チェコ・ツアー最終日を制したのは昨年のツアー・オブ・ジャパン覇者アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、MBHバンクCSBテレコムフォート)。20歳のアンドリュー・オーガスト(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス)が総合優勝を挙げ、43歳のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、ソリューションテックNIPPOラーリ)と総合表彰台に登った。



アンドリュー・オーガスト(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス)を先頭に特別ジャージ着用者が並ぶ photo:Czech Tour

チェコ・ツアー(UCI2.Pro)の最終日は登坂距離7.9km/平均勾配6.6%の1級山岳「プステヴニー峠」にフィニッシュする160.2km。ステージ2連勝で総合リーダーを維持するアンドリュー・オーガスト(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス)と、総合2位アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、MBHバンクCSBテレコムフォート)のタイム差は11秒、現役復帰した総合3位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、ソリューションテックNIPPOラーリ)とのタイム差は23秒と、一発逆転も十分に起こるうる状況で最終日がスタートした。

この日はジョフリー・ブシャール(フランス、トタルエネルジー)を含む5名が逃げ、オーガストを守るネットカンパニー・イネオスが集団の先頭を牽く形で距離を消化する。逃げと距離の差が縮まった状態で最終1級山岳に入ると、フィンレー・ターリング(イギリス)の死去を悼む喪章をつけたNSNサイクリングチームが集団のペースを引き上げた。

ジョフリー・ブシャール(フランス、トタルエネルジー)を含む5名の逃げグループ photo:Czech Tour
レース中盤には逃げグループが踏切で停止するアクシデントも発生 photo:Czech Tour


集団のコントロールを行うネットカンパニー・イネオス photo:Czech Tour

母国最大のレースで総合ジャンプアップを狙うヤン・ヒルト(チェコ)のためのペースアップが集団を一気に絞り込み、登坂区間後半に再びネットカンパニー勢が主導権を奪ってラスト1km。早駆けしたファンチェルはペダルを外して失速したものの、体制を立て直してから再びロングスプリントで加速し、マークに徹するオーガストを抑えたままフィニッシュラインに飛び込んだ。

昨シーズンはチーム右京に所属してツアー・オブ・ジャパンを制し、今年からハンガリー籍(チームの大半はイタリア人選手)のUCIプロチーム「MBHバンクCSBテレコムフォート」に移籍したファンチェルが今季初勝利をマーク。タイム差なしのステージ2位に食い込んだオーガストがキャリア初のステージレース総合優勝を掴み取った。

1級山岳フィニッシュを制したアレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、MBHバンクCSBテレコムフォート) photo:Czech Tour

総合優勝した"AJ"オーガストは2005年10月12日生まれの若干20歳。シクロクロス選手としていち早く頭角を現し、アメリカ国内のジュニア選手育成プログラムを経て2024年に17歳でイネオス入りした注目株だ。今年は2月のヴォルタ・バレンシアナでプロ初勝利を挙げ、4月のイツリア・バスクカントリーでUCIワールドツアー初勝利、そしてこのチェコ・ツアーではステージ2勝+総合優勝とブレイクしてみせた。グランツールを筆頭とする有名レースへの出場数は多くないものの、ロードレースファンは今後その名前を覚えておくべきだろう。

総合優勝は20歳のオーガストで、総合3位には、2984年生まれ41歳の新城幸也にアシストされた1982年生まれ43歳のポッツォヴィーヴォがランクイン。実に23歳違いのクライマーどうしが同じ表彰台に登ることとなった。

総合優勝を達成したアンドリュー・オーガスト(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス) photo:Czech Tour

総合表彰台:1位オーガスト、2位ファンチェル、3位ポッツォヴィーヴォ photo:Czech Tour
チェコ・ツアー2026第4ステージ
1位 アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、MBHバンクCSBテレコムフォート) 3:42:16
2位 アンドリュー・オーガスト(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス)
3位 ニコラ・ブルイヤール(フランス、トタルエネルジー)
4位 ヴァーツラフ・イェジェク(チェコ、カスパー・クリプト4ミー) +0:05
5位 フィリッポ・トゥルコーニ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)
6位 ピョトル・ペンカラ(ポーランド、ATTインベストメント)
7位 マックス・ボック(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ・ルーキーズ)
8位 アレックス・トリオ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール)
9位 エンブレット・スヴェースタッド=ボードセン(ノルウェー、ネットカンパニー・イネオス) +0:10
10位 カミル・ボヌー(ベルギー、ソリューションテックNIPPOラーリ)
個人総合成績
1位 アンドリュー・オーガスト(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス) 15:08:12
2位 アレッサンドロ・ファンチェル(イタリア、MBHバンクCSBテレコムフォート) +0:07
3位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、ソリューションテックNIPPOラーリ) +0:41
4位 フィリッポ・トゥルコーニ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール) +0:51
5位 ニコラ・ブルイヤール(フランス、トタルエネルジー) +0:54
6位 マックス・ボック(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ・ルーキーズ) +0:59
7位 ヴァーツラフ・イェジェク(チェコ、カスパー・クリプト4ミー) +1:03
8位 エンブレット・スヴェースタッド=ボードセン(ノルウェー、ネットカンパニー・イネオス) +1:03
9位 ヤン・ヒルト(チェコ、NSNサイクリングチーム) +1:08
10位 アレックス・トリオ(イタリア、バルディアーニCSF・7サベール) +1:24
その他の特別賞
ポイント賞 アンドリュー・オーガスト(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス)
山岳賞 ミハル・シュラン(チェコ、チームユナイテッド・シッピング)
ヤングライダー賞 アンドリュー・オーガスト(アメリカ、ネットカンパニー・イネオス)
チーム総合成績 バルディアーニCSF・7サベール
text:Sotaro.Arakawa
photo:Czech Tour