ワンデイレースとして国内最長距離を誇り、国際クラスから市民レースの最高峰のレースとして不動の人気を誇るツール・ド・おきなわが各クラスとも距離を伸ばし、より厳しくなって生まれ変わる。そして参加申し込みが8月1日より始まった。

「熱帯の花となれ風となれ」をモットーに、毎年11月に沖縄県北部地域「やんばる地方」で開催されるツール・ド・おきなわ。今年は各クラスともコースを変更し、約10km距離を伸ばした新しいコースが採用される。また、今年度大会の各クラスの参加申し込みは8月1日に開始された。今年から現金書留の郵送申し込みはなくなり、主にネットエントリーのみの受付となる。

ツール・ド・おきなわ2010 210km/140km/100km/40km新コースのコースマップ
210km/140km/100km/40kmコースマップ210km/140km/100km/40kmコースマップ (c)ツール・ド・おきなわ協会

10kmの延長、源河の三段坂が消え、羽地湖への上りが採用される

大会事務局の案内によれば「単に10kmの距離が長くなるのではなく終盤のアップダウンも超~ど級に!!」と表現されている、コースの主な変更点を説明しよう。まずは210kmに準じるロングコースから。

まずスタート&ゴール地点は、例年の国道58号線および名護市民会館メイン会場から、名護市内のメイン道路へと変更された。

大浦から羽地湖へかけて厳しい登りが始まる大浦から羽地湖へかけて厳しい登りが始まる (c)Makoto.AYANOそしてレース後半の有銘から源河へと海岸線を渡る上り坂(源河の三段坂)がコースから外れ、大浦湾の瀬嵩から羽地(はねじ)ダム湖を経て名護市へとアプローチするコースへと変更された。これにより距離は10km伸びることになった。

今までの大会の勝負どころとして重要なポイントだった「源河の三段坂」は無くなるが、新たに採用されたコース上には坂が連続する。

有銘から嘉陽へかけての坂、カヌチャベイリゾート前への坂、そして羽地湖へ至る「大浦の上り」が最後の勝負どころになると予想される。距離が伸びたことでさらに厳しさを増すレースとなるだろう。

辺戸岬スタートであった市民85kmは、スタート地点を奥に変更し、15km延長されて100kmのレースとなる。スタート後に「奥の上り」が追加される。

市民・シニア・レディース50kmは今までと変更はないが、新たに市民40kmクラスが新設される。東村をスタートし、130・210kmクラスの後半と同じコースをたどる市民40kmのコースは、既存の50kmクラスより距離は短いものの、スタート直後からアップダウンに富んだコースプロフィールのため、厳しさは50kmクラス以上のものがあると予想される。

スタートゴール地点に関しては名護市民会館前ではなく、過去2年タイムトライアルとクリテリウムが行われていた「まちなか」がメイン会場となる。名護十字路から「ひんぷんがじゅまる」にかけての大通りが交通封鎖され、レースのメイン会場となる。また、表彰式と好評の「ふれあいパーティ」もこのエリアで開催される。
これは参加者と住民とのふれあい・交流の機会を増やすことで『町おこし』につなげたいという願いがあるという。

ツール・ド・おきなわ実行委員長 森兵次さんツール・ド・おきなわ実行委員長 森兵次さん 実行委員長森兵次さんのコメント
「新コースで勝てるのは、真のタフネスをもつ人。挑戦を待っています」

コースはより過酷になったことで、皆さんにとって間違いなくさらに挑戦しがいのあるものになったと言えます。距離が長くなっただけではありません。源河の坂はなくなりましたが、有銘から先にはやっかいな3つの”コブ”が待ち構えます。それらレース終盤に現れる難所は、真にレースを決める勝負どころとなるでしょう。
それらは、有銘から嘉陽への坂、リゾートとして人気のカヌチャベイリゾートの前の坂を通り、羽地湖へと上る大浦の上りでとどめを差します。

また、85kmクラスはスタート地点が奥へと変更されたため100kmに伸びますが、プラス15kmという以上に、スタート直後に長い上り坂が難所として加わります。

今までも十分に厳しいコースでしたが、ツール・ド・おきなわは今年、さらにタフなレースとなります。勝つことができるのは本当のタフネスをもつ人ということになるでしょう。もう、生半可な気持ちではレースをすることは難しい。
どうぞ練習に練習を積んで、おきなわへ来て下さい。皆さんの挑戦をお待ちしています。

ツール・ド・おきなわ2009年大会から2010大会の各クラスの変更点

<国際レース>
国際チャンピオン 200km→210km
国際女子       85km→100km
国際ジュニア    130km→140km

<市民レース>
市民200km→210km
市民130km→140km
市民 85km→100km
市民50km (変更無し)
シニア50km (変更無し)
レディース50km (変更無し)
新設 市民40km

ツールドおきなわ210km系 新コース (ルートラボより)


ツール・ド・おきなわ事務局によるプレスリリースから、今年の大会の趣旨を抜粋して紹介する。

名護市のまちなかがおもしろい!!
第22回大会では名護市中心市街地(まちなか)が2日間かけて主会場となる。
数千もの銀輪が名護のまちなかに集結!!レース・サイクリングのスタート、全てのレースのゴールがまちなかとなり、圧倒的な光景がまちなかを活気へと導く。時速50kmを越す自転車レースはもちろん、サイクリングや三輪車競争・一輪車大会までサイクルスポーツの祭典にふさわしい賑わいが展開される。
国内のみならず世界へ「ツール・ド・おきなわ」というサイクルスポーツの祭典をここやんばるから発信していく。

ロードレースの壁がさらに高く!!
●ツール・ド・おきなわ大会のレース部門で距離の長さや過酷さが「ロードレースの最高峰」と称される市民レース200kmがなんと210kmとなり未知の世界へ突入する。単に10kmの距離が長くなるのではなく終盤のアップダウンも超~ど級に!!
新コースになって初のホビーレーサーの戦いは必見。日本一の称号を手にするのは・・・?!

各レースのレベルUP!!
●レースコースの延長に伴う距離の変更は、その他の種目にも反映される。国頭村道の駅スタートの130kmが140kmへ、また国頭村辺土岬スタートだった85kmがスタート地点を奥に変え100kmに。210km同様、終盤には今までにない過酷なコースが選手に立ちはばかる!

新種目登場!!
●東村スタートの新種目「市民レース40km」が登場!距離は最短となるが、コースは高低差があり50km系のコースより難易度は高い。新コースでの新チャンピオンが今年決定する!

保育園児の熱い戦い必見。Go!Go!三輪車レース!
●昨年大好評だった保育園児たちによる三輪車レースを今年も実施する。園児ならではの可愛い姿はきっと見ている観客も楽しめる事間違いなし!今年も可愛い園児たちの力走に注目!!

充実したサイクリング部門!!
●人気のロングライドサイクリングから大人から子どもまで楽しめるファミリーサイクリング、はたまた離島ならではの体験サイクリングまで、ツール・ド・おきなわ大会ではサイクリストの脚力に合わせた魅力ある種目でいっぱい!コースは北へ南へ、更には海を渡り各島々へと多種多様な種目が勢揃いしている。参加者増に伴い、本島一周サイクリングは定員を100名UP!

離島の体験サイクリングも日常を忘れるほどに楽しめる事まちがいなし!島の人達との交流や島ならではの体験メニューも充実。年に1度だからこそ体験をお勧めしたい!

家族での参加や自転車初心者には恩納村ファミリーサイクリング、伊江島ファミリーサイクリングがお勧め。県内屈指のリゾート地である恩納村の西海岸沿いを美しい海や潮風を肌に感じながら走るコース。「走り」を楽しみたい人にはチャレンジサイクリング100kmがお勧め!年々参加者も増えてきている人気種目の一つ。恩納村・金武町・宜野座村を経由して名護市を目指す。

ツール・ド・おきなわ2010ポスターツール・ド・おきなわ2010ポスター 大会ポスター決定!!
● 今年も大会ポスターが決定した!県外17点、県内38点合計55点の中から最優秀賞に選ばれたのは県内在住の濱田智有希さんの作品が決定!タイトルは「やんばるにサイクリストの虹がかかる」。沖縄らしい青い海や空、やんばるの動植物が描かれ、自転車との共存共栄がイメージされる。今年もツール・ド・おきなわ2010大会の新しい顔として活躍する。

2010大会 ポスター 「やんばるにサイクリストの虹がかかる」
作者:濱田智有希さん(42)浦添市在住
作品のコメント「やんばるの海・空・自然を目を惹く鮮やかな色彩で表現。レーサー達は虹(アルカンシエル・カラー)で表現しました。」
※アルカンシエル⇒仏語で虹の意味、世界チャンピオンが着るジャージーの色。




地域環境保護活動の取り組み
●ツール・ド・おきなわ大会の舞台やんばる。ここには沖縄でしか見られない貴重な野生動物が多数生息しており豊かな自然が多く残っている。本大会が地域環境保護活動の取り組みとして、やんばるクイナ保護活動を支援します。やんばるクイナの生息する道路のクリーンサイクリングなどをはじめ、大会参加者による地域貢献を高めるとともにツール・ド・おきなわ大会を開催することの意義をより深めていく。今後は支援先を限定するものではなく、地域事情に配慮して取り組んでいく。





text:Makoto.AYANO

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