2012/06/02(土) - 00:14
シマノがデュラエースをフルモデルチェンジさせる。すでにプロレースの現場で使用され世間を賑わせていたが、次期製品として正式発表となった。ついに11スピード化に踏み切ったことでロードコンポーネントは新世代へと突入していく。
シマノのトップモデル・デュラエースはこれまで7900系、そして7970Di2の登場と着実な進化を遂げてきたが、ここで11速化を成し遂げ、一気に品番を9000番へと飛躍させる。シビアなレーサーにはギアの選択肢が増えること、最小限のパワーで操作できることによる恩恵は少なくないはずだ。コンポの総重量は、1枚ギアが追加されても7900シリーズより全体で77gの軽量化を達成している。
デュラエース9000シリーズ 機械式コンポーネントの最高峰
モデルチェンジしたデュラエースが目指したのは、より少ない力で的確なコントロールを実現できるようにすることだ。 ST-9000変速レバーは11速化に伴ってシフト操作がショートストローク化され、軽く、素早い変速性能を可能にしている。具体的にはST-7900レバーと比較した場合、−30%のリリースレバーストローク比を達成したという。
機械式のブラケットとシフトレバーは人間工学に基づいた設計とされ、よりコンパクトなフォルムに進化。2種類の素材を使い分けたブラケットのラバーと併せて快適性とグリップを増している。
また、前後ディレーラーも、軽く、素早い変速性能を実現している。従来ではリアディレイラーをトップからロー側に変速していく際に徐々に大きなシフトパワーが求められたが、RD9000ではそれを解消。大幅な改良が加えられたケーブル等と組み合わせることで、ギアチェンジをしても掛かるトルクは常に一定だ。RD-7900との比較ではロー側変速で比較すると−47%のパワー削減に成功している。フロントディレイラーも同様にリンクを長く取ることで−43%という数値を記録している。
そしてコンポーネント最大の顔となるクランク&チェーンリングは、剛性と軽量性を両立する変形4アーム式へと大幅なモデルチェンジが施された。開発にあたっては既存の5アームに因われず、高い剛性を保てる中空構造のギア板のメリットを最大限発揮できる形状が根本的に考えられたという。
ペダリングにおいては足が上死点・下死点に来た時、入力のデッドスポットが存在することは知られている。シマノではこのトルク分布を徹底的にコンピューターシミュレーションし、5本あったアームを1本減らす設計に踏み切った。
アーム数は4本に減っても、十分な剛性・強度が確保できているという。アームが少なくなることで軽量化も果たされており、7900比では52g軽いという。
歯数は50-34、52-36、52-38、53-39、54-42、55-42T。PCDにおいてコンパクトあるいはノーマルといった区別はなく、チェーンリングを付け替えるだけで大きな歯数差をカバーできる設計だ。歯数構成からは、山岳対応のコンパクトチェーンホイール相当から、プロがタイムトライアルバイクに使用するビッグギアまでがカバーされている。
ブレーキは2ベアリング+1ローラーのダブルピボット構造へと進化。ピボットからブレーキシューボルトまでの距離が7900と比較して17mm近づくことによって剛性を増し、10%のパワーアップを実現。引き抵抗の少ない樹脂コーティングされた新ケーブルとの組み合わせで、同じレバー入力に対しては+20%のブレーキングパワーを発生するという。
加えてブレーキアーチは主流になりつつあるワイドリムの、23mm幅等に合わせて設計されている(7900は21mm)。
TTマシンに最適なダイレクトマウント方式を採用したBR9010F/Rブレーキと、ブレーキアーチの開放をワイヤー固定部分で行うことのできるスモールパーツ BR-CB90がラインナップされる。
11スピードのカセットは10スピードのものより歯の間隔がそれぞれ小さくなる。
11カセットを10Sハブに取り付けることはできない。10Sカセットはスペーサーを使用することで11Sハブに取り付けることができる。
チェーンには7900に見られた肉抜き穴がなくなった。もちろんチェーンの幅も薄くなっている。
リアディレイラー RD-9000
■最大フロントギア歯数差:16T
■トータルキャパシティ:33T
■対応トップスプロケット(最小/最大):11/12T
■対応ロースプロケット(最小/最大):23/28T
■価 格:20,841円
フロントディレイラー FD-9000
■対応アウターギア:50-56T
■キャパシティ:16T
■チェーンステーアングル:61-66°
■価 格:10,062円(直付け)
デュアルコントロールレバー ST-9000
■価 格:52,297円
ブレーキキャリパー BR-9000
■仕 様:SLR EVO デュアルピボット/NewスーパーSLR対応
■アーチサイズ:49mm
■価 格:フロント16,325円、リア15,810円
ブレーキキャリパー BR-9010(ダイレクトマウント)
■仕 様:デュアルピボット/NewスーパーSLR対応
■アーチサイズ(フロント):49mm
■価 格:フロント16,770円、リア16,410円
クランクセット FC-9000
■歯 数:50-34、52-36、52-38、53-39、54-42、55-42T
■価 格:55,096〜57,493円
ボトムブラケット SM-BB9000
■規 格:BSA、ITA
■価 格:3,592円
カセットスプロケット CS-9000
■歯 数:11-23、11-25、11-28、12-25、12-28T
■価 格:23,954〜25,152円
ペダル PD-9000
SPD-SLペダル(カーボン)/SM-SH10/11/12 23,007円
SPD-SLペダル(カーボン/+4mm軸仕様)/SM-SH10/11/12 23,243円
デュラエース9070シリーズ 電動コンポーネント
機械式の9000系と同じく、11スピードのDi2コンポーネント、9070シリーズも同時に発表された。レバースイッチの的が7090系に比べ大きく取られ、より的確な操作を可能としている。9000系と同じく、より少ない力でブレーキフォースを発揮するように設計がされている。
詳しい数値はまだ発表されていないものの、前後ディレイラーは前作に比べてよりコンパクトかつ軽量に仕上がっているという。ブラックとシルバーに塗り分けられたフォルムが特徴的だ。
タイムトライアルバイク用変速スイッチのSW-9071、フライトデッキの名を冠したANT+対応ワイヤレスコンピューター、SC-R770も発表された。SC-R770はワット計測にも対応する。
リアディレイラー RD-9070
■価 格:61,854円
フロントディレイラー FD-9790-F
■価 格:38,139円
デュアルコントロールレバー ST-9070
■価 格:63,607円
Dura-Ace 9000 & 9070プレス発表会in ベルギー
※記事修正
「11スピードのカセットは10段と同じ幅になる。」と記述しましたが、リアハブの右エンドからフリーボディー奥までの寸法が伸びているため、10Sハブに11Sカセットは取り付けることができません。(11Sハブに10Sカセットはスペーサーを入れることで取付可能)。そのため、以下を追記しました。
「11カセットを10Sハブに取り付けることはできない。10Sカセットはスペーサーを使用することで11Sハブに取り付けることができる。」
text:So.ISOBE,Makoto.AYANO
シマノのトップモデル・デュラエースはこれまで7900系、そして7970Di2の登場と着実な進化を遂げてきたが、ここで11速化を成し遂げ、一気に品番を9000番へと飛躍させる。シビアなレーサーにはギアの選択肢が増えること、最小限のパワーで操作できることによる恩恵は少なくないはずだ。コンポの総重量は、1枚ギアが追加されても7900シリーズより全体で77gの軽量化を達成している。
デュラエース9000シリーズ 機械式コンポーネントの最高峰
モデルチェンジしたデュラエースが目指したのは、より少ない力で的確なコントロールを実現できるようにすることだ。 ST-9000変速レバーは11速化に伴ってシフト操作がショートストローク化され、軽く、素早い変速性能を可能にしている。具体的にはST-7900レバーと比較した場合、−30%のリリースレバーストローク比を達成したという。
機械式のブラケットとシフトレバーは人間工学に基づいた設計とされ、よりコンパクトなフォルムに進化。2種類の素材を使い分けたブラケットのラバーと併せて快適性とグリップを増している。
また、前後ディレーラーも、軽く、素早い変速性能を実現している。従来ではリアディレイラーをトップからロー側に変速していく際に徐々に大きなシフトパワーが求められたが、RD9000ではそれを解消。大幅な改良が加えられたケーブル等と組み合わせることで、ギアチェンジをしても掛かるトルクは常に一定だ。RD-7900との比較ではロー側変速で比較すると−47%のパワー削減に成功している。フロントディレイラーも同様にリンクを長く取ることで−43%という数値を記録している。
そしてコンポーネント最大の顔となるクランク&チェーンリングは、剛性と軽量性を両立する変形4アーム式へと大幅なモデルチェンジが施された。開発にあたっては既存の5アームに因われず、高い剛性を保てる中空構造のギア板のメリットを最大限発揮できる形状が根本的に考えられたという。
ペダリングにおいては足が上死点・下死点に来た時、入力のデッドスポットが存在することは知られている。シマノではこのトルク分布を徹底的にコンピューターシミュレーションし、5本あったアームを1本減らす設計に踏み切った。
アーム数は4本に減っても、十分な剛性・強度が確保できているという。アームが少なくなることで軽量化も果たされており、7900比では52g軽いという。
歯数は50-34、52-36、52-38、53-39、54-42、55-42T。PCDにおいてコンパクトあるいはノーマルといった区別はなく、チェーンリングを付け替えるだけで大きな歯数差をカバーできる設計だ。歯数構成からは、山岳対応のコンパクトチェーンホイール相当から、プロがタイムトライアルバイクに使用するビッグギアまでがカバーされている。
ブレーキは2ベアリング+1ローラーのダブルピボット構造へと進化。ピボットからブレーキシューボルトまでの距離が7900と比較して17mm近づくことによって剛性を増し、10%のパワーアップを実現。引き抵抗の少ない樹脂コーティングされた新ケーブルとの組み合わせで、同じレバー入力に対しては+20%のブレーキングパワーを発生するという。
加えてブレーキアーチは主流になりつつあるワイドリムの、23mm幅等に合わせて設計されている(7900は21mm)。
TTマシンに最適なダイレクトマウント方式を採用したBR9010F/Rブレーキと、ブレーキアーチの開放をワイヤー固定部分で行うことのできるスモールパーツ BR-CB90がラインナップされる。
11スピードのカセットは10スピードのものより歯の間隔がそれぞれ小さくなる。
11カセットを10Sハブに取り付けることはできない。10Sカセットはスペーサーを使用することで11Sハブに取り付けることができる。
チェーンには7900に見られた肉抜き穴がなくなった。もちろんチェーンの幅も薄くなっている。
リアディレイラー RD-9000
■最大フロントギア歯数差:16T
■トータルキャパシティ:33T
■対応トップスプロケット(最小/最大):11/12T
■対応ロースプロケット(最小/最大):23/28T
■価 格:20,841円
フロントディレイラー FD-9000
■対応アウターギア:50-56T
■キャパシティ:16T
■チェーンステーアングル:61-66°
■価 格:10,062円(直付け)
デュアルコントロールレバー ST-9000
■価 格:52,297円
ブレーキキャリパー BR-9000
■仕 様:SLR EVO デュアルピボット/NewスーパーSLR対応
■アーチサイズ:49mm
■価 格:フロント16,325円、リア15,810円
ブレーキキャリパー BR-9010(ダイレクトマウント)
■仕 様:デュアルピボット/NewスーパーSLR対応
■アーチサイズ(フロント):49mm
■価 格:フロント16,770円、リア16,410円
クランクセット FC-9000
■歯 数:50-34、52-36、52-38、53-39、54-42、55-42T
■価 格:55,096〜57,493円
ボトムブラケット SM-BB9000
■規 格:BSA、ITA
■価 格:3,592円
カセットスプロケット CS-9000
■歯 数:11-23、11-25、11-28、12-25、12-28T
■価 格:23,954〜25,152円
ペダル PD-9000
SPD-SLペダル(カーボン)/SM-SH10/11/12 23,007円
SPD-SLペダル(カーボン/+4mm軸仕様)/SM-SH10/11/12 23,243円
デュラエース9070シリーズ 電動コンポーネント
機械式の9000系と同じく、11スピードのDi2コンポーネント、9070シリーズも同時に発表された。レバースイッチの的が7090系に比べ大きく取られ、より的確な操作を可能としている。9000系と同じく、より少ない力でブレーキフォースを発揮するように設計がされている。
詳しい数値はまだ発表されていないものの、前後ディレイラーは前作に比べてよりコンパクトかつ軽量に仕上がっているという。ブラックとシルバーに塗り分けられたフォルムが特徴的だ。
タイムトライアルバイク用変速スイッチのSW-9071、フライトデッキの名を冠したANT+対応ワイヤレスコンピューター、SC-R770も発表された。SC-R770はワット計測にも対応する。
リアディレイラー RD-9070
■価 格:61,854円
フロントディレイラー FD-9790-F
■価 格:38,139円
デュアルコントロールレバー ST-9070
■価 格:63,607円
Dura-Ace 9000 & 9070プレス発表会in ベルギー
※記事修正
「11スピードのカセットは10段と同じ幅になる。」と記述しましたが、リアハブの右エンドからフリーボディー奥までの寸法が伸びているため、10Sハブに11Sカセットは取り付けることができません。(11Sハブに10Sカセットはスペーサーを入れることで取付可能)。そのため、以下を追記しました。
「11カセットを10Sハブに取り付けることはできない。10Sカセットはスペーサーを使用することで11Sハブに取り付けることができる。」
text:So.ISOBE,Makoto.AYANO
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