2011/05/14(土) - 12:34
本格的な山岳ステージとなったジロ・デ・イタリア第7ステージ後の選手たちのコメント。初めての山頂ゴールをめぐる大接戦の一方で、スプリンターたちの目標はゴールに入ることだった。
ネオプロでステージ優勝の栄冠に輝いたバルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
残り8kmでアタックした理由? スピードはそんなに出ていなかった。だからアタックしてみたんだ。これがすごくうまくいった。
おそらく選手は、ちょっとでもいいからアタックしてみるべきなんだよ。調子がいいなら、アタックしたほうがいいんだ。
ラスト3kmは苦しかった。集団がものすごい速さで迫ってくるのが見えたけど、かろうじてリードを保てた。結果として、それでよかった。
ウェイラントは親友というわけじゃなかったけれど、よく知っていたよ。うちから30kmしか離れていないところに住んでいて、トレーニング中によく顔を合わせたし、第1ステージ中にも話をしていた。あんな悲しいことが起こるなんて!今日のステージで、彼のことを考えながら走っていたわけじゃないけれど、この勝利は彼に捧げたい。(インタビュー)
目標はジロでステージ1勝をあげることだったけれど、マリアヴェルデも手に入れることができた。今の気分は上々だ。
(レース終盤について)
特別な日だった。残り8kmでアタックしてゴールを目指したけれど、勝てるとは思っていなかった。最後の2kmは苦しかった。プロとしての最初の年にジロでステージ優勝できるなんて、すごいことだと思う。
(キャリアについて)
自転車競技の世界に足を踏み入れたのは22歳の時だ。だから25歳になってやっとプロになった。でも自分としては急成長していると思う。
ちょっと変わった話だよ。子どもの頃は陸上競技、特に競歩をやっていた。でも何度もけがをして競技をやめ、ヘントで体育学を学ぶかたわら、週末に自転車に乗るようになり、趣味でレースを始めた。プロになるとは自分でも思っていなかった。
(アタックの理由は?)
アタックはチームオーダーだった。スピードはあがっていなかったし、アタックしない理由はなかった。ぼくの考えでは、選手は様子をうかがうのに時間をかけすぎる。戦術が多すぎるんだ。もっとたくさんアタックするべきだよ!(記者会見)
チームメイトのアダム・ブライス(イギリス、オメガファーマ・ロット)
デクレルクはできるやつだとはわかっていたけど、今日はいい走りをしたな。僅差だったけど、そんなことは問題じゃない。勝ちは勝ちなんだ。
オメガファーマ・ロットのスポーツディレクター、マルク・ワウテルス
選手たちにはいつも言っているが、アタックしなければ勝つことはできない。チャンスをものにすれば勝てる。これが一番重要なことなんだ。
だが驚いてもいる。デクレルクはプロとしてレースを始めてたったの5ヶ月なんだ。陸上競技の選手だったが、けがで出場できなくなった。ヘント大学で体育を学ぶかたわら、時々自転車に乗っていたんだ。卒業後、自転車が楽しかったからレースを始めた。プロを目指していたわけではなかったんだ。
彼はもう、あらゆることを身につけている。初めてパリ~ニースに出場して完走した。優秀な選手だ。
彼はグランツール向きの選手なんだ。たぶん将来、いい成績を残すことになるだろう。
わずかに届かなかったミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
いやあ、このステージで勝てなかったとは恥ずかしい。チームはよく働いて、ぼくをいい位置につけてくれた。単に、あのベルギー人(デクレルク)が充分に強かったということだ。だから、彼を祝福するよ。今日のステージの収穫は、脚がいい調子なのがわかったことだね。
勝利を掴んでいたら、もっと嬉しかっただろう。逆に、こうも考えられる。貴重な12秒を稼ぐことができたのだと。あんな登りで、29人もの選手たちが同時にゴールしたのだから、秒数を稼げたことはとてもよいことなんだ。自分の目標にむけて、今日は自分の計画の重要な部分を達成できた。最高の方法でサポートしてくれたチームメイトに感謝したい。
マリアローザを守ったピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)
行きづまってなければ、素早く仕掛けるものだ。今日は距離が短かったから、攻撃も不意打ちも食らわずに済んだ。ラスト1kmまでは集団は静かだったけれど、そのぶん位置取りが大変だった。この集団での「緊張感」のある瞬間をなんとか乗り切ることができた。はじめと終わりは大違い。比較しちゃだめなんだよ(笑)。
マリアローザを守りたかった。有力選手たちがみんなタイムを失うことを恐れてアタックしないので、正直に言って助かるよ。最後の2週間はものすごいコースだから、第9ステージのエトナの後までマリアローザを着ていられるかも知れない。
ジロはツールやブエルタと同様にいいレースだ。ツールに重点を置く選手もいるけれど、ぼくにとっては違いはない。ジロ・デ・イタリアはすばらしいレースだよ。
山岳では出番がなかったロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック)
そうだね、今日は楽しかったよ。なんせ平均時速約38キロで110キロの距離、2000メートルを登ったんだ……明日は本気のレース体制に戻る:-) 220キロの距離、再び!!
誕生日記念で逃げたジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
(先週から苦しんでいた気管支炎について)
昨日はかなり調子がよかった。ドクターによると、休養日明けにはすっかり回復するはずだってさ。これからのステージはもっと難しくなるけれど、こういうのが好きだ。
登りが苦手なマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
今日のレースでのぼくができる最大のことは……ゴールに入ることだった。ぜんぜん気持ちよくないよ。チームメイトのラルス・バクの走りは見事だった。すごいやつだよ。
総合優勝候補ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
この日はよかったよ。最後の上りは、ぼくの走り方には適してないんだ。でも、問題ない。調子もいいんだ……このまま続けよう!
総合優勝候補アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
互いに様子をはかり合うゴールだった。今日の結果はさほど重要じゃないと、みんなわかっていたからね。
勝利が期待されるトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)
今日は特に目をひくことはなかった。みんなタイムを失ったりトラブルに巻き込まれたりしないようにしていた。決定的な差をつけるほどハードな登りじゃなかったからね。
いい走りはできていたし、その感触に満足している。チームにも感謝したい。協調してうまくやっているし、チームの誰もがやるべきことをやって貢献している。
スタート地点ではとても暑かったけれど、最後の登りはそんなにひどくはなかった。日陰は多かったし、風が新鮮な空気を運んできてくれた。だからとてもいい感じだったよ。
明日もたぶんハードなステージになるだろう。序盤は曲がりくねった道があってやりづらいコースになっている。でも、本当の第一目標は無事な一日にすることだ。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation &text : Seiya Yamasaki
photo : Kei Tsuji, Riccardo Scanferla, Graham Watson, Cor Vos
ネオプロでステージ優勝の栄冠に輝いたバルト・デクレルク(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
残り8kmでアタックした理由? スピードはそんなに出ていなかった。だからアタックしてみたんだ。これがすごくうまくいった。
おそらく選手は、ちょっとでもいいからアタックしてみるべきなんだよ。調子がいいなら、アタックしたほうがいいんだ。
ラスト3kmは苦しかった。集団がものすごい速さで迫ってくるのが見えたけど、かろうじてリードを保てた。結果として、それでよかった。
ウェイラントは親友というわけじゃなかったけれど、よく知っていたよ。うちから30kmしか離れていないところに住んでいて、トレーニング中によく顔を合わせたし、第1ステージ中にも話をしていた。あんな悲しいことが起こるなんて!今日のステージで、彼のことを考えながら走っていたわけじゃないけれど、この勝利は彼に捧げたい。(インタビュー)
目標はジロでステージ1勝をあげることだったけれど、マリアヴェルデも手に入れることができた。今の気分は上々だ。
(レース終盤について)
特別な日だった。残り8kmでアタックしてゴールを目指したけれど、勝てるとは思っていなかった。最後の2kmは苦しかった。プロとしての最初の年にジロでステージ優勝できるなんて、すごいことだと思う。
(キャリアについて)
自転車競技の世界に足を踏み入れたのは22歳の時だ。だから25歳になってやっとプロになった。でも自分としては急成長していると思う。
ちょっと変わった話だよ。子どもの頃は陸上競技、特に競歩をやっていた。でも何度もけがをして競技をやめ、ヘントで体育学を学ぶかたわら、週末に自転車に乗るようになり、趣味でレースを始めた。プロになるとは自分でも思っていなかった。
(アタックの理由は?)
アタックはチームオーダーだった。スピードはあがっていなかったし、アタックしない理由はなかった。ぼくの考えでは、選手は様子をうかがうのに時間をかけすぎる。戦術が多すぎるんだ。もっとたくさんアタックするべきだよ!(記者会見)
チームメイトのアダム・ブライス(イギリス、オメガファーマ・ロット)
デクレルクはできるやつだとはわかっていたけど、今日はいい走りをしたな。僅差だったけど、そんなことは問題じゃない。勝ちは勝ちなんだ。
オメガファーマ・ロットのスポーツディレクター、マルク・ワウテルス
選手たちにはいつも言っているが、アタックしなければ勝つことはできない。チャンスをものにすれば勝てる。これが一番重要なことなんだ。
だが驚いてもいる。デクレルクはプロとしてレースを始めてたったの5ヶ月なんだ。陸上競技の選手だったが、けがで出場できなくなった。ヘント大学で体育を学ぶかたわら、時々自転車に乗っていたんだ。卒業後、自転車が楽しかったからレースを始めた。プロを目指していたわけではなかったんだ。
彼はもう、あらゆることを身につけている。初めてパリ~ニースに出場して完走した。優秀な選手だ。
彼はグランツール向きの選手なんだ。たぶん将来、いい成績を残すことになるだろう。
わずかに届かなかったミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
いやあ、このステージで勝てなかったとは恥ずかしい。チームはよく働いて、ぼくをいい位置につけてくれた。単に、あのベルギー人(デクレルク)が充分に強かったということだ。だから、彼を祝福するよ。今日のステージの収穫は、脚がいい調子なのがわかったことだね。
勝利を掴んでいたら、もっと嬉しかっただろう。逆に、こうも考えられる。貴重な12秒を稼ぐことができたのだと。あんな登りで、29人もの選手たちが同時にゴールしたのだから、秒数を稼げたことはとてもよいことなんだ。自分の目標にむけて、今日は自分の計画の重要な部分を達成できた。最高の方法でサポートしてくれたチームメイトに感謝したい。
マリアローザを守ったピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)
行きづまってなければ、素早く仕掛けるものだ。今日は距離が短かったから、攻撃も不意打ちも食らわずに済んだ。ラスト1kmまでは集団は静かだったけれど、そのぶん位置取りが大変だった。この集団での「緊張感」のある瞬間をなんとか乗り切ることができた。はじめと終わりは大違い。比較しちゃだめなんだよ(笑)。
マリアローザを守りたかった。有力選手たちがみんなタイムを失うことを恐れてアタックしないので、正直に言って助かるよ。最後の2週間はものすごいコースだから、第9ステージのエトナの後までマリアローザを着ていられるかも知れない。
ジロはツールやブエルタと同様にいいレースだ。ツールに重点を置く選手もいるけれど、ぼくにとっては違いはない。ジロ・デ・イタリアはすばらしいレースだよ。
山岳では出番がなかったロバート・ハンター(南アフリカ、レディオシャック)
そうだね、今日は楽しかったよ。なんせ平均時速約38キロで110キロの距離、2000メートルを登ったんだ……明日は本気のレース体制に戻る:-) 220キロの距離、再び!!
誕生日記念で逃げたジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
(先週から苦しんでいた気管支炎について)
昨日はかなり調子がよかった。ドクターによると、休養日明けにはすっかり回復するはずだってさ。これからのステージはもっと難しくなるけれど、こういうのが好きだ。
登りが苦手なマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
今日のレースでのぼくができる最大のことは……ゴールに入ることだった。ぜんぜん気持ちよくないよ。チームメイトのラルス・バクの走りは見事だった。すごいやつだよ。
総合優勝候補ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
この日はよかったよ。最後の上りは、ぼくの走り方には適してないんだ。でも、問題ない。調子もいいんだ……このまま続けよう!
総合優勝候補アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
互いに様子をはかり合うゴールだった。今日の結果はさほど重要じゃないと、みんなわかっていたからね。
勝利が期待されるトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)
今日は特に目をひくことはなかった。みんなタイムを失ったりトラブルに巻き込まれたりしないようにしていた。決定的な差をつけるほどハードな登りじゃなかったからね。
いい走りはできていたし、その感触に満足している。チームにも感謝したい。協調してうまくやっているし、チームの誰もがやるべきことをやって貢献している。
スタート地点ではとても暑かったけれど、最後の登りはそんなにひどくはなかった。日陰は多かったし、風が新鮮な空気を運んできてくれた。だからとてもいい感じだったよ。
明日もたぶんハードなステージになるだろう。序盤は曲がりくねった道があってやりづらいコースになっている。でも、本当の第一目標は無事な一日にすることだ。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation &text : Seiya Yamasaki
photo : Kei Tsuji, Riccardo Scanferla, Graham Watson, Cor Vos
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