「君を忘れない。だから、わたしは行く。ツール・ド・フランスへ――。ひとりの選手の死が、彼女の生き方を変えた。世界が広がる、人とつながる。自転車ロードレース・サイト"マス・シクリスモ"で知られる著者が、自身の体験を綴った初めての本。」

ツール・ド・フランスに魅せられたフリーランスジャーナリストの女性が体験記を綴った。版元は岩波書店。四六判ソフトカバー192ページ(オールカラー)で6月12日発売だ。

――本文より
振り返れば,とにかく見て,知って,学んでいった.次々と雑多なものが芋づる式につながっていった.体験前と体験後では,自分自身のなかの世界の広がり方が断然違う.根っこはまだまだ深そうだ.
 いまではまるでツールに吸い寄せられるように,毎夏フランスに飛んでいる.わたしを引きつけてやまないその魅力のもとは何なのかと問われれば,たぶんこの「とめどなく発展していく感じ」なのではないかと思う.

著者からの紹介


初めてツール・ド・フランスに出会ったとき、これは単なるスポーツ競技ではないな、そんな印象をもちました。その後少しずつツールのことを知るに従い、この直感は当たっていた、そんな思いを強くしました。かつて高名なフランスの哲学者や文学者がツールについて述べた文章に触れ、文化と密接に結びつきながらはぐくまれていったことも知りました。知れば知るほど、すそ野は広く、奥が深いのです。同時に自分自身の視野も徐々に開けてきて、ツールを通じて学んだことは数知れず。こうしてじんわりと広がっていった世界・少しずつ積み上げられていったツール観を表してみたい、そんな思いから書いた一冊です。 -Naco


ツール・ド・フランス 君が教えてくれた夏ツール・ド・フランス 君が教えてくれた夏 image:岩波書店

ツール・ド・フランス 君が教えてくれた夏


著者 Naco
四六判ソフトカバー 192ページ(オールカラー)
6月12日発売 定価1,995円(税込)
ISBN 978-4-00-001402-1
岩波書店刊

<目次より>
プロローグ 命の終わりから生まれた始まり
1 ツールの不思議な力
  ツールに足を踏み入れる
  レース初体験
  勝者の名前
  イマナカ選手と対面
  キャラバングッズひろいの達人
  ヴァスールのマイヨジョーヌ
  タイムトライアルの人間ドラマ
  ツールはスペシャル
  1999年――転機
2 ツールでつながる,広がる
  手にしたEメール
  ネットでつながる
  連れはツーレ
  ネットと格闘する
  ツールの子どもたち
  雨のコリウール
  ツールのあたたかさにふれる
3 ツールの旅はひと苦労
  宿なしの危機
  ご計画はゆとりをもって!
  ツーレ式ツール
  七日じゃダメですか?
  きっかけはパリの悪夢
  旅はいつも不完全
  レース,それぞれの楽しみ方
4 ツールの選手たち
  ツール 記憶の場
  スプリンター
  ランス・アームストロング
  マルコ・パンターニ
  「動くな!」
  偉大なる犠牲者
  薬というアシスト
  人間を信じて
  サムエル・サンチェス
5 ツールの風景
  フランスでサイクリング
  監督車から見た風景
  監督車の中の風景
  応援風景 ベルギー編
  ツール一期一会
  ウィニングポーズにこめられた思い
エピローグ
あとがき


●著者紹介
Naco(なこ)
「ツール・ド・フランス 君が教えてくれた夏」著者 Naco(なこ)「ツール・ド・フランス 君が教えてくれた夏」著者 Naco(なこ) 慶應義塾大学英米文学科卒業。1999年末、ホームページを立ち上げ、趣味だった自転車ロードレースの情報記事を掲載しはじめる。2000年夏からは、ツール・ド・フランスの現地観戦レポートを開始。mas.ciclismo マス・シクリスモ(http://masciclismo.web.infoseek.co.jp/)には、ロードレース・ファンたちが数多く訪れている。現在、フリーランスのジャーナリストとして自転車専門誌に記事を寄稿している。本書が初めての著書になる。

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