2012/05/15(火) - 01:27
サンジョルジョ・デル・サンニオ〜フロジノーネの166kmで争われた第9ステージはラスト300mの直角コーナーで落車が発生。ゴス、カヴェンディッシュ、ポッツァートらが落車するなか抜け出たフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)が勝利を飾った。
昨ステージで最南部へと到達したあと北上を開始するジロは、急ぐように、直線的に、決戦地アルプスとドロミテの山場に向かう。今日も総合争いに関しては決戦地までのいわゆるトランジション(中継ぎ)ステージとなる。
集団スプリントになった場合、優勝の狙える有力スプリンターはカヴェンディッシュ(スカイ)、ゴス(グリーンエッジ)、ハンター(ガーミン)、ベントソ(モビスター)ら。すでにファラー(ガーミン)、フースホフト(BMC)、フェイユ(ヴァカンソレイユ)らはレースを去っている。
しかし簡単に勝たせてくれないのがジロの平坦ステージ。ゴール地点フロジノーネの手前には細かなアップダウンが詰め込まれており、登りで飛び出すアタッカーにもチャンスが与えられている。ラスト300mには鋭角コーナーがあり、集団の場合は難しいスプリントが強いられる。
気温14度の肌寒い中走りだす選手たち。スタートからアタックを掛けて抜けだしたのはマルティン・ケイゼル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、ブリアン・ブルギャク(オランダ、ロット・ベリソル)、ピエール・カゾー(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)の3人。
集団はこれを容認し、タイム差が広がる。しかし166kmと短い今日のステージでは、差は5分を越えることはなかった。最初の1時間の平均スピードは47.8kmの速さ。
淡々と進む逃げる3人。ゴールまで32kmを残した時点で協調が崩れ、ケイゼルがアタックする形となり独走になる。
ゴール24km手前にある中間スプリントポイントに向けてペースが上がり、カヴェンディッシュが集団の先頭で通過し、ポイントを獲得。マリアロッサ・パッシオーネを着るゴスは興味を示さず。
残り20kmを切るとマリアローザ擁するガーミン・バラクーダ勢が前に集結し引き出す。ラスト10kmからはアップダウンが始まり、丘の上の街フロジノーネへと変化に富んだコースへと様変わりする。今日のレースのスパイスはラスト10kmに凝縮されているのだ。
まとまった集団からデニス・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)が飛び出すと集団は一気に活性化する。登り坂でのアタックを狙ってスピードを上げる選手が続くが、アシストを連れてスピードを上げ、急坂で独走に持ち込んだのは総合2位につけるホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)! ロドリゲスは加速を続け、ステージ優勝狙って逃げに出る。しかし上りでも集団のペースは上がり、ラスト5kmで捕まった。
カヴェンディッシュの勝利を狙うチームスカイ、ゴスの勝利を狙うグリーンエッジが前を争って列車を形成。ゴールスプリントに持ち込まれる公算が高くなる。そして問題のラスト300mの鋭角コーナーが現れた。路面はマンホールの蓋などがあり荒れた状態。大きく減速するゴスに、後方からフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)が突っ込み、絡んで連鎖的に落車が発生。マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)、そしてカヴェンディッシュらが次々に巻き込まれて転倒。幸い減速しながらだったためスピードは速くないが、路面に転がる選手が続出した。
カオスをすり抜けた選手によるスプリント争いに入る先頭。ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が先行し、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が迫る。しかし一気にジャンプアップしてステージ優勝を飾ったのはフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)だった。
2位にはファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)、3位にはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が入った。
昨2011年ジロ第5ステージでペタッキを下しステージ優勝を挙げているベントソは2年連続の勝利。これでプロ31勝目となる。
総合上位争いは変わらず。ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)がマリアローザを守った。
ジロ・デ・イタリア2012第9ステージ結果
1位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)3h39'15"
2位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
4位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
5位 ダニエル・ショルン(オーストリア、チームネットアップ)
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+27"
4位 トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 ダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)
8位 マティアス・ブランドル(オーストリア、チームネットアップ)
143位 別府史之(グリーンエッジ)
個人総合成績
1位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)36h02’40”
2位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+09’
3位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +15’
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +35’
5位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)+35"
6位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+40’
7位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)+45’
8位 ダリオ・カタルド(イタリア) +46’
9位 フランク・シュレク(ルクセンブルグ、レディオシャック・ニッサン)+48’
10位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+52’
ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
山岳賞 マリアアッズーラ
ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
新人賞 マリアビアンカ
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
チーム総合成績
リクイガス・キャノンデール
text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI,CorVos,Riccardo Scanferla
昨ステージで最南部へと到達したあと北上を開始するジロは、急ぐように、直線的に、決戦地アルプスとドロミテの山場に向かう。今日も総合争いに関しては決戦地までのいわゆるトランジション(中継ぎ)ステージとなる。
集団スプリントになった場合、優勝の狙える有力スプリンターはカヴェンディッシュ(スカイ)、ゴス(グリーンエッジ)、ハンター(ガーミン)、ベントソ(モビスター)ら。すでにファラー(ガーミン)、フースホフト(BMC)、フェイユ(ヴァカンソレイユ)らはレースを去っている。
しかし簡単に勝たせてくれないのがジロの平坦ステージ。ゴール地点フロジノーネの手前には細かなアップダウンが詰め込まれており、登りで飛び出すアタッカーにもチャンスが与えられている。ラスト300mには鋭角コーナーがあり、集団の場合は難しいスプリントが強いられる。
気温14度の肌寒い中走りだす選手たち。スタートからアタックを掛けて抜けだしたのはマルティン・ケイゼル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、ブリアン・ブルギャク(オランダ、ロット・ベリソル)、ピエール・カゾー(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)の3人。
集団はこれを容認し、タイム差が広がる。しかし166kmと短い今日のステージでは、差は5分を越えることはなかった。最初の1時間の平均スピードは47.8kmの速さ。
淡々と進む逃げる3人。ゴールまで32kmを残した時点で協調が崩れ、ケイゼルがアタックする形となり独走になる。
ゴール24km手前にある中間スプリントポイントに向けてペースが上がり、カヴェンディッシュが集団の先頭で通過し、ポイントを獲得。マリアロッサ・パッシオーネを着るゴスは興味を示さず。
残り20kmを切るとマリアローザ擁するガーミン・バラクーダ勢が前に集結し引き出す。ラスト10kmからはアップダウンが始まり、丘の上の街フロジノーネへと変化に富んだコースへと様変わりする。今日のレースのスパイスはラスト10kmに凝縮されているのだ。
まとまった集団からデニス・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)が飛び出すと集団は一気に活性化する。登り坂でのアタックを狙ってスピードを上げる選手が続くが、アシストを連れてスピードを上げ、急坂で独走に持ち込んだのは総合2位につけるホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)! ロドリゲスは加速を続け、ステージ優勝狙って逃げに出る。しかし上りでも集団のペースは上がり、ラスト5kmで捕まった。
カヴェンディッシュの勝利を狙うチームスカイ、ゴスの勝利を狙うグリーンエッジが前を争って列車を形成。ゴールスプリントに持ち込まれる公算が高くなる。そして問題のラスト300mの鋭角コーナーが現れた。路面はマンホールの蓋などがあり荒れた状態。大きく減速するゴスに、後方からフィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)が突っ込み、絡んで連鎖的に落車が発生。マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)、そしてカヴェンディッシュらが次々に巻き込まれて転倒。幸い減速しながらだったためスピードは速くないが、路面に転がる選手が続出した。
カオスをすり抜けた選手によるスプリント争いに入る先頭。ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が先行し、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が迫る。しかし一気にジャンプアップしてステージ優勝を飾ったのはフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)だった。
2位にはファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)、3位にはジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が入った。
昨2011年ジロ第5ステージでペタッキを下しステージ優勝を挙げているベントソは2年連続の勝利。これでプロ31勝目となる。
総合上位争いは変わらず。ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)がマリアローザを守った。
ジロ・デ・イタリア2012第9ステージ結果
1位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)3h39'15"
2位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
4位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
5位 ダニエル・ショルン(オーストリア、チームネットアップ)
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+27"
4位 トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 ダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)
8位 マティアス・ブランドル(オーストリア、チームネットアップ)
143位 別府史之(グリーンエッジ)
個人総合成績
1位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)36h02’40”
2位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)+09’
3位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +15’
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +35’
5位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)+35"
6位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+40’
7位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)+45’
8位 ダリオ・カタルド(イタリア) +46’
9位 フランク・シュレク(ルクセンブルグ、レディオシャック・ニッサン)+48’
10位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)+52’
ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
山岳賞 マリアアッズーラ
ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
新人賞 マリアビアンカ
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
チーム総合成績
リクイガス・キャノンデール
text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI,CorVos,Riccardo Scanferla
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