2011/03/14(月) - 12:12
標高1455mのサッソ・テットを含む244kmで行なわれたティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)第5ステージ。序盤からの逃げをラスト200mで捕まえた小集団のスプリントでフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が勝利。ライバルたちからリードを奪ったカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が首位に立った。
3月13日、今大会の244kmで行なわれた第5ステージ。前半は平坦基調だが、内陸部を進むレース後半はアップダウンが連続する。
ゴール100km手前で標高1455mのGPM(カテゴリー山岳)サッソ・テットを越え、最大勾配20%のGPMカメリーノを経てカステルライモンドの周回コースへ。ラスト6km地点に設定された最大勾配14%のGPMガリオーレと急勾配の下りの先にゴールが待っている。
この日は体調不良のエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)とマウロ・サンタンブロジオ(イタリア、BMCレーシングチーム)がスタートせず。7km地点で5名の選手がアタックを成功させた。
逃げたのはアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)、ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)、マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)、ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、レオパード・トレック)、イェンス・モーリス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)。
レース中盤にかけて雨が降り出す中、先頭5名は最大11分25秒のリードを稼ぎ出す。雪の壁が残る標高1455mのGPMサッソ・テットはマラカルネが先頭通過。これによりマラカルネは山岳賞トップに立っている。
リーダージャージ擁するラボバンクとランプレ・ISDが牽引するメイン集団は6分55秒遅れでGPMサッソ・テットを通過。ゴール43km手前のGPMカメリーノに差し掛かる頃にはタイム差は4分に。逃げグループは3分のリードで全長26.6kmの周回コースに入った。
周回コースに入ると、ステージ優勝を狙った動きが始まる。先ずはアマドールがアタックを仕掛け、これにマラカルネが合流。しかしこの2人は協調体制が築けず、互いにアタックして揺さぶりをかける展開。2人は1分40秒のリードでラスト10kmアーチを通過した。
一方のメイン集団は、ランプレ・ISDとBMCレーシングチームの牽きによって40名ほどに絞られる。リーダージャージのロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)はこの時点でチームメイトを失ってしまう。
やがてゴールまで8kmを切るとデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、レディオシャック)とマルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)がメイン集団からアタック。しかし決定的なリードは奪えず、最後のGPMガリオーレでダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)がアタックを仕掛けるとメイン集団は崩壊した。
ディルーカにはミケーレ・スカルポーニとダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)が合流し、先頭2名から僅か15秒遅れでGPMガリオーレをクリア。この登りでリーダージャージのヘーシンクは脱落してしまう。
下り区間でディルーカ、スカルポーニ、クネゴの3人にエヴァンスやジルベール、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)らが合流し、11名の強力なメイングループが形成される。しかしこの中にリーダージャージの姿は無かった。
ヘーシンクを引き離したいニーバリやスカルポーニがメイングループのペースを上げたため、先頭2名とのタイム差は縮まるばかり。先頭のマラカルネとアマドールは10秒のタイム差でラスト1km。しかしラスト1kmを切ってから始まる緩斜面でメイングループから飛び出したワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM)に、ラスト200mの最終コーナーで捕まってしまう。
最終ストレートで一気に先頭に立つポエルス。しかしその後方からジルベールやクネゴがスプリントで迫り、ゴール直前でポエルスを抜き去ったジルベールが先着。ジルベールが熾烈なステージ優勝争いを制した。
アップダウンの厳しいワンデークラシックで真価を発揮するジルベールが、今シーズン3勝目をマーク。RCS Sportが主催するイタリアンレースとの相性の良さを見せており、昨シーズンのジロ・ディ・ロンバルディアと今年のストラーデ・ビアンケに続く勝利だ。
ジルベールはレース後のインタビューで勝利を振り返る。「こんな厳しいステージでの勝利は格別だ。サッソ・テットでは苦しんだものの、下りで簡単に集団に追いついた。逃げを捕まえることができるかは分からなかったけど、他のチーム(ランプレとリクイガス)の動きを利用して体力を温存。ゴール前でアマドールとマラカルネが牽制しているのを見て、ラスト250mでスプリントした。何とかゴール直前で抜き去ることができたんだ。」
ジルベールが目標に掲げるミラノ〜サンレモはティレーノ閉幕の4日後、3月19日に開催される。「ストラーデ・ビアンケでの勝利と今日の勝利は、ミラノ〜サンレモへの大きなステップ。レース距離を伸ばしたくて、今年はティレーノ〜アドリアティコに出場することを決めた。そこに勝利が付いてきたことに大きな満足感を得ている。」ジルベールがレース終盤のチプレッサとポッジオでアタックするのは間違いない。
リーダージャージを着るヘーシンクは17秒遅れでフィニッシュ。メイングループ内でゴールした総合2位のエヴァンスが10秒差をひっくり返し、総合首位に立った。エヴァンスは「レース終盤は勝負のタイミングを読むのが難しかった。チームメイトたちから孤立したヘーシンクは疲れ切っていたようだ」とコメントしている。
翌第6ステージは激坂マチェラータにゴールする難関ステージ。エヴァンスはライバルたちの動きに警戒する。「総合上位のタイム差はまだ微々たるものだ。明日はマチェラータの厳しいステージが待っている。今日の疲労を克服し、明日のステージを乗り切ることができれば、最終日の個人タイムトライアルで総合リードを守るチャンスが生まれるだろう。」
この日の結果を受け、バッソが2秒遅れの総合2位、クネゴが3秒遅れの総合3位に浮上した。総合9位までの選手が30秒以内にひしめき合う接戦状態。残る2ステージで総合争いは決着する。
獲得標高差が3300mを越えるこの厳しいステージを、別府史之(レディオシャック)は31分遅れでゴール。ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)の他、多くのスプリンターを含むグルペット内で難コースを乗り切ったフミは「グルペットでフィニッシュしたけど、3370mも登ったので、良いトレーニングになった。例年に比べて距離が乗れているので、嬉しい限り」とTwitterで元気なコメントを残している。
選手コメントはレース公式サイトより。
ティレーノ〜アドリアティコ2011第5ステージ結果
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) 6h43'23"
2位 ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
3位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)
4位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)
5位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
6位 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)
7位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +02"
8位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
9位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)
10位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
116位 別府史之(日本、レディオシャック) +31'00"
個人総合成績
1位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 22h48'45"
2位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +02"
3位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +03"
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +05"
5位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +12"
7位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +23"
8位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) +27"
9位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)
104位 別府史之(日本、レディオシャック) +37'54"
ポイント賞
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
山岳賞
ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)
新人賞
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
チーム総合成績
リクイガス・キャノンデール
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, Cor Vos
3月13日、今大会の244kmで行なわれた第5ステージ。前半は平坦基調だが、内陸部を進むレース後半はアップダウンが連続する。
ゴール100km手前で標高1455mのGPM(カテゴリー山岳)サッソ・テットを越え、最大勾配20%のGPMカメリーノを経てカステルライモンドの周回コースへ。ラスト6km地点に設定された最大勾配14%のGPMガリオーレと急勾配の下りの先にゴールが待っている。
この日は体調不良のエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)とマウロ・サンタンブロジオ(イタリア、BMCレーシングチーム)がスタートせず。7km地点で5名の選手がアタックを成功させた。
逃げたのはアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)、ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)、マシュー・ヘイマン(オーストラリア、チームスカイ)、ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、レオパード・トレック)、イェンス・モーリス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)。
レース中盤にかけて雨が降り出す中、先頭5名は最大11分25秒のリードを稼ぎ出す。雪の壁が残る標高1455mのGPMサッソ・テットはマラカルネが先頭通過。これによりマラカルネは山岳賞トップに立っている。
リーダージャージ擁するラボバンクとランプレ・ISDが牽引するメイン集団は6分55秒遅れでGPMサッソ・テットを通過。ゴール43km手前のGPMカメリーノに差し掛かる頃にはタイム差は4分に。逃げグループは3分のリードで全長26.6kmの周回コースに入った。
周回コースに入ると、ステージ優勝を狙った動きが始まる。先ずはアマドールがアタックを仕掛け、これにマラカルネが合流。しかしこの2人は協調体制が築けず、互いにアタックして揺さぶりをかける展開。2人は1分40秒のリードでラスト10kmアーチを通過した。
一方のメイン集団は、ランプレ・ISDとBMCレーシングチームの牽きによって40名ほどに絞られる。リーダージャージのロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)はこの時点でチームメイトを失ってしまう。
やがてゴールまで8kmを切るとデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、レディオシャック)とマルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)がメイン集団からアタック。しかし決定的なリードは奪えず、最後のGPMガリオーレでダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)がアタックを仕掛けるとメイン集団は崩壊した。
ディルーカにはミケーレ・スカルポーニとダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)が合流し、先頭2名から僅か15秒遅れでGPMガリオーレをクリア。この登りでリーダージャージのヘーシンクは脱落してしまう。
下り区間でディルーカ、スカルポーニ、クネゴの3人にエヴァンスやジルベール、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)らが合流し、11名の強力なメイングループが形成される。しかしこの中にリーダージャージの姿は無かった。
ヘーシンクを引き離したいニーバリやスカルポーニがメイングループのペースを上げたため、先頭2名とのタイム差は縮まるばかり。先頭のマラカルネとアマドールは10秒のタイム差でラスト1km。しかしラスト1kmを切ってから始まる緩斜面でメイングループから飛び出したワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM)に、ラスト200mの最終コーナーで捕まってしまう。
最終ストレートで一気に先頭に立つポエルス。しかしその後方からジルベールやクネゴがスプリントで迫り、ゴール直前でポエルスを抜き去ったジルベールが先着。ジルベールが熾烈なステージ優勝争いを制した。
アップダウンの厳しいワンデークラシックで真価を発揮するジルベールが、今シーズン3勝目をマーク。RCS Sportが主催するイタリアンレースとの相性の良さを見せており、昨シーズンのジロ・ディ・ロンバルディアと今年のストラーデ・ビアンケに続く勝利だ。
ジルベールはレース後のインタビューで勝利を振り返る。「こんな厳しいステージでの勝利は格別だ。サッソ・テットでは苦しんだものの、下りで簡単に集団に追いついた。逃げを捕まえることができるかは分からなかったけど、他のチーム(ランプレとリクイガス)の動きを利用して体力を温存。ゴール前でアマドールとマラカルネが牽制しているのを見て、ラスト250mでスプリントした。何とかゴール直前で抜き去ることができたんだ。」
ジルベールが目標に掲げるミラノ〜サンレモはティレーノ閉幕の4日後、3月19日に開催される。「ストラーデ・ビアンケでの勝利と今日の勝利は、ミラノ〜サンレモへの大きなステップ。レース距離を伸ばしたくて、今年はティレーノ〜アドリアティコに出場することを決めた。そこに勝利が付いてきたことに大きな満足感を得ている。」ジルベールがレース終盤のチプレッサとポッジオでアタックするのは間違いない。
リーダージャージを着るヘーシンクは17秒遅れでフィニッシュ。メイングループ内でゴールした総合2位のエヴァンスが10秒差をひっくり返し、総合首位に立った。エヴァンスは「レース終盤は勝負のタイミングを読むのが難しかった。チームメイトたちから孤立したヘーシンクは疲れ切っていたようだ」とコメントしている。
翌第6ステージは激坂マチェラータにゴールする難関ステージ。エヴァンスはライバルたちの動きに警戒する。「総合上位のタイム差はまだ微々たるものだ。明日はマチェラータの厳しいステージが待っている。今日の疲労を克服し、明日のステージを乗り切ることができれば、最終日の個人タイムトライアルで総合リードを守るチャンスが生まれるだろう。」
この日の結果を受け、バッソが2秒遅れの総合2位、クネゴが3秒遅れの総合3位に浮上した。総合9位までの選手が30秒以内にひしめき合う接戦状態。残る2ステージで総合争いは決着する。
獲得標高差が3300mを越えるこの厳しいステージを、別府史之(レディオシャック)は31分遅れでゴール。ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レオパード・トレック)の他、多くのスプリンターを含むグルペット内で難コースを乗り切ったフミは「グルペットでフィニッシュしたけど、3370mも登ったので、良いトレーニングになった。例年に比べて距離が乗れているので、嬉しい限り」とTwitterで元気なコメントを残している。
選手コメントはレース公式サイトより。
ティレーノ〜アドリアティコ2011第5ステージ結果
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) 6h43'23"
2位 ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
3位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)
4位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、カチューシャ)
5位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
6位 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)
7位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +02"
8位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
9位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)
10位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
116位 別府史之(日本、レディオシャック) +31'00"
個人総合成績
1位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 22h48'45"
2位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +02"
3位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +03"
4位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +05"
5位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +12"
7位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +23"
8位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) +27"
9位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)
104位 別府史之(日本、レディオシャック) +37'54"
ポイント賞
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
山岳賞
ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、クイックステップ)
新人賞
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
チーム総合成績
リクイガス・キャノンデール
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, Cor Vos
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