2010/10/24(日) - 00:31
初優勝の小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)は、2位の栂尾大知の胸に顔をうずめると、涙で声にならない。チームメイトの2人はついにビッグレースの頂点に立った。
若手の登竜門として知られるジャパンカップオープン男子。その価値は高く、全日本選手権と並び称されるトップレベルのステータスを誇る。
そのビッグレースで今まで公式戦で優勝経験のなかった小段が、チームメイトの栂尾とワン・ツーフィニッシュを飾った。
小段も栂尾もレースでは常に積極的にアタックすることで知られる。栂尾は上位入賞多数だが、小段は多くはない。だがレース序盤のアタック合戦には常に参加し、逃げを作ったり率いたりすることが常。今シーズンからシマノレーシング入りした平塚吉光とは1歳違いで、アタックする走りは数年前から2人の共通項。小段も今回のビッグレースで結果を残し、ついに強豪選手への仲間入りを果たした。
10月23日(土)、ジャパンカップオープン男子レースが行われた。クラブチームや学生などが参加するレースでステータスの高いものだ。タイミング上、コンチネンタルチーム関係者らも勝者や熱い走りに注目するレースでもある。
フルコース5周プラスショートカット1周の合計80.8km、162人の選手が11時05分にスタート。
1周目から5人が逃げる。青柳憲輝(オーベストディープラスデザイン)、早川朋宏、角田昌洋(エルドラード)、原川浩介(湘南ベルマーレ)、中根英登(中京大学)だ。5人は協調して逃げ続けるがメイン集団は1分差以内で周回する。
2周目以降で先頭から原川、そして角田が下がり、青柳、早川、中根の大学生3人で逃げ続ける。
4周目終了時点では先頭の3人に岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)が合流、さらに武井享介(FOLZA!)らが追いメイン集団が迫り、そして吸収される。
6周目の最終周回、ひとつになった先頭集団は最後の古賀志林道へ。頂上500mほど手前で小段がアタック、残された7人は追うが牽制も入り、前は見えている状況のまま、差は10秒前後のままで推移する。
必至に逃げる小段と7人の差は縮まらない。そしてゴール前、小段が単独で後に7人を従えて現れる。小段は会心のガッツポーズでゴールを駆け抜ける。後方の7人ではチームメイトの栂尾が頭をとってガッツポーズ、見事ワン・ツーフィニッシュを飾った。
第2集団は1分26秒遅れで大塚航(岩井商会GANWELL RACING)を先頭にゴール。この中には沖縄インターハイロード優勝の小橋勇利(愛媛県松山工業高校)も入っている。
優勝の小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)のコメント
終盤に人数が絞れたときに(栂尾)大知さんが最後の最後までアタックかけたので自分は脚を貯められた。レースで勝つのは初めて。(今日来ていない)高村監督からは今朝、「優勝でいいから」と言われていた。お世話になったのでようやく恩返しができた。数日前にチームでワン・ツー・スリーの夢を見た。正夢になりました。
2位の栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)のコメント
小段は強かった。ラストは集団の中で休ませてもらった。調子が悪くて後からスタートしたので大変だった。ラストののぼりで、小段がペースを上げてくれと言ったので自分が上げて、そして小段が前に出られた。うまく展開がはまった。長年レースやっていてよかった。
結果
1位 小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)2時間09分28秒
2位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+03秒
3位 大塚潤(GRUPPO ACQUA TAMA)
4位 岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)
5位 青柳憲輝(オーベストディープラスデザイン)
6位 平林昌樹(湘南ベルマーレ)
7位 早川朋宏
8位 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)+06秒
9位 大塚航(岩井商会GANWELL RACING)+1分26秒
10位 寺崎武郎(ブリヂストン・エスポワール)
11位 山根理史(湘南ベルマーレ)
12位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)
13位 才田直人(かぶちゃん農園・ボンシャンス飯田)
14位 松尾修作(Team CKT t-mit)
15位 沼田信也(FUJI-CYCLINGTIME.COM)
16位 近藤良亮(かぶちゃん農園・ボンシャンス飯田)
17位 小橋勇利(愛媛県松山工業高校)
18位 西谷雅史(オーベストディープラスデザイン)
19位 佐藤知紀(湘南ベルマーレ)
20位 嶌田義明(ブリヂストン・エスポワール)
photo:高木秀彰、Kei.TSUJI
text:高木秀彰
若手の登竜門として知られるジャパンカップオープン男子。その価値は高く、全日本選手権と並び称されるトップレベルのステータスを誇る。
そのビッグレースで今まで公式戦で優勝経験のなかった小段が、チームメイトの栂尾とワン・ツーフィニッシュを飾った。
小段も栂尾もレースでは常に積極的にアタックすることで知られる。栂尾は上位入賞多数だが、小段は多くはない。だがレース序盤のアタック合戦には常に参加し、逃げを作ったり率いたりすることが常。今シーズンからシマノレーシング入りした平塚吉光とは1歳違いで、アタックする走りは数年前から2人の共通項。小段も今回のビッグレースで結果を残し、ついに強豪選手への仲間入りを果たした。
10月23日(土)、ジャパンカップオープン男子レースが行われた。クラブチームや学生などが参加するレースでステータスの高いものだ。タイミング上、コンチネンタルチーム関係者らも勝者や熱い走りに注目するレースでもある。
フルコース5周プラスショートカット1周の合計80.8km、162人の選手が11時05分にスタート。
1周目から5人が逃げる。青柳憲輝(オーベストディープラスデザイン)、早川朋宏、角田昌洋(エルドラード)、原川浩介(湘南ベルマーレ)、中根英登(中京大学)だ。5人は協調して逃げ続けるがメイン集団は1分差以内で周回する。
2周目以降で先頭から原川、そして角田が下がり、青柳、早川、中根の大学生3人で逃げ続ける。
4周目終了時点では先頭の3人に岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)が合流、さらに武井享介(FOLZA!)らが追いメイン集団が迫り、そして吸収される。
6周目の最終周回、ひとつになった先頭集団は最後の古賀志林道へ。頂上500mほど手前で小段がアタック、残された7人は追うが牽制も入り、前は見えている状況のまま、差は10秒前後のままで推移する。
必至に逃げる小段と7人の差は縮まらない。そしてゴール前、小段が単独で後に7人を従えて現れる。小段は会心のガッツポーズでゴールを駆け抜ける。後方の7人ではチームメイトの栂尾が頭をとってガッツポーズ、見事ワン・ツーフィニッシュを飾った。
第2集団は1分26秒遅れで大塚航(岩井商会GANWELL RACING)を先頭にゴール。この中には沖縄インターハイロード優勝の小橋勇利(愛媛県松山工業高校)も入っている。
優勝の小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)のコメント
終盤に人数が絞れたときに(栂尾)大知さんが最後の最後までアタックかけたので自分は脚を貯められた。レースで勝つのは初めて。(今日来ていない)高村監督からは今朝、「優勝でいいから」と言われていた。お世話になったのでようやく恩返しができた。数日前にチームでワン・ツー・スリーの夢を見た。正夢になりました。
2位の栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)のコメント
小段は強かった。ラストは集団の中で休ませてもらった。調子が悪くて後からスタートしたので大変だった。ラストののぼりで、小段がペースを上げてくれと言ったので自分が上げて、そして小段が前に出られた。うまく展開がはまった。長年レースやっていてよかった。
結果
1位 小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)2時間09分28秒
2位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+03秒
3位 大塚潤(GRUPPO ACQUA TAMA)
4位 岩島啓太(なるしまフレンドレーシングチーム)
5位 青柳憲輝(オーベストディープラスデザイン)
6位 平林昌樹(湘南ベルマーレ)
7位 早川朋宏
8位 高岡亮寛(イナーメ・アイランド信濃山形)+06秒
9位 大塚航(岩井商会GANWELL RACING)+1分26秒
10位 寺崎武郎(ブリヂストン・エスポワール)
11位 山根理史(湘南ベルマーレ)
12位 小畑郁(なるしまフレンドレーシングチーム)
13位 才田直人(かぶちゃん農園・ボンシャンス飯田)
14位 松尾修作(Team CKT t-mit)
15位 沼田信也(FUJI-CYCLINGTIME.COM)
16位 近藤良亮(かぶちゃん農園・ボンシャンス飯田)
17位 小橋勇利(愛媛県松山工業高校)
18位 西谷雅史(オーベストディープラスデザイン)
19位 佐藤知紀(湘南ベルマーレ)
20位 嶌田義明(ブリヂストン・エスポワール)
photo:高木秀彰、Kei.TSUJI
text:高木秀彰
関連ファイル
JC2010OPENMEN_RESULT.pdf
(208.29 KB)
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