8月11日、エネコツアー(UCIワールドツアー)第6ステージ・個人タイムトライアルが行なわれ、カナダチャンピオンのスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)がトップタイムで優勝した。総合首位に浮上したタフトはリーダージャージを着て最終ステージに挑む。

スタート台を駆け下りるスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)スタート台を駆け下りるスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) photo:Cor Vosエネコ・ツアーの総合争いを大きく左右する個人タイムトライアル。距離は17.4kmと短いが、タイム差が生まれるのはこの第6ステージと最終日の第7ステージしかないと言っていい。

カナダのナショナルチャンピオンジャージを着るタフトは、ほぼ真っ平らな17.4kmコースを20分25秒で走り抜けた。平均スピードは51.1km/h。同じくTTを得意とするテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)を5秒、ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)を6秒上回るタイムで優勝した。

最終走者のトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)は1分01秒差のステージ29位に終わる最終走者のトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)は1分01秒差のステージ29位に終わる photo:Cor Vos第2ステージのチームタイムトライアルで得たリードにより、前日の第5ステージを終えた時点でタフトは6秒差の総合12位。1分01秒遅れのステージ29位に終わったトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)からリーダージャージを奪うことに成功した。

「コースを下見してウォーミングアップしている時から、今日は何か凄いことが出来るような気がしていたんだ。タイムトライアルは自分も得意分野。今日の上位の面子を見ると、自分の走りを誇りに思えるよ」。強力なスペシャリストたちを打破したタフトはそう語る。

リーダージャージに袖を通したスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)リーダージャージに袖を通したスヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) photo:Cor Vos35歳のベテランは、リーダージャージを着て最終日に挑む。最終第6ステージは、今年ロンド・ファン・フラーンデレンのコースから外された名物「ミュール」を越える難コースが設定されている。総合4秒差のボームや、総合16秒差のシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)らの攻撃を、タフトは防ぎきることが出来るだろうか。「日曜日はタフなレースになると思う。でもコンディション的には絶好調で、コースもよく知っているし、強いチームメイトたちに守られている。自信をもってレースに挑みたい」。

オリカ・グリーンエッジはタフトの他にもイェンス・モーリス(オランダ)、ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)、セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ)の3人を総合トップ10に送り込んでいる。この日ステージ79位で終えた別府史之は「チームオーダー通り明日のステージの仕事のために力を温存して走り、準備万端!!」と意気込んでいる。

出場停止処分からの復帰戦として出場しているアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)はステージ7位に入り、総合10位に浮上している。「もう少し良い走りが出来ると思っていた。でも自分向きではない(平坦な)コースで7位という成績は悪くない。トップコンディションに戻すためには強度の高いレースがあと2つか3つ必要。ちょうどブエルタで調子を上げれると思う」。久々に出場するブエルタに向けて手応えは上々のようだ。

スタートを待つラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)スタートを待つラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) photo:Cor Vos22秒差のステージ7位に入ったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)22秒差のステージ7位に入ったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) photo:Cor Vosステージ79位で終え、翌日の最終ステージに備える別府史之(オリカ・グリーンエッジ)ステージ79位で終え、翌日の最終ステージに備える別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Cor Vos


レース内容や選手コメントはレース公式サイトより。

エネコ・ツアー2012第6ステージ結果
1位 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)              20'25"
2位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)              +05"
3位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)                      +06"
4位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)            +18"
5位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)                +19"
6位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)      +20"
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)       +22"
8位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)              +25"
9位 イェンス・モーリス(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)              +26"
10位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)               +30"
29位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)         +1'01"
79位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)                   +1'44"

個人総合成績
1位 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)            19h56'57"
2位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)                     +04"
3位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)     +16"
4位 イェンス・モーリス(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)             +25"
5位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
6位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)       +37"
7位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)        +39"
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)  +47"
9位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)                +48"
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)      +49"
111位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)                   +6'18"

ポイント賞
ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)

チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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