第81回ブエルタ・ア・エスパーニャは最初の休息日を挟み、スペイン南部へと舞台を移す。第2週はスプリンター向けのステージを挟みながら、カラール・アルトとシエラ・デ・ラ・パンデラで総合争いが再燃する。勝負どころ満載の6日間を、各ステージのコースと共にプレビューする。



第10ステージ 9月1日(火)
アルカラス〜エルチェ・デ・ラ・シエラ 184.7km(丘陵)


第10ステージ アルカラス〜エルチェ・デ・ラ・シエラ image:A.S.O.

第81回ブエルタ・ア・エスパーニャは1度目の休息日を終え、地中海沿岸を一度離れ、内陸のアルカラスから再スタートを切る。エルチェ・デ・ラ・シエラを目指す184.7kmは3つの3級山岳を越える丘陵ステージだが、大方の予想は集団スプリントだ。

コースプロフィールが示す通り、延々と続く平坦区間はない一方で、スプリンターを退けるほどの急勾配もない。注意すべきは、最終3級山岳の直前に登場する平均勾配8.1%のカテゴリーなき登り。ただし距離が短いため、大きな動きにはつながりにくいだろう。最終3級山岳プエルト・デ・ソコボス(距離9.7km/平均3.5%)は残り21.5km地点で頂上を迎え、その後は下りと登り返しを経て、ラスト4.5kmは緩やかな登り基調となる。



第11ステージ 9月2日(水)
カルタヘナ〜ロルカ 153.8km(平坦)


第11ステージ カルタヘナ〜ロルカ image:A.S.O.

2日連続で白熱の集団スプリントが見られるか。内陸を舞台にした前日から一転、選手たちは早くも地中海へ戻ってきた。紀元前3世紀にカルタゴ人によって築かれながら、「新しい街」を意味するスタート地点のカルタヘナは、地中海に面する港町。カテゴリー山岳はステージ後半の3級山岳アルト・デ・アレドのみで、登坂距離9.5km、平均勾配4.2%と、レースを大きく動かすほどの難易度ではない。

頂上からフィニッシュまでは32kmで、大半は緩やかな下り基調。ラスト5kmは完全な平坦路となり、各チームがトレインを組み、集団がコース幅いっぱいに広がる典型的な集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。



第12ステージ 9月3日(木)
ベラ〜カラール・アルト 166.6km(山岳)


第12ステージ ベラ〜カラール・アルト image:A.S.O.

スプリンターが主役となったであろう2日間を終え、第12ステージからマイヨロホ争いが再び動き出す。その舞台は地中海に面したベラから内陸を進んでいく166.6kmで、徐々に標高を上げていく典型的な山岳ステージだ。最初の3級山岳はスタート直後から始まり、レース前半にはさらに3級、2級山岳を越える。そして長い下りを経て待ち受けるのが、2連続の1級山岳だ。

最後から2つ目のベレフィケ峠(距離13.1km/平均7.2%)でプロトンの人数は絞り込まれ、下りを経て最後は、ヨーロッパ大陸最大の光学望遠鏡を擁するカラール・アルト天文台へ向かう1級山岳カラール・アルト(距離16.9km/平均5.6%)を駆け上がる。平均勾配が5.6%にとどまるのは、途中に緩斜面や短い下りが含まれるため。序盤3kmには2桁勾配が登場する、数字以上に厳しい登りとなる。



第13ステージ 9月4日(金)
アルムニェカル〜ロハ 192.8km(中級山岳)


第13ステージ アルムニェカル〜ロハ image:A.S.O.

序盤の1級山岳で逃げが形成され、終盤の2級山岳でアタックがかかる。そんな予想をしたくなるブエルタ第13ステージは、まさに逃げ向きのレイアウトだ。

出発地点はカルロス・ロドリゲス(ネットカンパニー・イネオス)の故郷アルムニェカル。そこから北の内陸へ向かう192.8kmの長丁場となる。フィニッシュ地点のロハまでには、1級山岳ベンタ・デ・ラ・セバダ(距離14.1km/平均5.1%)、3級山岳アルト・デル・レヒオナリオ(距離15.4km/平均3.1%)、そして最後の2級山岳プエルト・デ・グラナダ(距離7.4km/平均5.6%)と、3つのカテゴリー山岳が設定されている。しかしプエルト・デ・グラナダの山頂からフィニッシュまでは37.4kmを残し、ラスト約12kmは完全な平坦路だ。



第14ステージ 9月5日(土)
ハエン〜シエラ・デ・ラ・パンデラ 154.5km(山岳)


第14ステージ ハエン〜シエラ・デ・ラ・パンデラ image:A.S.O.

翌日の第15ステージは中級山岳ながらスプリンターにもチャンスのあるレイアウト。そのため、第14ステージがブエルタ2週目最後の本格的な総合争いの場となりそうだ。登場するカテゴリー山岳は後半からの2級、2級、1級山岳の3つだが、スタートからフィニッシュまで平坦区間は見当たらないため、コースの獲得標高差は4,338mに達する。

選手たちが最初に臨むのは2級山岳プエルト・デ・ロス・ビジャレス(距離10.5km/平均5.4%)で、下りと細かなアップダウンを経て、2級山岳プエルト・デ・ロクビン(距離8.7km/平均5.1%)へ。そして最後に臨むのは、標高1,797mにフィニッシュ地点が置かれた1級山岳シエラ・デ・ラ・パンデラ(距離11.9km/平均7.2%)だ。

急勾配区間は残り4.5km地点から始まり、その後2kmにわたって10%を超える勾配が続く。フラムルージュ手前には最大15%の区間も登場。最終1kmは一度下った後、最後の数百mで再び登りに転じるため、マイヨロホ争いにさらなるアクセントを加えそうだ。



第15ステージ 9月6日(日)
パルマ・デル・リオ〜コルドバ 189.7km(中級山岳)


第15ステージ パルマ・デル・リオ〜コルドバ image:A.S.O.

マイヨロホ争いの輪郭がより鮮明になった翌日、主役は再び登りに強いスプリンターへと移る。バランスよく配置された3つの3級山岳に加え、細かなアップダウンによって獲得標高差は3,525mに達するため、スプリンターには相変わらず登りをこなせるタフさが求められる。

序盤には3級山岳プエルト・デ・ラ・フォレスタル(距離6.7km/平均4.1%)、後半にはアルト・ビジャビシオサ・デ・コルドバ(距離5.7km/平均4.8%)が登場。そして最大の勝負どころは、残り36.6km地点で頂上を迎える3級山岳プエルト・デ・アルタフィ(距離5.9km/平均5.6%)だ。コースは異なるものの、前回コルドバにフィニッシュした2024年は、終盤の登りで人数の減った集団からワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)がスプリント勝利。そして今年も集団スプリントに持ち込まれる展開が予想される。



休息日 9月7日(月)



text:Sotaro.Arakawa
image:A.S.O.
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