2012年2月26日、最速チームスカイトレインに発射された世界チャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が、クールネ〜ブリュッセル〜クールネ(UCI1.1)のゴールを先頭で突き抜けた。パリ〜ニース出場を控えた新城幸也(ユーロップカー)は37位。

急坂が連続する区間で動きを見せるトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)急坂が連続する区間で動きを見せるトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Cor Vosクールネ〜ブリュッセル〜クールネが、今年もオンループ・ヘットニュースブラットの翌日に開催された。

今年で開催64回目を迎えるセミクラシックレースであり、その名の通りベルギーのクールネをスタートし、首都ブリュッセル手前で引き返してクールネにゴールする198km。

クールネ初優勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)クールネ初優勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vosレース中盤にかけてクルイスベルグやオウデクワレモント、ノケレベルグなどが設定されているものの、他のクラシックレースと比べてゴール前の難易度は低い。そのためビッグスプリンターの名前も歴代優勝者リストに並ぶ。

レースは昨年の優勝者クリストファー・サットン(オーストラリア)擁するチームスカイが支配した。序盤からニコ・エークホウト(ベルギー、アンポスト・ショーンケリー)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)を含む逃げが決まったが、チームスカイのコントロールによってタイム差は広がらない。

チームメイトと喜び合うマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)チームメイトと喜び合うマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vosレース中盤のオウデクワレモントで、2度の優勝経験者トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)を含む精鋭グループが飛び出したが、メイン集団を完全に引き離すには至らない。

ボーネングループはメイン集団に引き戻され、最後まで抵抗した41歳エークホウトらもラスト10kmを切って吸収。100名を超える大集団はクールネのゴールに向かった。

表彰台の頂点に立つマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)表彰台の頂点に立つマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vosトレインを組むチームスカイに、ロット・ベリソルやFDJ・ビッグマットが対抗。しかしスカイトレインは主導権を譲らず、サットンの後ろから好タイミングでスプリントを開始したカヴェンディッシュが勝利した。

カヴェンディッシュにとってこれが今シーズン3勝目。ツアー・オブ・オマーンではステージ0勝に終わったが、勝利数のペースは昨年を上回っている。イギリス人選手による大会制覇は史上初。

カヴェンディッシュはチームの功績をこう讃える。「本当のところ、今日は何もする必要が無かった。チームが全ての仕事をこなしてくれたんだ。一日中ずっと体調が悪かったけど、チームのおかげで常に集団前方にいた。オウデクワレモントで集団が割れた時も、チームスカイは3名を前に送り込んでいたので、必死に追走する必要も無く、何も問題なかった。最後までチームメイトに導かれ、そしてラスト250mでスプリントしたんだ。CJ(サットン)は大会連覇を犠牲にしてリードアウトに徹してくれた。チームの大会連覇はとても素晴らしい」。

一方、「この時期にここまでコンディションを上げたのは初めて。ベルギーのレースで良い感触を得たい」と語っていた新城幸也は37位。エーススプリンターのセバスティアン・シャヴァネル(フランス)は7位だった。ユキヤは2月29日に同じくベルギーで行なわれるGPサミン(UCI1.1)に出場。その後、3月4日開幕のパリ〜ニース(UCIワールドツアー)に出場する予定だ。

クールネ〜ブリュッセル〜クールネ2012
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)        4h27'30"
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ・ビッグマット)
3位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
4位 アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット)
5位 アレクサンドル・セレブリャコフ(ロシア、チームタイプ1)
6位 トム・フィーラース(オランダ、プロジェクト1t4i)
7位 セバスティアン・シャヴァネル(フランス、ユーロップカー)
8位 ステファン・ファンダイク(オランダ、アクセントジョブス)
9位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
10位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
37位 新城幸也(日本、ユーロップカー)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos