先行する沢田時(ブリヂストンアンカー)と、追い上げる島田真琴(シマノドリンキング)。2人による攻防は最終周回に入っても続き、登りスプリント勝負へ。最終コーナーをオーバースピードで突っ込んだ沢田の隙を突き、島田が接戦を制した。
激坂は抜群の観戦スポット photo:Kei Tsuji12月16日、関西シクロクロス第5戦が京都府京丹波町の丹波自然運動公園で行なわれた。京都市内からクルマで1時間という立地で、サッカーグラウンドやテニス場のある総合運動公園を立体的に駆け巡るコースが特徴だ。
幅2mに満たない遊歩道(トレッキングコース)がコースの大半を占めており、その路面には砂と石、粘土質の泥が浮いている。
C1 起伏に富んだコースを快走する沢田時(ブリヂストンアンカー) photo:Kei Tsuji平坦区間が短く、ひたすら登りと下りのリピート。全長2200mのコースには、累積標高差50mほどの登りが詰め込まれている。中でも長さ50mほどの「激坂」が名物で、鋭いV字ターンの先に勾配20%ほどの登りが待つ。コース全長の短さから、C1ライダーはこの「激坂」を11回も堪能することになった。
スタートとともに飛び出したのは、1週間前の全日本選手権で5位に入った沢田時(ブリヂストンアンカー)。1周目完了の時点で、後続の選手たちを10秒近く引き離すことに成功する。
C1 勢い良く追い上げる土井雪広(アルゴス・シマノ) photo:Kei Tsuji2番手パックは中原義貴(キャノンデール/リンゴロード)、島田真琴(シマノドリンキング)、中井路雅(岩井商会レーシング)、河賀雄大(TEAM PROTEK JAPAN)の4名で、後方スタートの土井雪広(アルゴス・シマノ)がそのすぐ後ろまで順位を上げる。
3周目に入っても沢田の独走は止まず、その20秒後方の2番手パックは中原、中井、島田、土井の4人に再編成。すると島田が一人で抜け出し、一気に20秒差を詰めて先頭の沢田に合流。5周目から沢田&島田のタンデム走行が始まった。
MTB出身の沢田と、ロード出身の島田。互いにアタックを仕掛けて引き離しにかかるが、決定的な差が生まれないまま最終周回に向かった。
C1 先頭の沢田時(ブリヂストンアンカー)に島田真琴(シマノドリンキング)が追いつく photo:Kei Tsuji
C1 先頭パックを形成する沢田時(ブリヂストンアンカー)と島田真琴(シマノドリンキング) photo:Kei Tsuji最後の「激坂」でも勝負は決まらず、平坦区間と90度コーナーを抜けて登りスプリントへ。沢田が前で最終コーナーに突っ込んだものの、コーナリングでミス。転倒はしなかったが、ペダルから脚が離れたためスプリントで出遅れてしまう。落ち着いて勝負に持ち込んだ島田が小さくガッツポーズでゴールした。
2008年からシマノレーシングに所属し、ヨーロッパで3シーズンを走った島田。現在はサラリーマンライダーとして走り、今シーズンのMTB全日本選手権クロスカントリー10位、シクロクロス全日本選手権9位という成績を残している。
C1 激坂を登る島田真琴(シマノドリンキング)と沢田時(ブリヂストンアンカー) photo:Kei Tsuji今シーズンの関西シクロクロスで初勝利を飾った島田の勝因は「これまでの経験」。沢田との接戦については「ヨーロッパでの苦しみを思い出しました」と話した。
ゴール後の選手がバタバタと地面に倒れ込むタフな丹波のコース。敗れた沢田は「最終コーナーでミスしてしまった」と肩を落とす。「でもミスしていなくても勝てたかどうかは分かりません。前半から独走に持ち込んだけど、島田さんが凄い勢いで追い上げてきて、その後はアタックが決まらなかった」。
3位争いは中井と中原の勝負に持ち込まれ、レース中盤に激しく落車した痛々しい姿の中井が先着している。好位置で走っていた土井は後輪パンクによってリタイアに終わった。
C1 スプリントで先着した島田真琴(シマノドリンキング) photo:Kei Tsuji
C1表彰台 photo:Kei Tsuji
CL1 先頭で激坂を駆け上がる福本千佳(同志社大学) photo:Kei TsujiCL1は福本千佳(同志社大学)がスタート直後から先行。1週間前に全日本チャンピオンに輝いたばかりの宮内佐季子(CLUBviento)が2番手を走るが、そのタイム差は広がって行く。3周目完了の時点で福本と宮内のタイム差は1分。福本は後半にかけて少しラップタイムを落としたが、前半に築いたリードは崩れず、最終的に1分20秒差でゴールした。
福本は丹波で2年連続勝利。昨シーズンは、メカトラに見舞われた先頭の宮内を終盤に抜いて優勝している。今回は力で全日本チャンピオンを退け、勝利を掴み取った。
CM1はレース中盤から独走した石井宗徳(焼鳥山鳥R)が関西シクロクロスのマスターズ常連メンバーを破って優勝。C2は曽我暁男(エキップユーレーシング)とのマッチレースで蜂須賀智也(イナーメX/CLT)が優勝している。
CM1 先頭を快走する石井宗徳(焼鳥山鳥R) photo:Kei Tsuji
C2 蜂須賀智也(イナーメX/CLT)が優勝 photo:Kei Tsuji
レースの模様はフォトギャラリーにて!
関西シクロクロス2012-2013第5戦丹波自然運動公園
C1(11周回)
1位 島田真琴(シマノドリンキング) 57'55"
2位 沢田時(ブリヂストンアンカー) +02"
3位 中井路雅(岩井商会レーシング) +2'09"
4位 中原義貴(キャノンデール/リンゴロード) +2'13"
5位 大塚航(岩井商会GANWELLレーシング) +4'02"
6位 松井正史(シマノドリンキング) +4'07"
7位 大渕宏紀(Team-NR/錦ロイヤル) +4'08"
8位 伊澤優大(岩井商会レーシング) +4'18"
9位 河賀雄大(TEAM PROTEK JAPAN) +4'58"
10位 矢部周作(クラブシルベスト) +5'22"
CJ(7周回)
1位 中井唯晶(瀬田工業高校) 41'47"
2位 岡野樹(TeamRINGOROAD/のぼこん) +24"
3位 野本空(松山工業高校) +2'57"
4位 八木悠太(Salata bianca kobe) +5'38"
CL1(7周回)
1位 福本千佳(同志社大学) 46'59"
2位 宮内佐季子(CLUBviento) +1'20"
3位 上田順子(TEAM884獣遊/シルベスト) +3'02"
4位 西口悦子(Sakatani Racing) +6'01"
5位 清水友恵(CSヤマダ) -1Lap
6位 埜真賢美(Teamクルーズ) -1Lap
CM1(7周回)
1位 石井宗徳(焼鳥山鳥R) 41'55"
2位 大河内二郎(シルクロード) +18"
3位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本) +21"
4位 中谷聡(BRIDLER) +52"
5位 船岡洋(tacurino.net) +1'07"
6位 景山昭宏(クラブシルベスト) +1'20"
C2(7周回)
1位 蜂須賀智也(イナーメX/CLT) 41'14"
2位 曽我暁男(エキップユーレーシング) +01"
3位 中原学(Bike Team回転木馬) +1'03"
4位 岩田祐樹(ZIPANG) +1'15"
5位 落合友樹(Hunter/Circles CX-Team) +1'19"
6位 柴田宗幸(京都MTB朝ライド) +1'37"
CL2(5周回)
1位 坂口楓華(Ready Go Japan) 34'21"
2位 日野友葵(ボンシャンス飯田) +3'24"
2位 水谷有紀子(TEAMベルハンター) +4'05"
CM2A(5周回)
1位 高橋孝司(予備軍シクロノ集い) 32'22"
2位 ピーター・ステラチー(チームウォングウェイ) +30"
3位 河本悟(イナーメアイランド信濃山形) +42"
CM2B(5周回)
1位 南條太郎(エキップリオン) 31'20"
2位 越野章(CirclesRacingClub) +32"
3位 村山司(チームまんま) +1'10"
C3A(5周回)
1位 柳瀬慶明(チームAVEL) 30'14"
2位 豊田勝徳(チームAVEL) +26"
3位 横山博一(シマノドリンキング) +1'23"
C3B(5周回)
1位 丸山由起夫(ML OPEN/Crifford) 30'47"
2位 香味成樹(ITOA-STYLEメルテンス) +32"
3位 松本宜之(立命館大学) +43"
U17(5周回)
1位 日野竜嘉(ボンシャンス飯田) 29'07"
2位 徳田匠(ひだまりの家) +1'05"
3位 松岡拓実(チームスクアドラ) -1Lap
text&photo:Kei Tsuji

幅2mに満たない遊歩道(トレッキングコース)がコースの大半を占めており、その路面には砂と石、粘土質の泥が浮いている。

スタートとともに飛び出したのは、1週間前の全日本選手権で5位に入った沢田時(ブリヂストンアンカー)。1周目完了の時点で、後続の選手たちを10秒近く引き離すことに成功する。

3周目に入っても沢田の独走は止まず、その20秒後方の2番手パックは中原、中井、島田、土井の4人に再編成。すると島田が一人で抜け出し、一気に20秒差を詰めて先頭の沢田に合流。5周目から沢田&島田のタンデム走行が始まった。
MTB出身の沢田と、ロード出身の島田。互いにアタックを仕掛けて引き離しにかかるが、決定的な差が生まれないまま最終周回に向かった。


2008年からシマノレーシングに所属し、ヨーロッパで3シーズンを走った島田。現在はサラリーマンライダーとして走り、今シーズンのMTB全日本選手権クロスカントリー10位、シクロクロス全日本選手権9位という成績を残している。

ゴール後の選手がバタバタと地面に倒れ込むタフな丹波のコース。敗れた沢田は「最終コーナーでミスしてしまった」と肩を落とす。「でもミスしていなくても勝てたかどうかは分かりません。前半から独走に持ち込んだけど、島田さんが凄い勢いで追い上げてきて、その後はアタックが決まらなかった」。
3位争いは中井と中原の勝負に持ち込まれ、レース中盤に激しく落車した痛々しい姿の中井が先着している。好位置で走っていた土井は後輪パンクによってリタイアに終わった。



福本は丹波で2年連続勝利。昨シーズンは、メカトラに見舞われた先頭の宮内を終盤に抜いて優勝している。今回は力で全日本チャンピオンを退け、勝利を掴み取った。
CM1はレース中盤から独走した石井宗徳(焼鳥山鳥R)が関西シクロクロスのマスターズ常連メンバーを破って優勝。C2は曽我暁男(エキップユーレーシング)とのマッチレースで蜂須賀智也(イナーメX/CLT)が優勝している。


レースの模様はフォトギャラリーにて!
関西シクロクロス2012-2013第5戦丹波自然運動公園
C1(11周回)
1位 島田真琴(シマノドリンキング) 57'55"
2位 沢田時(ブリヂストンアンカー) +02"
3位 中井路雅(岩井商会レーシング) +2'09"
4位 中原義貴(キャノンデール/リンゴロード) +2'13"
5位 大塚航(岩井商会GANWELLレーシング) +4'02"
6位 松井正史(シマノドリンキング) +4'07"
7位 大渕宏紀(Team-NR/錦ロイヤル) +4'08"
8位 伊澤優大(岩井商会レーシング) +4'18"
9位 河賀雄大(TEAM PROTEK JAPAN) +4'58"
10位 矢部周作(クラブシルベスト) +5'22"
CJ(7周回)
1位 中井唯晶(瀬田工業高校) 41'47"
2位 岡野樹(TeamRINGOROAD/のぼこん) +24"
3位 野本空(松山工業高校) +2'57"
4位 八木悠太(Salata bianca kobe) +5'38"
CL1(7周回)
1位 福本千佳(同志社大学) 46'59"
2位 宮内佐季子(CLUBviento) +1'20"
3位 上田順子(TEAM884獣遊/シルベスト) +3'02"
4位 西口悦子(Sakatani Racing) +6'01"
5位 清水友恵(CSヤマダ) -1Lap
6位 埜真賢美(Teamクルーズ) -1Lap
CM1(7周回)
1位 石井宗徳(焼鳥山鳥R) 41'55"
2位 大河内二郎(シルクロード) +18"
3位 丸畑明彦(PCサイクルクラブ松本) +21"
4位 中谷聡(BRIDLER) +52"
5位 船岡洋(tacurino.net) +1'07"
6位 景山昭宏(クラブシルベスト) +1'20"
C2(7周回)
1位 蜂須賀智也(イナーメX/CLT) 41'14"
2位 曽我暁男(エキップユーレーシング) +01"
3位 中原学(Bike Team回転木馬) +1'03"
4位 岩田祐樹(ZIPANG) +1'15"
5位 落合友樹(Hunter/Circles CX-Team) +1'19"
6位 柴田宗幸(京都MTB朝ライド) +1'37"
CL2(5周回)
1位 坂口楓華(Ready Go Japan) 34'21"
2位 日野友葵(ボンシャンス飯田) +3'24"
2位 水谷有紀子(TEAMベルハンター) +4'05"
CM2A(5周回)
1位 高橋孝司(予備軍シクロノ集い) 32'22"
2位 ピーター・ステラチー(チームウォングウェイ) +30"
3位 河本悟(イナーメアイランド信濃山形) +42"
CM2B(5周回)
1位 南條太郎(エキップリオン) 31'20"
2位 越野章(CirclesRacingClub) +32"
3位 村山司(チームまんま) +1'10"
C3A(5周回)
1位 柳瀬慶明(チームAVEL) 30'14"
2位 豊田勝徳(チームAVEL) +26"
3位 横山博一(シマノドリンキング) +1'23"
C3B(5周回)
1位 丸山由起夫(ML OPEN/Crifford) 30'47"
2位 香味成樹(ITOA-STYLEメルテンス) +32"
3位 松本宜之(立命館大学) +43"
U17(5周回)
1位 日野竜嘉(ボンシャンス飯田) 29'07"
2位 徳田匠(ひだまりの家) +1'05"
3位 松岡拓実(チームスクアドラ) -1Lap
text&photo:Kei Tsuji
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