2011/07/31(日) - 07:42
2011年7月30日、スペイン・バスク地方でクラシカ・サンセバスティアン(UCIワールドツアー)が開催され、ラスト4kmでアタックを成功させたフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が独走勝利。エースをサポートし、ハイスキベル峠で遅れた初出場の別府史之(レディオシャック)は64位だった。
今年で開催31回目を迎えるクラシカ・サンセバスティアン。合計2回通過する名物1級山岳ハイスキベル峠(平均勾配5.8%・登坂距離7.8km)と2級山岳アルカレ峠(平均勾配6.3%・登坂距離2.7km)を含む234kmのアップダウンコースが特徴のバスク地方最大のワンデーレースだ。
ビスケー湾の真珠と呼ばれるサンセバスティアンをスタートした一行は、まずは山がちな内陸部に向かう。12km地点で6名のアタックが決まると、メイン集団はペースダウン。50km地点でタイム差は最大10分05秒まで拡大した。
逃げたのはブラマイヤー(HTC・ハイロード)、サンチェス(カハルーラル)、クローン(BMCレーシングチーム)、ロデウィック(オメガファーマ・ロット)、フィッシャー(ガーミン・サーヴェロ)、ルイス(アンダルシア・カハグラナダ)。
メイン集団は地元バスクのエウスカルテルを中心に、カチューシャ、モビスター、ランプレ・ISDがコントロール。1回目のハイスキベル峠とアルカレ峠でアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)らが単発的な動きを見せたが、有力どころは静観する。
やがて先頭はUCIプロチーム所属のロデウィック、クローン、フィッシャーの3名に絞られ、メイン集団から2分リードで2回目のハイスキベル峠に突入。タイム差が1分差に縮まるとニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)のアタックを切っ掛けにメイン集団は活性化し、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)が鋭いアタックで先頭2名に合流する。
後方のメイン集団ではベルギーチャンピオンジャージのジルベールがアタック。軽いシッティングで緩斜面を突き進んだジルベールは、有力選手たちを引き連れてサンチェスらに合流。このハイスキベル峠でメイン集団は15名ほどに絞られた。
下り区間で40名ほどに膨らんだメイン集団からは、ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)が飛び出して単独で30秒リード。しかしデヴォルデルは最後のアルカレ峠の上りが始まってすぐ吸収される。
メイン集団ではジルベールやサンチェス、フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)がアタックを続発させ、このアルカレ峠で集団は10名に縮小。ジルベール、ファネンデルト、サンチェス、フランク、ウラン、バレード、ファンアフェルマート、スベルディア、ロドリゲス、デヴェナインスの先行が決まった。
決定的となったこの10名の動きの中から、ラスト8kmでバレードがアタックして独走。しかしジルベールのためにファネンデルトが追走グループを牽き倒し、バレードにリードを許さない。やがてラスト4kmでファネンデルトが力尽きると、短い登りを利用してジルベールがアタック。
ダンシングで勢い良く飛び出したジルベールは先頭バレードを抜いて独走開始。後続は牽制状態に入ったためペースが上がらず、ジルベールが独走のまま余裕のポーズでゴールに飛び込んだ。
世界最強のワンデーレーサーとして注目されるジルベールは今年だけでアルデンヌ・クラシック3連戦(アムステル、フレーシュ、リエージュ)、モンテパスキ・ストラーデビアンケ、ブラバンツ・ペイル、ベルギー選手権を制している。ツアー・オブ・ベルギーでは総合優勝。ツール・ド・フランスの第1ステージで優勝し、マイヨジョーヌを1日着用した。
また一つクラシックのタイトルを手にした絶好調のジルベール。「小さなグループでの勝負に持ち込みたかった。今日のコースは以前に走ったことがあったので、自分でもこなせるほどの登り勾配だと分かっていたんだ」。
「今シーズンはまだエネコ・ツアーとヴァッテンフォール・サイクラシックス、ロード世界選手権、ジロ・ディ・ロンバルディアが残っている。ロード世界選手権ではトム・ボーネンをアシストするよ」。ジルベールはシーズン後半に向けて動き出している。中でもジルベールが注視しているのは3連覇が懸かったロンバルディアだ。
全日本チャンピオンジャージを着て走った初出場のフミは9分08秒遅れの集団でフィニッシュ。2回目のハイスキベル峠まで集団に残りチームとしての仕事をこなした。
「今日は地元バスクのスベルディアをハイスキベルで集団の前に連れて行く仕事をしました。とにかく彼への声援がすごかった。最後まで残っての仕事は出来ませんでしたが、最低限のことは出来たと思います。スベルディア、マルケル、僕、フィリップしか最後まで走ってなかったので難しい展開だったけど、スベルディアが7位に入ってくれたので嬉しい」と、チームメイトの結果を喜ぶ。
しかしフミ本人としては満足の走りではなかった様子。「(直前のツール・ド・ワロニーと比べると)パワーが出ていなかった。しかも、今日は終盤で腹筋がつってしまっていて呼吸がうまく出来ず登りはかなりキツイ状況でした」。
「またコンディションを立て直して次戦で力を発揮したいです」。フミの次戦は8月8日に開幕するエネコ・ツアー(UCIワールドツアー)だ。
選手コメントは選手インタビューならびにレース公式サイトより。
クラシカ・サンセバスティアン2011
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) 5h48'52"
2位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +12"
3位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +14"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)
6位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック)
8位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
10位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +50"
11位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ) +2'05"
64位 別府史之(日本、レディオシャック) +9'08"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, clasica-san-sebastian.diariovasco.com
今年で開催31回目を迎えるクラシカ・サンセバスティアン。合計2回通過する名物1級山岳ハイスキベル峠(平均勾配5.8%・登坂距離7.8km)と2級山岳アルカレ峠(平均勾配6.3%・登坂距離2.7km)を含む234kmのアップダウンコースが特徴のバスク地方最大のワンデーレースだ。
ビスケー湾の真珠と呼ばれるサンセバスティアンをスタートした一行は、まずは山がちな内陸部に向かう。12km地点で6名のアタックが決まると、メイン集団はペースダウン。50km地点でタイム差は最大10分05秒まで拡大した。
逃げたのはブラマイヤー(HTC・ハイロード)、サンチェス(カハルーラル)、クローン(BMCレーシングチーム)、ロデウィック(オメガファーマ・ロット)、フィッシャー(ガーミン・サーヴェロ)、ルイス(アンダルシア・カハグラナダ)。
メイン集団は地元バスクのエウスカルテルを中心に、カチューシャ、モビスター、ランプレ・ISDがコントロール。1回目のハイスキベル峠とアルカレ峠でアンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)らが単発的な動きを見せたが、有力どころは静観する。
やがて先頭はUCIプロチーム所属のロデウィック、クローン、フィッシャーの3名に絞られ、メイン集団から2分リードで2回目のハイスキベル峠に突入。タイム差が1分差に縮まるとニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)のアタックを切っ掛けにメイン集団は活性化し、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)が鋭いアタックで先頭2名に合流する。
後方のメイン集団ではベルギーチャンピオンジャージのジルベールがアタック。軽いシッティングで緩斜面を突き進んだジルベールは、有力選手たちを引き連れてサンチェスらに合流。このハイスキベル峠でメイン集団は15名ほどに絞られた。
下り区間で40名ほどに膨らんだメイン集団からは、ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)が飛び出して単独で30秒リード。しかしデヴォルデルは最後のアルカレ峠の上りが始まってすぐ吸収される。
メイン集団ではジルベールやサンチェス、フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)がアタックを続発させ、このアルカレ峠で集団は10名に縮小。ジルベール、ファネンデルト、サンチェス、フランク、ウラン、バレード、ファンアフェルマート、スベルディア、ロドリゲス、デヴェナインスの先行が決まった。
決定的となったこの10名の動きの中から、ラスト8kmでバレードがアタックして独走。しかしジルベールのためにファネンデルトが追走グループを牽き倒し、バレードにリードを許さない。やがてラスト4kmでファネンデルトが力尽きると、短い登りを利用してジルベールがアタック。
ダンシングで勢い良く飛び出したジルベールは先頭バレードを抜いて独走開始。後続は牽制状態に入ったためペースが上がらず、ジルベールが独走のまま余裕のポーズでゴールに飛び込んだ。
世界最強のワンデーレーサーとして注目されるジルベールは今年だけでアルデンヌ・クラシック3連戦(アムステル、フレーシュ、リエージュ)、モンテパスキ・ストラーデビアンケ、ブラバンツ・ペイル、ベルギー選手権を制している。ツアー・オブ・ベルギーでは総合優勝。ツール・ド・フランスの第1ステージで優勝し、マイヨジョーヌを1日着用した。
また一つクラシックのタイトルを手にした絶好調のジルベール。「小さなグループでの勝負に持ち込みたかった。今日のコースは以前に走ったことがあったので、自分でもこなせるほどの登り勾配だと分かっていたんだ」。
「今シーズンはまだエネコ・ツアーとヴァッテンフォール・サイクラシックス、ロード世界選手権、ジロ・ディ・ロンバルディアが残っている。ロード世界選手権ではトム・ボーネンをアシストするよ」。ジルベールはシーズン後半に向けて動き出している。中でもジルベールが注視しているのは3連覇が懸かったロンバルディアだ。
全日本チャンピオンジャージを着て走った初出場のフミは9分08秒遅れの集団でフィニッシュ。2回目のハイスキベル峠まで集団に残りチームとしての仕事をこなした。
「今日は地元バスクのスベルディアをハイスキベルで集団の前に連れて行く仕事をしました。とにかく彼への声援がすごかった。最後まで残っての仕事は出来ませんでしたが、最低限のことは出来たと思います。スベルディア、マルケル、僕、フィリップしか最後まで走ってなかったので難しい展開だったけど、スベルディアが7位に入ってくれたので嬉しい」と、チームメイトの結果を喜ぶ。
しかしフミ本人としては満足の走りではなかった様子。「(直前のツール・ド・ワロニーと比べると)パワーが出ていなかった。しかも、今日は終盤で腹筋がつってしまっていて呼吸がうまく出来ず登りはかなりキツイ状況でした」。
「またコンディションを立て直して次戦で力を発揮したいです」。フミの次戦は8月8日に開幕するエネコ・ツアー(UCIワールドツアー)だ。
選手コメントは選手インタビューならびにレース公式サイトより。
クラシカ・サンセバスティアン2011
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) 5h48'52"
2位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +12"
3位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +14"
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ)
6位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック)
8位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
10位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +50"
11位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ) +2'05"
64位 別府史之(日本、レディオシャック) +9'08"
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, clasica-san-sebastian.diariovasco.com
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