2011/05/16(月) - 11:34
ジロ・デ・イタリア第9ステージは総合成績が大きく変化した1日だった。マリアローザを獲得したコンタドールの圧倒的な強さが目立ったが、果たしてジロは終わってしまったのだろうか?ゴール後の選手たちのコメントより。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
ジロで初のステージ優勝だったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
本当にきつい一日だった。ステージ序盤はとても速いペースだった。多くの選手が逃げたがっていたんだ。最初にエトナに登ったときに調子がよかったし、2回目も調子がよかったので、今日は自分の日だと確信した。昨晩ビャルヌ監督と話して、行けそうならゴール前のラスト5~8kmで動くことになっていた。最初に集団を引き離したときも、充分に余力があった。
今日は総合成績にとって重要な日だった。ある意味、ジロは今日まで始まってはいなかった。だから、リザルトが大きく書き換わることになった。でも、レースが終わるにはほど遠い。この先にも重要なステージがたくさんある。もう一度いうけど、チームが傑出した働きをしてくれた。この勝利は、彼らとスポンサーのサクソバンクやサンガードのものだ。もちろん自分の家族と支えてくれるファン全員のものでもある。(リース・サイクリングのリリース)
(マリアローザを急ぎすぎでは?)
結果に満足している。スカルポーニを抑えることができたし、ラスト5~8kmでアタックしなければならないと思っていた。強風にも気をつける必要があった。だから、勝てたのはとても嬉しい。
(もうジロは決まったのでは?)
ジロは始まったばかりだ。長く困難なレースでは、あらゆることが起こる可能性がある。
(エトナ山の印象は?)
ここは伝説に残る場所だし、風景はすばらしい。ここでの勝利は格別だ。エトナ山が頭上で煙をあげているんだけど、どんな写真になってるのかな…。
(勝利を捧げる相手は?)
捧げるべき人はすごく多い。まずはトレーニングする力を与えてくれるファンのみんなの存在。次に家族。競技でのコンディションがここまで到達するのを見守ってくれた。それからチームとスポンサー。この数ヶ月、彼らは並々ならぬサポートをしてくれた。
(今日の目標はステージ? マリアローザ?)
マリアローザを獲得することは考えてなかった。大事だったのは、他の選手たちに差をつけることだった。
(いつものピストルのポーズがなかったけれど?)
ぼくの前に選手がいるかどうかわからなかった。だからポーズをとろうとしなかったんだ。別のステージにとっておくことにするよ。(記者会見)
サクソバンク・サンガードのビャルヌ・リース監督
並外れて圧倒的なアタックだった。アルベルトは今朝われわれが計画したことを正確に実行したんだよ。これを完璧な場所で実行し、登りの斜度がもっとも厳しいところで飛びたった。これはアルベルトとチームにとって重要な勝利だ。また、アルベルトが臨戦態勢であることを他の選手に示す大きなきっかけとでもある。
いまの楽しみは明日の休養日にマリアローザ獲得を祝うことだ。これから先は、しのぎを削る毎日が続くだろう。
最後まで敢闘したホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
コンタドールはこの登りで本当にすごかった。速いクライミングだった。ぼくは調子もよく、よく走れていた。でも、コンタドールのほうがすごい選手だった。ついて行こうとしたけれど、結局は彼の走りを祝う立場になってしまったね。
地元勝利が期待されていたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
コンタドールのアタックは、ほんとうに強かった。ぼくは自分のリズムを維持して、ラスト1kmでスカルポーニがちぎれたのがわかった時点で加速した。少なくともスカルポーニには何秒か差をつけたかった。でもコンタドールははるか先に行ってしまっていた。彼は今日、確実にみんなより一歩リードしたんだ。
今日は重要なステージだった。コンタドールに比べて加速力が足りなかった。彼が銃の撃鉄を起こしたとき、みんな互いの様子を見合った。スカルポーニは違ったけれど、その代償を後で払うことになってしまった。
ぼくは今日の登りも道もよく知っている。これまでトレーニングに使ってきた道だから。どのステージでも自分ができるベストを見据えて走っている。最強の選手がこのエトナ山でマリアローザを制することはわかっていた。コンタドールがこの先もこういう調子なら、負かすのは簡単なことじゃない。
彼には登りのアシストとしてヘスス・エルナンデス、ダニエル・ナバーロ、ヴォロディミール・グストフがいる。平坦での加速にはマッテーオ・トザットがいる。サクソバンクは今日までなりを潜めていたけれど、レースをコントロールする力を持っている。
最後まで粘れなかったミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
がっかりしたが、それが普通の反応だよ。今日のコンタドールは教訓になった。彼についていこうとしたけれど、登りがきつすぎて脚が売り切れてしまい、回復する必要があった。だが彼はふたたびアタックした。それはぼくには到底無理だったんだ。
でも、ジロは終わっていない。彼は重要な戦いに勝ち、大きな成果を出した。でも、レースは続くんだ。
コンタドールは最初からジロの優勝候補だったし、今日彼は自分が最強だということを見せつけた。でも、あきらめはしない。明日休んでから、何が起こるかを目の当たりにすることになるだろう。でも、レースはまだ残っているんだ。
意欲を見せるロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
今日はアスタナのチームがひとつにまとまった。一日中頑張ったよ。みんなありがとう! ちょっと疲れたけれど、自信はある。明日は休養日だ! コンタドール、おめでとう!
タイムアウトになったロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)
エトナ山のステージで、ゴールに間に合わなかった(完全にミスだった)。ジロは終わった。気分は全然よくない。帰って回復し、6月に向けて立て直すよ。
登りのきつさをアピールするマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)
今日はサイクリングじゃなかった。地獄への往復だった。それも2回も。
グルペットで無事ゴールした別府史之(日本、レディオシャック)
今日はシチリア島のエトナ火山を2度登りました。とってもハードなステージでタイムカットの制限時間ギリギリまで時間を使ってグルペットでフィニッシュしました。これから飛行機で次の場所へ移動です。
translation &text : Seiya Yamasaki
photo : Kei Tsuji, Riccardo Scanferla, Graham Watson, Cor Vos
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
ジロで初のステージ優勝だったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
本当にきつい一日だった。ステージ序盤はとても速いペースだった。多くの選手が逃げたがっていたんだ。最初にエトナに登ったときに調子がよかったし、2回目も調子がよかったので、今日は自分の日だと確信した。昨晩ビャルヌ監督と話して、行けそうならゴール前のラスト5~8kmで動くことになっていた。最初に集団を引き離したときも、充分に余力があった。
今日は総合成績にとって重要な日だった。ある意味、ジロは今日まで始まってはいなかった。だから、リザルトが大きく書き換わることになった。でも、レースが終わるにはほど遠い。この先にも重要なステージがたくさんある。もう一度いうけど、チームが傑出した働きをしてくれた。この勝利は、彼らとスポンサーのサクソバンクやサンガードのものだ。もちろん自分の家族と支えてくれるファン全員のものでもある。(リース・サイクリングのリリース)
(マリアローザを急ぎすぎでは?)
結果に満足している。スカルポーニを抑えることができたし、ラスト5~8kmでアタックしなければならないと思っていた。強風にも気をつける必要があった。だから、勝てたのはとても嬉しい。
(もうジロは決まったのでは?)
ジロは始まったばかりだ。長く困難なレースでは、あらゆることが起こる可能性がある。
(エトナ山の印象は?)
ここは伝説に残る場所だし、風景はすばらしい。ここでの勝利は格別だ。エトナ山が頭上で煙をあげているんだけど、どんな写真になってるのかな…。
(勝利を捧げる相手は?)
捧げるべき人はすごく多い。まずはトレーニングする力を与えてくれるファンのみんなの存在。次に家族。競技でのコンディションがここまで到達するのを見守ってくれた。それからチームとスポンサー。この数ヶ月、彼らは並々ならぬサポートをしてくれた。
(今日の目標はステージ? マリアローザ?)
マリアローザを獲得することは考えてなかった。大事だったのは、他の選手たちに差をつけることだった。
(いつものピストルのポーズがなかったけれど?)
ぼくの前に選手がいるかどうかわからなかった。だからポーズをとろうとしなかったんだ。別のステージにとっておくことにするよ。(記者会見)
サクソバンク・サンガードのビャルヌ・リース監督
並外れて圧倒的なアタックだった。アルベルトは今朝われわれが計画したことを正確に実行したんだよ。これを完璧な場所で実行し、登りの斜度がもっとも厳しいところで飛びたった。これはアルベルトとチームにとって重要な勝利だ。また、アルベルトが臨戦態勢であることを他の選手に示す大きなきっかけとでもある。
いまの楽しみは明日の休養日にマリアローザ獲得を祝うことだ。これから先は、しのぎを削る毎日が続くだろう。
最後まで敢闘したホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
コンタドールはこの登りで本当にすごかった。速いクライミングだった。ぼくは調子もよく、よく走れていた。でも、コンタドールのほうがすごい選手だった。ついて行こうとしたけれど、結局は彼の走りを祝う立場になってしまったね。
地元勝利が期待されていたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
コンタドールのアタックは、ほんとうに強かった。ぼくは自分のリズムを維持して、ラスト1kmでスカルポーニがちぎれたのがわかった時点で加速した。少なくともスカルポーニには何秒か差をつけたかった。でもコンタドールははるか先に行ってしまっていた。彼は今日、確実にみんなより一歩リードしたんだ。
今日は重要なステージだった。コンタドールに比べて加速力が足りなかった。彼が銃の撃鉄を起こしたとき、みんな互いの様子を見合った。スカルポーニは違ったけれど、その代償を後で払うことになってしまった。
ぼくは今日の登りも道もよく知っている。これまでトレーニングに使ってきた道だから。どのステージでも自分ができるベストを見据えて走っている。最強の選手がこのエトナ山でマリアローザを制することはわかっていた。コンタドールがこの先もこういう調子なら、負かすのは簡単なことじゃない。
彼には登りのアシストとしてヘスス・エルナンデス、ダニエル・ナバーロ、ヴォロディミール・グストフがいる。平坦での加速にはマッテーオ・トザットがいる。サクソバンクは今日までなりを潜めていたけれど、レースをコントロールする力を持っている。
最後まで粘れなかったミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
がっかりしたが、それが普通の反応だよ。今日のコンタドールは教訓になった。彼についていこうとしたけれど、登りがきつすぎて脚が売り切れてしまい、回復する必要があった。だが彼はふたたびアタックした。それはぼくには到底無理だったんだ。
でも、ジロは終わっていない。彼は重要な戦いに勝ち、大きな成果を出した。でも、レースは続くんだ。
コンタドールは最初からジロの優勝候補だったし、今日彼は自分が最強だということを見せつけた。でも、あきらめはしない。明日休んでから、何が起こるかを目の当たりにすることになるだろう。でも、レースはまだ残っているんだ。
意欲を見せるロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
今日はアスタナのチームがひとつにまとまった。一日中頑張ったよ。みんなありがとう! ちょっと疲れたけれど、自信はある。明日は休養日だ! コンタドール、おめでとう!
タイムアウトになったロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)
エトナ山のステージで、ゴールに間に合わなかった(完全にミスだった)。ジロは終わった。気分は全然よくない。帰って回復し、6月に向けて立て直すよ。
登りのきつさをアピールするマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)
今日はサイクリングじゃなかった。地獄への往復だった。それも2回も。
グルペットで無事ゴールした別府史之(日本、レディオシャック)
今日はシチリア島のエトナ火山を2度登りました。とってもハードなステージでタイムカットの制限時間ギリギリまで時間を使ってグルペットでフィニッシュしました。これから飛行機で次の場所へ移動です。
translation &text : Seiya Yamasaki
photo : Kei Tsuji, Riccardo Scanferla, Graham Watson, Cor Vos
フォトギャラリー
Amazon.co.jp