2009/05/18(月) - 11:19
百周年のジロが、とっておきの舞台として用意した第9ステージは「ミラノショー100」と銘打った市街での周回レース。しかし滑りやすい石畳、路面電車の線路、路上駐車したままのクルマなど、危険がいっぱい。選手たちは終盤までゆっくり走り、レースを放棄するかに見えた。
-最後の最後でレースが始まると、スプリントを狙う選手と、それ以外の選手に真っ二つに分かれた。オーガナイザーと選手たちの間では今日着順はつけるが総合成績を左右するタイム差はつけないという合意に達していたからだ。
猛ダッシュのレースはチームコロンビアが支配。カヴェンディッシュが早めに飛び出すと、誰もそのスピードにはかなわなかった。
ジロのステージ優勝が欲しかった。ペタッキに負けてからそれを償う必要があったんだ。チームは最後の局面で凄い仕事をしてくれた。本当に本当にハッピーだ。
市街地でのレースはいつも危険が伴う。それは分かりきったことだ。今日は「ミラノ・ショー」だった。たくさんの人が観に来てくれた。できるならもっといいバトルを見せてあげたかったけど、僕らがトップを獲れたのは良かった。
何人かの選手はレースを止めたがり、何人かはレースをしたがった。最後にはレースが成立した。観客たちは喜んでくれたと思う。僕は勝ててハッピーだ。
勝つことが好きだ。それは僕にとって中毒だね。完璧なベストポジションをチームが用意してくれて、そこにつけていながら勝てなかった第2ステージのことは隠せない。今日は早めに仕掛けた。負けるわけにはいかなかったから。
マリアチクラミーノとノルウェーの祝日、そして彼の誕生日にもかかわらず僕をアシストしてくれたエドワルド(ボアッソン)には感謝したいね。
--アームストロングと何か取り決めをしたのか?と聞かれて
ディルーカかアームストロングにする質問じゃない。それは集団にとって何が正しかったのかと質問するべきだろう。マリアローザを着ている選手として、選手たちには話をした。コースにはクルマが停めてあったし、コース上で進行方向と逆方向に向かってくるクルマともすれ違う。路面電車の線路、狭い交叉点などがあった。僕たちは危険だと思った。
観客たちには思っていることを表明するべきだと思ったんだ。僕のことじゃなく、僕のチームのことじゃなく、誰のことでもない。マリアローザを着ている者として、僕ら集団のことを話したんだ。
アームストロングはとくに僕に個人的にはその話をしなかったけど、でも多分皆が昨日のオリッリョの落車に心の影響を少なからず受けていた。
こういった話は僕ら選手だけの間でした。スポンサーから言われたことでも監督たちから言われたことでもない。選手たちだけで決めたことだ。
最後には合意があったけど、ユニオン(組合)があったわけじゃない。僕らで決めたことだ。僕は南の人間だから見たことを口にするんだ。
昨日のオリッリョの落車がたくさんの選手に影響していたと思う。レースディレクターと話をしたのはディルーカ。それは僕らが自分たちの安全を守るために表現する手段だ。
選手たちのとった行動はジロとミラノ市への敬意に欠ける。この行動を先導した選手が誰であろうと責任を負うべきだろう。序盤に30km/hで走っていた選手が最後には 50km/hで走った...。
私は選手に敬意を持っている。しかし選手たちはジロとミラノに敬意を払わなかった。このサーキットコースは爆発的なものだった。しかし走っていた選手といったら、まるでもう若くないかのような、何もやりたがらない怠け者のようだった。今日の選手の脚は短くて、舌だけが肥えていた。
選手の決断には賛成しかねる。スタート前にニュートラリゼーションについては同意した。しかしそれで十分ではないのか? 昨日の事故に関して彼らの立場も理解する。しかし、この周回コースが危険というなら、アムステルゴールドレースやリエージュ~バストーニュ~リエージュも中止すべきだということだろうか?
選手たちが自覚して、休息日明けからはまたスペクタクルあふれるレースに戻れるように期待する。
コース全体を見たわけじゃないけど、世界中のファンがテレビで見ているというのに、この行動はレースへの敬意を欠く。100周年ジロだというのに、選手たちのこの決心はジロのイメージを悪くするものだ。それは今サイクリング界が必要としているものではない。
(イタリア国際放送Raiテレビに語る)
「大混乱だった。レース中はいつも正しい判断がされるとは限らないよ」
私は、我々のスポーツのキープレイヤーたちが何かをしたということが嬉しい。彼らは力があるということを示した。それはこのスポーツが失っていたものだ。
チームや選手たちが主催者たちに向かって意見を言えるということを示したという点で、これは将来的には選手たちにとって正しい方向に向かう第一歩だと思う。
text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos
-最後の最後でレースが始まると、スプリントを狙う選手と、それ以外の選手に真っ二つに分かれた。オーガナイザーと選手たちの間では今日着順はつけるが総合成績を左右するタイム差はつけないという合意に達していたからだ。
猛ダッシュのレースはチームコロンビアが支配。カヴェンディッシュが早めに飛び出すと、誰もそのスピードにはかなわなかった。
ステージ優勝のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)
ジロのステージ優勝が欲しかった。ペタッキに負けてからそれを償う必要があったんだ。チームは最後の局面で凄い仕事をしてくれた。本当に本当にハッピーだ。
市街地でのレースはいつも危険が伴う。それは分かりきったことだ。今日は「ミラノ・ショー」だった。たくさんの人が観に来てくれた。できるならもっといいバトルを見せてあげたかったけど、僕らがトップを獲れたのは良かった。
何人かの選手はレースを止めたがり、何人かはレースをしたがった。最後にはレースが成立した。観客たちは喜んでくれたと思う。僕は勝ててハッピーだ。
勝つことが好きだ。それは僕にとって中毒だね。完璧なベストポジションをチームが用意してくれて、そこにつけていながら勝てなかった第2ステージのことは隠せない。今日は早めに仕掛けた。負けるわけにはいかなかったから。
マリアチクラミーノとノルウェーの祝日、そして彼の誕生日にもかかわらず僕をアシストしてくれたエドワルド(ボアッソン)には感謝したいね。
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)
--アームストロングと何か取り決めをしたのか?と聞かれて
ディルーカかアームストロングにする質問じゃない。それは集団にとって何が正しかったのかと質問するべきだろう。マリアローザを着ている選手として、選手たちには話をした。コースにはクルマが停めてあったし、コース上で進行方向と逆方向に向かってくるクルマともすれ違う。路面電車の線路、狭い交叉点などがあった。僕たちは危険だと思った。
観客たちには思っていることを表明するべきだと思ったんだ。僕のことじゃなく、僕のチームのことじゃなく、誰のことでもない。マリアローザを着ている者として、僕ら集団のことを話したんだ。
アームストロングはとくに僕に個人的にはその話をしなかったけど、でも多分皆が昨日のオリッリョの落車に心の影響を少なからず受けていた。
こういった話は僕ら選手だけの間でした。スポンサーから言われたことでも監督たちから言われたことでもない。選手たちだけで決めたことだ。
最後には合意があったけど、ユニオン(組合)があったわけじゃない。僕らで決めたことだ。僕は南の人間だから見たことを口にするんだ。
イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)
昨日のオリッリョの落車がたくさんの選手に影響していたと思う。レースディレクターと話をしたのはディルーカ。それは僕らが自分たちの安全を守るために表現する手段だ。
ジロの総合ディレクター アンジェロ・ゾメニャン氏
選手たちのとった行動はジロとミラノ市への敬意に欠ける。この行動を先導した選手が誰であろうと責任を負うべきだろう。序盤に30km/hで走っていた選手が最後には 50km/hで走った...。
私は選手に敬意を持っている。しかし選手たちはジロとミラノに敬意を払わなかった。このサーキットコースは爆発的なものだった。しかし走っていた選手といったら、まるでもう若くないかのような、何もやりたがらない怠け者のようだった。今日の選手の脚は短くて、舌だけが肥えていた。
選手の決断には賛成しかねる。スタート前にニュートラリゼーションについては同意した。しかしそれで十分ではないのか? 昨日の事故に関して彼らの立場も理解する。しかし、この周回コースが危険というなら、アムステルゴールドレースやリエージュ~バストーニュ~リエージュも中止すべきだということだろうか?
選手たちが自覚して、休息日明けからはまたスペクタクルあふれるレースに戻れるように期待する。
マリオ・チポッリーニ「選手たちの行動には賛同できない」
コース全体を見たわけじゃないけど、世界中のファンがテレビで見ているというのに、この行動はレースへの敬意を欠く。100周年ジロだというのに、選手たちのこの決心はジロのイメージを悪くするものだ。それは今サイクリング界が必要としているものではない。
(イタリア国際放送Raiテレビに語る)
フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
「大混乱だった。レース中はいつも正しい判断がされるとは限らないよ」
ヨハン・ブリュイネール監督(アスタナ)
私は、我々のスポーツのキープレイヤーたちが何かをしたということが嬉しい。彼らは力があるということを示した。それはこのスポーツが失っていたものだ。
チームや選手たちが主催者たちに向かって意見を言えるということを示したという点で、これは将来的には選手たちにとって正しい方向に向かう第一歩だと思う。
text:綾野 真、辻 啓
photo:辻 啓,CorVos
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