2009/06/20(土) - 04:33
生憎の雨模様のコンディションで行なわれたツール・ド・スイス(UCIプロツアー)第7ステージは、カテゴリー2級の頂上ゴールでハイスピードな闘いが繰り広げられ、集団から飛び出したキム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア)が優勝。チームコロンビアは7戦5勝の圧倒的な勝率をマークした。
第7ステージはバード・ツルツァッハからヴァロルブ・ジュラパルクまでの204km。その大部分は平地であり、180km地点までひたすら平坦路が続く。ラスト20kmを切ると、緩くて長い3級山岳(ラスト7.7km)と、キツくて短い2級山岳(ラスト1.4km)がセットで登場。この連続する上りで、主役級選手たちは動いた。
気温20度以下の冷雨の中、序盤から逃げたのはホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)、マークス・ブルグハート(ドイツ、チームコロンビア)、ゲラルド・チオレック(ドイツ、ミルラム)、ダミアン・ゴダン(フランス、Bboxブイグテレコム)の4名。
この平地系逃げグループは最大6分のアドバンテージを得たが、スプリント勝負に興味を示したサイレンス・ロットとラボバンクの集団コントロールによってタイム差は縮小。濡れた路面で総合6位トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)が2度落車した以外、メイン集団は順調にタイム差を詰めた。
結局先頭の4名はラスト13km地点で吸収され、メイン集団はアスタナやカチューシャ、サクソバンクを先頭にハイスピードで3級山岳を猛進。この時点で有力スプリンターは集団内に残っていたが、続く2級山岳の上りでペースが上がると集団は崩壊。スプリンターは軒並み脱落し、総合上位陣によるアタック合戦が始まった。
勾配が9.9%まで上昇したラスト3kmで動いたのは、総合4位につけていたロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)。昨年の総合優勝者クロイツィゲルが独走を開始するその後方では、総合2位ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)らがカウンターアタック。しかしカンチェラーラのアタックは決まらず、キム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア)のみがラスト1kmでアタックを成功させた。
弓矢の如く単独で集団から飛び出したキルシェン。徐々に失速した先頭のクロイツィゲルをラスト175mで捉えると、躊躇すること無く踏み込んで先頭単独で最終ストレートに。後続を振り切ったキルシェンが、クールな表情でガッツポーズを決めた。
クロイツィゲルは2秒遅れ、そしてメイン集団は7秒遅れでゴール。集団先頭はピーター・ベリトス(スロバキア、ミルラム)が穫り、注目が集まったカンチェラーラやタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)は同タイムでゴールした。総合成績はクロイツィゲルが11秒を挽回した以外に大きな変動は見られなかった。
昨年ツール・ド・スイスでキルシェンは、ヴェルビエ頂上ゴールを制して総合首位に立ちながらも、山岳個人タイムトライアルでリーダージャージをクロイツィゲルに明け渡した(最終的に総合7位)。
今シーズンキルシェンはツアー・オブ・カリフォルニア第4ステージで落車し、鎖骨と肋骨を骨折。昨年優勝したフレーシュ・ワロンヌを含め、シーズン前半戦の目標に掲げていたアルデンヌのクラシックレースを棒に振った。
ツール・ド・フランスを前にようやく調子を取り戻したキルシェンは、2年連続のスイス頂上ゴール制覇で復活をアピール。昨年総合8位で終えたツールでは、再びリーダーとして常勝チームを率いる。
キム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア)のコメント
「トレーニングのためにツール・ド・スイスを走っているわけではない。結果を出すために走っているんだ。シーズン序盤の不運から立ち直るためにも今日の勝利は大きな意味を持つ。ラスト3kmでクロイツィゲルが飛び出した時は様子を見た。状況を判断して、ラスト1kmを切ってから飛び出したんだ。カラダは仕上がっている。何とかツール・ド・フランスに間に合った。」
ツール・ド・スイス2009第7ステージ結果
1位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア)4h56'41"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+02"
3位 ピーター・ベリトス(スロバキア、ミルラム)+07"
4位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)
5位 エロス・カペッキ(イタリア、フジ・セルヴェット)
6位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)
7位 ルイアルベルト・ファリアダコスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ)
8位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)
9位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)
10位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)
個人総合成績
1位 タディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)28h07'15"
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)+08"
3位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)+14"
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+31"
5位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+45"
6位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)+51"
7位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)+55"
8位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)+56"
9位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)+1'01"
10位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)+1'02"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)
山岳賞
トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)
中間スプリント賞
エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ランプレ)
チーム総合成績
サクソバンク
第7ステージはバード・ツルツァッハからヴァロルブ・ジュラパルクまでの204km。その大部分は平地であり、180km地点までひたすら平坦路が続く。ラスト20kmを切ると、緩くて長い3級山岳(ラスト7.7km)と、キツくて短い2級山岳(ラスト1.4km)がセットで登場。この連続する上りで、主役級選手たちは動いた。
気温20度以下の冷雨の中、序盤から逃げたのはホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)、マークス・ブルグハート(ドイツ、チームコロンビア)、ゲラルド・チオレック(ドイツ、ミルラム)、ダミアン・ゴダン(フランス、Bboxブイグテレコム)の4名。
この平地系逃げグループは最大6分のアドバンテージを得たが、スプリント勝負に興味を示したサイレンス・ロットとラボバンクの集団コントロールによってタイム差は縮小。濡れた路面で総合6位トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)が2度落車した以外、メイン集団は順調にタイム差を詰めた。
結局先頭の4名はラスト13km地点で吸収され、メイン集団はアスタナやカチューシャ、サクソバンクを先頭にハイスピードで3級山岳を猛進。この時点で有力スプリンターは集団内に残っていたが、続く2級山岳の上りでペースが上がると集団は崩壊。スプリンターは軒並み脱落し、総合上位陣によるアタック合戦が始まった。
勾配が9.9%まで上昇したラスト3kmで動いたのは、総合4位につけていたロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)。昨年の総合優勝者クロイツィゲルが独走を開始するその後方では、総合2位ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)らがカウンターアタック。しかしカンチェラーラのアタックは決まらず、キム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア)のみがラスト1kmでアタックを成功させた。
弓矢の如く単独で集団から飛び出したキルシェン。徐々に失速した先頭のクロイツィゲルをラスト175mで捉えると、躊躇すること無く踏み込んで先頭単独で最終ストレートに。後続を振り切ったキルシェンが、クールな表情でガッツポーズを決めた。
クロイツィゲルは2秒遅れ、そしてメイン集団は7秒遅れでゴール。集団先頭はピーター・ベリトス(スロバキア、ミルラム)が穫り、注目が集まったカンチェラーラやタディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)は同タイムでゴールした。総合成績はクロイツィゲルが11秒を挽回した以外に大きな変動は見られなかった。
昨年ツール・ド・スイスでキルシェンは、ヴェルビエ頂上ゴールを制して総合首位に立ちながらも、山岳個人タイムトライアルでリーダージャージをクロイツィゲルに明け渡した(最終的に総合7位)。
今シーズンキルシェンはツアー・オブ・カリフォルニア第4ステージで落車し、鎖骨と肋骨を骨折。昨年優勝したフレーシュ・ワロンヌを含め、シーズン前半戦の目標に掲げていたアルデンヌのクラシックレースを棒に振った。
ツール・ド・フランスを前にようやく調子を取り戻したキルシェンは、2年連続のスイス頂上ゴール制覇で復活をアピール。昨年総合8位で終えたツールでは、再びリーダーとして常勝チームを率いる。
キム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア)のコメント
「トレーニングのためにツール・ド・スイスを走っているわけではない。結果を出すために走っているんだ。シーズン序盤の不運から立ち直るためにも今日の勝利は大きな意味を持つ。ラスト3kmでクロイツィゲルが飛び出した時は様子を見た。状況を判断して、ラスト1kmを切ってから飛び出したんだ。カラダは仕上がっている。何とかツール・ド・フランスに間に合った。」
ツール・ド・スイス2009第7ステージ結果
1位 キム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア)4h56'41"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+02"
3位 ピーター・ベリトス(スロバキア、ミルラム)+07"
4位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)
5位 エロス・カペッキ(イタリア、フジ・セルヴェット)
6位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)
7位 ルイアルベルト・ファリアダコスタ(ポルトガル、ケースデパーニュ)
8位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)
9位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)
10位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)
個人総合成績
1位 タディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)28h07'15"
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)+08"
3位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)+14"
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+31"
5位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+45"
6位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)+51"
7位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)+55"
8位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)+56"
9位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)+1'01"
10位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)+1'02"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)
山岳賞
トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)
中間スプリント賞
エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ランプレ)
チーム総合成績
サクソバンク
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