7月14日、ツール・ド・ポローニュ第5ステージが、6つのカテゴリー山岳を含む中級山岳コースで行なわれた。ラスト1kmから高低差30mを駆け上がる登りスプリントでベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)が2勝目をマークしている。

談笑するミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)とトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)談笑するミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)とトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:tourdepologne.plツール・ド・ポローニュの総合争いはこの第5ステージと翌日の第6ステージで決すると言っても良いだろう。第5ステージはラプカをスタートし、ウィンタースポーツの拠点ザコパネを起点とした山岳周回コースを回る163.1km。1級と2級のカテゴリー山岳が合計6つ設定されており、しかもゴール地点は登り基調だ。

この日はレース序盤にミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)が飛び出して独走。これにミカエル・ドラージュ(フランス、FDJ・ビッグマット)とバート・デバッカー(ベルギー、アルゴス・シマノ)、ラファエル・アンドリアート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)が合流して先頭は4名に。

メイン集団内で走る別府史之(オリカ・グリーンエッジ)メイン集団内で走る別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferlaザコパネの山岳周回コースに入ると逃げグループとメイン集団のタイム差は見る見るうちに縮まり、イグナチエフの再び独走態勢に。イグナチエフが129km地点のスプリントポイントを先頭で通過するその後方では、ボーナスタイムを懸けた激しいスプリントが勃発する。

前日にイエロージャージを奪われたモレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が2番手通過でボーナスタイム2秒獲得。しかし3番手でボーナスタイム1秒獲得のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)が総合首位を守った。

メイン集団をコントロールするトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)メイン集団をコントロールするトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Riccardo Scanferlaイグナチエフが吸収されると、今度はゴールまで20kmを残してマチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス・キャノンデール)、ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)、ヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク)、イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)が飛び出す。

この4名はメイン集団に対して一時的にリードを広げるも、スプリンターチームによって結局はラスト3kmで吸収。チームスカイとリクイガス・キャノンデールが激しい攻防を繰り広げる中、登りスプリントが始まる。

ゴール地点ザコパネはウィンタースポーツの一大拠点ゴール地点ザコパネはウィンタースポーツの一大拠点 photo:Riccardo Scanferla真っ先に飛び出し、先頭でゴールに突き進んだのはマイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)。しかしその番手につけるエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が前に出る。その後方から、赤いポイント賞ジャージが上がってきた。

先行するヴィヴィアーニをかわしたスウィフトがゴールラインまで踏み抜く。登りでのロングスプリントでスウィフトが勝利。再び大きく両手を広げてゴールした。

今大会ステージ2勝目を飾ったスウィフトは喜びのコメントを残す。「今日は(以前優勝した)オポーレのステージよりずっとチャレンジングなコースだったので喜びも一入だ。登りでも集団から遅れることは無かった。これは自分がトップコンディションであることを意味している。明日の山岳ステージを何とか乗り切って、最終ステージで再び勝利したい」。

総合順位に大きな変動は無く、クヴィアトコウスキーが1秒差でイエロージャージをキープ。翌日の第6ステージで繰り広げられる総合争いの行方に注目したい。

ゴールスプリントを制したベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)ゴールスプリントを制したベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) photo:Riccardo Scanferla

レース展開や選手コメントはストリーミング&レース公式サイトより。

ツール・ド・ポローニュ2012第5ステージ結果
1位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)                4h01'22"
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
3位 ピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
4位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
5位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
6位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 ピエールパオロ・デネグリ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)
8位 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)
9位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
10位 ユーレ・コチャン(スロベニア、チームタイプ1)
53位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)
166位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク)            +10'19"

個人総合成績
1位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)22h08'54"
2位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)           +01"
3位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)                     +09"
4位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ガーミン・シャープ)
5位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)           +12"
6位 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・ISD)                 +13"
7位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
8位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
98位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)                 +14'44"
175位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク)             +45'13"

山岳賞
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、オリカ・グリーンエッジ)

ポイント賞
ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)

チーム総合成績
チームスカイ

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, tourdepologne.pl
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