の仲間や友人、家族とかけがえのない思い出が作れたことでしょう。
秋の「もてぎ7耐」も開催決定!
9月28、29日の2日間開催!
秋にもここツインリンクもてぎを舞台とした7時間エンデューロの開催が決定している。日程は2013年9月28日(土)、29日(日)。初心者から上級者まで様々なライダーにおススメできるイベントなので、是非参加してみてはいかがだろうか。
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
フォトギャラリー(CW FaceBook)
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