「勝たなくてはいけない」という気持ちが充満したレース会場。王者山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)がチェーン切れで脱落する中、今季はチームメイトに勝てなかった辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)が執念で勝利をつかみ取った。

山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)が久々に出場山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)が久々に出場 photo:Akihiro NakaoJシリーズも6戦目で最終戦となる石川県瀬女大会。今季を振り返ると八幡浜は山本和弘(キャノンデール・ファクトリーレーシング)、箱館山・春の富士見は武井亨介(チーム・フォルツァ!)、さのさか・秋の富士見は平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)と今まで優勝した事の無い選手が実力を発揮し始めた。

ワールドカップ主体の海外遠征で成績を出しつつある山本幸平に挑めるのか、選手達はその場にいないライバルと戦う今シーズンだったといえる。

1周目先頭を走る小野寺健(SUBARU/TREK MTB Team)1周目先頭を走る小野寺健(SUBARU/TREK MTB Team) photo:Akihiro Nakao今回は山本幸平が全日本以来の参戦、武井は不出場。コースは二カ所カットされ従来より短い5.2kmをエリート男子は7周回。天気は昨日から雲が流れる度に雨・曇り・晴れ・曇り・雨と十数分の内に変わるという信じられないコンディション。2時間という長丁場で如何に堪えられるかが勝負となった。

定刻2時スタートでまず飛び出すのは山本幸平、コース中程から小野寺健(SUBARU/TREK MTB Team)が先頭に出るものの、2周目には辻浦・山本幸平・斉藤が続いて走る。後方は山本和弘・小野寺・平野・松本駿(TREK)・門田基志(TEAM GIANT)。

平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)と斉藤亮(TEAM CORRATEC)平野星矢(チームブリヂストン・アンカー)と斉藤亮(TEAM CORRATEC) photo:Akihiro Nakao3周目には辻浦・山本幸平・斉藤の次に松本が上がってくる。4周目に山本幸平がスタート/ゴールを超えた登りでチェーンが切れてストップ。テックエリアが近いので修理で復帰するものの先頭争いから脱落。ここから1・2番手争いは辻浦と斉藤、3番手は松本・門田の争いになった。

天候はキツい雨が降ったかと思えば止んだりとペースが掴めない・メカトラブルで脱落する選手が続出。その中で辻浦が斉藤を引き離しに成功する。最終周回には門田が3番手に。ゴールには真っ黒の泥姿で辻浦がゴール。続いて斉藤、門田が念願の表彰台を獲得した。また、6位の平野がJシリーズランキングトップに輝いた。

最終周回でも攻める辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)最終周回でも攻める辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro Nakao

辻浦の表彰式でのコメント
「目まぐるしく変わる天候の中、自分はドライタイヤを選びました。前回、前々回と2位だったのが満足できなかったので一かバチかで勝負に出た結果です。スポンサー・応援してくれた皆さんありがとうございました」

XCOエリート男子表彰 左から斉藤亮(TEAM CORRATEC)・辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)・門田基志(TEAM GIANT)XCOエリート男子表彰 左から斉藤亮(TEAM CORRATEC)・辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)・門田基志(TEAM GIANT) photo:Akihiro Nakao山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)の乗る来季の新型アンカーMTB山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)の乗る来季の新型アンカーMTB photo:Akihiro Nakao


エリート女子は片山梨絵、エキスパートは沢田が横山に競り勝つ
片山梨絵(SPECIALIZED)片山梨絵(SPECIALIZED) photo:Akihiro Nakaoエリート女子は次のアジア大会への調整に向けた走り方にもかかわず勝利。出場レースは後続に大きなタイム差をつけて全て勝利となった。エキスパートは横山航太(TEAM GEAX OGK KABUTO)にいつも後塵をはいしていた沢田時(ENDLESS/ProRide)が悪天候を味方につけるかのように競り勝ちゴールした。

片山の表彰式でのコメント
「これぞMTBレースということで楽しめました。11月18日の中国のアジア大会に向けて中込由香里(SY-NakSPECIALIZE)選手と共に日本代表として戦います」

矢沢みつみ(みっつん)矢沢みつみ(みっつん) photo:Akihiro Nakaoエリート女子表彰エリート女子表彰 photo:Akihiro Nakao

エキスパート男子 沢田時(ENDLESS/ProRide)が競り勝つエキスパート男子 沢田時(ENDLESS/ProRide)が競り勝つ photo:Akihiro Nakaoスポーツ男子優勝・藤川正人(ストラーダレーシング)スポーツ男子優勝・藤川正人(ストラーダレーシング) photo:Akihiro Nakao

エリート男子
1位 辻浦 圭一(チームブリヂストン アンカー )1:57:41.57
2位 斉藤 亮(TEAM CORRATEC)+0:34.75
3位 門田 基志(TEAM GIANT)+1:17.23
4位 松本 駿(TREK)+1:49.67
5位 山本 幸平(チームブリヂストン・アンカー)+2:57.42
6位 平野 星矢(チームブリヂストン・アンカー )+3:29.63
7位 山本 和弘(キャノンデールファクトリーレーシング)+ 6:51.03
8位 江下 健太郎(Team over-do)+8:17.40
9位 小野寺 健(SUBARU/TREK MTB Team )+9:04.11
10位 合田 正之(サイクルクラブ3UP)+10:25.8017.0

エリート女子
1位 片山 梨絵(SPECIALIZED)1:35:36.82
2位 矢沢 みつみ(みっつん)+5:50.66
3位 中込 由香里(SY-Nak SPECIALIZED)+6:40.69
4位 田近 郁美.(GOD HIL)+11:08.93

エキスパート男子
1位 沢田 時(ENDLESS/ProRide)1:29:59.42 --17.3
2位 横山 航太(TEAM GEAX OGK KABUTO)+1:03.5417.1
3位 竹田 佳行(kei’s power!)+3:49.2516.6
4位 酒井 孝典( チーム・ガチャピン)+8:10.9115.8
5位 山田 夏樹(GASPANIC SP)+8:45.0115.7

スポーツ男子
1位 藤川 正人(ストラーダレーシング )0:57:09.65
2位 松尾 純(国際自然環境アウトドア専門学校)+1:29.4515.9
3位 伊澤 広大(BeeClub138)+2:55.76

スボーツ女子
1位 中村 千鶴(アライアンスAC )0:44:33.38
2位 広瀬 由紀(c-kirin.com)+3:34.74
3位 相野田 静香(TEAM GEAX OGK KABUTO )+4:58.09

text&photo:Akihiro Nakao