イタリアで新たなドーピング捜査“オペラシオン・コブラ=レッド”が勃発。家宅捜索の結果、リカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ)の義理の兄にあたるエンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)を含む6名が逮捕された。

ルント・ウン・ケルンで3位に入ったエンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)左ルント・ウン・ケルンで3位に入ったエンリーコ・ロッシ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)左 photo:Cor Vosイタリアのガゼッタ・デッロ・スポルト紙によると、イタリアのNAS(薬物取締機関)は9月21日、ドーピング捜査の一環としてイタリア各地で40件の家宅捜索を行い、6名を逮捕した。

逮捕者の中には、リッコのチェラミカ・フラミニア時代のチームメイトで、義理の兄(パートナーのヴァニア・ロッシの兄)にあたるエンリーコ・ロッシの名前も。チェラミカ・フラミニアは暫定的にロッシを出場停止状態にしている。

セルジオ・ソッターニ検事の指揮のもと行なわれた捜査で逮捕されたのは、ロッシの他、アマチュア選手2名、スポーツジャーナリスト1名、薬剤師1名、看護婦1名。いずれもイタリア中部に位置するローマやリミニ近郊在住だ。ガゼッタ紙によると、合計35名がこのドーピング捜査で名前が浮上。プロ選手6名やアマチュア選手15名、監督やトレーナー、薬剤師の名前が挙がっている。

今回のドーピング捜査は、通称“オペラシオン・コブラ=レッド”。コブラはリッコのニックネームで、レッドは“ロッシ”の英語訳だ。今回の捜査でリッコの直接的な関与は認められていない。しかしNASは今後も捜査を継続する。

2008年のツール・ド・フランスでCERA(第3世代EPO)の陽性が発覚し、20ヶ月の出場停止処分を受けたリッコ。今年チェラミカ・フラミニアで再起を果たしたリッコは、セッティマーナ・ロンバルダとジロ・デル・トレンティーノでステージ優勝を飾り、ツアー・オブ・オーストリアではステージ2勝と総合優勝に輝いた。しかしリッコは1年前倒しでチェラミカ・フラミニアを離脱し、オランダのヴァカンソレイユに移籍。リッコがチェラミカ・フラミニアに払った違約金は75,000ユーロ(約850万円)に上ると見られている。

パートナーのヴァニア・ロッシは元イタリアのシクロクロスチャンピオン。今年1月には、リッコが2008年に使用したのと同じCERAの陽性が発覚した。しかしBサンプルの再検査によって、CERAの陰性が判明している。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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