ティレーノ~アドリアティコ(UCIワールドツアー)の第2ステージが2012年3月9日に開催され、集団スプリントをエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)が制した。総合はステージ6位に入ったマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)がキープしている。

ポイント賞ジャージを着るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)ポイント賞ジャージを着るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) photo:RCS Sport前日のゴール地点となったインディカトーレからテルニまでの178kmの距離で行われた第2ステージ。イタリア内陸部を南下するコースは、途中120km地点に標高328mの山岳ポイントが1つ設定されているだけのイージーな難易度だ。昨日に引き続いてスプリンターたちの争いが繰り広げられることが予想された。

昨ステージ終盤での落車によってリタイアをしたマイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)を除く175名の選手たちが、太陽の日差しが差し込む中インディカトーレのスタートラインを切った。

ソロエスケープを敢行したフィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)ソロエスケープを敢行したフィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) photo:Riccardo Scanferlaスタート直後にフィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)がアタックを決めると集団はこれを見送ってペースダウン。ここからサヴィーニのおよそ150kmに渡る一人旅が始まった。

コルナゴ・CSFイノックスは2日連続で逃げにメンバーを送り込むことに成功。サヴィーニはメイン集団に対し、45km地点で最大11分のアドバンテージを得て一人淡々と先へ急いだ。

イタリア内陸部を行くメイン集団イタリア内陸部を行くメイン集団 photo:Riccardo Scanferla序盤に設定された中間スプリントでは個人総合成績で5位につけるマーク・カヴェンディッシュが2位通過。

ボーナスタイムを獲得し、総合ジャンプアップへの意欲を見せる。メイン集団はマシュー・ゴス擁するグリーンエッジと、カヴェンディッシュで勝利を狙うチームスカイがコントロールを行い、残り100kmを切った地点から徐々にサヴィーニとの差を詰めていく展開となる。

ゴールまでの距離が50kmを切る頃には各チームが位置取りを始め、集団のペースは一気に上昇する。この動きによって残り28km地点で逃げるサヴィーニは吸収された。

残り10kmを切って集団は非常に速いペースで進み、BMCやランプレ、ラボバンクなどが激しい位置取り争いを繰り広げる。テルニの市街地に入りテクニカルなコーナーと石畳が連続すると、完全に主導権を握るチームは現れず。前日に引き続き混沌とした雰囲気の中、最後は集団一つのままスプリントに持ち込まれた。

最終コーナーを抜け、早いタイミングでスプリントを開始したのはエドヴァルド・ボアッソンハーゲン。力強いスプリントで追いすがるアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)を振りきってガッツポーズを繰り出した。

ロングスプリントでゴールラインへ飛び込むエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)ロングスプリントでゴールラインへ飛び込むエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) photo:Riccardo Scanferlaリーダージャージをキープしたマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)リーダージャージをキープしたマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferla


「今日はカヴの調子が良くなく、ボクがスプリントを担当することになったんだ。終盤での作戦変更だったけど、チームはそこからボクのために素晴らしい仕事を成し遂げてくれた。勝ててハッピーだよ。」とはボアッソン。チームスカイは前日のカヴェンディッシュの勝利に続く2勝目を飾った。

リーダージャージを着るゴスはスプリントに加わり6位。危なげ無く総合首位をキープしている。

コメントはレース公式リリースより。


ティレーノ~アドリアティコ2012第3ステージ結果
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ )  4h45'31"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
3位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)
5位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
6位 マシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)
7位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
8位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスターチーム)
9位 エリア・ファヴィッリ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
10位 ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +03"

個人総合成績
1位 マシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)         11h36'44"
2位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、グリーンエッジ) +03"
3位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)
4位 セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、グリーンエッジ)
5位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)            +13"
6位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)           +14"
8位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)      +20"
9位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
10位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)

山岳賞
フィリッポ・サヴィーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)

ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)

新人賞
キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)



text:So.Isobe
photo:Riccardo Scanferla

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