2012/01/20(金) - 17:31
2012年1月20日、ツアー・ダウンアンダー第4ステージは終盤の1級山岳メングラーズヒルで小集団が飛び出す展開に。49名によるスプリントでオスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)が勝利。8分近く遅れたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)は再びリーダージャージを失った。
ダウンアンダー第4ステージは、アデレード市内のノーウッドから郊外のタヌンダまでの130km。
丘陵地帯を走るコースはアップダウンの連続で、30.8km地点で2級山岳スミスヒル、107.4km地点で1級山岳メングラーズヒルを越える。ゴールの22km手前に位置するメングラーズヒル(標高差200m)が勝負の鍵を握った。
レースは開始直後に始まる登りでアタック合戦が勃発。しかし25.3km地点に設定された1つ目のスプリントポイントでボーナスタイム獲得を狙うスプリンターチームが、ことごとくアタックを封じ込める。ハイペースで登りを進むメイン集団からは、宮澤崇史(チームサクソバンク)らが脱落した。
1つ目のスプリントポイントは、リーダージャージを着るグライペルが先頭通過。グライペルは3秒のボーナスタイムを獲得し、2位通過のマイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)は2秒獲得する。
熾烈なポイント&ボーナスタイム争いが収拾してすぐ、この日の逃げが決まる。逃げたのはルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)、ジェイ・マッカーティー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)、ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)の3名。
逃げを見送ったメイン集団はペースダウン。ペレス、マッカーティー、カドリのリードが4分を超えると同時に、脱落していた宮澤らは集団に復帰した。
レース後半に差し掛かるとメイン集団はペースアップが図られ、ゴールまで29kmを残してエスケープトリオは吸収される。
そして迎えた1級山岳メングラーズヒルでメイン集団はペースアップ。徐々に人数を減らす集団からローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)が飛び出し、そのまま先頭で頂上を通過する。下りに入ると集団は49名まで絞られていた。
リーダージャージのグライペルを含む第2集団を置き去りにし、先頭集団はリードを広げながらゴールに向かう。総合2位のマルティン・コーラー(スイス)擁するBMCレーシングチームがタイム差を広げるため懸命に先頭集団のペースを上げる。ブドウ畑を駆け抜けた49名の集団は、大きなリードを得てタヌンダの街に差し掛かった。
混戦の中からゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)がロングスプリントで先行し、後方からオスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)やダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が追い上げる展開。徐々に失速するチオレックを抜き去ったフレイレが、ゴールライン上でガッツポーズを決めた。
1999年、2001年、2004年に世界チャンピオンに輝いているフレイレは現在35歳。9年間在籍したラボバンクを離れ、今年カチューシャに移籍した。
「チャンスがあると思っていたけど、難しいフィナーレだった。合流したばかりのカチューシャに初勝利をもたらすことができて良かったよ」。シーズン序盤から好調ぶりを見せたフレイレは、2012年を最後に引退すると宣言している。4度目のミラノ〜サンレモ制覇、そして4度目の世界選手権制覇を目論むベテランが、良いカタチでキャリア最後のシーズンをスタートさせた。
結局グライペルを含む第2集団は7分45秒遅れでゴール。リーダージャージは先頭集団でゴールしたコーラーの手に戻っている。総合争いは、マシューズとフレイレが2秒遅れでコーラーを追う展開。登坂力のあるサイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)らは8秒遅れにつけており、翌日のオールドウィランガヒル頂上ゴールで総合争いは決する。
宮澤は1級山岳メングラーズヒルで再び集団から脱落し、14分16秒遅れのグルペットでゴールしている。落車によって思うように上がらない調子に、少し表情を曇らせた。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
ツアー・ダウンアンダー2012第3ステージ結果
1位 オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ) 3h08'34"
2位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
6位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
7位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、チームサクソバンク)
8位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス・キャノンデール)
9位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)
10位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
131位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +14'16"
個人総合成績
1位 マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム) 15h03'34"
2位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク) +02"
3位 オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)
4位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +06"
5位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ) +08"
6位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
7位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
8位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
9位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)
10位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア) +09"
121位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +26'53"
山岳賞
ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
チーム総合成績
チームスカイ
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
ダウンアンダー第4ステージは、アデレード市内のノーウッドから郊外のタヌンダまでの130km。
丘陵地帯を走るコースはアップダウンの連続で、30.8km地点で2級山岳スミスヒル、107.4km地点で1級山岳メングラーズヒルを越える。ゴールの22km手前に位置するメングラーズヒル(標高差200m)が勝負の鍵を握った。
レースは開始直後に始まる登りでアタック合戦が勃発。しかし25.3km地点に設定された1つ目のスプリントポイントでボーナスタイム獲得を狙うスプリンターチームが、ことごとくアタックを封じ込める。ハイペースで登りを進むメイン集団からは、宮澤崇史(チームサクソバンク)らが脱落した。
1つ目のスプリントポイントは、リーダージャージを着るグライペルが先頭通過。グライペルは3秒のボーナスタイムを獲得し、2位通過のマイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)は2秒獲得する。
熾烈なポイント&ボーナスタイム争いが収拾してすぐ、この日の逃げが決まる。逃げたのはルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)、ジェイ・マッカーティー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)、ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)の3名。
逃げを見送ったメイン集団はペースダウン。ペレス、マッカーティー、カドリのリードが4分を超えると同時に、脱落していた宮澤らは集団に復帰した。
レース後半に差し掛かるとメイン集団はペースアップが図られ、ゴールまで29kmを残してエスケープトリオは吸収される。
そして迎えた1級山岳メングラーズヒルでメイン集団はペースアップ。徐々に人数を減らす集団からローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)が飛び出し、そのまま先頭で頂上を通過する。下りに入ると集団は49名まで絞られていた。
リーダージャージのグライペルを含む第2集団を置き去りにし、先頭集団はリードを広げながらゴールに向かう。総合2位のマルティン・コーラー(スイス)擁するBMCレーシングチームがタイム差を広げるため懸命に先頭集団のペースを上げる。ブドウ畑を駆け抜けた49名の集団は、大きなリードを得てタヌンダの街に差し掛かった。
混戦の中からゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)がロングスプリントで先行し、後方からオスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)やダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が追い上げる展開。徐々に失速するチオレックを抜き去ったフレイレが、ゴールライン上でガッツポーズを決めた。
1999年、2001年、2004年に世界チャンピオンに輝いているフレイレは現在35歳。9年間在籍したラボバンクを離れ、今年カチューシャに移籍した。
「チャンスがあると思っていたけど、難しいフィナーレだった。合流したばかりのカチューシャに初勝利をもたらすことができて良かったよ」。シーズン序盤から好調ぶりを見せたフレイレは、2012年を最後に引退すると宣言している。4度目のミラノ〜サンレモ制覇、そして4度目の世界選手権制覇を目論むベテランが、良いカタチでキャリア最後のシーズンをスタートさせた。
結局グライペルを含む第2集団は7分45秒遅れでゴール。リーダージャージは先頭集団でゴールしたコーラーの手に戻っている。総合争いは、マシューズとフレイレが2秒遅れでコーラーを追う展開。登坂力のあるサイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)らは8秒遅れにつけており、翌日のオールドウィランガヒル頂上ゴールで総合争いは決する。
宮澤は1級山岳メングラーズヒルで再び集団から脱落し、14分16秒遅れのグルペットでゴールしている。落車によって思うように上がらない調子に、少し表情を曇らせた。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
ツアー・ダウンアンダー2012第3ステージ結果
1位 オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ) 3h08'34"
2位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
6位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
7位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、チームサクソバンク)
8位 クリスティアン・コレン(スロベニア、リクイガス・キャノンデール)
9位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)
10位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)
131位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +14'16"
個人総合成績
1位 マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム) 15h03'34"
2位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク) +02"
3位 オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)
4位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +06"
5位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ) +08"
6位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
7位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
8位 ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
9位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ)
10位 ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア) +09"
121位 宮澤崇史(日本、チームサクソバンク) +26'53"
山岳賞
ローハン・デニス(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
ポイント賞
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
新人賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
チーム総合成績
チームスカイ
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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