2011/09/26(月) - 11:34
デンマーク・コペンハーゲンで開催されているロード世界選手権の最終日に行なわれたエリート男子ロードレース。集団に残りながらもスプリントに絡めず30位でゴールした宮澤崇史、そして落車の影響で集団から脱落してしまった別府史之と新城幸也のレース後コメント。
30位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)
「実は今日は筋肉の状態があまりよくなくて、残り2周で脚がつってしまったんです。でも『脚がつったから走れない』じゃなくて、そんな状況でも踏んでいく方法を自分で見つけないといけない。腿の内側をサドルに押し付けてマッサージして、その箇所に負担がかからないポジションで走った。それは普段から自分でマッサージして、身体を理解しているからこそ出来たのだと思う」
「最後、やっぱり力が足りなかったとあらためて思う。一人で闘うためには、他のチームをうまく利用して、前に上がらないといけない。だから最終周回の位置取りはとても集中した。カヴェンディッシュの2つ後ろ、10番手あたりで最終コーナーをクリア。それまでの位置取りで脚を使っていたので『回復しなきゃ回復しなきゃ』と思っていたら、周りを囲まれて、そこから踏んでいけなかった。苦しくても最初からアクセルを吹かして全力で行くべきだった。そこで勝負できる力をつけるのが、これからの課題です」
「例年になく簡単なコースだったけど、やはりレースは厳しい。これが世界選手権なんだと思う。展開で厳しさを作っていくレースだったので、集団内の位置取りがとても重要だった。残り8周ぐらいまで、どこで誰がどんな動きをして、どんな形でコーナーを集団が流れるのか、どこで自分が前にいなければならないのか、前にいなくてもいいのか、どこで力を使うべきなのか、力をセーブすべきなのか、それを観察して必要なところだけ力を使っていた。他の2人が遅れたのは、こればかりは運もあるので仕方がないこと。最後の局面でチームメイトがいたら、もっと上を狙えたと思う。3人で勝負に挑んだら、一桁、もしくは表彰台を狙えたという実感はある。だからすごく勿体なかった」
120位 別府史之(レディオシャック)
「レースの前半は集団がどんなペースで走るのかを確かめたくて、集団の前方で走っていた。でもイギリスが集団をコントロールして状況が落ち着いたので、無理に前方で走る必要がないと思い、中盤にかけて後方に待機。まだゴールまで距離もあったし、残り5周を目安に前に上がろうと考えていた。そして残り6周を切ったところで、集団の中程で落車が発生。道が細い区間で、左側の選手と右側の選手が落車したので、コースが完全に塞がれてしまった。走り出しても、一緒になって前を追うチームがいない。でもそこでレースが終わってしまうのが残念で、積極的に前に出てメイン集団を追った。でも協力するチームがいなかった」
「日本チームは前半から3人でお互いに調子を確認し合いながら走っていた。でもユキヤが落車に巻き込まれ、自分がその落車の影響で遅れ、宮澤さんだけが前に残る結果となった。宮澤さんが日本チームとしての仕事を最後までこなしてくれたけど、3人が前の集団に残っていれば、もっと良い結果を残せたとも思う。こんな形で終わってしまって、悔いが残っています。ここまで長い時間をかけて準備してきた成果を、形に残せなかったことが悔しい。でも結果は結果なので、素直に受け止めないといけない。この悔しさを胸に、冬の間にしっかりトレーニングを積んで、来シーズンに向けたい。今シーズンはこの世界選手権で終了です」
133位 新城幸也(ユーロップカー)
「約180km地点の狭い下りで、50〜60km/hで落車した。前を走る選手が落車して、フルブレーキングしたけど間に合わず。後輪を滑らせながら制動したけど、前の人にハスって前転。左膝と腰の部分を打った。フロントホイール交換後に再スタートして単独で前の集団に追いついたものの、すでにメイン集団から1分以上離れてしまっていた。別府さんと一緒に第2集団を牽いたけど、周りに協力するチームがいなかった」
「落車するまでは集団の後方で、必要なときだけ前に上がって、なるべく力を使うことなく走っていた。脚の調子が良くて『今日は良い感じで勝負できそう』と思った矢先に落車。まだ何も始まっていない段階でレースが終わってしまったので、まだお腹いっぱいです(エネルギーを消費していない)。あと2周ぐらい走りたいと思うほど元気。練習の方がキツいぐらいです。この日のために続けて来たトレーニングの方が断然キツい。レース本番が一番楽だという結果になってしまった」
「次の日曜日にすぐレースがあって、ヨーロッパで残り5レースを走ります。地元のツール・ド・ヴァンデに始まり、パリ〜ボージュ、パリ〜トゥール、ジロ・デル・ピエモンテ、そしてジロ・ディ・ロンバルディア。でも今回の結果のショックが大きいので、モチベーションを上げ直すのが大変そうです」
text&photo:Kei Tsuji in Copenhagen, Denmark
30位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)
「実は今日は筋肉の状態があまりよくなくて、残り2周で脚がつってしまったんです。でも『脚がつったから走れない』じゃなくて、そんな状況でも踏んでいく方法を自分で見つけないといけない。腿の内側をサドルに押し付けてマッサージして、その箇所に負担がかからないポジションで走った。それは普段から自分でマッサージして、身体を理解しているからこそ出来たのだと思う」
「最後、やっぱり力が足りなかったとあらためて思う。一人で闘うためには、他のチームをうまく利用して、前に上がらないといけない。だから最終周回の位置取りはとても集中した。カヴェンディッシュの2つ後ろ、10番手あたりで最終コーナーをクリア。それまでの位置取りで脚を使っていたので『回復しなきゃ回復しなきゃ』と思っていたら、周りを囲まれて、そこから踏んでいけなかった。苦しくても最初からアクセルを吹かして全力で行くべきだった。そこで勝負できる力をつけるのが、これからの課題です」
「例年になく簡単なコースだったけど、やはりレースは厳しい。これが世界選手権なんだと思う。展開で厳しさを作っていくレースだったので、集団内の位置取りがとても重要だった。残り8周ぐらいまで、どこで誰がどんな動きをして、どんな形でコーナーを集団が流れるのか、どこで自分が前にいなければならないのか、前にいなくてもいいのか、どこで力を使うべきなのか、力をセーブすべきなのか、それを観察して必要なところだけ力を使っていた。他の2人が遅れたのは、こればかりは運もあるので仕方がないこと。最後の局面でチームメイトがいたら、もっと上を狙えたと思う。3人で勝負に挑んだら、一桁、もしくは表彰台を狙えたという実感はある。だからすごく勿体なかった」
120位 別府史之(レディオシャック)
「レースの前半は集団がどんなペースで走るのかを確かめたくて、集団の前方で走っていた。でもイギリスが集団をコントロールして状況が落ち着いたので、無理に前方で走る必要がないと思い、中盤にかけて後方に待機。まだゴールまで距離もあったし、残り5周を目安に前に上がろうと考えていた。そして残り6周を切ったところで、集団の中程で落車が発生。道が細い区間で、左側の選手と右側の選手が落車したので、コースが完全に塞がれてしまった。走り出しても、一緒になって前を追うチームがいない。でもそこでレースが終わってしまうのが残念で、積極的に前に出てメイン集団を追った。でも協力するチームがいなかった」
「日本チームは前半から3人でお互いに調子を確認し合いながら走っていた。でもユキヤが落車に巻き込まれ、自分がその落車の影響で遅れ、宮澤さんだけが前に残る結果となった。宮澤さんが日本チームとしての仕事を最後までこなしてくれたけど、3人が前の集団に残っていれば、もっと良い結果を残せたとも思う。こんな形で終わってしまって、悔いが残っています。ここまで長い時間をかけて準備してきた成果を、形に残せなかったことが悔しい。でも結果は結果なので、素直に受け止めないといけない。この悔しさを胸に、冬の間にしっかりトレーニングを積んで、来シーズンに向けたい。今シーズンはこの世界選手権で終了です」
133位 新城幸也(ユーロップカー)
「約180km地点の狭い下りで、50〜60km/hで落車した。前を走る選手が落車して、フルブレーキングしたけど間に合わず。後輪を滑らせながら制動したけど、前の人にハスって前転。左膝と腰の部分を打った。フロントホイール交換後に再スタートして単独で前の集団に追いついたものの、すでにメイン集団から1分以上離れてしまっていた。別府さんと一緒に第2集団を牽いたけど、周りに協力するチームがいなかった」
「落車するまでは集団の後方で、必要なときだけ前に上がって、なるべく力を使うことなく走っていた。脚の調子が良くて『今日は良い感じで勝負できそう』と思った矢先に落車。まだ何も始まっていない段階でレースが終わってしまったので、まだお腹いっぱいです(エネルギーを消費していない)。あと2周ぐらい走りたいと思うほど元気。練習の方がキツいぐらいです。この日のために続けて来たトレーニングの方が断然キツい。レース本番が一番楽だという結果になってしまった」
「次の日曜日にすぐレースがあって、ヨーロッパで残り5レースを走ります。地元のツール・ド・ヴァンデに始まり、パリ〜ボージュ、パリ〜トゥール、ジロ・デル・ピエモンテ、そしてジロ・ディ・ロンバルディア。でも今回の結果のショックが大きいので、モチベーションを上げ直すのが大変そうです」
text&photo:Kei Tsuji in Copenhagen, Denmark
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