2011/10/23(日) - 00:37
若手登竜門のオープン男子。愛媛県立松山工業高校2年の小橋勇利(ボンシャンス飯田)が、スプリント勝負を制し大金星。1年生でインターハイを制した逸材は1年後、さらに大きな勝利を手にした。
朝から降り続く雨がやまないまま、11時05分にオープン男子がスタート。208人を数える大集団だ。JCF登録していて日曜日のジャパンカップに出ない選手ならば誰でも出られるため、強豪クラブチーム、大学生などが中心だ。そのため若手の登竜門のレースと呼ばれるように。
今年の全日本ロードU23チャンピオンの山本元喜(鹿屋体育大)やツール・ド・北海道個人総合5位の黒枝士揮(鹿屋体育大)、おきなわ市民210km覇者の岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)さらに中央大、法政大、中京大などの強豪選手が一堂に会した。
レースは5周+1周の80.8km。序盤からアタックは続くが決定打にならない。振るい落しがかかる集団から、3周目にアタックしたのは榊原健一(Team Eurasia-Fondriest Bikes)と木下智裕(EQADS)。のちに榊原のみとなり単独で逃げ続ける。追走集団も形成されるがここでの競り合いで集団は30人ほどに。
5周目後半に単独逃げていた榊原はメイン集団に吸収されて約30人の集団で最終周回へ。
ここから山本らの激しいアタックで集団が分断、古賀志林道上りを経て11人が先行する。山本のアタックを数人が追走する場面が続き、ラスト5kmでは山本、飯野智行(中央大)、栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)、岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)の5人が先行する。ここからさらに山本がアタックを繰り返す。
後続では小橋勇利(ボンシャンス飯田)と高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)が先行、これに才田直人(ボンシャンス飯田)が加わり先頭に追いつく。ここから山本がアタックし独走するがラスト300mほどで失速。後続からは才田が小橋を連れて抜け出す。ここで小橋が渾身のアタック。先行する山本を抜き、落ちないスピードで後続に20mほどの大差をつけて小橋が優勝。2位には飯野が、3位には粘った山本が入った。
小橋は愛媛県立松山工業高校の2年生。昨年の沖縄インターハイロードでは集団でのゴールスプリントを制して1年生で優勝。その後は高校生世代で上位常連の強豪選手になった。直前の山口国体ロードでは8位に入っている。もともとは北海道出身で、自転車競技に取り組むため、愛媛へ渡った。
小橋勇利(ボンシャンス飯田)のコメント
本当に嬉しいです。でも今日はゴールスプリントで勝ったのでまだまだです。自分でレースを展開できなかったので実力不足と思います。先頭集団にいようと思ったのですが逃げられてしまい、とにかく追いつくことを考えました。元喜さんのアタックについていけず、大学生のレベルの高さを感じました。国体では逃げたのですがゴールがうまくいかなかったので、今年はこのオープン男子を目標にしました。ここで結果を出せて嬉しいです。逃げで勝ったのではないので、もっと練習をします。将来はヨーロッパへ行って、別府さん新城さん宮澤さんのようになりたいです。
先頭集団では絶えずアタックする山本の追走に誰もが脚を使った。ゴール前はチームメイト才田の後方からアタックできたことも大きい。「できれば自分が勝ちたいという気持ちはあったが、結果として小橋君の優勝のアシストになったので嬉しい」と才田は語る。才田は今夏のフランス遠征中に落車、頚椎骨折の大怪我を追ったが驚異的に復帰。帰国し後に、1週間前の実業団輪島ロードで好感触を得ていた。
中盤逃げた榊原、そして終盤にアタックを一人で連発した山本の強さはさすがの強さ。だがゴールまでの距離をしっかりと測って優勝した小橋の勝負強さが、強豪ぞろいの今年のオープン男子では大きく光った。
結果
オープン男子 80.8km
1位 小橋勇利(ボンシャンス飯田)2時間11分50秒
2位 飯野智行(中央大)+02秒
3位 山本元喜(鹿屋体育大)
4位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
5位 岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)
6位 才田直人(ボンシャンス飯田)
7位 平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)
8位 西谷雅史(オーベスト)+10秒
9位 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)+16秒
10位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)+19秒
photo&text:高木秀彰
朝から降り続く雨がやまないまま、11時05分にオープン男子がスタート。208人を数える大集団だ。JCF登録していて日曜日のジャパンカップに出ない選手ならば誰でも出られるため、強豪クラブチーム、大学生などが中心だ。そのため若手の登竜門のレースと呼ばれるように。
今年の全日本ロードU23チャンピオンの山本元喜(鹿屋体育大)やツール・ド・北海道個人総合5位の黒枝士揮(鹿屋体育大)、おきなわ市民210km覇者の岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)さらに中央大、法政大、中京大などの強豪選手が一堂に会した。
レースは5周+1周の80.8km。序盤からアタックは続くが決定打にならない。振るい落しがかかる集団から、3周目にアタックしたのは榊原健一(Team Eurasia-Fondriest Bikes)と木下智裕(EQADS)。のちに榊原のみとなり単独で逃げ続ける。追走集団も形成されるがここでの競り合いで集団は30人ほどに。
5周目後半に単独逃げていた榊原はメイン集団に吸収されて約30人の集団で最終周回へ。
ここから山本らの激しいアタックで集団が分断、古賀志林道上りを経て11人が先行する。山本のアタックを数人が追走する場面が続き、ラスト5kmでは山本、飯野智行(中央大)、栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)、岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)の5人が先行する。ここからさらに山本がアタックを繰り返す。
後続では小橋勇利(ボンシャンス飯田)と高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)が先行、これに才田直人(ボンシャンス飯田)が加わり先頭に追いつく。ここから山本がアタックし独走するがラスト300mほどで失速。後続からは才田が小橋を連れて抜け出す。ここで小橋が渾身のアタック。先行する山本を抜き、落ちないスピードで後続に20mほどの大差をつけて小橋が優勝。2位には飯野が、3位には粘った山本が入った。
小橋は愛媛県立松山工業高校の2年生。昨年の沖縄インターハイロードでは集団でのゴールスプリントを制して1年生で優勝。その後は高校生世代で上位常連の強豪選手になった。直前の山口国体ロードでは8位に入っている。もともとは北海道出身で、自転車競技に取り組むため、愛媛へ渡った。
小橋勇利(ボンシャンス飯田)のコメント
本当に嬉しいです。でも今日はゴールスプリントで勝ったのでまだまだです。自分でレースを展開できなかったので実力不足と思います。先頭集団にいようと思ったのですが逃げられてしまい、とにかく追いつくことを考えました。元喜さんのアタックについていけず、大学生のレベルの高さを感じました。国体では逃げたのですがゴールがうまくいかなかったので、今年はこのオープン男子を目標にしました。ここで結果を出せて嬉しいです。逃げで勝ったのではないので、もっと練習をします。将来はヨーロッパへ行って、別府さん新城さん宮澤さんのようになりたいです。
先頭集団では絶えずアタックする山本の追走に誰もが脚を使った。ゴール前はチームメイト才田の後方からアタックできたことも大きい。「できれば自分が勝ちたいという気持ちはあったが、結果として小橋君の優勝のアシストになったので嬉しい」と才田は語る。才田は今夏のフランス遠征中に落車、頚椎骨折の大怪我を追ったが驚異的に復帰。帰国し後に、1週間前の実業団輪島ロードで好感触を得ていた。
中盤逃げた榊原、そして終盤にアタックを一人で連発した山本の強さはさすがの強さ。だがゴールまでの距離をしっかりと測って優勝した小橋の勝負強さが、強豪ぞろいの今年のオープン男子では大きく光った。
結果
オープン男子 80.8km
1位 小橋勇利(ボンシャンス飯田)2時間11分50秒
2位 飯野智行(中央大)+02秒
3位 山本元喜(鹿屋体育大)
4位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)
5位 岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)
6位 才田直人(ボンシャンス飯田)
7位 平井栄一(ブリヂストン・エスポワール)
8位 西谷雅史(オーベスト)+10秒
9位 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)+16秒
10位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)+19秒
photo&text:高木秀彰
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