2009/02/03(火) - 22:51
オランダ開催のクロス世界選手権。熱戦のクライマックスは2日目の男女エリート。日本勢はインフルエンザ明けの辻浦、親子参加の小坂、ママさん選手の荻島、国内敵ナシのあやこ姫こと豊岡が参戦。現地から田中苑子がレポートする。
シクロクロス世界選手権の2日目は女子とエリートのレースが開催された。冷え込みは一段と厳しくなり、気温は氷点下。さらに冷たい風が吹いて、体感気温はかなり低い。
ベルギー国境に近いオランダ・ホーヘルハイデの会場には、オランダ人だけでなく大勢のベルギー人も会場に詰めかけ、国旗やキャップなど色とりどりのコスチュームや応援アイテムを身につけた熱狂的なシクロクロスファンで会場は埋め尽くされた。
沿道に大勢の観客が詰めかけたホーヘルハイデ会場 photo:CorVos
そして開催国であるオランダとディフェンディングチャンピオンであるオランダのラス・ボーンからアルカンシェルを取り返そうとするベルギー人の応援合戦はしだいにエスカレートしていく。
午前中の女子のレース、日本からの参戦は、全日本チャンピオン豊岡英子(Taem ayakotoyooka)とオランダ在住のベテラン荻島美香(アライレーシング)。
荻島は子育てをしながらも、今シーズンはワールドカップなど欧州のレースを転戦し、世界選手権に向けてトレーニングをこなしていた。一方の豊岡も12月の全日本選手後からオランダに滞在し、本場のレースを走り、この日に備えていた。
オランダ在住、ママさん選手の荻島美香(アライレーシング)
女子のレースがスタートしたのは、11時半。スタートしてすぐ、最初のカーブで落車が起きた。日本勢は巻き込まれなかったものの、先頭とのあいだに差ができてしまった。ハイスピードで展開されるドライコンディションのレースだったこともあり、最後までその差を縮めることは難しかった。
40分、6周回でのレースで、結果は35人完走中、荻島が3分29秒差の22位、豊岡が4分5秒差の26位だった。
ゴール直後、荻島は「すべてを出し切ったから、私もう満足です!」と、達成感あふれる笑顔を見せていた。日本から駆けつけたご家族やオランダ人のご主人、2人のかわいいお子さんたちもお母さんの健闘を讃えていた。
豊岡英子(Team ayakotoyooka)。もっと走れたはずだが、本人が一番悔しい
そして豊岡は、もっと上の成績を狙っていた。選手団からも「もっと走れたのではないか?」との声もあがったが、「実力を出し切れないなら、それも私の実力なんです。この結果を受け止めて、また来年頑張ります」とコメントした。
午後からは、冬の王者を決める男子エリートのレースがスタートする。バイクを最終調整する各国のピットに緊張感が走り、昨年の覇者、地元オランダのラス・ボーンが登場すると会場は大歓声に包まれた。
そしてスタートからロードレースのようなハイスピードで展開される。
日本のエース、辻浦圭一(ブリヂストンアンカー)は先週末に体調を崩し、レース数日前までバイクに乗れない状態でスタートを迎えた。驚異の回復力でスタートラインに立ったものの体調やコンディションは万全とは言えなかった。
直前に体調を崩していた辻浦圭一(ブリヂストンアンカー)
もう一人の日本代表は46歳のベテラン、小坂正則(スワコレーシング)だ。U23の小坂光と親子で今大会には参加している。親子の息はピッタリで、この日はお父さんのレースを光選手が熱心にサポートしていた。
結果は辻浦が-5LAPでレース中盤に走り終える。その後、小坂は必死に前に食らいついて走り続けた。最終周回はまさに気迫溢れる走りだった。息子が見守る前でここ一番の粘り強さを見せつけた。
気迫溢れる走りの小坂正則(スワコレーシング)
悔しさが残る辻浦も「(自分が結果を残せなかった分)今回は小坂さんに本当に助けられた!」と絶賛し、選手とともに一生懸命サポートし続けていた日本チームも、ホッと肩をなで下ろした。
小坂は「もっている力を出し切れました」と、この結果に満足していた。
photo&text:田中苑子
シクロクロス世界選手権の2日目は女子とエリートのレースが開催された。冷え込みは一段と厳しくなり、気温は氷点下。さらに冷たい風が吹いて、体感気温はかなり低い。
ベルギー国境に近いオランダ・ホーヘルハイデの会場には、オランダ人だけでなく大勢のベルギー人も会場に詰めかけ、国旗やキャップなど色とりどりのコスチュームや応援アイテムを身につけた熱狂的なシクロクロスファンで会場は埋め尽くされた。
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そして開催国であるオランダとディフェンディングチャンピオンであるオランダのラス・ボーンからアルカンシェルを取り返そうとするベルギー人の応援合戦はしだいにエスカレートしていく。
女子エリート
ママさん選手荻島、健闘。悔しい豊岡は、もっと走れたはず。
午前中の女子のレース、日本からの参戦は、全日本チャンピオン豊岡英子(Taem ayakotoyooka)とオランダ在住のベテラン荻島美香(アライレーシング)。
荻島は子育てをしながらも、今シーズンはワールドカップなど欧州のレースを転戦し、世界選手権に向けてトレーニングをこなしていた。一方の豊岡も12月の全日本選手後からオランダに滞在し、本場のレースを走り、この日に備えていた。
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女子のレースがスタートしたのは、11時半。スタートしてすぐ、最初のカーブで落車が起きた。日本勢は巻き込まれなかったものの、先頭とのあいだに差ができてしまった。ハイスピードで展開されるドライコンディションのレースだったこともあり、最後までその差を縮めることは難しかった。
40分、6周回でのレースで、結果は35人完走中、荻島が3分29秒差の22位、豊岡が4分5秒差の26位だった。
ゴール直後、荻島は「すべてを出し切ったから、私もう満足です!」と、達成感あふれる笑顔を見せていた。日本から駆けつけたご家族やオランダ人のご主人、2人のかわいいお子さんたちもお母さんの健闘を讃えていた。
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そして豊岡は、もっと上の成績を狙っていた。選手団からも「もっと走れたのではないか?」との声もあがったが、「実力を出し切れないなら、それも私の実力なんです。この結果を受け止めて、また来年頑張ります」とコメントした。
男子エリート
インフルエンザ明けの辻浦、親子参加の小坂
午後からは、冬の王者を決める男子エリートのレースがスタートする。バイクを最終調整する各国のピットに緊張感が走り、昨年の覇者、地元オランダのラス・ボーンが登場すると会場は大歓声に包まれた。
そしてスタートからロードレースのようなハイスピードで展開される。
日本のエース、辻浦圭一(ブリヂストンアンカー)は先週末に体調を崩し、レース数日前までバイクに乗れない状態でスタートを迎えた。驚異の回復力でスタートラインに立ったものの体調やコンディションは万全とは言えなかった。
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もう一人の日本代表は46歳のベテラン、小坂正則(スワコレーシング)だ。U23の小坂光と親子で今大会には参加している。親子の息はピッタリで、この日はお父さんのレースを光選手が熱心にサポートしていた。
結果は辻浦が-5LAPでレース中盤に走り終える。その後、小坂は必死に前に食らいついて走り続けた。最終周回はまさに気迫溢れる走りだった。息子が見守る前でここ一番の粘り強さを見せつけた。
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悔しさが残る辻浦も「(自分が結果を残せなかった分)今回は小坂さんに本当に助けられた!」と絶賛し、選手とともに一生懸命サポートし続けていた日本チームも、ホッと肩をなで下ろした。
小坂は「もっている力を出し切れました」と、この結果に満足していた。
photo&text:田中苑子
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