XCO第3戦ニセコで接戦を繰り広げた山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)と斉藤亮(MIYATA-MERIDA)が、富士見で再び激しいつばぜり合い演じた。接戦の末に勝利したのは山本。ロンドンオリンピック出場を得た片山梨絵(SPECIALIZED)がファンの前で力走を見せた。

男子エリートスタート男子エリートスタート (c)Akihiro.NAKAO7月15日、長野県富士見町にある富士見パノラマリゾートで行われたJシリーズXCO第4戦。レースシーズンの折り返し区間となった今大会は、国内でレース活動をする選手達にとって良い前半戦の締めとしたい大会だ。前戦のニセコにおいて、ゴールスプリントまで勝敗がもつれた山本和弘と斉藤亮の戦いに注目が集まった。

男子エリートは1周4kmのコースを6周回する24kmで争われた。元DHトップライダー内嶋亮プロデュースによるコースセットで、今回は中央ゲレンデエリアにテクニカルクライムセクションが設けられた。


山本と斉藤の息詰まる戦い

レーススタートは13時。スタートからハイスピードを維持したまま進行したトップグループは、2周目には山本と斉藤の2名が抜け出す展開になった。2名が刻むハイペースに後続の小野寺健(TEAM SPECIALIZED)や松本駿(TREK)らは着いていくことができず、大きく間隔を開けられてしまう。

着実にステップアップを重ねる斉藤亮(MIYATA-MERIDA)着実にステップアップを重ねる斉藤亮(MIYATA-MERIDA) (c)Akihiro.NAKAOダウンヒルセクションを下る山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)ダウンヒルセクションを下る山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) (c)Akihiro.NAKAO


周回を重ねても先頭を行く2名は、ハイペースを維持しながら代わる代わる先頭に出てお互いの様子を伺う心理戦を繰り広げていく。ダウンヒルセクションも連なったままクリアする激しいレース展開に会場も大きく湧いた。

海外遠征を重ねてきた山本の安定した総合力、そしてスキーから転向した経験を元に着実にレベルアップを重ねる斉藤。ラップが残り僅かになっても2名による息詰る接戦は続いた。

体調不良ながら健闘した小野寺健(TEAM SPECIALIZED)体調不良ながら健闘した小野寺健(TEAM SPECIALIZED) (c)Akihiro.NAKAO男子エリート優勝 山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)男子エリート優勝 山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) (c)Akihiro.NAKAO


勝負が動いたのは最終周回のゲレンデを上る急勾配。並走から山本が前回の全日本を思い起こさせるアタックを決め斉藤を突き放す。この決定的なアタックによるリードをキープしたまま、山本は独走でゴールへ。ニセコに続く2連勝を飾った。2位には激しい闘いを演じた斉藤が、3位には体調不良をおして臨んだ小野寺が入った。


健闘を称える山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)と斉藤亮(MIYATA-MERIDA)健闘を称える山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)と斉藤亮(MIYATA-MERIDA) (c)Akihiro.NAKAO優勝した山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)
「夏の暑いレースは苦手意識があって厳しい展開になると思って、その通りになりました。斉藤さんと一緒に走っていて、下りは自分の方が速く、そこで差をつけられたので登りではゆとりを持てました」

「ラスト2周で離そうと思いましたが、斉藤さんも粘りを見せ、自分も足を着いたりで苦しかった。最後のゲレンデで逃げ切りました。斉藤さんと走るとワクワクします。続けていきたいですね」。


女子は片山の圧勝 新星・輿那嶺の登場

圧勝を飾った片山梨絵(SPECIALIZED)圧勝を飾った片山梨絵(SPECIALIZED) (c)Akihiro.NAKAO女子エリートにはオリンピック出場前のレースとなる片山梨絵(SPECIALIZED)が出走。ファンにその走りを披露する舞台となった。そして注目は全日本ロードと全日本タイムトライアルで共に2位をマークした新星・與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)の出走だ。

レースは序盤から抜けだした片山が終始独走を見せ、文字通りの圧勝を飾り、オリンピック前にコンディションの良さを見せつける結果に。

與那嶺はこれまで全日本と八幡浜にエントリーしていたものの出走せず。自身初のMTBレースとなったが、スタート後の4周中3周は中込由香里(team SY-Nak)の前で走る積極性と能力の高さを見せたものの、後半に転倒を喫し、3位でゴール。デビュー戦ながらその存在をアピールする結果となった。

高い身体能力を見せた與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)高い身体能力を見せた與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!) (c)Akihiro.NAKAOゴール後の與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)と中込由香里(team SY-Nak)ゴール後の與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)と中込由香里(team SY-Nak) (c)Akihiro.NAKAO


與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)のコメント
「登りで追い込むしかできず、順位は気にせずに走りました。走れるところは走ってましたが、テクニックが無くダウンヒル区間はバイクから降りていました。上達するポイントは分かったので、これからがんばります。コーチの武井さんには特にメニューもなく、ただ走れと言われてます。シーナックでお世話になっています。9月の富士見も出走する予定です」。


XCO男子エリート表彰XCO男子エリート表彰 (c)Akihiro.NAKAOJシリーズ2012XCO#4結果
男子エリート
1位 山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)1:31:37.84
2位 斉藤亮(MIYATA-MERIDA)+0:12:22
3位 小野寺健(TEAM SPECIALIZED)+5:34.60
XCO女子エリート表彰XCO女子エリート表彰 (c)Akihiro.NAKAO4位 門田基志(TEAM GIANT)    +9:02.20
5位 佐藤誠示            +10:39.17
6位 井本京吾(MIYATA-MERIDA)+11:06.43
7位 江下健太郎(BOMA RACING)+11:43:76
8位 合田正之(サイクルクラブ3UP)+12:36.14
9位 中原義貴(Team MX/STORCK)+12:49.17
10位 大渕宏紀(Team-NR)+13:12.20

女子エリート
1位 片山梨絵(SPECIALIZED)1:14:22.98
2位 中込由香里(team SY-Nak)+8:08.08
3位 與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)+9:45.50
4位 田近郁美(GOD HILL)+13:15.06
5位 岩出愛未(SY-nak名産大)-1 Lap

エキスパート優勝の平林安里(Team ProRide)エキスパート優勝の平林安里(Team ProRide) (c)Akihiro.NAKAOエキスパート
1位 平林安里(Team ProRide)1:10:03.28
2位 竹内遼(Team GORILLA)+1:59.68
3位 竹本颯太(Team BSC/K&b)+4:12.00

男子スポーツ
1位 霜山誠一   35:53.15
2位 荒井乃輔  +1:07.94
3位 大森高広  +2:06.90

女子スポーツ
1位 川崎路子(CLUB viento)45:33.23
2位 中村千鶴(Team UKYO)+1:24.05
3位 中島 崚歩(CLUB SY-Nak)+5:04.63


text&photo:Akihiro.NAKAO

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