2011年3月23日、セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)第2ステージが行なわれ、ゴール2km手前でアタックを仕掛けたクラウディオ・コリオーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が、迫り来るスプリンターを振り切って勝利。チームにシーズン初勝利をもたらした。

グアルディーニのために集団前方をキープする宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)グアルディーニのために集団前方をキープする宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ) photo:Riccardo Scanferlaイタリア最長河川ポー川が作り出した広大なポー平原を駆け抜ける第2ステージ。内陸のロヴィーゴを発着する193.9kmのコースは、常に標高が10mに満たない完全にフラットなレイアウト。大集団によるゴールスプリントに打ってつけの平坦コースだ。

21km地点で集団を飛び出したのはクリスチャン・フォーボード(ノルウェー、アモーレ・エ・ヴィータ)、ジョエル・エグリン(スイス、プライス・ユアーバイク)、クリストファー・ステヴェンソン(ノルウェー、スパレバンケン・ヴェスト)の3名。

スプリンターたちを振り切ってゴールするクラウディオ・コリオーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)スプリンターたちを振り切ってゴールするクラウディオ・コリオーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) photo:Riccardo Scanferlaこれにデローザ・チェラミカフラミニアのジャンルーカ・マッジョーレ(イタリア)とステファノ・ボルキ(イタリア)が合流し、5名の先頭グループが形成される。最初の1時間の平均スピードが46.9km/hをマークする中、タイム差は62km地点で最大2分56秒まで広がった。

スプリンターチームによる追撃の末、タイム差が30秒まで縮まると、先頭グループからマッジョーレとステヴェンソンがアタック。しかしこの2人もゴールまで14kmを残して吸収される。集団はハイスピードのままロヴィーゴのゴールに向かった。

表彰台、左から2位アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、優勝クラウディオ・コリオーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)、3位ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)表彰台、左から2位アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)、優勝クラウディオ・コリオーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)、3位ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) photo:Riccardo Scanferlaアックア・エ・サポーネやファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリが牽引するメイン集団。全日本チャンピオンの宮澤崇史も、エーススプリンターのポジションキープのために集団前方へ。

ラスト2kmを切るとアックア・エ・サポーネの2人、ラファイ・シュティウィ(チュニジア)とコリオーニが集団から抜け出すことに成功する。スプリンターチームが高速で迫り来る中、ラスト500mでシュティウィに発射されたコリオーニが独走でゴールへ。アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)らを振り切ったコリオーニが両手を広げてゴールした。

「ラファイに連れられて集団を抜け出し、ラスト300mで後ろを振り返ったとき、集団はまだ遠く離れていた。でもラスト60mで振り返ると、集団がすぐそこまで迫っていたんだ。慌ててペダルを踏み直して先頭をキープした」と語るコリオーニは28歳。過去にランプレやリクイガスに所属している。昨年デローザ・スタックプラスティックのメンバーとしてTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)に出場し、奈良ステージで5位、南信州ステージで2位に入った。

「2005年以降ずっと勝てていなかった。7年間のプロ生活で5チームを渡り歩き、これがプロ2勝目。自分でも自信がなくなっていた。これを機にジロ・デ・イタリアに出場したい。これまでツール・ド・フランスは2回、ブエルタ・ア・エスパーニャは3回走っている。オーストラリアのダウンアンダーも、日本のツアーも走ったこともあるのに、不思議なことにジロを走ったことがないんだ」。久々の勝利を飾ったコリオーニは母国のグランツールに想いを馳せた。

集団スプリントを制しながらも、僅かにコリオーニに届かず2位に終わったのはグアルディーニ。レース後グアルディーニは「コリオーニらが飛び出したとき、集団前方でお見合いが起こってスローダウンした。積極的にリードするチームがいなかったので、最後の最後で僅かに届かなかったんだ。でもチームに感謝したい。特にタカシ(宮澤)はラスト10kmをずっと引き続けてくれた。彼のおかげでポジションをキープしてスプリントできた」と語っている。

エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)は集団内でゴールしたが、リーダージャージはこの日ステージ3位に入ったチームメイトのロベルト・フェラーリ(イタリア)の手に渡っている。

レース展開や選手コメントはレース公式サイトより。

セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2011第2ステージ結果
1位 クラウディオ・コリオーニ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)      4h18'48"
2位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)
3位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
4位 マッテオ・ペルッキ(イタリア、ジェオックス・TMC)
5位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
6位 マキシミリアーノ・リチェーゼ(アルゼンチン、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)
7位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア)
8位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
9位 クリスティアーノ・フマガッリ(イタリア、ミケ・グエルチョッティ)
10位 ヴォロディミール・ビレカ(ウクライナ、アモーレ・エ・ヴィータ)
112位 小森亮平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)
128位 内間康平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)
156位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)         +1'42"

個人総合成績
1位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)       6h34'51"
2位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)       +04"
3位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
4位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)
5位 アンヘル・ビシオソ(スペイン、アンドローニ・ジョカトリ)
6位 ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
7位 カルロスホセ・オチョア(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
8位 ダニエーレ・リーギ(イタリア、ランプレ・ISD)               +09"
9位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)
10位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)
101位 内間康平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)         +1'11"
153位 小森亮平(日本、ダンジェロアンティヌッチィ・NIPPO)         +4'36"
156位 宮澤崇史(日本、ファルネーゼヴィーニ・ネーリソットリ)        +5'19"

ポイント賞
マヌエル・ベレッティ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)

山岳賞
ルーカ・フィオレッティ(イタリア、オラホテルズ・カラーラ)

新人賞
ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)

チーム総合成績
アンドローニ・ジョカトリ

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla