2012/01/17(火) - 05:41
1月15日に行なわれたダウンアンダー・クラシックで、UCIプロチームライダーとしてデビューを飾った宮澤崇史(チームサクソバンク)。17日に開幕するツアー・ダウンアンダー本戦を前に、レースへの意気込み、そして今シーズンの目標を聞いた。
アデレードのカフェで一息つく宮澤崇史(チームサクソバンク) photo:Kei Tsujiサクソバンクの一員として初戦を走った印象は?
レース自体に特にこれと言った印象はなく、今まで通りレースをこなした感じ。サクソバンクは平坦に強いメンバーを集めているわけではないので、チームワークを完璧に機能させるのは難しかった。あの集団の中では、レースを動かしてくるチームに対して受け身の形でのレース運びになった。サクソバンクとして何が出来るのかが、まだ見えていない感じ。
サインに応じる宮澤崇史(チームサクソバンク) photo:Kei Tsujiプロトンの中で走りやすさは?
まだ集団に馴染んでいないので、走りにくさはあった。凄く、あった。分かり合っている仲間と一緒なら走りやすいけど、初顔合わせの人が多いし、その中で走る緊張感もあった。周りに認められれば徐々に走りやすくなっていくと思う。まだ他のメンバーと一緒にレースを走っていないので、チームの誰がどんな動きをするのかという役割が見えていない。それが見えてくると、自分の走りも出しやすくなるはず。
ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア)と仲の良い宮澤崇史(チームサクソバンク) photo:Kei Tsujiチームの中でのニックネームは?
まだ決まったニックネームはなくて、みんな「タカ」とか「ターク」とか好きずきに呼んでくる。それ以外は「タカシ」。
宮澤崇史(チームサクソバンク)のサイン photo:Kei Tsujiこのダウンアンダーの前はタイでトレーニング?
温暖なタイで3〜4週間過ごして、しっかりとトレーニングを積んできた。パワーメーターを使いながら、チームに与えられたメニューをこなし、それプラス自分の練習をこなしていると、チームスタッフに「走り過ぎだ!」と言われてしまった。それから少し休んだので、昨日のレースでは凄く良い感じを得ながら走ることが出た。
集団前方でスタートする宮澤崇史(チームサクソバンク) photo:Kei Tsuji他のメンバーと比べて走れている感はある?
チームスタッフに「タイでは良いトレーニングが出来た?」と聞かれたので「出来た出来た」と答えていた。でもいざアデレードに来て他のメンバーと練習に行くと、あまり自分が走れていないものだから、チームスタッフは「こいつ大丈夫かな?」と思っていたはず(笑)実際に、千切れることもあったし、練習では本当に弱いと思う。力量が分かっていないから、監督もまだオーダーを出しにくいらしい。でも昨日レースではそこそこ走れたので、チームからの反応は良かった。まだまだ昨日は抑えての走りだったので、悪くはなかったと思う。
キャントウェルのアシストとして働き、初戦を終えた宮澤崇史(チームサクソバンク) photo:Kei Tsujiシーズン序盤からあえて強度を上げている?
監督には「ゆっくりスタートしなよ」と言われているけど、自分はシーズンの最初からガンガン行きたい。春までに“脚”を作るために、今は苦しい(強度の高い)走りが必要。自分としては8月あたりに調子をもっていきたい。よく「シーズン序盤から強度を上げて大丈夫?」と言われるけど、シーズンの序盤から上げることが出来なかったら、中盤も終盤も上がらない。練習量をこなせる基礎的な体力、つまり“ベース”がシーズン序盤に出来ていれば、シーズン中に調子を落とすことは有り得ない。上げられる時に上げておかないと。
シーズン序盤のレーススケジュールは?
ツアー・ダウンアンダーの後は、2月5〜9日のチャレンジ・マヨルカ、3月3日のストラーデ・ビアンケ、そして3月10日から始まるツール・ド・台湾に出場する予定。結果を出して、UCIポイントを獲得するという意味では、ツール・ド・台湾は重要だと思っている。でも特別そこに集中しているわけではなくて、自分が選ばれたすべてのレースで、自分のためにもチームのために結果を残すのが自分の仕事。
その先にあるのはオリンピック?
自分に与えられたレースで結果を出して、それがオリンピック出場に繋がれば、そこでも良い走りが出来ると思う。結局オリンピックに出場することが目的ではなくて、そこでどんな走りが出来るかが重要。やっぱりトップレースで経験を積まないと、世界のトップレースで結果は残せない。だからこのチームに移籍したことは良いステップだと感じている。
2012年シーズンの目標は?
全日本選手権でもう一回勝ちたい。ヨーロッパのレースはもちろんすべてが大事。最優先されるのはチームオーダーであり、アシストとしてチームに貢献することが求められる。でも評価されるのはやはり勝つこと。チャンスがあれば掴む。チャンスが回って来た時に鼻を利かせて勝たなければならない。シーズン序盤から結果を残すことを求められている。
ツアー・ダウンアンダーでの目標は?
チーム的には調子の良いルーク(ロバーツ)が総合狙い。ルークはスピードもあるから、山のステージ以外でもボーナスタイムを稼ぐような走りが出来ると思う。ダウンアンダーは大会自体しっかりとオーガナイズされているのでストレスはない。個人的にはステージ優勝を狙いたい。逃げ切ってステージ優勝を掴みたい。
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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レース自体に特にこれと言った印象はなく、今まで通りレースをこなした感じ。サクソバンクは平坦に強いメンバーを集めているわけではないので、チームワークを完璧に機能させるのは難しかった。あの集団の中では、レースを動かしてくるチームに対して受け身の形でのレース運びになった。サクソバンクとして何が出来るのかが、まだ見えていない感じ。
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まだ集団に馴染んでいないので、走りにくさはあった。凄く、あった。分かり合っている仲間と一緒なら走りやすいけど、初顔合わせの人が多いし、その中で走る緊張感もあった。周りに認められれば徐々に走りやすくなっていくと思う。まだ他のメンバーと一緒にレースを走っていないので、チームの誰がどんな動きをするのかという役割が見えていない。それが見えてくると、自分の走りも出しやすくなるはず。
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まだ決まったニックネームはなくて、みんな「タカ」とか「ターク」とか好きずきに呼んでくる。それ以外は「タカシ」。
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温暖なタイで3〜4週間過ごして、しっかりとトレーニングを積んできた。パワーメーターを使いながら、チームに与えられたメニューをこなし、それプラス自分の練習をこなしていると、チームスタッフに「走り過ぎだ!」と言われてしまった。それから少し休んだので、昨日のレースでは凄く良い感じを得ながら走ることが出た。
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チームスタッフに「タイでは良いトレーニングが出来た?」と聞かれたので「出来た出来た」と答えていた。でもいざアデレードに来て他のメンバーと練習に行くと、あまり自分が走れていないものだから、チームスタッフは「こいつ大丈夫かな?」と思っていたはず(笑)実際に、千切れることもあったし、練習では本当に弱いと思う。力量が分かっていないから、監督もまだオーダーを出しにくいらしい。でも昨日レースではそこそこ走れたので、チームからの反応は良かった。まだまだ昨日は抑えての走りだったので、悪くはなかったと思う。
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監督には「ゆっくりスタートしなよ」と言われているけど、自分はシーズンの最初からガンガン行きたい。春までに“脚”を作るために、今は苦しい(強度の高い)走りが必要。自分としては8月あたりに調子をもっていきたい。よく「シーズン序盤から強度を上げて大丈夫?」と言われるけど、シーズンの序盤から上げることが出来なかったら、中盤も終盤も上がらない。練習量をこなせる基礎的な体力、つまり“ベース”がシーズン序盤に出来ていれば、シーズン中に調子を落とすことは有り得ない。上げられる時に上げておかないと。
シーズン序盤のレーススケジュールは?
ツアー・ダウンアンダーの後は、2月5〜9日のチャレンジ・マヨルカ、3月3日のストラーデ・ビアンケ、そして3月10日から始まるツール・ド・台湾に出場する予定。結果を出して、UCIポイントを獲得するという意味では、ツール・ド・台湾は重要だと思っている。でも特別そこに集中しているわけではなくて、自分が選ばれたすべてのレースで、自分のためにもチームのために結果を残すのが自分の仕事。
その先にあるのはオリンピック?
自分に与えられたレースで結果を出して、それがオリンピック出場に繋がれば、そこでも良い走りが出来ると思う。結局オリンピックに出場することが目的ではなくて、そこでどんな走りが出来るかが重要。やっぱりトップレースで経験を積まないと、世界のトップレースで結果は残せない。だからこのチームに移籍したことは良いステップだと感じている。
2012年シーズンの目標は?
全日本選手権でもう一回勝ちたい。ヨーロッパのレースはもちろんすべてが大事。最優先されるのはチームオーダーであり、アシストとしてチームに貢献することが求められる。でも評価されるのはやはり勝つこと。チャンスがあれば掴む。チャンスが回って来た時に鼻を利かせて勝たなければならない。シーズン序盤から結果を残すことを求められている。
ツアー・ダウンアンダーでの目標は?
チーム的には調子の良いルーク(ロバーツ)が総合狙い。ルークはスピードもあるから、山のステージ以外でもボーナスタイムを稼ぐような走りが出来ると思う。ダウンアンダーは大会自体しっかりとオーガナイズされているのでストレスはない。個人的にはステージ優勝を狙いたい。逃げ切ってステージ優勝を掴みたい。
text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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