2010年10月23日、栃木県宇都宮市森林公園にてジャパンカップオープン女子が行なわれ、落ち着いてレースを展開した西加南子(LUMINARIA)が優勝。初のジャパンカップのタイトルを手にした。

片山梨絵(SPECIALIZED)が積極的にペースを上げる片山梨絵(SPECIALIZED)が積極的にペースを上げる photo:Kei Tsuji日本の女子ロードレース界において、全日本選手権と並ぶ重要なレースに位置づけられているジャパンカップオープン女子。日曜日のジャパンカップ本戦と同じ14.1kmコースを3周、合計42.3kmで争われた。

男子とは異なり、最終周回も通常の14.1kmコースが使用されるため、ゴール直前に鶴カントリークラブの急勾配の上りが登場するのが特徴だ。

最終周回・鶴カントリーの上り、先行する片山を抜いて西加南子(LUMINARIA)が先頭に立つ最終周回・鶴カントリーの上り、先行する片山を抜いて西加南子(LUMINARIA)が先頭に立つ photo:Kei Tsuji昨年大会の覇者で全日本チャンピオンの萩原麻由子(サイクルベースあさひ)は欠場。スタートした26名の集団は、最初の古賀志林道の上りで早くも大きく絞られた。

積極的に上りでペースを作ったのは、今年全日本MTB選手権クロスカントリーで7連覇を達成した片山梨絵(SPECIALIZED)。序盤から片山がレースを主導して周回を重ねて行く。針谷千紗子(サイクルベースあさひ)や豊岡英子(パナソニックレディース)は2周目で脱落した。

最後の鶴カントリーの上りで後続を引き離す西加南子(LUMINARIA)最後の鶴カントリーの上りで後続を引き離す西加南子(LUMINARIA) photo:Kei Tsuji最終周回に入る頃には先頭グループは5名に。メンバーは片山、西、明珍裕子(朝日大学)、森本朱美(スミタ・ラバネロ)、星川恵利奈(湘南ベルマーレ・コムレイド)、そして森田正美(チームブリヂストン・アンカー)。古賀志林道では勝負がつかず、先頭6名のままゴール手前の鶴カントリーの上りに差し掛かった。

鶴カントリーは登坂距離が短いものの勾配がキツい。この上り始めで片山が動いた。一気にペースを上げて急勾配の上りに挑む片山。しかし最後までアタックすることなく脚を貯めていた西がカウンターアタックで追走。先行する片山を抜き去った西が、先頭で鶴カントリーの頂上をクリアした。

ジャパンカップ初優勝を飾った西加南子(LUMINARIA)ジャパンカップ初優勝を飾った西加南子(LUMINARIA) ゴールまでの短いダウンヒル区間でも西は先頭を譲らず、片山を3秒振り切ってゴール。3位には7秒差で明珍が入った。

「(2009年に優勝した)全日本選手権と同じぐらい嬉しい」と語る西。これがジャパンカップオープン女子レース初勝利だ。「無駄足を使うこと無く最後まで待ちました」という言葉通り、アタックポイントを待ち続け、最後の勝負どころで一気に仕掛ける熟練の走りで初勝利を手にした。

積極的な走りを見せた片山は、ロード全日本選手権に続いて西の前に敗北。しかしMTBクロスカントリーで磨いたそのポテンシャルは相当高い。ガールズケイリンにも参戦するなど、その活動の幅はMTBに収まらない。ロードレースでも結果を残す日は近いだろう。


ジャパンカップ2010オープン女子
1位 西加南子(LUMINARIA)        1h18'45"
2位 片山梨絵(SPECIALIZED)         +03"
3位 明珍裕子(朝日大学)           +07"
4位 森本朱美(スミタ・ラバネロ)       +10"
5位 星川恵利奈(湘南ベルマーレ・コムレイド) +12"
6位 森田正美(チームブリヂストン・アンカー) +19"
7位 豊岡英子(パナソニック・レディース)   +2'22"
8位 上野みなみ(鹿屋体育大学)        +2'55"
9位 智野真央(MUUR ZERO)         +2'57"
10位 石井寛子(SUPER-K ATHLETE LAB)  +2'59"

text:Kei Tsuji
photo:Kei Tsuji, Hideaki Takagi, Makoto Ayano
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