2012年2月15日から19日までの5日間、ポルトガルでヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.1)が開催され、チームスカイがステージ3勝(ボアッソンハーゲン、ポルト、ウィギンズ)の大活躍。リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)が総合優勝に輝いた。

第1ステージ スプリント勝利を飾ったジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル)第1ステージ スプリント勝利を飾ったジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル) photo:Cor Vosヴォルタ・アン・アルガルヴェは今年で開催38回目を迎える5日間のステージレース。かつてはポルトガルのローカルレースだったが、1990年代から出場チームのグローバル化が進み、今ではシーズン序盤の調整レースとして定着している。

昨年アルベルト・コンタドール(スペイン)の大会3連覇を阻止したのは、現世界TTチャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)。今年もマルティンは総合優勝候補の筆頭。しかしチームスカイ勢がその連覇に待ったをかけた。

第2ステージ ゴールスプリントを制したエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)第2ステージ ゴールスプリントを制したエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) photo:Cor Vos初日のゴールスプリントは、ジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル)が制覇。しかし翌日のゴールスプリントで勝利したエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)にリーダージャージは移る。

そして大会最難関の頂上ゴールが設定された第3ステージで、今年チームサクソバンクから移籍したリッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)が、地元ポルトガルのティアゴ・マシャド(レディオシャック・ニッサン)やルイ・コスタ(モビスター)を振り切って優勝。一躍総合トップに立った。

第3ステージ 頂上ゴールを制したリッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)第3ステージ 頂上ゴールを制したリッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) photo:Cor Vos総合争いを決定づける25.8kmの最終個人タイムトライアルで、ステージ3位と好走したポルトが総合優勝。ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)がディフェンディングチャンピオンのマルティンを僅差で破り、チームスカイの大会制覇に花を添えた。

ウィギンズは昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位に入り、自身のグランツール総合成績を塗り替えたが、レースでの勝利は昨年6月のイギリス選手権タイムトライアルぶり。久々の勝利について「予想していたよりずっと良い結果が回ってきた。個人的にも、そしてチーム的にも、素晴らしいシーズンスタートだ」とコメントする。

第4ステージ ゴールスプリントを制したゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)第4ステージ ゴールスプリントを制したゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Cor Vos「チームは100%の力でリッチー(ポルト)をサポートし、そして彼が仕事を最後までやり通した。ご存知の通り、彼にはそれをやりきる力があるんだ(ウィギンズ)」

今年チームスカイに移籍し、早速チームリーダーとしての資質を見せたポルト。頂上ゴールの走りについて「フルーム、トーマス、ラーシュ(ノルダーグ)が集団を率いて、登りではエドヴァルドとブラッド(ウィギンズ)にサポートされた。まるで時計仕掛けのような連携だった」と振り返る。「このアルガルヴェはパリ〜ニースに向けての調整レース。新しいチームで良いスタートを切ることが出来て嬉しい」。

チームスカイはチーム総合成績でもダントツのトップ。ボアッソンハーゲンがポイント賞に輝いている。

第5ステージ 最終個人タイムトライアルで3位に入ったリッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)第5ステージ 最終個人タイムトライアルで3位に入ったリッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) photo:Cor Vos第5ステージ 総合優勝に輝いたリッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)第5ステージ 総合優勝に輝いたリッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) photo:Cor Vos

選手コメントはチームスカイ公式リリースより。

第1ステージ ドゥナスドウラデス〜アルブフェイラ 151km
1位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル)        4h02'17"
2位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
3位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)
4位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)

第2ステージ ファロ〜ラゴア 187.5km
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)    4h57'23"
2位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
3位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)
5位 アントニー・ラヴァール(フランス、アージェードゥーゼル)

第3ステージ カストロマリム〜マルハオ 194.6km(頂上ゴール)
1位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)         4h55'11"
2位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)      +08"
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)
4位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)      +24"
5位 ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

第4ステージ ヴィラモウラ〜タヴィラ 186.3km
1位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)  4h35'01"
2位 グイド・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)

第5ステージ ラゴア〜ポルティマン 25.8km(個人TT)
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)           32'48"
2位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)            +13"
4位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)    +14"
5位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック・ニッサン)

個人総合成績
1位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)         19h02'43"
2位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)      +37"
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)            +44"
4位 ユルゲン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)       +50"
5位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)                 +58"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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