2011/04/26(火) - 11:35
ツアー・オブ・ターキー第2ステージはカザフスタンの急成長株、ヴァレンティン・イグリンスキー(アスタナ)がゴールスプリントを制し、遅れてしまった総合リーダーのアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)から、リーダージャージを奪った。日本チャンピオンの宮澤崇史はスタート直後に落車するも、無事に走りきっている。
美しい海岸線を走る第2ステージ
本格的なラインレースがスタートする第2ステージ。スタートはトルコ西部に位置するクシャダス。ビーチリゾートとして国内外から多くの観光客が集まる港町。カラッと晴れ渡った青空に、透き通った日差しが降り注いでいる。
ターコイズブルーのリーダージャージを着るのはアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)。同チームの宮澤崇史に訊くと「今回はコンディションが万全ではない選手もいるし、ジロのセレクションもあるので、あくまでも狙いはステージ。チームでも狙いに行くし、自分もステージを狙っていきたい」と話す。
宮澤崇史はジロ出場を狙う
イタリアンチャンピオン、ジョヴァンニ・ヴィスコンティを擁することからワイルドカードでジロ・デ・イタリア出場権を得た同チーム。所属する宮澤崇史のジロ出場ヘ期待が高まるが、選考基準は実力だけではない。そして暫定出走リストは発表されているが、じっさいの出場メンバーはまだ未確定とのこと。「ステージ上位入賞など好成績を出すことも大切だけど、チームは何を求めているのか?ということを意識して走りたい」と話す宮澤。ジロに出場できるか否かも重要になってくるが、いい形でレースを走り終えてほしいと思う。
高速スプリントを制したイグリンスキー
レースがスタートしたのは11時35分。丘陵地帯を走る178kmの第2ステージは3kmのニュートラル走行のあと、正式スタートが切られた。スタートからアタックがかかるが、決定的な逃げはなかなか決まらない。スタートから4km地点付近で宮澤崇史がスリップし落車したが、序盤で集団に復帰する。スプリンター擁するチームが集団をコントロールし、ゴールは大集団でのスプリントで迎えた。
残り1km地点を過ぎて一度下ってから、ゴールに向かうという超高速での危険なスプリント。スプリントになるとわかった段階でゴールのカメラマンラインが5mほど後ろに下げられた。
そしてアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)と競うようにして、ゴールに飛び込んできたのは、アスタナの選手。実況は「アラン・デーヴィス!」と声を上げたが、写真を見返すと何か違う……。「彼がスプリンターだったなんて知らなかった」と話すのは、スプリントに敗れ2位でゴールしたペタッキ。そう、優勝したのはデーヴィスではなく、イグリンスキー兄弟の弟、ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン)だった。昨シーズンの終わりに開催されたツアー・オブ・ハイナンの総合優勝以来となる今季初勝利を手にした。
リーダージャージを着るグアルディーニはゴール前約20km地点の登りで集団から脱落し、4分10秒遅れでゴール。イグリンスキーが総合首位となった。
イグリンスキーのコメント
「今日の勝利はとても感動的だった。ペタッキをマークすると同時に、チームは自分のためにうまく動いてくれた。チームがいなければ勝てなかったと思うよ、自分は強いスプリンターではないからね。将来はグランツールで活躍できる選手になりたいと思っている。それは今年や来年……という話ではないけど、近い将来だね」
落車してしまった宮澤崇史
宮澤崇史は「滑りやすいとは聞いていたけど、タイヤがスリップして落車してしまった。それからは、うまく動けなかったな……」とレースを振り返るが、終盤にかけて破れたジャージで積極的に集団を牽引する彼の力強い姿があった。
ケガは心配だが、幸い重傷ではなさそうなので、明日からまた気持ちを切り替えて、持ち前のアグレッシブルな走りを見せてくれるだろう。
※宮澤の健闘、荒涼としたトルコの風景はフォトギャラリーからお楽しみください。
ツアー・オブ・ターキー第2ステージ結果
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 4h23'28"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
3位 エラ・ファヴィッリ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
4位 ホアンパブロ・フォレロ(コロンビア、コロンビアエスパシオン・カフェデコロンビア)
5位 ステファン・ファンダイク(オランダ、ヴェランダズヴィレムス・アクセント)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
7位 ヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、サクソバンク・サンガード)
8位 ミラック・カル(トルコ、コンヤ・トーキーシュケルスポル・ヴィヴェロ)
9位 ジョルジオ・ブランビラ(イタリア、デローザ・チェラミカフラミニア)
10位 アンドレア・グレンデーネ(イタリア、タイプ1)
146位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ) +57"
総合成績
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 6h59'12"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +04"
3位 ケニー・ファンヒュメル(オランダ、スキル・シマノ) +06"
4位 エラ・ファヴィッリ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
5位 ステファン・ファンダイク(オランダ、ヴェランダズヴィレムス・アクセント)+10"
6位 マニュエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
7位 ミラック・カル(トルコ、コンヤ・トーキーシュケルスポル・ヴィヴェロ)
8位 ディエゴ・ミラン(スペイン、カハルラル)
9位 アンドレア・グレンデーネ(イタリア、タイプ1)
10位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
149位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ) +1'07"
チーム成績首位
カハルラル
ポイント賞
ホアン・ヴィレガス(コロンビア、コロンビアエスパシオン・カフェデコロンビア)
山岳賞
ホアン・ヴィレガス(コロンビア、コロンビアエスパシオン・カフェデコロンビア)
photo&text:Sonoko Tanaka
美しい海岸線を走る第2ステージ
本格的なラインレースがスタートする第2ステージ。スタートはトルコ西部に位置するクシャダス。ビーチリゾートとして国内外から多くの観光客が集まる港町。カラッと晴れ渡った青空に、透き通った日差しが降り注いでいる。
ターコイズブルーのリーダージャージを着るのはアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)。同チームの宮澤崇史に訊くと「今回はコンディションが万全ではない選手もいるし、ジロのセレクションもあるので、あくまでも狙いはステージ。チームでも狙いに行くし、自分もステージを狙っていきたい」と話す。
宮澤崇史はジロ出場を狙う
イタリアンチャンピオン、ジョヴァンニ・ヴィスコンティを擁することからワイルドカードでジロ・デ・イタリア出場権を得た同チーム。所属する宮澤崇史のジロ出場ヘ期待が高まるが、選考基準は実力だけではない。そして暫定出走リストは発表されているが、じっさいの出場メンバーはまだ未確定とのこと。「ステージ上位入賞など好成績を出すことも大切だけど、チームは何を求めているのか?ということを意識して走りたい」と話す宮澤。ジロに出場できるか否かも重要になってくるが、いい形でレースを走り終えてほしいと思う。
高速スプリントを制したイグリンスキー
レースがスタートしたのは11時35分。丘陵地帯を走る178kmの第2ステージは3kmのニュートラル走行のあと、正式スタートが切られた。スタートからアタックがかかるが、決定的な逃げはなかなか決まらない。スタートから4km地点付近で宮澤崇史がスリップし落車したが、序盤で集団に復帰する。スプリンター擁するチームが集団をコントロールし、ゴールは大集団でのスプリントで迎えた。
残り1km地点を過ぎて一度下ってから、ゴールに向かうという超高速での危険なスプリント。スプリントになるとわかった段階でゴールのカメラマンラインが5mほど後ろに下げられた。
そしてアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)と競うようにして、ゴールに飛び込んできたのは、アスタナの選手。実況は「アラン・デーヴィス!」と声を上げたが、写真を見返すと何か違う……。「彼がスプリンターだったなんて知らなかった」と話すのは、スプリントに敗れ2位でゴールしたペタッキ。そう、優勝したのはデーヴィスではなく、イグリンスキー兄弟の弟、ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン)だった。昨シーズンの終わりに開催されたツアー・オブ・ハイナンの総合優勝以来となる今季初勝利を手にした。
リーダージャージを着るグアルディーニはゴール前約20km地点の登りで集団から脱落し、4分10秒遅れでゴール。イグリンスキーが総合首位となった。
イグリンスキーのコメント
「今日の勝利はとても感動的だった。ペタッキをマークすると同時に、チームは自分のためにうまく動いてくれた。チームがいなければ勝てなかったと思うよ、自分は強いスプリンターではないからね。将来はグランツールで活躍できる選手になりたいと思っている。それは今年や来年……という話ではないけど、近い将来だね」
落車してしまった宮澤崇史
宮澤崇史は「滑りやすいとは聞いていたけど、タイヤがスリップして落車してしまった。それからは、うまく動けなかったな……」とレースを振り返るが、終盤にかけて破れたジャージで積極的に集団を牽引する彼の力強い姿があった。
ケガは心配だが、幸い重傷ではなさそうなので、明日からまた気持ちを切り替えて、持ち前のアグレッシブルな走りを見せてくれるだろう。
※宮澤の健闘、荒涼としたトルコの風景はフォトギャラリーからお楽しみください。
ツアー・オブ・ターキー第2ステージ結果
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 4h23'28"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
3位 エラ・ファヴィッリ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
4位 ホアンパブロ・フォレロ(コロンビア、コロンビアエスパシオン・カフェデコロンビア)
5位 ステファン・ファンダイク(オランダ、ヴェランダズヴィレムス・アクセント)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
7位 ヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、サクソバンク・サンガード)
8位 ミラック・カル(トルコ、コンヤ・トーキーシュケルスポル・ヴィヴェロ)
9位 ジョルジオ・ブランビラ(イタリア、デローザ・チェラミカフラミニア)
10位 アンドレア・グレンデーネ(イタリア、タイプ1)
146位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ) +57"
総合成績
1位 ヴァレンティン・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) 6h59'12"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +04"
3位 ケニー・ファンヒュメル(オランダ、スキル・シマノ) +06"
4位 エラ・ファヴィッリ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
5位 ステファン・ファンダイク(オランダ、ヴェランダズヴィレムス・アクセント)+10"
6位 マニュエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
7位 ミラック・カル(トルコ、コンヤ・トーキーシュケルスポル・ヴィヴェロ)
8位 ディエゴ・ミラン(スペイン、カハルラル)
9位 アンドレア・グレンデーネ(イタリア、タイプ1)
10位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
149位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼ・ヴィーニ) +1'07"
チーム成績首位
カハルラル
ポイント賞
ホアン・ヴィレガス(コロンビア、コロンビアエスパシオン・カフェデコロンビア)
山岳賞
ホアン・ヴィレガス(コロンビア、コロンビアエスパシオン・カフェデコロンビア)
photo&text:Sonoko Tanaka
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