ツール・ド・台湾第4ステージはゴールスプリントでジョナサン・キャントウェル(サクソバンク)が勝利。この日も逃げに乗った福島晋一が1級山岳を1位通過して山岳賞トップとなり水玉のリーダージャージを獲得した。

自転車産業の中心地、台中でのステージ

ワン・カンポー(香港、香港ナショナル)の誕生日を祝うサプライズ演出ワン・カンポー(香港、香港ナショナル)の誕生日を祝うサプライズ演出 photo : Sonoko.TANAKA台湾第2の都市、台中で開催された第4ステージ。地名のとおり台湾の中部に位置する台中はジャイアントやメリダなどの工場があり台湾が世界に誇る自転車産業の中心地でもある。

毎朝、ステージ上でジャージ着用選手が紹介されているが、今日はブルージャージ(アジアンリーダー)を着るワン・カンポー(香港、香港ナショナル)の39歳の誕生日ということで、サプライズでバースデーケーキが用意された。相変わらずの寒々しい曇り空に覆われたスタート地点だったが、そんな演出で雰囲気が一変。スタート時間が10分ほど押したが、賑やかな雰囲気のなかスタートフラッグが切られた。

台中市内を走り抜ける選手たち台中市内を走り抜ける選手たち photo : Sonoko.TANAKA

1級山岳を含む111kmのレース

1級山岳に向けて加速する4人の先頭集団1級山岳に向けて加速する4人の先頭集団 photo : Sonoko.TANAKAスタート地点こそ違うものの、昨年の第5ステージとほぼ同じコース設定で開催された111.22kmの第4ステージ。途中74km地点に1級山岳があり、ゴールは3級山岳の山頂となる。去年は福島晋一(トレンガヌ)が20km地点から単独でアタックし、そのまま90kmほどを逃げ切って勝利している。

しかし、今日は総合順位が混戦状態ということもあり、何度か選手が抜け出すものの決定的な逃げにはならず、集団は1つのまま、58km地点、この日2つ目のホットスポットを通過した。

ゴールスプリントをキャントウェルが制す


1級山岳をトップ通過した福島晋一(トレンガヌ)1級山岳をトップ通過した福島晋一(トレンガヌ) photo : Sonoko.TANAKA74km地点の1級山岳に向け、ジワジワと上りが始まると福島晋一、エフゲニー・コファレフ(ロシア、ルスヴェロ)、ディーン・ダウニング(イギリス、ラファ・コンドール)、チェン・ユンファ(台湾、センター・メリダ)の4人の逃げが決まり、登坂区間で後続を引き離し、山頂でのタイム差は1分30秒。そして山頂を福島晋一が1位通過し、福島が山岳賞トップに躍り出る。

ゴールまで残り7kmを切って、集団は4人を吸収すると、ゴールスプリントに向け、各チームが激しい位置取りを繰り広げる。スプリンター西谷泰治(日本ナショナル)は、いい位置をキープできていたものの、先行する選手が落車し、失速。前方でのゴールはできなかった1級山岳を越える早川朋宏(日本ナショナル)1級山岳を越える早川朋宏(日本ナショナル) photo : Sonoko.TANAKAが、スプリントの感触は良好だと話す。上り基調のスプリントを得意とするため、同じく山頂ゴールとなる明日、明後日のステージに期待がかかる。目標のステージ優勝、またUCIアジアツアーリーダージャージを来月もキープすべく、勝負に出るだろう。

ステージ優勝を挙げたのは、ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、サクソバンク)。30歳にしてプロチームに加入し、チームの期待に応えてステージ優勝を挙げた。総合首位はリース・ポロック(オーストラリア、ドラパック)がキープ。



ゴールスプリントを制したジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、サクソバンク)ゴールスプリントを制したジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、サクソバンク) photo : Sonoko.TANAKA


山岳賞ジャージを獲得した福島晋一

山岳賞ジャージを獲得した福島晋一(トレンガヌ)山岳賞ジャージを獲得した福島晋一(トレンガヌ) photo : Sonoko.TANAKA直前に開催されたツール・ド・ランカウイから逃げて逃げて逃げ続けている福島晋一は、第4ステージを終えて山岳賞ジャージを獲得。「ステージ優勝を狙って走っていたら、山岳賞を獲得できたという感じですが、ジャージを着れることを嬉しく思います。明日からも変わらずステージ優勝を狙って走るという方向性は変わりません」とコメントする。

明日第6ステージは、彰化縣で開催される通称『大仏ステージ』。丘の上の大仏からスタートし、最後その丘を上ってゴールを迎える136.05kmのステージ。途中2級山岳を越え、ゴール地点が3級山岳の山頂となる。


ツール・ド・台湾2012第4ステージ結果
1位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、サクソバンク) 2h40'14"
2位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)
3位 アレキサンドル・セロフ(ロシア、ルスヴェロ)
4位 ホセイン・ナタギ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
5位 トム・フェルメール(オランダ、ニュートリクション)
6位 ベン・グレンダ(オーストラリア、ラファ・コンドール)
22位 西谷泰治(日本ナショナル)
29位 畑中勇介(日本ナショナル)
31位 宮澤崇史(サクソバンク)
35位 山本元喜(日本ナショナル)
62位 早川朋宏(日本ナショナル)+00'33"
78位 中尾圭祐(日本ナショナル) +02'17"
87位 福島晋一(トレンガヌ)+04'57"

個人総合成績
1位 リース・ポロック(オーストラリア、ドラパック)9h57'13"
2位 ワン・カンポー(香港、香港ナショナル)+0'02"
3位 デック・ミューラー(ドイツ、ニュートリクション)+0'06"
4位 西谷泰治(日本ナショナル) +0'08"
5位 宮澤崇史(サクソバンク) +0'20"
6位 アンソニー・ジャコーポ(オーストラリア、ジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズ)+0'21"
13位 山本元喜(日本ナショナル)+0'53"
26位 畑中勇介(日本ナショナル)+0'54"
52位 早川朋宏(日本ナショナル)+4'14"
65位 中尾圭祐(日本ナショナル)+6'27"
76位 福島晋一(トレンガヌ)+11'50"

ポイント賞

フェン・チュンカイ(台湾、アクション)

山岳賞
福島晋一(トレンガヌ)

アジアンリーダー

ワン・カンポー(香港、香港ナショナル)

チーム総合成績
ドラパック


photo&text:Sonoko.Tanaka

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