2011/02/12(土) - 10:36
2011年2月11日、ツアー・オブ・カタール(UCI2.1)最終第5ステージが開催され、強豪を蹴散らしたアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)がスプリント勝利。中間スプリントで総合リードを上乗せしたマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)が総合優勝に輝いた。
6日間の闘いの最後を締めくくるのは、首都ドーハの海沿いに位置するコルニッシュ大通りにゴールする126.5km。郊外のシーラインビーチリゾートをスタートし、最後はドーハの6.5km周回コースを9周する。
第4ステージを終えた時点で、総合首位レンショーと総合2位ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)のタイム差は6秒。ボーナスタイムが設定された41km地点と84km地点の中間スプリントの存在は大きい。ゴールスプリントで総合優勝の行方が決まるほどの接戦だ。
スタート直前のニュートラルゾーン走行中にトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)らが落車に巻き込まれるトラブルが発生したが、無事に再スタート。10km地点でフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)とゲディミナス・バグドナス(リトアニア、アンポスト・ショーンケリー)の2人が飛び出すと、メイン集団はすぐにペースを落とした。
過去にブエルタ・ア・エスパーニャで区間優勝しているファンアフェルマートと、トラックワールドカップの個人追い抜きでメダルを獲得した経験を持つバグドナス。2人のリードは25km地点で最大5分30秒をマーク。
41km地点の中間スプリントでは3位争いの集団スプリントが繰り広げられ、リーダージャージを着るレンショーが先着。レンショーは84km地点の中間スプリントも集団先頭通過し、合計ボーナスタイム2秒を獲得した。
ドーハの周回コースに入ってなお諦めずに逃げ続けたファンアフェルマートとバグドナスだったが、周回を重ねる毎にタイム差は縮小していく。2人は結局ゴール6km手前で吸収された。
ガーミン・サーヴェロやチームスカイ、ラボバンクが率いるメイン集団はハイスピードでゴールへ。ラスト3kmを切るとレオパード・トレックが先頭に立ち、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)が強力に集団を率いてラスト1km。しかしどのチームも完全に主導権を得られず、混戦の状態でスプリント体勢に。
UCIアジアツアーリーダージャージを着るケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)の早めのスパートは伸びず、後方からテオ・ボス(オランダ、ラボバンク)やドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)、昨年区間2勝のフランチェスコ・キッキ(イタリア、クイックステップ)が別ラインで追撃。
先頭になったボスの後方からスルスルと抜け出したグアルディーニが先着。伸びのある軽快なスプリントでステージ優勝を飾った。
「ラスト300mの時点で15〜20番手につけていた。向かい風だったので前の選手たちは徐々にスローダウン。最後まで勝利を信じて踏み続けたんだ。緩い右コーナーだったから、イン側の方が有利だった。」プロ初レースのツール・ド・ランカウイで怒濤のステージ5勝を飾り、鮮烈なデビューを飾ったグアルディーニ。強豪集まるカタールでも結果を残した。まだ21歳。次世代イタリアンスプリンターとして注目を集める若手だ。
総合逆転を狙ったハウッスラーはステージ9位。ボーナスタイムによる総合逆転は起きず、レンショーの総合優勝が決まった。最終的にハウッスラーとの総合タイム差は8秒、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック)と17秒差。
「ロードレースにおける過去最高の成績だ」普段エーススプリンターの発射台として活躍するレンショーは自らの勝利を喜ぶ。
「最終日はとにかくメイン集団内で走り、ハウッスラーをマークすることに心がけた。ラスト2周はあっという間の出来事だったよ。ハウッスラーを逃がさないように、選手たちをごぼう抜きにしながら走った。」
「このカタールで勝てて嬉しい。チームのやる気に繋がる勝利だ。昨シーズンと同様に、残りのシーズンでも継続的にこの強さを維持したい。」HTC・ハイロードはこれがシーズン4勝目。ツアー・ダウンアンダーに引き続き、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の発射台役が活躍する結果となった。
レース展開はレース公式サイト、コメントはガゼッタ紙ならびにHTC・ハイロード公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2011第5ステージ結果
1位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) 2h44'06"
2位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、クイックステップ)
3位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)
4位 ドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)
5位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ)
6位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
7位 トーマス・ヴァイクス(リトアニア、アスタナ)
8位 ラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
10位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
個人総合成績
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード) 15h31'04"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) +08"
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック) +17"
4位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ) +26"
5位 ロジャー・ハモンド(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +38"
6位 ジェレミー・ハント(イギリス、チームスカイ) +39"
7位 ガブリエル・ラッシュ(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ) +42"
8位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、HTC・ハイロード) +1'03"
9位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +1'33"
10位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、クイックステップ) +1'35"
ポイント賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
新人賞
ニコラス・マース(ベルギー、クイックステップ)
チーム総合成績
ガーミン・サーヴェロ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
6日間の闘いの最後を締めくくるのは、首都ドーハの海沿いに位置するコルニッシュ大通りにゴールする126.5km。郊外のシーラインビーチリゾートをスタートし、最後はドーハの6.5km周回コースを9周する。
第4ステージを終えた時点で、総合首位レンショーと総合2位ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)のタイム差は6秒。ボーナスタイムが設定された41km地点と84km地点の中間スプリントの存在は大きい。ゴールスプリントで総合優勝の行方が決まるほどの接戦だ。
スタート直前のニュートラルゾーン走行中にトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)らが落車に巻き込まれるトラブルが発生したが、無事に再スタート。10km地点でフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)とゲディミナス・バグドナス(リトアニア、アンポスト・ショーンケリー)の2人が飛び出すと、メイン集団はすぐにペースを落とした。
過去にブエルタ・ア・エスパーニャで区間優勝しているファンアフェルマートと、トラックワールドカップの個人追い抜きでメダルを獲得した経験を持つバグドナス。2人のリードは25km地点で最大5分30秒をマーク。
41km地点の中間スプリントでは3位争いの集団スプリントが繰り広げられ、リーダージャージを着るレンショーが先着。レンショーは84km地点の中間スプリントも集団先頭通過し、合計ボーナスタイム2秒を獲得した。
ドーハの周回コースに入ってなお諦めずに逃げ続けたファンアフェルマートとバグドナスだったが、周回を重ねる毎にタイム差は縮小していく。2人は結局ゴール6km手前で吸収された。
ガーミン・サーヴェロやチームスカイ、ラボバンクが率いるメイン集団はハイスピードでゴールへ。ラスト3kmを切るとレオパード・トレックが先頭に立ち、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)が強力に集団を率いてラスト1km。しかしどのチームも完全に主導権を得られず、混戦の状態でスプリント体勢に。
UCIアジアツアーリーダージャージを着るケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)の早めのスパートは伸びず、後方からテオ・ボス(オランダ、ラボバンク)やドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)、昨年区間2勝のフランチェスコ・キッキ(イタリア、クイックステップ)が別ラインで追撃。
先頭になったボスの後方からスルスルと抜け出したグアルディーニが先着。伸びのある軽快なスプリントでステージ優勝を飾った。
「ラスト300mの時点で15〜20番手につけていた。向かい風だったので前の選手たちは徐々にスローダウン。最後まで勝利を信じて踏み続けたんだ。緩い右コーナーだったから、イン側の方が有利だった。」プロ初レースのツール・ド・ランカウイで怒濤のステージ5勝を飾り、鮮烈なデビューを飾ったグアルディーニ。強豪集まるカタールでも結果を残した。まだ21歳。次世代イタリアンスプリンターとして注目を集める若手だ。
総合逆転を狙ったハウッスラーはステージ9位。ボーナスタイムによる総合逆転は起きず、レンショーの総合優勝が決まった。最終的にハウッスラーとの総合タイム差は8秒、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック)と17秒差。
「ロードレースにおける過去最高の成績だ」普段エーススプリンターの発射台として活躍するレンショーは自らの勝利を喜ぶ。
「最終日はとにかくメイン集団内で走り、ハウッスラーをマークすることに心がけた。ラスト2周はあっという間の出来事だったよ。ハウッスラーを逃がさないように、選手たちをごぼう抜きにしながら走った。」
「このカタールで勝てて嬉しい。チームのやる気に繋がる勝利だ。昨シーズンと同様に、残りのシーズンでも継続的にこの強さを維持したい。」HTC・ハイロードはこれがシーズン4勝目。ツアー・ダウンアンダーに引き続き、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の発射台役が活躍する結果となった。
レース展開はレース公式サイト、コメントはガゼッタ紙ならびにHTC・ハイロード公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2011第5ステージ結果
1位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) 2h44'06"
2位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、クイックステップ)
3位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)
4位 ドミニク・ロラン(カナダ、FDJ)
5位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、スキル・シマノ)
6位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
7位 トーマス・ヴァイクス(リトアニア、アスタナ)
8位 ラッセル・ダウニング(イギリス、チームスカイ)
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
10位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
個人総合成績
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード) 15h31'04"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) +08"
3位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、レオパード・トレック) +17"
4位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ) +26"
5位 ロジャー・ハモンド(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +38"
6位 ジェレミー・ハント(イギリス、チームスカイ) +39"
7位 ガブリエル・ラッシュ(ノルウェー、ガーミン・サーヴェロ) +42"
8位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、HTC・ハイロード) +1'03"
9位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム) +1'33"
10位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、クイックステップ) +1'35"
ポイント賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)
新人賞
ニコラス・マース(ベルギー、クイックステップ)
チーム総合成績
ガーミン・サーヴェロ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
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