2009/04/08(水) - 12:03
「北のクラシック」第2戦、第71回ヘント〜ウェベルヘムがベルギーで開催される。最大勾配20%オーバーのケンメルベルグを2度クリアし、ゴールで繰り広げられるのは集団スプリントか、それとも逃げきりか。スプリンターにチャンスがあるワンディクラシック。別府史之(スキル・シマノ)も出場する。
平坦クラシック、ケンメルベルグが鍵
ヘント〜ウェベルヘムは、ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベに挟まれた「北のクラシック」3連戦の一つ。今年で開催71回目で、ロンドやパリ〜ルーベと比べるとその歴史は浅い。
しかし他の「北のクラシック」と明らかに異なるポイントが一点。それは、ピュアスプリンターにもチャンスがあるということだ。これまで数々の名スプリンターが、このウェベルヘムでクラシック制覇の称号を得てきた。
全長203kmのコースの大半は平坦路。ヘントの南15kmに位置する内陸部のデインセをスタートし、一路北海沿いのデパンヌに向かって西進。再び内陸部へと進路を変え、「モンテベルグ」と「ケンメルベルグ」を含む周回コースをクリアしてウェベルヘムにゴールする。
このケンメルベルグがレースの決め手となる。最大勾配が23%に達するこの上りは、距離が短いものの路面は石畳。この激坂が障害となるため、スプリンターだけでなくアタッカーにもチャンスが生まれる。
152km地点でケンメルベルグをクリアし、23kmの周回コースを回って再び激坂アタック。2回目のケンメルを終えると、ゴールまで残り35km。下りは細く、頂上通過後の位置取りも重要なポイントになる。
上りで飛び出した選手が逃げ切るか、それとも上りで縮小した集団によるスプリント勝負に持ち込まれるか。勝負どころのケンメルからゴールまで距離があるため、上りで遅れたピュアスプリンターにも集団復帰のチャンスはある。
コースには平坦な石畳区間も設定され、さらに海から吹き付ける強風が選手を襲う。思わぬ場所で致命的な集団分裂も起こり得るだろう。落ち着きのないベルギーの天候も、レース展開に影響を及ぼすハズ。単純に「ピュアスプリンターのためのクラシック」とは言い難い。
注目はクラシック2勝目を狙うカヴェンディッシュ
初出場のミラノ〜サンレモで劇的なスプリント勝利を飾り、最速スプリンターの地位を不動のものにしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)は、今大会で再びクラシック制覇に燃える。カヴは上りの脆弱さを克服しつつあり、デパンヌ3日間レース第2ステージでケンメルベルグをクリアして優勝を飾っている。ケンメルさえ乗り越えれば、カヴの勝算は高い。
そんなカヴを支えるのが、それぞれ2007年と2001年に逃げ切り勝利を飾っているマークス・ブルグハート(ドイツ)とジョージ・ヒンカピー(アメリカ)だ。チームコロンビアは強力なアシスト体制を敷いてカヴのスプリント勝利に備える。
2004年大会優勝のトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)は、ロンドを制したばかりのステイン・デヴォルデル(ベルギー)を従えての出場。ボーネンはパリ〜ルーベ連覇に集中するため、昨年3位のワウテル・ウェイラント(ベルギー)で勝利を狙う可能性も。
昨年スプリント勝利を飾ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)は、開催中のブエルタ・アル・パイスバスコを優先。フレイレに代わり、ノケレ・コールスで上りスプリントを制したグレーム・ブラウン(オーストラリア)が勝利を狙う。
ミラノ〜サンレモに続いてロンドでも2位に入ったハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)は、3度目の正直なるか。本来エースとして挑む予定だった2006年大会優勝者のトル・フースホフト(ノルウェー)は、ロンドで手首を痛めたため欠場する。
ティレーノ〜アドリアティコでカヴェンディッシュを下しているタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)も見逃せない。デパンヌ3日間レースで2日連続カヴに敗退したロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)は、南半球勢初の大会制覇を目指す。
スプリンターとしては他にも昨年2位のオレリアン・クレール(スイス、アージェードゥーゼル)やダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)、ゲラルド・チオレック(ドイツ、ミルラム)らが有力だ。
その一方で、アタックを仕掛けて逃げ切りを狙うのはファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)やフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)ら、スピードのある選手たち。フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)やマルティン・エルミガー(スイス、アージェードゥーゼル)らもレース終盤に逃げを打ってくるだろう。
そして昨年トップと同タイムの39位に入った別府史之(スキル・シマノ)はロンドからの連戦。ロンドではチームメイトにホイールを差し出し、集団復帰できぬままリタイアとなった。その悔しさをバネに、昨年を上回る成績に期待したい。フミはパリ〜ルーベ出場も決まっている。
平坦クラシック、ケンメルベルグが鍵
ヘント〜ウェベルヘムは、ロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベに挟まれた「北のクラシック」3連戦の一つ。今年で開催71回目で、ロンドやパリ〜ルーベと比べるとその歴史は浅い。
しかし他の「北のクラシック」と明らかに異なるポイントが一点。それは、ピュアスプリンターにもチャンスがあるということだ。これまで数々の名スプリンターが、このウェベルヘムでクラシック制覇の称号を得てきた。
全長203kmのコースの大半は平坦路。ヘントの南15kmに位置する内陸部のデインセをスタートし、一路北海沿いのデパンヌに向かって西進。再び内陸部へと進路を変え、「モンテベルグ」と「ケンメルベルグ」を含む周回コースをクリアしてウェベルヘムにゴールする。
このケンメルベルグがレースの決め手となる。最大勾配が23%に達するこの上りは、距離が短いものの路面は石畳。この激坂が障害となるため、スプリンターだけでなくアタッカーにもチャンスが生まれる。
152km地点でケンメルベルグをクリアし、23kmの周回コースを回って再び激坂アタック。2回目のケンメルを終えると、ゴールまで残り35km。下りは細く、頂上通過後の位置取りも重要なポイントになる。
上りで飛び出した選手が逃げ切るか、それとも上りで縮小した集団によるスプリント勝負に持ち込まれるか。勝負どころのケンメルからゴールまで距離があるため、上りで遅れたピュアスプリンターにも集団復帰のチャンスはある。
コースには平坦な石畳区間も設定され、さらに海から吹き付ける強風が選手を襲う。思わぬ場所で致命的な集団分裂も起こり得るだろう。落ち着きのないベルギーの天候も、レース展開に影響を及ぼすハズ。単純に「ピュアスプリンターのためのクラシック」とは言い難い。
注目はクラシック2勝目を狙うカヴェンディッシュ
初出場のミラノ〜サンレモで劇的なスプリント勝利を飾り、最速スプリンターの地位を不動のものにしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)は、今大会で再びクラシック制覇に燃える。カヴは上りの脆弱さを克服しつつあり、デパンヌ3日間レース第2ステージでケンメルベルグをクリアして優勝を飾っている。ケンメルさえ乗り越えれば、カヴの勝算は高い。
そんなカヴを支えるのが、それぞれ2007年と2001年に逃げ切り勝利を飾っているマークス・ブルグハート(ドイツ)とジョージ・ヒンカピー(アメリカ)だ。チームコロンビアは強力なアシスト体制を敷いてカヴのスプリント勝利に備える。
2004年大会優勝のトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)は、ロンドを制したばかりのステイン・デヴォルデル(ベルギー)を従えての出場。ボーネンはパリ〜ルーベ連覇に集中するため、昨年3位のワウテル・ウェイラント(ベルギー)で勝利を狙う可能性も。
昨年スプリント勝利を飾ったオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)は、開催中のブエルタ・アル・パイスバスコを優先。フレイレに代わり、ノケレ・コールスで上りスプリントを制したグレーム・ブラウン(オーストラリア)が勝利を狙う。
ミラノ〜サンレモに続いてロンドでも2位に入ったハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)は、3度目の正直なるか。本来エースとして挑む予定だった2006年大会優勝者のトル・フースホフト(ノルウェー)は、ロンドで手首を痛めたため欠場する。
ティレーノ〜アドリアティコでカヴェンディッシュを下しているタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)も見逃せない。デパンヌ3日間レースで2日連続カヴに敗退したロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)は、南半球勢初の大会制覇を目指す。
スプリンターとしては他にも昨年2位のオレリアン・クレール(スイス、アージェードゥーゼル)やダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)、ゲラルド・チオレック(ドイツ、ミルラム)らが有力だ。
その一方で、アタックを仕掛けて逃げ切りを狙うのはファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)やフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)ら、スピードのある選手たち。フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)やマルティン・エルミガー(スイス、アージェードゥーゼル)らもレース終盤に逃げを打ってくるだろう。
そして昨年トップと同タイムの39位に入った別府史之(スキル・シマノ)はロンドからの連戦。ロンドではチームメイトにホイールを差し出し、集団復帰できぬままリタイアとなった。その悔しさをバネに、昨年を上回る成績に期待したい。フミはパリ〜ルーベ出場も決まっている。