2011/01/31(月) - 10:14
2011年1月30日、ツール・ド・ランカウイ第8ステージが行なわれ、雨中のスプリント勝負でロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア)が勝利。スプリントポイントでのボーナスタイムにより、最終日まで2ステージを残してジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)が総合首位に立った。
雨に見舞われた第8ステージ。クアラ・ピラーからジャシンまでの今大会最長コースには2つの4級山岳と3つのスプリントポイントが設定されている。終盤下り基調の行程を経てゴールに至る156.5kmだ。
開始早々のアタックは決まらず、集団は一つのまま18km地点のスプリントポイントに突入。ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル)が先頭通過したその後ろで、総合2位のモンサルベが2番手通過を果たした。
モンサルベはボーナスタイム2秒を獲得し、総合首位リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア)との総合タイム差を0秒に。ついに総合首位の2人が並んだ。
前半の2つの4級山岳ではアルバート・ティマー(オランダ、スキル・シマノ)や西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が動きを見せたが、逃げを形成するには至らない。55km地点でデーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)が飛び出すと、ようやく集団は落ち着きを見せた。
単独逃げを試みたペルは、メイン集団から2分30秒のリード。集団をコントロールしたアンドローニ・ジョカトリは、モンサルベを2つ目のスプリントポイントで集団先頭通過させることに成功する。モンサルベは更にボーナスタイム2秒を獲得し、単独総合首位に立った。
徐々に失速したペルにはオマル・ロンバルディ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)とアンドレイ・クラシルニカウ(ベラルーシ、チポレ・ディベロップメント)が合流。集団は落ち着きを見せず、更にペリグ・ケムヌール(フランス、ユーロップカー)とベンジャミン・グルギュ(ベルギー、ランドバウクレジット)が飛び出して先頭に合流する。しかし3つ目のスプリントポイントを前に全て吸収された。
その後もアタックは止まず、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)やフローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック・ポルシェ)、クーン・デコルト(オランダ、スキル・シマノ)、宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)らがアタック。最後まで抵抗したフーシンニンはゴール1km手前で吸収され、集団スプリントに持ち込まれた。
スプリント4勝のポイント賞リーダー、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)がポジション取りに手こずる中、僅差のスプリントを繰り広げたフェルスターとアンドレ・シュルツ(ドイツ、CCCポルサット)。2人のジャーマンスプリンターの接戦は、写真判定の結果、フェルスターに軍配。
フェルスターは昨年までチームミルラムに所属していた33歳のベテランスプリンター。グランツールでの経験も豊富であり、ジロ・デ・イタリアでステージ3勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ1勝を飾っている。
今年アメリカのプロコンチネンタルチームに移籍したフェルスターは初勝利の喜びを語る。「シーズン初勝利はいつでも素晴らしい。チームを移籍した今年はウィンタートレーニングに励んだ。でもドイツと気温差があるから最初の3〜4ステージは苦戦したよ。チームが集団を牽引してくれたおかげで上手く勝負に持ち込めたんだ。」フェルスターは残る2つのチャンスも狙う。
「2つのスプリントポイントでチームは素晴らしい走りを見せてくれた。」そう語るのは、ボーナスタイムにより総合首位に立ったモンサルベ。前日までの総合リーダーであるニノを現在2秒リードしている。
「でもまだレースは終わったわけじゃない。何でも起こり得る。クアラルンプールのゴールを駆け抜けるまで優勝者は分からない。」モンサルベは慎重な姿勢で残り2ステージに挑む。
日本人最高位は福田晋平(愛三工業レーシングチーム)の12位。またこの日レース中盤に盛一大がバイクを降りた。
レース展開や選手コメントはレース公式サイト、レース公式ストリーミングより。
ツール・ド・ランカウイ2011第8ステージ結果
1位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア) 3h23'32"
2位 アンドレ・シュルツ(ドイツ、CCCポルサット)
3位 ディーン・ロジャース(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)
4位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
5位 ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル)
6位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
7位 ジャン・チャンジェ(韓国、韓国ナショナルチーム)
8位 ジョエリ・スタラールト(ベルギー、ランドバウクレジット)
9位 エリア・ファヴィッリ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
10位 ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・プロアジア)
12位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム)
19位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
25位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
31位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
61位 土井雪広(スキル・シマノ)
79位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +20"
118位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +2'26"
DNF 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ) 25h03'12"
2位 リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア) +02"
3位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +21"
4位 デニス・ヴァンニーケルク(南アフリカ、MTNキュベカ) +23"
5位 ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム) +24"
6位 ラックラン・モールトン(オーストラリア、チポレ・ディベロップメント) +29"
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) +46"
8位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +54"
9位 ゴン・ヒョスク(韓国、韓国ナショナルチーム)
10位 ガーデル・ミズバニ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +1'12"
26位 土井雪広(スキル・シマノ) +5'10"
30位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +6'23"
51位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +17'49"
68位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +30'06"
73位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +33'37"
83位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +35'34"
111位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム) +47'14"
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
山岳賞
ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
アジア人総合成績
ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)
チーム総合成績
アサド大学チーム
アジアンチーム総合成績
アサド大学チーム
text:Kei Tsuji
photo:Yuko Sato, www.ltdl.com.my
雨に見舞われた第8ステージ。クアラ・ピラーからジャシンまでの今大会最長コースには2つの4級山岳と3つのスプリントポイントが設定されている。終盤下り基調の行程を経てゴールに至る156.5kmだ。
開始早々のアタックは決まらず、集団は一つのまま18km地点のスプリントポイントに突入。ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル)が先頭通過したその後ろで、総合2位のモンサルベが2番手通過を果たした。
モンサルベはボーナスタイム2秒を獲得し、総合首位リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア)との総合タイム差を0秒に。ついに総合首位の2人が並んだ。
前半の2つの4級山岳ではアルバート・ティマー(オランダ、スキル・シマノ)や西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が動きを見せたが、逃げを形成するには至らない。55km地点でデーヴィッド・ペル(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)が飛び出すと、ようやく集団は落ち着きを見せた。
単独逃げを試みたペルは、メイン集団から2分30秒のリード。集団をコントロールしたアンドローニ・ジョカトリは、モンサルベを2つ目のスプリントポイントで集団先頭通過させることに成功する。モンサルベは更にボーナスタイム2秒を獲得し、単独総合首位に立った。
徐々に失速したペルにはオマル・ロンバルディ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)とアンドレイ・クラシルニカウ(ベラルーシ、チポレ・ディベロップメント)が合流。集団は落ち着きを見せず、更にペリグ・ケムヌール(フランス、ユーロップカー)とベンジャミン・グルギュ(ベルギー、ランドバウクレジット)が飛び出して先頭に合流する。しかし3つ目のスプリントポイントを前に全て吸収された。
その後もアタックは止まず、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)やフローリス・フーシンニン(オランダ、ドラパック・ポルシェ)、クーン・デコルト(オランダ、スキル・シマノ)、宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)らがアタック。最後まで抵抗したフーシンニンはゴール1km手前で吸収され、集団スプリントに持ち込まれた。
スプリント4勝のポイント賞リーダー、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)がポジション取りに手こずる中、僅差のスプリントを繰り広げたフェルスターとアンドレ・シュルツ(ドイツ、CCCポルサット)。2人のジャーマンスプリンターの接戦は、写真判定の結果、フェルスターに軍配。
フェルスターは昨年までチームミルラムに所属していた33歳のベテランスプリンター。グランツールでの経験も豊富であり、ジロ・デ・イタリアでステージ3勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ1勝を飾っている。
今年アメリカのプロコンチネンタルチームに移籍したフェルスターは初勝利の喜びを語る。「シーズン初勝利はいつでも素晴らしい。チームを移籍した今年はウィンタートレーニングに励んだ。でもドイツと気温差があるから最初の3〜4ステージは苦戦したよ。チームが集団を牽引してくれたおかげで上手く勝負に持ち込めたんだ。」フェルスターは残る2つのチャンスも狙う。
「2つのスプリントポイントでチームは素晴らしい走りを見せてくれた。」そう語るのは、ボーナスタイムにより総合首位に立ったモンサルベ。前日までの総合リーダーであるニノを現在2秒リードしている。
「でもまだレースは終わったわけじゃない。何でも起こり得る。クアラルンプールのゴールを駆け抜けるまで優勝者は分からない。」モンサルベは慎重な姿勢で残り2ステージに挑む。
日本人最高位は福田晋平(愛三工業レーシングチーム)の12位。またこの日レース中盤に盛一大がバイクを降りた。
レース展開や選手コメントはレース公式サイト、レース公式ストリーミングより。
ツール・ド・ランカウイ2011第8ステージ結果
1位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ユナイテッドヘルスケア) 3h23'32"
2位 アンドレ・シュルツ(ドイツ、CCCポルサット)
3位 ディーン・ロジャース(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)
4位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
5位 ボリス・シュピレフスキー(ロシア、タブリス・ペトロケミカル)
6位 ケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
7位 ジャン・チャンジェ(韓国、韓国ナショナルチーム)
8位 ジョエリ・スタラールト(ベルギー、ランドバウクレジット)
9位 エリア・ファヴィッリ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
10位 ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌ・プロアジア)
12位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム)
19位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
25位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
31位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
61位 土井雪広(スキル・シマノ)
79位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +20"
118位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +2'26"
DNF 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績
1位 ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ) 25h03'12"
2位 リバルド・ニノ(コロンビア、ルトゥーア) +02"
3位 エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ) +21"
4位 デニス・ヴァンニーケルク(南アフリカ、MTNキュベカ) +23"
5位 ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム) +24"
6位 ラックラン・モールトン(オーストラリア、チポレ・ディベロップメント) +29"
7位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス) +46"
8位 ホセイン・アスカリ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +54"
9位 ゴン・ヒョスク(韓国、韓国ナショナルチーム)
10位 ガーデル・ミズバニ(イラン、タブリス・ペトロケミカル) +1'12"
26位 土井雪広(スキル・シマノ) +5'10"
30位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム) +6'23"
51位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム) +17'49"
68位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム) +30'06"
73位 福島晋一(トレンガヌ・プロアジア) +33'37"
83位 宮澤崇史(ファルネーゼヴィーニ・ネーリ) +35'34"
111位 福田晋平(愛三工業レーシングチーム) +47'14"
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・ネーリ)
山岳賞
ジョナサン・モンサルベ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)
アジア人総合成績
ラヒム・エマミ(イラン、アサド大学チーム)
チーム総合成績
アサド大学チーム
アジアンチーム総合成績
アサド大学チーム
text:Kei Tsuji
photo:Yuko Sato, www.ltdl.com.my
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