開催19回目を迎えるジャパンカップが今年も栃木県宇都宮市森林公園で開催される!HC(超級クラス)レースとして開催されるアジア最大のワンディレースに、今年も世界トップクラスの選手たちが参戦!一層注目が集まっているレースの生い立ちやコースの見どころをチェックしておこう!

今年で開催19回目 アジア最大のワンディレース

1990年ロード世界選手権 古賀志林道を走るショーン・ケリー(アイルランド)1990年ロード世界選手権 古賀志林道を走るショーン・ケリー(アイルランド) photo:Cor Vosジャパンカップの起源は、1990年に宇都宮市を舞台に開催されたロード世界選手権に遡る。世界チャンピオンを決める大舞台のために作られたのが、宇都宮市と鹿沼市をまたぐ時計回りの周回コース。そのスタート/ゴール地点には現在、記念碑が建てられている。

レースは終盤に飛び出したルディー・ダーネンスとディーク・デヴォルフのベルギーコンビが、ジャンニ・ブーニョ(イタリア)らを振り切ってワンツー勝利を飾った。プロ入り前のランス・アームストロング(アメリカ)も当時このコースを走った。

1990年ロード世界選手権表彰台、ルディー・ダーネンス(ベルギー)が優勝1990年ロード世界選手権表彰台、ルディー・ダーネンス(ベルギー)が優勝 photo:Cor Vos1992年、ジャパンカップは世界選手権のメモリアルレースとして産声をあげた。以降、1996年にはUCIワールドカップの最終戦に組み込まれており、その名はヨーロッパにも轟く。

ヨーロッパのトップチームが出場する日本で唯一のワンディレースとしての地位を確立。18年の歴史の中で、シーズン最後のこの時期に、数々のチャンピオンがジャパンカップでバトルを繰り広げた。

2008年からはプロツアーレースの一つ下のカテゴリーであるHC(超級クラス)レースとして開催されている。現在アジアツアーでHCの称号を得ているワンディレースはジャパンカップだけだ。

観客が詰めかけた古賀志林道が最大の勝負どころ

観客が詰めかける古賀志林道の上り観客が詰めかける古賀志林道の上り photo:Hideaki.TAKAGI宇都宮市森林公園の赤川ダム近くをスタート/ゴールとする14.1kmの周回コースは、ワールドカップ開催時に導入されたもの。半時計回りで、1990年の世界選手権とは逆回りだ。

最終周回(11周目)のみ後半部をカットした10.3kmのコースが使用される。阿部良之(当時マペイ)が優勝した1997年以降、毎年11周回・全長151.3kmで開催されている。

ジャパンカップ2010コースマップジャパンカップ2010コースマップ image:JAPANCUPコース最大の難所として知られているのが、スタート後すぐに始まる古賀志林道の上りだ。標高差185mを一気に駆け上がるこの上りには、毎年大勢の観客が詰めかけ、思い思いの方法で選手たちに声援を送る。上りの頂上には山岳ポイントが設定され、3周毎に山岳賞が与えられる。

頂上を越えると、カーブが連続するハイスピードダウンヒルが登場。普段から交通量が少ないため、苔に覆われている箇所もあり、雨が降れば危険な下りになる。危険が伴うため、古賀志林道の頂上から県道に至るまでの約3.5kmは、観客の立ち入り禁止区域に指定されている。

県道合流後は、萩の道の上りを含むアップダウンをこなし、鶴カントリークラブ前の上りを経てスタート地点に戻る。鶴カントリーの上りは登坂距離こそ短いものの勾配はキツい。

毎年レース終盤に向けてヨーロッパチームがペースを上げ、残り数周の古賀志林道で有力選手たちが動き始めるのがお決まりのパターン。最終周回は萩の道と鶴カントリーの上りがカットされるため、古賀志林道の頂上からゴールまでは約8km。最後の古賀志林道で飛び出し、後続を引き離した数名によるスプリント勝負に持ち込まれる可能性が高い。

ジャパンカップ2010コースプロフィールジャパンカップ2010コースプロフィール image:JAPANCUP

土曜日にクリテリウム初開催!

土曜日に開催されるクリテリウムのコース土曜日に開催されるクリテリウムのコース image:JAPANCUPまた、ジャパンカップ本戦に先立ち、土曜日にクリテリウムが開催される。開催場所は宇都宮市のど真ん中。目抜き通りである宇都宮市大通りを大胆に遮断し、直線的な周回コースが作られた。

選手たちは1.55kmの小さな周回コースを23周(3周回はパレード走行)。ハイスピードで市街地を駆け抜ける大集団の壮観な姿は必見だ。

ジャパンカップ2010日程
2010年10月23日(土)
09:00〜    フリーラン     14.1km(1周)
09:50〜    チャレンジレース  24.4km(14.1km×1周+10.3km×1周)
11:00〜    オープンレース男子 80.8km(14.1km×5周+10.3km×1周)
11:02〜    オープンレース女子 42.3km(14.1km×3周)
15:30~16:30  ジャパンカップクリテリウム 35.65km(1.55kmx23周)
11:00〜21:00  オープニングイベント(オリオンスクエアにて)

2010年10月24日(日)
ジャパンカップ・サイクルロードレース 151.3km(14.1km×10周+10.3km×1周)

ジャパンカップ歴代優勝者
2009年 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク)
2008年 ダミアーノ・クネゴ(イタリア)
2007年 マヌエーレ・モーリ(イタリア)
2006年 リカルド・リッコ(イタリア)
2005年 ダミアーノ・クネゴ(イタリア)
2004年 パトリック・シンケウィッツ(ドイツ)
2003年 セルジョ・バルベーロ(イタリア)
2002年 セルジョ・バルベーロ(イタリア)
2001年 ジルベルト・シモーニ(イタリア)
2000年 マッシモ・コドル(イタリア)
1999年 セルジョ・バルベーロ(イタリア)
1998年 ファビアン・ドワール(ベルギー)
1997年 阿部良之(日本)
1996年 マウロ・ジャネッティ(スイス)
1995年 クラウディオ・キアプッチ(イタリア)
1994年 クラウディオ・キアプッチ(イタリア)
1993年 クラウディオ・キアプッチ(イタリア)
1992年 ヘンドリック・ルダン(ベルギー)

text:Kei Tsuji

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