2011年2月22日、ブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.1)の第3ステージがハエンにゴールするアップダウンコースで行なわれ、登りスプリントでフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)が優勝。スプリントに加わった土井雪広(日本、スキル・シマノ)が10位に食い込んだ。

アンダルシアの乾いた山岳地帯を駆け抜けるアンダルシアの乾いた山岳地帯を駆け抜ける photo:Cor Vosルタ・デル・ソル第3ステージは、アンダルシア地方内陸部のオトゥラからハエンまでの175.3km。前半からカテゴリー2級、3級、3級、3級と山岳が続き、最後はハエンの街を駆け上がってゴールを迎える。スプリンター向きとは言えないアップダウンコースだ。

レースは序盤からアタックが繰り返され、土井雪広がアタックを仕掛けるとイェンス・フォイクト(ドイツ、レオパード・トレック)とヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)が合流。土井はスプリントポイントを3位通過したが、しばらくして吸収された。

前半の2級山岳で動いたアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)前半の2級山岳で動いたアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック) photo:Cor Vos2級山岳の登りが始まるとアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)らが動くも、成功には結びつかない。

2級山岳を過ぎるとダビ・デラフエンテ(スペイン、ジェオックス・TMC)ら4名が飛び出し、ここから抜け出したビクトル・カベド(スペイン、オルベアコンチネンタル)にホセビセンテ・ガルシアアコスタ(スペイン、モビスター)、アントニオ・ピエドラ(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)とアイトール・ガルドス(スペイン、カハルーラル)が合流。この4名の先行が決まるとようやく集団は落ち着きを見せた。

集団をコントロールするリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)集団をコントロールするリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) photo:Cor Vos先頭4名は最大5分のリードを得てエスケープ。メイン集団はリーダージャージ擁するレディオシャックやオスカル・フレイレ(スペイン)のスプリント勝負を狙うラボバンクが牽引。レース後半に差し掛かるとタイム差は着実に縮まり、結局ラスト10km地点で逃げは全て封じ込められた。

最後は90名に満たない集団によるスプリント勝負に持ち込まれ、多くのチームが入り乱れる混戦の中から飛び出したベントソが勝利。余裕をもって片手を突き上げた。

雪の残る山をバックにプロトンは進む雪の残る山をバックにプロトンは進む photo:Cor Vosツアー・ダウンアンダー第5ステージで勝利しているベントソにとって、これが今シーズン2勝目。2月上旬のチャレンジ・マヨルカでも5戦中4戦でトップ10に入る走りを見せており、前日の第2ステージでも僅差の2位に入っていた。

レース序盤にアタックした土井は、チームメイトたちにアシストされてスプリント。10位に食い込んだ。

春めくアンダルシア地方を進む春めくアンダルシア地方を進む photo:Cor Vos土井はシクロワイアードの取材に対し「レース序盤に単独でアタックして、粘って一人で走っていたら、後ろからレオパード・トレックのフォイクトが合流。追い風の中、60キロ近いスピードでローテーションして逃げを試みたけど集団に捕まってしまった。捕まってからは逃げを諦めて、ゴール狙いにスイッチ。チームとして僕のために動く作戦で、最後はチームメイトたちにアシストしてもらいました」と語る。

スプリント勝利を飾ったフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)スプリント勝利を飾ったフランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター) photo:Cor Vos「最終ストレートは2%ぐらいの登りで、直線だったから位置を選ぶのが難しかった。ラスト500mですぐ前のヴァカンソレイユの選手が落車しかけてスローダウン。ラスト300mでスピードを戻したけど、周りはトップスピードに乗っていたので10位まで行くのが精一杯でした。」そう言いながらも土井の10位はサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)らと肩を並べる成績。この日、フレイレは20位に終わっている。

土井は2月8日のチャレンジ・マヨルカ第3戦での落車し、右手首を痛めた。まだ痛みは残っているが、調子は上がっている。「手首が痛い中でのレースで、しかも僕はスプリンターではないので、この結果は悪くない。あのスローダウンが無かったらもう少し上は狙えていた。別ラインでスプリントしたティエリー(ウポン)も5位に入ったので、チームとしては良い結果です。チームメイトたちがアシストに回ってくれたのは、信頼してもらえている証拠。コンディションも悪くない事が確認できて良かった。明日からの2ステージはピュアスプリンター向きなので、安全に走りますよ。」

レース展開はレース公式サイトより。


ブエルタ・ア・アンダルシア2011第3ステージ結果
1位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)        4h21'53"
2位 フアンホセ・ロバト(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)
3位 ダヴィデ・アポローニオ(イタリア、チームスカイ)
4位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レオパード・トレック)
5位 ティエリー・ウポン(フランス、スキル・シマノ)
6位 ペイオ・ビバオ(スペイン、オルベアコンチネンタル)
7位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
8位 リカルド・ガルシアアンブロア(スペイン、オルベアコンチネンタル)
9位 ルイス・パサモンテス(スペイン、モビスター)
10位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)

個人総合成績
1位 マルケル・イリサール(スペイン、レディオシャック)        8h51'46"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)  +01"
3位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)      +02"
4位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)        +03"
5位 ルイス・パサモンテス(スペイン、モビスター)            +08"
6位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)
7位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)           +09"
8位 イワン・ロフニー(ロシア、レディオシャック)            +10"
9位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
10位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック)        +12"
67位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                +20'26"

ポイント賞
フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)

スプリント賞
ファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、ジェオックス・TMC)

山岳賞
ハビエル・ラミレス(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)

チーム総合成績
レディオシャック

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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