2012/05/07(月) - 07:23
デンマーク国内でのロードステージ、ヘアニング〜ヘアニングの206kmで争われた第2ステージは集団ゴールスプリントに持ち込まれ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)が勝利した。
デンマークでの第2ステージと第3ステージはいずれもほぼ真っ平らな平坦ステージ。大集団によるゴールスプリント勝負に持ち込まれる可能性が極めて高いという予想通り、集団一団のままゴールを迎え、スプリントを制したのはマーク・カヴェンディッシュだった。2位マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、3位に3位 ジョフレ・スープ(フランス、FDJ・ビッグマット)が入った。ラスト8㎞でチェーン脱落という危機に陥ったテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)だが、無事に集団復帰を果たし、マリアローザを守った。
強風の海沿いの道を3人が逃げ続けた
第2ステージは開幕地へアニングをスタートし、ユトランド半島西部の平野を206kmにわたって駆け抜け、ヘアニングに戻る。国土の大半が平野で、最高地点が標高173mしかないデンマークらしい、真っ平らなステージ。晴れながらも気温の低い中レースはスタート。
ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)、アルフレード・バッローニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)、オリヴィエ・カイセン(ベルギー、ロット・ベリソル)の3人がレース序盤から飛び出し、集団はこれを黙認。タイム差は一時11分あまりに広がる。
3人はレース中盤に登場する今大会最初の標高は47mのカテゴリー山岳へ。ここでバッローニが早めのアタックを掛けてルビアーノと争うが、先頭で通過。山岳賞を獲得した。バッローニには今年青いデザインに変更になった山岳賞ジャージ(マリアアッズーラ)が与えられる。
レースが残り60kmになると集団もペースを上げ、タイム差は急速に縮小していく。グリーンエッジとチームスカイ、ラボバンクらが中心になって集団を牽引し、ゴールは予想どおり集団スプリントの様相へ。
残り8kmで集団内で小さな接触が起こり、テイラー・フィニーのバイクのチェーンが外れる。急いで降りて直し、スピードの上がる集団を追ったが、復帰はゴールまで残り5kmの地点。間一髪マリアローザを失うのは免れた。
数チームが先頭ポジションを争い、ゴールスプリントへと向かう集団がラスト500mの直角コーナーへ。ここでアウト側に膨らんだ先頭のすぐ後ろで接触が発生。ラボバンクのテオ・ボス(オランダ)、カチューシャのアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)が宙を舞って激しくバリアに叩きつけられた。混沌とする中、集団先頭の人数は減っていく。トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)が早めにスプリントするが、そこから抜け出たのはカヴェンディッシュとマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)。向かい風の中最後まで伸びを見せたカヴェンディッシュが世界チャンピオンジャージの貫禄を見せて先頭でゴールを切った。落車があったものの集団は同タイムゴール。総合は変わらず。
ステージ優勝したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)のコメント
「これで5勝目。このジャージでの勝利と新チームでの勝利はとてもいいものだね。まずはグランツールで勝てて嬉しい。僕にとって特別なレースであるジロで勝つのは好きだね。今までグランツールで最初のスプリントステージを勝っていないんだ。いい感触だね。このまま勝ち続けたいよ。いい調子なんだ。
簡単な一日じゃなかった。集団はタイトにまとまっていたし、風も強かった。僕らは一日中闘ったよ。そんななかレースをするのはタフだった。でも僕らにはアイゼル、ハント、スタナードら経験のある仲間がいた。パーフェクトだね」。
個人総合を守ったテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)のコメント
最初の20kmはマリアローザを楽しんだよ。でもレース終盤は崖っぷちに立たされた。先頭付近に上がってチームメイトに守られていたんだけれど、それは突然目の前で起きた。そして僕はプロトンでたったひとり落車した選手になった。集団に戻るのは骨が折れた。でも最終的には戻れてハッピーだね。
明日はたぶんもう少し気楽だろうと思う。今日はピンクを着た最初の一日だった。落車したけど僕はまだピンクだ。一日一日を走る。それが僕らチームのプランだ。
ジロ・デ・イタリア2012第2ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) 4:53:12
2位 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 ジョフレ・スープ(フランス、FDJ・ビッグマット)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
6位 マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)
7位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
8位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
9位 ウィリアム・ボネ(フランス、FDJ・ビッグマット)
10位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
個人総合成績 マリアローザ
1位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング) 5:03:38
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) 0:00:09
3位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・バラクーダ) 0:00:13
4位 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、サクソバンク) 0:00:15
5位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM) 0:00:22
6位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ)
7位 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)0:00:23
8位 マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム) 0:00:24
9位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック・ニッサン)0:00:26
10位 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン) 0:00:27
ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)
山岳賞 マリアアッズーラ
アルフレード・バッローニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)
新人賞 マリアビアンカ
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
チーム総合成績
FDJビッグマット
photo:Kei.TSUJI,CorVos,Riccardo Scanferla
text:Makoto.AYANO
デンマークでの第2ステージと第3ステージはいずれもほぼ真っ平らな平坦ステージ。大集団によるゴールスプリント勝負に持ち込まれる可能性が極めて高いという予想通り、集団一団のままゴールを迎え、スプリントを制したのはマーク・カヴェンディッシュだった。2位マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、3位に3位 ジョフレ・スープ(フランス、FDJ・ビッグマット)が入った。ラスト8㎞でチェーン脱落という危機に陥ったテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)だが、無事に集団復帰を果たし、マリアローザを守った。
強風の海沿いの道を3人が逃げ続けた
第2ステージは開幕地へアニングをスタートし、ユトランド半島西部の平野を206kmにわたって駆け抜け、ヘアニングに戻る。国土の大半が平野で、最高地点が標高173mしかないデンマークらしい、真っ平らなステージ。晴れながらも気温の低い中レースはスタート。
ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)、アルフレード・バッローニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)、オリヴィエ・カイセン(ベルギー、ロット・ベリソル)の3人がレース序盤から飛び出し、集団はこれを黙認。タイム差は一時11分あまりに広がる。
3人はレース中盤に登場する今大会最初の標高は47mのカテゴリー山岳へ。ここでバッローニが早めのアタックを掛けてルビアーノと争うが、先頭で通過。山岳賞を獲得した。バッローニには今年青いデザインに変更になった山岳賞ジャージ(マリアアッズーラ)が与えられる。
レースが残り60kmになると集団もペースを上げ、タイム差は急速に縮小していく。グリーンエッジとチームスカイ、ラボバンクらが中心になって集団を牽引し、ゴールは予想どおり集団スプリントの様相へ。
残り8kmで集団内で小さな接触が起こり、テイラー・フィニーのバイクのチェーンが外れる。急いで降りて直し、スピードの上がる集団を追ったが、復帰はゴールまで残り5kmの地点。間一髪マリアローザを失うのは免れた。
数チームが先頭ポジションを争い、ゴールスプリントへと向かう集団がラスト500mの直角コーナーへ。ここでアウト側に膨らんだ先頭のすぐ後ろで接触が発生。ラボバンクのテオ・ボス(オランダ)、カチューシャのアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)が宙を舞って激しくバリアに叩きつけられた。混沌とする中、集団先頭の人数は減っていく。トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)が早めにスプリントするが、そこから抜け出たのはカヴェンディッシュとマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)。向かい風の中最後まで伸びを見せたカヴェンディッシュが世界チャンピオンジャージの貫禄を見せて先頭でゴールを切った。落車があったものの集団は同タイムゴール。総合は変わらず。
ステージ優勝したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)のコメント
「これで5勝目。このジャージでの勝利と新チームでの勝利はとてもいいものだね。まずはグランツールで勝てて嬉しい。僕にとって特別なレースであるジロで勝つのは好きだね。今までグランツールで最初のスプリントステージを勝っていないんだ。いい感触だね。このまま勝ち続けたいよ。いい調子なんだ。
簡単な一日じゃなかった。集団はタイトにまとまっていたし、風も強かった。僕らは一日中闘ったよ。そんななかレースをするのはタフだった。でも僕らにはアイゼル、ハント、スタナードら経験のある仲間がいた。パーフェクトだね」。
個人総合を守ったテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)のコメント
最初の20kmはマリアローザを楽しんだよ。でもレース終盤は崖っぷちに立たされた。先頭付近に上がってチームメイトに守られていたんだけれど、それは突然目の前で起きた。そして僕はプロトンでたったひとり落車した選手になった。集団に戻るのは骨が折れた。でも最終的には戻れてハッピーだね。
明日はたぶんもう少し気楽だろうと思う。今日はピンクを着た最初の一日だった。落車したけど僕はまだピンクだ。一日一日を走る。それが僕らチームのプランだ。
ジロ・デ・イタリア2012第2ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) 4:53:12
2位 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 ジョフレ・スープ(フランス、FDJ・ビッグマット)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
6位 マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)
7位 トル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
8位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
9位 ウィリアム・ボネ(フランス、FDJ・ビッグマット)
10位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
個人総合成績 マリアローザ
1位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング) 5:03:38
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) 0:00:09
3位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・バラクーダ) 0:00:13
4位 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、サクソバンク) 0:00:15
5位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM) 0:00:22
6位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ)
7位 ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)0:00:23
8位 マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム) 0:00:24
9位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック・ニッサン)0:00:26
10位 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン) 0:00:27
ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)
山岳賞 マリアアッズーラ
アルフレード・バッローニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)
新人賞 マリアビアンカ
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
チーム総合成績
FDJビッグマット
photo:Kei.TSUJI,CorVos,Riccardo Scanferla
text:Makoto.AYANO
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