2011/02/01(火) - 09:55
2011年1月31日、ツール・ド・ランカウイ第9ステージが行なわれ、雨による水没の影響で短縮されたコースで11名の逃げが決まり、ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル)が優勝。逃げに乗った宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)はステージ6位に終わった。
ムラカからニライまでの151.7kmで行なわれる予定だった第9ステージ。しかし雨によってコースの一部が水没した影響で、コース全長も127kmに短縮。3つ設定されていたスプリントポイントは2つに減らされ、山岳ポイントはキャンセルされた。
当初の予定より1時間遅くスタートしたレースは、15.9km地点のスプリントポイントで動きを見せる。
チームメイトにアシストされたリーダージャージのジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)がここを先頭通過し、ボーナスタイム3秒を獲得。ポイント賞ジャージを着るアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)が2番手通過で、それぞれ総合成績、ポイント賞のリードを広げることに成功した。
その後、西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が単独アタックを試みる。鈴木謙一が体調不良によりスタートしなかったため、愛三工業レーシングチームは3名での出走。西谷はしばらく独走したが、やがては集団に引き戻された。
70km地点で15名の逃げグループが形成されると、総合争いにおける危険な選手が入っているとしてモンサルベがチェックに入る。しかしリーダージャージの逃げは容認されず、ライバルチームによって封じ込められた。
逃げが決まったのはレースの終盤、ゴールまで20kmを切ってから。全日本チャンピオンの宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)や前日のステージ優勝者ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア)、ペリグ・ケムヌール(フランス、ユーロップカー)ら11名がアタックを成功させた。
総合上位の選手が逃げに入っていたため、メイン集団とのタイム差は最大1分まで拡大。タイム差は30〜40秒を推移したままラスト10kmに突入した。
逃げ切りが濃厚になると、11名の中でのステージ優勝争いが本格化する。アタック合戦の末に、ホセ・メンデス(ポルトガル、CCCポルサット)が飛び出し、これにシュピレフスキーが合流する。メンデスを置き去りにしたシュピレフスキーは独走態勢を築き、追い上げるケムヌールを振り切って勝利した。
「全部反応して全部行った。でも残り2kmで追いつかなかった。」と語る宮澤は優勝争いに絡めず、ステージ6位でレースを終えている。
モスクワ出身のシュピレフスキーは28歳。過去にプレーティ・マンジーミやフジ・セルヴェットに所属し、昨年カチューシャのコンチネンタルチームに移籍。今年からタブリス・ペトロケミカルに所属している。ジロ・デル・フリウリやツアー・オブ・ハイナンで総合優勝したことのあるスプリンターだ。
「今日はアタックが止まらないハイスピードなレースだった。終盤の逃げに乗ることが出来たのはラッキーだった。逃げ切りが濃厚だと思ったけど、まさか自分が勝つとは。フェルスターのようなスプリンターと真っ向勝負を繰り広げても歯が立たない。逃げグループからのアタックが成功して本当に良かった。」
シュピレフスキーはこれまでのステージで積極的にスプリントポイントを獲得しており、この日の勝利で合計80ポイントでポイント賞2位に浮上。ポイント賞リーダーであるグアルディーニの99ポイントに迫りつつある。
「シュピレフスキーは絶好のチャンスを掴んだ」グアルディーニは勝者を賞賛する。「今日は宮澤が逃げに乗っていたので、彼に勝利を託した。仮に集団の先頭でゴールしても獲得ポイントは少ないので、スプリントに絡まないことをラスト3kmの時点で決めたんだ。今日優先したのは、明日のために力を残すこと」。
ツール・ド・ランカウイは翌第10ステージで幕を下ろす。最終ステージはクアラルンプールにゴールする恒例の平坦ステージ。最終スプリントバトルに注目だ。
レース展開や選手コメントはレース公式サイト、レース公式ストリーミングより。
ツール・ド・ランカウイ2011第9ステージ結果
1位 ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル) 2h40'52"
2位 ペリグ・ケムヌール(フランス、ユーロップカー) +02"
3位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア) +05"
4位 ジョエリ・スタラールト(ベルギー、ランドバウクレジット)
5位 オマル・ロンバルディ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
6位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
7位 クーン・デコルト(オランダ、スキル・シマノ)
8位 ホセ・メンデス(ポルトガル、CCCポルサット) +07"
9位 アンドレイ・クラシルニカウ(ベラルーシ、チポレ・ディベロップメント) +09"
10位 ファルシャド・サレヒアン(イラン、アサド大学チーム) +15"
14位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +26"
17位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム)
46位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
63位 土井雪広(スキル・シマノ)
75位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア)
DNS 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ) 27h44'27"
2位 リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア) +05"
3位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +24"
4位 デニス・ヴァンニーケルク(南アフリカ、MTNキュベカ) +25"
5位 ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)
6位 ラックラン・モールトン(オーストラリア、チポレ・ディベロップメント) +32"
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) +49"
8位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +56"
9位 ゴン・ヒョスク(韓国、韓国ナショナルチーム) +57"
10位 ガーデル・ミズバニ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +1'15"
25位 土井雪広(スキル・シマノ) +5'13"
30位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +6'26"
67位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +30'09"
71位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +33'40"
77位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +35'16"
105位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム) +47'17"
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
山岳賞
ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
アジア人総合成績
ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)
チーム総合成績
タブリス・ペトロケミカル
アジアンチーム総合成績
タブリス・ペトロケミカル
text:Kei Tsuji
photo:Yuko Sato, Lin Chien Hung, www.ltdl.com.my
ムラカからニライまでの151.7kmで行なわれる予定だった第9ステージ。しかし雨によってコースの一部が水没した影響で、コース全長も127kmに短縮。3つ設定されていたスプリントポイントは2つに減らされ、山岳ポイントはキャンセルされた。
当初の予定より1時間遅くスタートしたレースは、15.9km地点のスプリントポイントで動きを見せる。
チームメイトにアシストされたリーダージャージのジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)がここを先頭通過し、ボーナスタイム3秒を獲得。ポイント賞ジャージを着るアンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)が2番手通過で、それぞれ総合成績、ポイント賞のリードを広げることに成功した。
その後、西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が単独アタックを試みる。鈴木謙一が体調不良によりスタートしなかったため、愛三工業レーシングチームは3名での出走。西谷はしばらく独走したが、やがては集団に引き戻された。
70km地点で15名の逃げグループが形成されると、総合争いにおける危険な選手が入っているとしてモンサルベがチェックに入る。しかしリーダージャージの逃げは容認されず、ライバルチームによって封じ込められた。
逃げが決まったのはレースの終盤、ゴールまで20kmを切ってから。全日本チャンピオンの宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)や前日のステージ優勝者ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア)、ペリグ・ケムヌール(フランス、ユーロップカー)ら11名がアタックを成功させた。
総合上位の選手が逃げに入っていたため、メイン集団とのタイム差は最大1分まで拡大。タイム差は30〜40秒を推移したままラスト10kmに突入した。
逃げ切りが濃厚になると、11名の中でのステージ優勝争いが本格化する。アタック合戦の末に、ホセ・メンデス(ポルトガル、CCCポルサット)が飛び出し、これにシュピレフスキーが合流する。メンデスを置き去りにしたシュピレフスキーは独走態勢を築き、追い上げるケムヌールを振り切って勝利した。
「全部反応して全部行った。でも残り2kmで追いつかなかった。」と語る宮澤は優勝争いに絡めず、ステージ6位でレースを終えている。
モスクワ出身のシュピレフスキーは28歳。過去にプレーティ・マンジーミやフジ・セルヴェットに所属し、昨年カチューシャのコンチネンタルチームに移籍。今年からタブリス・ペトロケミカルに所属している。ジロ・デル・フリウリやツアー・オブ・ハイナンで総合優勝したことのあるスプリンターだ。
「今日はアタックが止まらないハイスピードなレースだった。終盤の逃げに乗ることが出来たのはラッキーだった。逃げ切りが濃厚だと思ったけど、まさか自分が勝つとは。フェルスターのようなスプリンターと真っ向勝負を繰り広げても歯が立たない。逃げグループからのアタックが成功して本当に良かった。」
シュピレフスキーはこれまでのステージで積極的にスプリントポイントを獲得しており、この日の勝利で合計80ポイントでポイント賞2位に浮上。ポイント賞リーダーであるグアルディーニの99ポイントに迫りつつある。
「シュピレフスキーは絶好のチャンスを掴んだ」グアルディーニは勝者を賞賛する。「今日は宮澤が逃げに乗っていたので、彼に勝利を託した。仮に集団の先頭でゴールしても獲得ポイントは少ないので、スプリントに絡まないことをラスト3kmの時点で決めたんだ。今日優先したのは、明日のために力を残すこと」。
ツール・ド・ランカウイは翌第10ステージで幕を下ろす。最終ステージはクアラルンプールにゴールする恒例の平坦ステージ。最終スプリントバトルに注目だ。
レース展開や選手コメントはレース公式サイト、レース公式ストリーミングより。
ツール・ド・ランカウイ2011第9ステージ結果
1位 ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル) 2h40'52"
2位 ペリグ・ケムヌール(フランス、ユーロップカー) +02"
3位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア) +05"
4位 ジョエリ・スタラールト(ベルギー、ランドバウクレジット)
5位 オマル・ロンバルディ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
6位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
7位 クーン・デコルト(オランダ、スキル・シマノ)
8位 ホセ・メンデス(ポルトガル、CCCポルサット) +07"
9位 アンドレイ・クラシルニカウ(ベラルーシ、チポレ・ディベロップメント) +09"
10位 ファルシャド・サレヒアン(イラン、アサド大学チーム) +15"
14位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +26"
17位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム)
46位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
63位 土井雪広(スキル・シマノ)
75位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア)
DNS 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ) 27h44'27"
2位 リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア) +05"
3位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +24"
4位 デニス・ヴァンニーケルク(南アフリカ、MTNキュベカ) +25"
5位 ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)
6位 ラックラン・モールトン(オーストラリア、チポレ・ディベロップメント) +32"
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) +49"
8位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +56"
9位 ゴン・ヒョスク(韓国、韓国ナショナルチーム) +57"
10位 ガーデル・ミズバニ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +1'15"
25位 土井雪広(スキル・シマノ) +5'13"
30位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +6'26"
67位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +30'09"
71位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +33'40"
77位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +35'16"
105位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム) +47'17"
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
山岳賞
ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
アジア人総合成績
ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)
チーム総合成績
タブリス・ペトロケミカル
アジアンチーム総合成績
タブリス・ペトロケミカル
text:Kei Tsuji
photo:Yuko Sato, Lin Chien Hung, www.ltdl.com.my
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